JPS6243266Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 技術分野 この考案は、循環装置によつて穀物を貯溜槽と
乾燥室との間で循環させながら乾燥する循環式穀
物乾燥機に関する。

(b) 従来技術 従来の循環式穀物乾燥機では、張り込みホツパ
に張り込まれた穀物を循環装置であるバケツトコ
ンベアを通じて乾燥室に搬入しており、連続乾燥
時に穀物を張り込む場合は、ボタン操作またはレ
バー操作により乾燥室下部の穀物搬出用ロータリ
バルブの駆動を停止させた状態で、張り込みホツ
パへの穀物張り込み作業を行つている。しかしな
がら、ロータリバルブ停止操作を忘れてロータリ
バルブを駆動した状態で穀物の張込を行うと、ロ
ータリバルブの回転により穀物が乾燥室から上記
バケツトコンベアに戻されて、張り込みホツパに
連続するバケツトコンベアの下部の周辺で穀物が
詰るという不都合を生じた。したがつて、従来の
循環式穀物乾燥機では、ロータリバルブ停止操作
ミスを起こすと穀物の張込作業を円滑に行えない
ので、穀物の張込を行うときには必ずロータリバ
ルブ停止操作を必要とし操作性に劣る欠点があつ
た。

(c) 考案の目的 この考案は、上述の点に鑑み、穀物の張込を円
滑に行え、かつ操作性に優れた循環式穀物乾燥機
の提供を目的とする。

(d) 考案の構成 この考案は要約すれば、張込口に設けた穀物検
出センサと、穀物循環時にその穀物検出センサに
よつて前記張込口に穀物が張り込まれたことを検
出したとき、乾燥室を経た穀物を循環装置に搬出
する搬出装置の駆動を停止する搬出装置駆動停止
制御手段と、を有することを特徴とし、穀物循環
時に穀物の張込を行うとき自動的に前記搬出装置
を停止するようにしたものである。

(e) 実施例 第１図はこの考案の実施例である循環式穀物乾
燥機の乾燥部の要部構造の模式構造図、第２図は
同循環式穀物乾燥機の穀物張り込み部の模式構造
図である。

貯溜槽１に張り込まれた穀物２は、乾燥室７，
８より下方に設けたロータリバルブ４，５および
スクリユーコンベア６を通じて、貯溜槽１の外部
に設けたバケツトエレベータ３によつて、貯溜槽
１から乾燥室７，８と循環通路９を経て再び貯溜
槽１に搬送される。循環通路９はバケツトエレベ
ータ３を介して乾燥室７，８の出口から貯溜槽１
の上部にわたつて設けられている。バケツトエレ
ベータ３およびスクリユーコンベア６は、乾燥室
７，８から搬出された穀物を循環通路９を介して
乾燥室７，８に再び戻す循環装置を構成してい
る。上記のロータリバルブ４，５は、穀物を乾燥
室７，８よりスクリユーコンベア６に搬出する搬
出装置を構成する。スクリユーコンベア６はロー
タリバルブ４，５によつて搬出された穀物の循環
通路９に送り出す。バケツトエレベータ３は、ス
クリユーコンベア６によつて送り出された穀物を
バケツトですくい貯溜槽１の上部に搬送する。

乾燥機本体の外側下部にはバケツトエレベータ
３の下部に対向して張込口１６が形成されてい
る。張込口１６にはホツパシヤツター１７が取り
付けられ、ホツパシヤツター１７を手動により上
下することよつて張込口１６を開閉することがで
きる。張り込みホツパ１５は上部の開口部より張
込口１６にわたつて傾斜した傾斜面を有し、また
張り込みホツパ１５の底部で張込口１６近傍の傾
斜面に静電容量型近接スイツチ１８が取り付けら
れている。近接スイツチ１８は第３図に示すよう
に、その検出面が張り込みホツパ１５の傾斜面に
沿うように取り付けられている。近接スイツチ１
８の検出面には、穀物が直接接触しないように保
護板２１が取り付けられている。保護板２１には
金属と異なる誘電率を有したアクリルなどを用い
る。なお、張り込みホツパ１５内の張り込み穀物
の有無を検出する検出手段として、光センサ、圧
力スイツチなどを用いても良い。

乾燥室７，８には熱風発生装置１０から熱風
ａ，ｂが与えられる。熱風発生装置１０は、内部
に燃焼バーナと送風機とを有し、燃焼バーナの燃
焼により乾燥室７，８に熱風を供給する。この燃
焼バーナに燃料タンク１３からパイプ１４を通じ
て燃料が供給される。パイプ１４の途中には、燃
料供給路を開閉する電磁弁１１とパルス駆動で燃
料を供給する電磁パイプ１２とが設けられてい
る。

第４図はこの循環式穀物乾燥機の制御ブロツク
図である。

制御部２２にはマイクロコンピユータで構成さ
れ、内蔵するROM（図示せず）に格納した熱風
乾燥プログラムに従い熱風乾燥を制御する。すな
わち、上記熱風乾燥プログラムに基づく熱風乾燥
を行うように、制御部２２から電磁パイプ１２の
駆動回路２３、点火装置２４およびメインモータ
駆動装置２５に制御信号が出力されるとともに、
近接スイツチ１８からの出力信号に応じて、ロー
タリバルブ駆動装置２６に駆動制御信号が送出さ
れる。メインモータ駆動装置２５は、バケツトエ
レベータ３、スクリユーコンベア６、送風機を駆
動する。

近接スイツチ１８は穀物を検出したときオンに
なり、その出力信号は制御部２２およびタイマー
２７に送出される。タイマー２７は近接スイツチ
１８からのオフ信号を受けて計時を開始し、次に
オンになるまでの近接スイツチ１８のオフ時間を
計時する。比較回路２８はタイマー２７によるオ
フ時間データを入力し、そのデータと遅れ時間設
定回路２９によつてあらかじめ設定されている遅
れ時間データとを比較し、リレー回路３０にオ
ン、オフ信号を与える。リレー回路３０はロータ
リバルブ駆動装置２６と駆動電源（図示せず）と
の間に設けられ、ロータリバルブ駆動装置２６に
含まれる駆動モータへの駆動電力供給を制御す
る。

上記のように構成された循環式穀物乾燥機にお
いて、張込→循環→乾燥→排出の１サイクルで熱
風乾燥が行われる。循環、乾燥、排出の各モード
は制御パネル（図示せず）に設けたモード設定ボ
タンにより設定される。上記排出モードは乾燥終
了後の穀物を乾燥機本体より排出するモードであ
り、循環通路９と別個に設けた排出通路を通じて
スクリユーコンベア６により穀物の排出が行われ
る。なお、排出時には上記排出通路のシヤツター
を開く。また、穀物乾燥機の稼動中、メインモー
タ駆動装置２５に駆動信号が与えられ、バケツト
エレベータ３を昇降している。

次に、この循環式穀物乾燥機における張込動作
を説明する。

乾燥開始前の張込時においては、ロータリバル
ブ駆動装置２６に駆動信号が与えられずロータリ
バルブ４，５の駆動を停止している。この状態で
ホツパシヤツター１７を引き上げて張込口１６を
開き、張り込みホツパ１５に穀物を張り込む。張
り込みホツパ１５に穀物が張り込まれると近接ス
イツチ１８は穀物を検出してオン信号を制御部２
２に出力する。これによつてメインモータ駆動装
置２５にバケツトエレベータ駆動信号を送りバケ
ツトエレベータ３の昇降を開始する。バケツトエ
レベータ３の昇降により張り込まれた穀物を貯溜
槽１に搬送していく。

一方、排出モードにおいては、ロータリバルブ
駆動装置２６に駆動信号が与え、ロータリバルブ
４，５を駆動している。そこで、排出終了後連続
的に穀物の熱風乾燥を行うために稼動停止ボタン
（図示せず）を押すことなくホツパシヤツター１
７を開いて張込口１６に穀物を張り込むと、近接
スイツチ１８によつて穀物が検出される。制御部
２２は、近接スイツチ１８からのオン信号を受け
てロータリバルブ駆動装置２６をオフするオフ信
号を送りロータリバルブ４，５の駆動を停止す
る。しかも、タイマー２７には近接スイツチ１８
からオン信号が与えられるのでタイマー２７は作
動しない。すなわち、近接スイツチ１８がオンに
なつている間ロータリバルブ４，５は駆動されな
い。

ところで、張込を作業者によつて一袋ずつ行う
場合などでは、張込中一時的に張り込みホツパ１
５内に穀物がない状態になる。この場合張込の途
中で、近接スイツチ１８はオフになるので、制御
部２２からロータリバルブ駆動装置２６をオンす
るオン信号が送出される。同時に、近接スイツチ
１８からのオフ信号によつてタイマー２７が計時
を開始する。中断された張込が再開されると再び
近接スイツチ１８はオンになりタイマー２７の計
時を終了する。そのとき、比較回路２８はタイマ
ー２７で計時した近接スイツチ１８のオフ時間と
あらかじめ設定した遅れ時間とを比較し、オフ時
間が遅れ時間より短いときはリレー回路３０をオ
フする信号をリレー回路３０に出力する。したが
つて、張込時に中断があつてもその中断時間が設
定した遅れ時間より短いときには、リレー回路３
０がオフになつてロータリバルブ４，５を駆動さ
せない。上記のように、張込時に生じる中断時間
を遅れ時間としてあらかじめ設定しておくことに
より、張込時に誤つてロータリバルブ４，５を駆
動することを防止している。張込作業が終了する
と近接スイツチ１８はオフになり、そのときのオ
フ時間は遅れ時間より長くなるのでリレー回路３
０がオンなり、ロータリバルブ４，５の駆動を再
開する。

上述のように、ロータリバルブ４，５の駆動中
に張込を行う場合、停止操作を行うことなく自動
的にロータリバルブ４，５の駆動が停止されるの
で、確実に張込作業を行なえるとともに乾燥機の
運転操作が大幅に簡略化される。

(f) 考案の効果 以上のように、この考案によれば、搬出装置を
駆動しているときに張込を行うと、自動的に搬出
装置の駆動が停止されるので、貯溜槽内に搬入し
た穀物が循環装置に戻されず円滑に穀物の張込を
行え、しかもその搬出装置の停止操作を行う必要
がなく操作性が向上する利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例である循環式穀物乾
燥機の乾燥部の要部構造の模式構造図、第２図は
同循環式穀物乾燥機の穀物張り込み部周辺の構造
図、第３図は同循環式穀物乾燥機の近接スイツチ
１８の取り付け状態を示す張り込みホツパ１５の
部分断面図、第４図は同循環式穀物乾燥機の制御
ブロツク図である。 １……貯溜槽、３……バケツトエレベータ、
４，５……ロータリバルブ、７，８……乾燥室、
９……循環装置、１６……張込口、１８……近接
スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 張込口に張り込まれた穀物を循環装置によつて
   貯溜槽に搬入し、前記貯溜槽内の穀物を搬出装置
   により乾燥室を経て前記循環装置に搬出して、穀
   物を循環させながら乾燥する循環式穀物乾燥機に
   おいて、前記張込口に設けた穀物検出センサと、
   穀物循環時に前記穀物検出センサによつて前記張
   込口に穀物が張り込まれたことを検出したとき、
   前記搬出装置の駆動を停止する搬出装置駆動停止
   制御手段と、を有してなる循環式穀物乾燥機。