JPS6243778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインジエクシヨンブロー成形により成
形した容器主体の外面に所要の模様や色彩等から
なる装飾模様を施した美装インサートチユーブを
外層体として成形した装飾ブロー容器に関する。

成形した容器主体の外面に二次加工としての装
飾模様を施す場合、一般にはホツトスタンプ、ホ
ツトトランスフア等による転写印刷、あるいはシ
ルクスクリーンによる摺込み印刷が利用される。

しかしこれらによる加飾印刷は容器主体の平坦
面に対しては容易に施されるけれども、稜線に沿
う角面や凹凸面には不可能であるから二次加工に
よる加飾印刷面は必然的に制約されることにな
る。

また容器主体成形用の有底パリソンを多色成形
してブロー成形すれば上記の如き凹凸面において
も外面装飾を現出させることができるが、これに
は色数に応じた多色成形機を必要とすること、模
様や色彩が不規則であつて同一の装飾模様のもの
は得られないこと、文字の現出はできないこと、
などの難点がある。

そこで本考案は、インジエクシヨンブロー成形
する容器において、容器主体となる有底パリソン
のインジエクシヨン成形に際し、予め成形され表
面に所要の模様や色彩等からなる装飾模様を施し
た熱収縮性の美装インサートチユーブを挿入して
成形し、これを所定の容器形状に一体ブロー成形
することにより、パリソンによる容器主体の外面
に前記インサートチユーブを外層体として成形
し、特に当該インサートチユーブによる外層体を
容器主体の胴部と肩部の全面及び底部においては
中央部を開口して周縁部のみに被覆した装飾ブロ
ー容器を提供するものであつて、本容器によれば
従来の転写印刷等の二次加工が省略でき、然も角
面や凹凸面に対しても装飾可能で同一装飾模様の
製品となり、且つ、外層体のインサートチユーブ
は後記する下端部中央が開口した構造のものを使
用するため、有底パリソンの射出成形に際して均
等密度の肉厚に成形され、したがつてこれをブロ
ー成形したときにも均一肉厚となつて、容器主体
の胴部及び模様付きインサートチユーブが透明体
の場合、中身の収容物が胴部のいずれの部分から
も全く同じ状態に透視確認することができる特徴
を有するものである。

つぎに本考案容器を図示した実施例に基いて説
明すれば、第１，２図の装飾ブロー容器１は、容
器主体２の外面に美装インサートチユーブ３によ
る外層体５が被覆されて構成されている。

容器主体２は有底パリソンをインジエクシヨン
成形し、これをブロー成形して成形するものであ
るからその容器形状は如何なるものでもできる。
本考案にあつては胴部２ａから口部２ｄにかけて
肩部２ｂを有するものであれば全体形状の限度は
なく、如何様の変形体であつてもよい。

美装インサートチユーブ３は熱収縮性のある軟
質の薄肉筒体であつて、予め所定の寸法にインジ
エクシヨン成形するか、あるいは押出し成形した
長尺チユーブを定寸切断したものを用いる。そし
てこれの表面にホツトスタンプ、ホツトトランス
フア、シルクスクリーン等の適宜な印刷手段によ
り所要の模様や色彩若しくは文字等による装飾模
様４，４′を施しておくもので、同一の装飾模様
を有するチユーブを予め生産しておく。

チユーブの断面形状は一般的には有底パリソン
との関係上、円形をなした円筒状が望ましいが、
その他角筒状であつてもよく、いずれも全長が同
径の筒状体になるものであるから表面は平坦面で
あり、表面への転写印刷は簡単に施される。しか
しこの場合、表面に施す装飾模様４，４′は、ブ
ロー成形の膨張比率を考慮した縮小模様の印刷を
することが肝要である。

またこの美装インサートチユーブ３は第５図
Ａ，Ｂのように容器主体２の底部２ｃに被覆する
下端部の周縁辺３′を加熱により内側方向に絞縮
した筒状のものであつても、あるいは下端部が完
全開口のものであつてもよいが、前者の形状の方
が容器主体２の底部２ｃの周縁部に対して可及的
広範囲に被覆させることができるのみならず、下
端部中央が円形に開口しているため、容器主体２
となる有底パリソンの射出成形に際して均等密度
の肉厚に成形することができる。

しかして本考案ブロー容器１の成形手段を第
７，８図について述べると、先づ有底パリソンＰ
のインジエクシヨン成形に際し、予め表面に所要
の装飾模様４，４′を施し下端部の周縁辺３′を内
側方向に絞縮した筒状になる前記の美装インサー
トチユーブ３を金型のキヤビテイ６の内面に接す
るよう挿入する。そしてコアー７と口部成形型８
を型締めし、前記チユーブとコアーとの間に形成
された型腔内にキヤビテイ側からチユーブ下端部
の開口を通過させてパリソン成形用樹脂を射出し
て所定の有底パリソンＰを成形する。

このようにして成形された有底パリソンＰには
外面に美装インサートチユーブ３が融着されてい
るので、つぎに口部成形型８で該パリソンを咬着
したままブロー型９に移行して型絞めし、口部２
ｄからエアーノズル１０を密挿してブロー型９に
即した所定の容器形状にブロー成形すると、パリ
ソンＰにより成形された容器主体２の外面、即ち
胴部２ａと肩部２ｂ及び底部２ｃの周縁部に美装
インサートチユーブ３が外層体５として被覆した
装飾ブロー容器１が形成される。

本考案の装飾ブロー容器は、これの容器主体の
成形後、外面に二次加工としての装飾模様を施す
ものではなく、既述したように予め成形され表面
に所要の装飾模様を施した筒状の熱収縮性の美装
インサートチユーブを有底パリソンのインジエク
シヨン成形に際しキヤビテイ内に挿入して成形を
行ない、しかるのちこれを所定の容器形状に一体
ブロー成形してパリソンによる容器主体の外面に
美装インサートチユーブを外層体として成形した
ものであり、インサートチユーブは熱収縮性によ
つてパリソン及び容器主体の形状に即して融着す
るから、第１，２図の実施例のように容器主体の
胴部から肩部にかけての稜角面、また胴部周方向
の稜角面であつても、縞模様や文字模様が一連に
装飾された状態となる。このように如何なる形状
の凹凸面に対しても所望の装飾模様がインサート
チユーブによる外層体を介して自由に形成される
装飾ブロー容器となる特徴がある。

また、外層体のインサートチユーブ３は下端部
中央が開口した構造のものを使用しているから、
有底パリソンＰの射出成形に際しては、底部中心
から周囲全体に亘つて同一圧力によつて射出する
ことができ、したがつて容器口部等の横方向から
のサイドゲートを通じた通常の射出手段とは全く
異り均等密度の肉厚に成形され、依つてこれをブ
ロー成形したときにも均一の肉厚となつて、容器
主体２の胴部及び模様付きインサートチユーブが
透明体の場合、中身の収容物が胴部のいずれの部
分からも全く同じ状態に透視確認することができ
る効果もある。

外層体となるインサートチユーブが容器主体と
同効材質のときには両者は完全に融着して一体と
なるが、これが異質材料の場合であつても、肩部
及び底部への被覆によつて係止するので外層体が
剥離して脱落するようなことはなく、いずれも装
飾効果のほか、容器主体材料の強度や耐熱性等の
保護的作用もなし容器の耐久性を助長する。

さらにインサートチユーブの表面に対する装飾
模様の転写印刷等は簡単に実施でき、多色の形成
も容易であるから美観の優れた同一模様の装飾ブ
ロー容器となる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び２図は本考案に係る装飾ブロー容器
の実施例で一部を切欠した斜視図。第３図及び４
図は美装インサートチユーブの一例を示す斜視
図。第５図Ａ，Ｂは前図インサートチユーブの断
面図であつて、第６図Ａ，Ｂはそれぞれの底面
図。第７図及び８図は本考案装飾ブロー容器の成
形法を示すものであつて、第７図は有底パリソン
の成形に際し美装インサートチユーブをキヤビテ
イ内に挿入して成形した状態を、第８図は所定の
容器形状に一体ブロー成形した状態をそれぞれ示
す。 符号、１……装飾ブロー容器、２……容器主
体、２ａ……胴部、２ｂ……肩部、２ｃ……底
部、３……美装インサートチユーブ、４，４′…
…装飾模様、５……外層体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 インジエクシヨンブロー成形により成形する容
   器において、容器主体２となる有底パリソンＰの
   インジエクシヨン成形に際し、 予め下端部の周縁辺３′を内側方向に絞縮した
   筒状に成形され、表面に所要の模様や色彩等から
   なる装飾模様４を施した熱収縮性の美装インサー
   トチユーブ３を挿入して成形し、 これを所定の容器形状に一体ブロー成形するこ
   とにより、パリソンによる容器主体の外面に前記
   インサートチユーブを外層体として成形し、 当該インサートチユーブ３による外層体５が容
   器主体２の胴部２ａと肩部２ｂの全面及び底部２
   ｃにおいては中央部を開口して周縁部のみに被覆
   されていることを特徴とする美装インサートチユ
   ーブを外層体として成形した装飾ブロー容器。