JPS6244502B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特許請求の範囲第１項または１０項の
上位概念に記載のたとえば手術中に患者自身の血
液を捕集および再注入する装置に関する。

手術とくに心臓手術および重傷の場合、非常に
しばしば患者の失血が生じ、これは患者の生命を
危険にさらさないように迅速な輸血によつて補償
しなければならない。とくに手術の場合失血は失
われた血液がなお処置しうる形すなわち外科医の
手が届く患者の体腔内の血液プールの形で発生す
る。それゆえ血液をこのような血液プールから再
び捕集し、同じ患者に再注入することは公知であ
る。同じ患者に対する捕集および新たな再注入の
このような過程は手術内自家輸血とも称される。

自家輸血を実施するため、とくに心臓手術の場
合患者を心−肺機械へ接続し、この機械により血
液をその中に設置したポンプを介して吸引し、患
者に再供給することが公知である。しかしこのよ
うな心−肺機械はきわめて高価であり、したがつ
てすべての手術室では利用できず、さらにこのよ
うな機械の注意深い操作にもかかわらず、容易に
破壊されるきわめて活性の液体である血液は比較
的長い通路の途中である程度損われる。したがつ
て血液を吸引ヘツド、これに接続した吸引導管お
よび吸引接続口を介して形状安定容器中へ吸入す
る特許請求の範囲第１項の上位概念を有する装置
がすでに公知である。この容器は少なくとももう
１つの接続口を介して減圧源と結合し、それによ
つて血液の吸引に必要な減圧が容器内に発生す
る。たとえば2000cm³の収容容積を有する容器が完
全にまたはほとんど充てんされたとき吸引導管を
クランプし、減圧源に通ずる導管をもう１つの接
続口から切離し、この接続口へ常用の注入器を場
合により血液フイルタを介して接続し、それによ
つて患者に常用法により容器内にある血液が注入
される。

この公知装置は血液を短い通路で捕集できるの
で、損傷がほとんど避けられる利点を有するけれ
ど、少数の欠点のため完全には満足でない。主要
な欠点はこの装置によれば容器内に捕集した血液
が常用の輸血法によつてしか患者の血管へ再注入
できないことである。しかしここに問題とする自
家輸血はつねに患者の失血が大きい場合に行われ
るので、患者に血液を短時間で再注入することが
同時に重要である。それはさもなければ長い時間
内に生命に危険な著しい体血の不足が発生しうる
からである。短時間の再注入は捕集した血液の圧
力注入によらなければ達成されない。しかし公知
装置はこのためには適さず、さらに患者の空気栓
塞の危険なしには実施することができない。

さらに前記装置に類似の手術内自家輸血装置が
公知であり、この場合患者の血液はまず形状安定
容器内へ減圧によつて吸入され、次にこの容器か
ら血液ポンプにより患者に再注入される（米国特
許第4047526号および第4033345号参照）。この公
知装置の１つの実施例によれば形状安定容器へ接
続した血液ポンプは軸方向に圧縮可能のベローに
よつて形成され、このベローは形状安定容器と解
除可能に結合され、このベローにより形状安定容
器内の真空より高真空を発生することができる。
このベローは血液を充てんした後形状安定容器か
ら取りはずし、再注入のため麻酔医に渡される。
この公知装置の他の実施例によれば血液ポンプは
もう１つの容器によつて形成され、形状安定容器
と解除不可能に結合される。このポンプは内側に
ある弾性変形可能の第３の容器を有し、入力およ
び出口にそれぞれ逆止弁が配置される。弾性変形
可能の容器は接続口へ過圧および減圧を交互にお
よぼすことによつて圧縮および再膨張するので、
２つの逆止弁の作用下に血液は第１形状安定容器
から吸出され、次に出口弁から患者に再供給され
る。

この公知装置によつて血液を再び迅速に供給す
ることが可能であるけれど、血液が形状安定容器
内および血液ポンプ内の血液に対し異質の比較的
大きい表面と接触し、さらに血液ポンプ内に発生
した、形状安定容器内の真空を超える真空によつ
て損傷するのが欠点である。

それゆえ本発明の目的は血液を短い通路で損傷
なく患者から捕集し、同様短い通路で損傷なく短
時間で患者に再供給しうる自家輸血の実施装置を
得ることである。

この目的を解決するため本発明により原理的に
は同じ機能を有するけれど、構造的には互いに異
なる装置の２つの実施態様が提案される： 血液を吸入するための吸引接続口および減圧源
へのもう１つの接続口を備える形状安定容器を有
する前記公知装置から出発して本発明による特徴
を有する第１の装置は形状安定容器内にもう１つ
の容易に変形しうる容器が収容され、その内部空
間が吸引接続口およびもう１つの接続口と結合
し、変形可能容器の外面および形状安定容器の内
壁によつてもう１つの閉鎖空間が仕切られ、その
際形状安定容器が圧力媒体の選択的供給のために
この空間と結合する閉鎖可能の圧力接続口を備え
ている。

本発明のこの第１実施例の場合、血液は形状安
定容器内および容易に変形しうる容器内に作用す
る減圧により吸引接続口から吸入される。容器内
に作用する減圧により容易に変形しうる容器はつ
ぶれない。というのは吸入過程の間、変形容易容
器の外面と形状安定容器内壁の間のもう１つの空
間は外部に対し、たとえば圧力接続口へ嵌めたプ
ラグによりまたは圧力接続口を吸引過程の間もつ
と低い減圧源へ接続することによつて閉鎖されて
いるからである。容器が血液で充てんされたとき
吸引導管をクランプし、または吸引接続口自体を
任意の方法たとえば弁によつて閉鎖し、減圧弁と
の結合を切離す。さらに圧力接続口へ圧力源たと
えば手動操作可能のゴムボールハンドブロアを接
続し、変形容易容器外側のもう１つの空間に制御
可能の量および圧力の圧力媒体を供給することが
できる。形状安定容器はこの圧力媒体の圧力によ
つて少しも変形しないので、変形容易容器内に含
まれる血液に圧力媒体の圧力に相当する圧力がお
よぼされ、この圧力によつて血液は圧力注入器お
よび場合によりその前に配置した血液フイルタを
介して患者に接続した後、所望の短い時間で再注
入される。容器内に含まれる血液はこの場合変形
容易容器の外側から大きい表面を介して加圧さ
れ、したがつて赤血球の圧縮がなく、かつポンプ
通過および血液と非融和性の材料との接触の際し
ばしば認められる血液成分のその他の損傷も避け
られる。とくに輸血に常用の血液袋に類似する袋
である血液と接触する内側の変形容易容器は血液
と融和性の材料たとえばポリエチレン、シリコー
ンゴム、PUR、PVCからなることは明らかであ
る。

内側容器を形成する袋は有利に未変形状態で形
状安定容器内壁の輪かくにほぼ一致し、形状安定
容器の内壁とともに吸引接続口の近くで密に結合
するように形成される。結合は形状安定容器およ
び変形容易容器に対し適当に選択したプラスチツ
クの接着または溶接によつて行われる。製造技術
上有利な前記第１実施例の他の形成によればたと
えばプラスチツクシートで製造した内側の変形容
易な袋の両端面または両端に硬い材料からなる接
続口が溶接され、その外面は外側の形状安定容器
の孔の対応するシール面と協力作用するシール面
を形成する。これは２つのシール面の１つへシー
ルリング等を挿入することによつて達成される。
しかしこの位置でプラスチツクの溶接または接着
を行うこともできる。

袋の代りに内側の変形可能容器に軸方向圧縮可
能のベローを使用し、このベローの２つの接続口
の少なくとも１つを接続管によつて形成すること
ができる。ベローの接続口が、必須ではないけれ
ど両端面にある場合、含まれる血液を再注入する
ため、もう１つの空間へ圧力媒体を導入すること
によつて送出しうるように、１つの接続口は形状
安定容器の相当する孔の中を、孔をシールしなが
ら滑動しうるように案内されなければならない。

本発明の第２の基本的実施例は同様血液吸入用
の吸引接続口および容器内に減圧を発生するため
のもう１つの接続口を備える前記公知装置から出
発する。しかし公知装置の場合も本発明の前記第
１実施例の場合も容器の形状安定性は容器の材料
および壁厚の適当な選択によつて達成されるけれ
ど、本発明の他の基本的実施例によれば形状安定
容器は軸方向圧縮可能のベローであり、その軸方
向形状安定性はその相対する端部に固定しうる剛
性ホルダによつて達成される。この場合ベローは
曲げ強度の高い材料からなり、その壁厚は個々の
ひだの折れ縁のフイルム蝶番状形成によつてベロ
ーの前記軸方向圧縮性は達成されるけれど、著し
い半径方向変形は材質によつて達成される剛性の
ため発生しないように、選択される。剛性ホルダ
たとえばフレームをベローの膨張した状態で、フ
レームがベローの端面にある形状結合要素を保持
するように使用することによつて、減圧が作用す
る際もベローがその膨張状態を維持し、したがつ
て血液を吸引接続口から内部へ吸入することが達
成される。ベローが全部またはほとんど充てんさ
れると、本発明の第１実施例に関連して説明した
ように閉鎖が行われる。しかし血液の再注入はこ
の場合ベローを圧力媒体源へ接続することによる
のでなく、ベローの軸方向圧縮によつて実施され
る。この圧縮は種々の方法たとえば麻酔医の手に
より、加圧装置たとえば膨らましうる加圧マンシ
エツト等へ挿入することにより実施することがで
きる。とくにベローの手による圧縮は麻酔医が圧
力を圧縮空気供給によつて可能なより十分感覚的
に制御しうる利点がある。

前記公知装置のもう１つの欠点は血液プールか
ら形状安定容器へ吸引した後、吸引導管をクラン
プで閉鎖することによりさらに空気吸引が続くこ
とは避けられるけれど、減圧源からの減圧は依然
として形状安定容器内部に完全に有効に留まるこ
とである。それによつて同様血液破壊の少なから
ぬ危険が残る。というのはたとえば赤血球は減圧
のため過大に膨張して破裂するからである。それ
ゆえ本発明のもう１つの形成によれば前記２つの
基本的実施例の場合に減圧源に通ずる減圧導管
に、形状安定容器内の調節可能の減圧を制限する
ため圧力制限器が配置される。きわめて簡単な実
施例の場合、このような圧力制限器は所定の減圧
でつぶれるシリコーンゴムからなる１片のホース
によつて形成される。血液に対して臨界的な減圧
値に達すると、シリコーンゴムのホース片は支配
する減圧によつて圧縮され、形状安定容器の引続
く排気が阻止される。

同様捕集した血液を注意深く圧力再注入する本
発明の提案の原理に基く本発明の基本的第３実施
例によれば、初めから吸引血液の捕集容器として
軸方向圧縮可能のベローが使用され、このベロー
はその材料の固有弾性および（または）たとえば
その端面に作用する外力によつて圧縮状態から拡
張状態へ復元可能であり、吸引接続口に容器内へ
の流入方向に開く逆止弁および他の接続口に容器
から流出する方向に開く逆止弁が配置される。

この第３実施例の場合、吸引効果は存在する固
有弾性および（または）ばね力により生ずるベロ
ーの膨張によつて初め圧縮した状態から発生し、
その際血液保護のため減圧はベロー圧縮の程度に
よつて制御することができる。この場合もベロー
の材料および壁厚は膨張の際内部に発生する減圧
によりベロー側壁が裏返らないように選択され、
これはベロー構造に固有の高い剛性により容易に
達成される。接続口に配置した逆止弁はベロー内
へ吸入した血液が逆流し得ず、かつ吸引に必要な
減圧が後の再注入に役立つ接続口から流入する空
気によつて破壊されないために役立つ。この基本
的実施例の場合も再注入は本発明の第２の基本的
実施例の場合と同様にベローの手または機械によ
る圧縮によつて行われる。

ベローの前記弁配置により外科医はベローが１
部しか充てんされない場合ベローを手で新たに圧
縮し、中に含まれる空気を外側へ開く逆止弁を介
して押出し、ベローを新たに解放することによつ
て、空気を除去した内部空間にさらに血液を充て
んすることができる。ベロー内に含まれる空気を
押出す際同時に血液が不所望に押出されるのを避
けるため、有利な形成によればもう１つの接続口
を配置した逆止弁の前に容器から流出する方向に
遮断する液体逆止弁が配置される。この弁は液体
にのみ遮断機能が生ずる。このような液体逆止弁
はたとえばベロー内部の接続口の前に旋回可能に
配置されたシートフロートまたは空気より重く液
体より軽いボールである。したがつてベローの圧
縮によつてもう１つの接続口の開口まで血液が上
昇すると、初め空気押出の際遮断効果を発揮しな
いシートフロートまたはボールが浮上し、この接
続口の閉鎖に作用する。疎水性フイルタを弁とし
て使用することもできる。

本発明の前記すべての基本的実施例においてそ
れぞれの容器が生理的に問題のない材料たとえば
ポリエチレン、ポリウレタンまたはポリアミドか
ら形成され、とくに中の血液の液高を監視しうる
ように透明または半透明であることは明らかであ
る。

次に本発明を有利な実施例の図面により説明す
る。

第１図に部分的に示す血液の捕集および再注入
装置は全体的に１で示す容器装置からなり、この
容器へ図示されていないクランプで閉鎖しうる吸
引導管２を介して同様図示されていない吸引ヘツ
ドが接続される。さらに容器装置１は取りはずし
可能に固定した減圧導管３を介して略示した減圧
源４たとえば真空ポンプへ接続可能である。装置
は自体公知の同様図示されていない注入器により
完成され、この注入器の前に場合により血液フイ
ルタが配置され、この注入器は吸引導管２または
減圧導管３の代りに容器装置１へ接続することが
でき、後述のように容器装置１内に含まれる血液
の再注入に使用される。

容器装置は外側の形状安定容器１１およびその
内部に配置された変形容易な袋１２からなる。任
意の形を有しうるけれど、有利に円筒形であり、
両端面部でほぼ閉鎖した形状安定容器１１はその
相対する２つの端面に一定高さだけ外側へ拡がる
通路のような孔１３または１４を有する。袋１２
はその相対する端部に比較的硬いプラスチツク材
料からなる溶接した接続管１５を有し、これに適
当なホース継手により吸引導管２または減圧導管
３を接続することができる。袋１２の第１図に実
線で示す未変形状態で、袋は形状安定容器１１の
内側輪かくにほぼ相当する形を有するので、この
状態で袋１２の外面と形状安定容器１１の内壁の
間に形成される空間１６は小さい容積を有する。
形状安定容器１１の孔１３，１４の内面は接続管
１５の外面とともに空間１６の外部に対するシー
ルを形成する。このシールは溶接、接着または圧
入したシール剤等によつて達成される。それによ
つて内側の袋１２と形状安定容器１１の間の空間
１６は形状安定容器１１の壁に設けた圧力接続口
１７を介してのみ外部に連絡する。圧力接続口１
７は取りはずし可能のふた１８によつて閉鎖し、
このふた１８を除去した後、図示されていない圧
力源と結合する圧力導管１９を接続することがで
きる。

外側容器１１は液高を読取るための目盛２０を
備える。

形状安定容器１１の壁厚および材料は容器が内
部および外部から発生する圧力に大きい変形なし
に耐えうるように選択される。これに反し袋１２
は容易に折曲げまたは変形しうる薄いプラスチツ
クたとえばポリエチレンのシートからなる。

減圧導管３内に容易に変形しうるシリコーンゴ
ムからなるホース片２１が減圧制限器として挿入
される。

第１図実施例の機能は次のとおりである： 患者体腔内の血液プールから血液を吸入するた
め、減圧導管３を減圧源４と結合し、図示されて
いない吸引ヘツドを有する吸引導管２は外科医に
より患者の吸引すべき血液プールに保持される。
袋１２の内部に生ずる減圧のため血液は袋の中へ
吸入される。この時点で空間１６はふた１８によ
つて閉鎖され、または図示されていない導管を介
して同様減圧源４と結合しているので、容器内を
支配する減圧により袋１２はつぶれず、またはひ
だができない。袋はほぼ第１図に示す位置を保持
する。というのは形状安定容器１１の内壁から離
れる際生ずる減圧が袋を平衡に保持するからであ
る。袋１２したがつて容器１１がほぼ充てんさ
れ、または存在する血液プールが吸取切られたと
き、吸引導管２は図示されていないクランプによ
つて閉鎖され、減圧導管３の代りに図示されてい
ない圧力注入器を、場合によりその前に血液フイ
ルタを挿入して、接続管１５と結合する。圧力注
入器の針はあらかじめすでに患者の血管に刺して
固定してある。そこで圧力接続口１７からふた１
８または減圧源４への結合管を取りはずし、その
代りに接続口に圧力導管１９を接続する。圧力媒
体たとえば圧縮ガスを空間１６へ制御しながら供
給することによつて袋１２へ圧力をおよぼすこと
ができ、したがつてその中に含まれる血液に圧力
が作用し、血液は圧力の高さに応じて短いまたは
長い時間で接続口１３，１５から圧力注入器を介
して患者に供給される。圧縮の進行中ひだを形成
する袋の変形状態は第１図に破線で示される。

完全な圧縮によつて袋１２が空になつた後、袋
１２は空間１６へ圧力接続口１７を介して新たに
減圧をおよぼすことによつて再びその初めの未変
形状態へ膨張する。

圧力媒体として圧縮ガスの代りに、ポンプによ
つて供給する注入液を袋１２の中に含まれる血液
の押出に使用することもできる。

第２図の第２実施例は容器１１，１２を有する
容器装置１の代りにベロー３０を有し、そのひだ
３１の範囲の壁厚および材料はベロー内を支配す
る減圧下にもひだが半径方向に収縮しないように
選択される。これに反しひだ面の交差によつて形
成される折目３２の範囲の壁厚はフイルム蝶番の
ように比較的薄く維持されるので、ベロー３０は
軸方向すなわち矢３３の方向には容易に圧縮する
ことができる。ベロー３０はその相対する端面に
接続口１５を有し、この接続口は第１図に関連し
て説明したのと同様に吸引導管または減圧導管お
よび圧力注入器と結合することができる。この接
続口１５は少なくとも１つの突出するリングフイ
ン１５ａを有し、このフインはベロー３０の膨張
状態でそれぞれ略示したフレーム３６のアーム３
４または３５のフオーク状端部によつて下から支
持される。アーム３４，３５はこのような形状結
合によつてベロー３０の膨張状態を、ベローの内
部に前記過程と同様に減圧が作用する場合にも維
持する。ベローの２つの端壁３７，３８をこの位
置における折返りを防ぐため強力に形成し、また
は強化挿入体を備えるのが有利である。

ベロー３０は第２図に示す状態で第１図実施例
の形状安定容器１１と同等である。しかしこのベ
ローは同時にアーム３４，３５の形状結合をはず
した後は第１図実施例の袋１２に相当する変形容
易容器になり、その機能も充足する。

第２図実施例の機能は次のとおりである：まず
減圧源を接続口１５の１つに接続することによつ
てベロー３０の内部に減圧を発生させ、それによ
つて同様図示されていない吸引導管を介して血液
プールの血液がベロー内部へ吸入される。血液プ
ールが吸取切られ、またはベロー３０が完全にも
しくはほぼ血液で充てんされたとき、吸引導管を
クランプし、減圧導管の代りに第１図の場合と同
様に圧力注入器を接続する。ここでベローをフレ
ーム３６から取りはずす。次に中に含まれる血液
の患者への再注入はベロー３０を軸方向すなわち
矢３３の方向に圧縮して行われる。前述のように
軸方向圧縮は手によりもしくはベロー３０を膨ら
ましうる加圧マンシエツトへ挿入することによ
り、またはその他の加圧装置により行われる。

第３図実施例の場合、再注入する血液の捕集容
器としてベロー４０が使用され、このベローは原
理的には第２図のベロー３０と同じであるけれ
ど、ひだ面が交差する折目４２の範囲においても
相当な厚さを有するため、ベロー３０より高い固
有弾性を有する。この固有弾性はベロー４０の圧
縮後ベローが自動的に再び膨張状態へ戻るように
作用する。この固有弾性はベローの端面に掛かる
拡張ばね４３がベロー４０を拡げることによつて
支援することができる。

ベロー４０は前記実施例の場合と同様接続口１
５を備える。この接続口１５の１つは前記のよう
に吸引導管２と結合して血液をベロー４０の内部
へ吸入することができる。しかし他の接続口１５
は前記実施例と異なり減圧源へ接続されず、もつ
ぱら血液再注入の際の圧力注入器の接続に使用さ
れる。注入器のうち接続管および血液フイルタ４
４のドームが図示されている。

吸引導管２側の接続口１５に逆止弁４５が配置
され、この弁はベロー４０の内部の方向へ開き、
反対方向には遮断する。後に圧力注入器と結合す
る反対側の接続口１５に同様逆止弁４６が配置さ
れ、この弁はベロー４０の内部からの流れ方向に
開き、反対方向に遮断する。付加的に接続口１５
へ通ずる孔４７の近くに空気を充てんした軽いシ
ートフロート４８が支持され、このフロートはそ
の自重で第３図に示すように下へ垂れ、逆止弁４
６を通つてベローの内部から空気が流れても孔４
７の前へ動かない。

第３図に示す実施例の機能は次のとおりであ
る：まずベロー４０を手により軸方向にその最小
可能の容積まで圧縮する。そのためにベロー壁の
固有弾性および場合により存在する拡張ばね４３
の力より大きい力をおよぼさなければならない。
この状態で吸引導管２をクランプすると、ベロー
４０の内部へ空気が入り得ないのでベロー自体の
圧縮状態が維持される。そこで吸引導管２の図示
されていない吸引ヘツドを血液プールへ浸漬し、
吸引導管２を閉鎖したクランプを徐々に解放する
と、ベローはその固有弾性および拡張ばね４３に
よる前応力のため軸方向に膨張する。それによつ
てその容積は初めの圧縮状態に比して増大し、血
液は吸引導管２およびこの方向に開く逆止弁４５
を介して吸入される。逆止弁４６によつてこの期
間の間空気の侵入が阻止されるので、減圧効果が
維持される。不注意によりまたはある程度の漏洩
により一定量の空気がベロー内部へいつしよに侵
入し、ベローがすでに最大に膨張していてもベロ
ーが血液で完全に充てんされない場合、外科医は
ベローを新たに手で圧縮してこの空気を逆止弁４
６を有する接続口１５から除去することができ
る。その際シートフロート４８は付加的に血液が
逆止弁４６を介して不所望に流出するのを防ぐ。
というのはシートフロートは血液面上に浮き、し
たがつて液面上昇の際孔４７の前へ旋回し、この
孔をシールするからである。

ベロー４０が前記方法で血液により充てんされ
たとき、再注入は第２図実施例の場合と同様に実
施することができる。すなわちベロー４０の手ま
たは機械による圧縮によつてその間に接続した圧
力注入器４４を介して患者に血液が再注入され
る。その際血液フイルタの接続管または圧力注入
器の相当する管によつてシートフロート４８を突
き戻し、その遮断効果を除去することが重要であ
る。

接続口１５は実施例と異なり同じ端面に配置す
ることができ、その際もちろん適当な内部への延
長によつて短絡を避けなければならない。さらに
種々の弁機能たとえば逆止弁４５，４６の機能を
他の位置たとえば接続した導管内へまたは自体接
続口１５を形成する短い導管片へ配置することは
容易に可能である。さらに本発明は実施例に示し
た接続管に限定されない。さらに第３図実施例に
よるベロー４０の固有弾性をベローのプラスチツ
ク材料へ直接埋蔵した金属部材またはばねによつ
ても達成しうることは明らかである。

前記すべての実施例は製造が非常に簡単である
利点を有する。ベローは種々の形状で市場に存在
し、１部接続口を少し変化するだけで本発明の要
求に適合させることができる。第１図実施例の場
合、外側の形状安定容器１１は軸と垂直の１平面
で互いに結合した２つの容器半分から形成するこ
とができ、この容器半分を結合する前に接続口を
有する袋１２が挿入される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の第１実施例の縦断面
図、第２図は第２実施例の縦断面図、第３図は第
３実施例の縦断面図である。 １……容器装置、２……吸引導管、３……減圧
導管、４……減圧源、１１……形状安定容器、１
２……変形容易袋、１３，１４……孔、１５……
接続口、１６……空間、１７……圧力接続口、２
１……ホース片、３０，４０……ベロー、３６…
…フレーム、４３……拡張ばね、４５，４６……
逆止弁、４８……シートフロート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 形状安定容器を有し、この容器が患者の血液
   を容器内へ吸入するための吸引導管を接続しうる
   吸引接続口および血液の吸引に必要な減圧を容器
   内に発生させるため減圧源と接続しうる少なくと
   ももう１つの接続口を有する、患者自身の血液を
   捕集および再注入する装置において、形状安定容
   器１１内にもう１つの変形容易な容器１２が収容
   され、この容器が出発状態で形状安定容器１１の
   内壁の輪かくにほぼ追ずいし、その内部空間が吸
   引接続口１４，１５およびもう１つの接続口１
   ３，１５と結合し、変形容易な容器１２の外面と
   形状安定容器１１の内壁によつて気密に閉鎖した
   もう１つの空間１６が仕切られ、形状安定容器１
   １が圧力媒体を選択的に供給するためこのもう１
   つの空間１６と結合する閉鎖可能の圧力接続口１
   ７を有することを特徴とする血液を捕集および再
   注入する装置。 ２ 変形容易な容器１２が袋であり、この袋１２
   が吸引接続口およびもう１つの接続口のための硬
   い材料からなる接続管を有し、この接続管が形状
   安定容器１１の孔に密に嵌合している特許請求の
   範囲第１項記載の装置。 ３ 変形容易な容器が軸方向に圧縮可能のベロー
   である特許請求の範囲第１項記載の装置。 ４ 両方の接続口がベローの相対する端面に配置
   され、両方の接続口の少なくとも１つが接続管に
   よつて形成され、この接続管が形状安定容器の孔
   内を滑動可能に孔をシールしながら案内される特
   許請求の範囲第３項記載の装置。 ５ 滑動可能に案内される接続管が形状安定容器
   に固定可能である特許請求の範囲第４項記載の装
   置。 ６ 減圧源４へ通ずる減圧導管３に形状安定容器
   １１内の調節可能の減圧を制限するための圧力制
   限器２１が配置されている特許請求の範囲第１項
   〜第５項のいずれか１項に記載の装置。 ７ 圧力制限器２１が所定の減圧でつぶれるシリ
   コーンゴムホース片である特許請求の範囲第６項
   記載の装置。 ８ 形状安定容器を有し、この容器が患者の血液
   を容器内へ吸入するための吸引導管を接続しうる
   吸引接続口および血液の吸引に必要な減圧を容器
   内に発生させるため減圧源と接続しうる少なくと
   ももう１つの接続口を有する、患者自身の血液を
   捕集および再注入する装置において、形状安定容
   器が軸方向圧縮可能のベロー３０であり、その相
   対する端面に吸引接続口およびもう１つの接続口
   が配置され、ベロー３０の軸方向形状安定性を達
   成するためベロー３０の相対する端部の接続口１
   ５ａに固定しうる硬いホルダ３４，３５，３６を
   備えていることを特徴とする血液を捕集および再
   注入する装置。 ９ 減圧源へ通ずる導管に形状安定容器３０内の
   調節可能の減圧を制限するための圧力制限器２１
   が配置されている特許請求の範囲第８項記載の装
   置。 １０ 圧力制限器２１が所定の減圧でつぶれるシ
   リコーンゴムホース片である特許請求の範囲第９
   項記載の装置。 １１ １つの容器を有し、この容器が患者の血液
   を容器内へ吸入するための吸引導管を接続しうる
   接続口および容器内にある血液を再注入するため
   の少なくとももう１つの接続口を有する、患者自
   身の血液を捕集および再注入する装置において、
   容器４０が軸方向圧縮可能であり、半径方向に比
   較的形状安定性であり、その材料の固有弾性およ
   び（または）その端面に作用する外部のばね力４
   ３によつて圧縮状態から拡張状態へ戻ることが可
   能であり、吸引接続口２，１５が容器内部への流
   入方向に開く逆止弁４５ならびにもう一つの接続
   口１５，４７に容器からの流出方向に開く逆止弁
   ４６および遮断機能が液体に対してのみ生ずる液
   体逆止弁４８が配置されていることを特徴とする
   血液を捕集および再注入する装置。 １２ 液体逆止弁４８がベロー４０内部のもう１
   つの接続口に通ずる孔４７の前に配置された旋回
   可能のシートフロート、ボールまたは疎水性フイ
   ルタである特許請求の範囲第１１項記載の装置。