JPS6243163B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光フアイバを主体にして構成されるケ
ーブルの製造方法に関する。

通信などに用いられる光フアイバケーブルにつ
き略述すると、この光フアイバケーブルは、丸棒
状とした中心介在体の周囲に被数本の光フアイバ
が撚合され、さらにその上に適宜の被覆物が設け
られて構成される。

このようにして光フアイバケーブルを構成した
際、撚合時の光フアイバは中心介在体の外周に圧
接してその撚合形態を保持するから、撚合崩壊な
どが起らず、また、その外周の被覆物により、外
部からの防護機能も得られることになる。

こうして製造された光フアイバケーブルは、別
に問題はないかのごとくであるが、上記の撚合
時、光フアイバにかなりの張力がかかり、同状態
において光フアイバは中心介在体と圧接するか
ら、この際の歪によりマイクロベンド（伝送ロス
増の原因）が生じ、しかもその上に被覆物からの
被覆圧が加わるので上記のマイクロベンドが一層
助長されることになり、したがつて光フアイバケ
ーブルとして伝送特性のよいものが得られなくな
る。

このようなことから、光フアイバの撚合張力
（巻きつけ力）、被覆物の被覆圧などは、試行錯誤
による経験を積み重ね、その適正な経験値によら
ねば、満足なものとなり得ない。

本発明はこうした問題点に鑑み、上記撚合張
力、被覆圧に起因した光フアイバの歪が簡単に除
去できる新規な光フアイバケーブルの製造方法を
提供せんとするものであり、以下その具体的方法
を図示と共に説明する。

第１図において、１はパイプ、２は光フアイ
バ、３は被覆物である。

上記におけるパイプ１は、PE、PVCなどのプ
ラスチツク製としたものが主に用いられ、その材
質も、軟質、半硬質、硬質など種々のものが適宜
に選定される。

光フアイバ２は被覆されたもの、すなわち被覆
光フアイバが主に採用される。

被覆物３は押出被覆によるもの、押巻被覆によ
るものなどがあり、プラスチツク製、ラミネート
テープ製、金属テープ製など、その材料は自由に
選択できる。

本発明では、上記パイプ１の一端を閉塞状態と
し、その他端に図示しない注入口付の端栓を取り
つけ、該端栓に注入口からパイプ１内に所定の気
体（主に空気）を注入し、当該パイプ１をその内
部から加圧する。

こうすると、パイプ１はその内圧を介して外径
が元の状態よりも大きくなり、いわゆる膨満状態
となる。

この場合、元のパイプ外径と膨満状態でのパイ
プ外径とは、微小な差でよく、したがつて上記パ
イプ１がヤング率の小さい軟質のものであると
き、該パイプ１に低い内圧をかけることで当該パ
イプ１は所定の外径にまで膨満する。

また、パイプ１が硬質のものであつても、その
内部に高い圧力をかけることで当該パイプ１は所
定値まで径大化される。

こうして外径の大きくなつたパイプ１の外周長
手方向には光フアイバ２が任意の巻きつけ状態で
巻きつけられる。

第１図での光フアイバ２は１条巻きとなつてい
るが、光フアイバ２を複数本、多数本として１条
巻き以上とする条巻きもあり、また、複数本の光
フアイバ２を撚合状態として上記パイプ１の外周
に巻きつけることもある。

こうした巻きつけは、既知の撚合装置や条巻装
置などを介して行なわれる。

径大化した外周に光フアイバ２が巻きつけられ
た上記パイプ１には、さらにその外周に被覆物３
が設けられる。

この際の被覆物３は、それがプラスチツク押出
被覆によるものであれば、上記のパイプ１が押出
被覆装置にかけられることとなり、また、該被覆
物３がテープ状などである場合は押巻装置を介し
てその被覆物３がパイプ外周に形成されるように
なり、さらに金属テープをフオーミング加工（筒
状加工）することによつて形成される被覆物３の
場合は既知のフオーミング加工手段が採られる。

第２図イはここまでの加工段階を示したもの
で、この状態での光フアイバ２は、パイプ外周お
よび被覆物内周間にあつてパイプ１および被覆物
３の両者に圧接しており、したがつて当該光フア
イバ２の歪はかなり大きい。

つぎにパイプ１の内部が上記端栓の注入口を介
して減圧され、当該パイプ１は元の外径にもど
る。

この状態を示したのが第２図ロであり、この状
態ではパイプ１と光フアイバ２とがきわめて緩や
かな接触状態となり、あるいは両者１，２間に微
小な間隙４が生じる。

この結果、光フアイバ２に加わつていた巻きつ
け力、被覆圧などが大幅に緩和され、したがつて
光フアイバ２に生じていた歪が解消されてマイク
ロベンドもなくなり、伝送特性のよい光フアイバ
ケーブルとなる。

なお、第２図ロの状態において、その光フアイ
バケーブルの軸心からパイプ１を抜きとることは
簡単に行えるが、パイプ１を抜きとるか、残置さ
せるかはこのケーブルの使用態様などにより自由
に決めればよい。

以上説明した通り、本発明の方法ではパイプ１
内に圧力をかけて、該パイプ外径を元の外径より
も大きくし、そのパイプ外周長手方向に光フアイ
バ２を巻きつけ、さらにそのパイプ外周長手方向
に被覆物３を設けた後、上記パイプ内部を減圧し
てパイプ外径を小さくすることを特徴としてい
る。

したがつて、パイプ外周への光フアイバ巻きつ
け時、マイクロベンドへの配慮からその巻きつけ
力不足を来すことはなくなり、光フアイバ２をパ
イプ１の外周にしつかりと、しかも崩壊すること
のない安定状態で巻きつけられるようになる。

また、被覆物３も安定した被覆圧によりパイプ
外周に形成できるようになる。

その後、パイプ１は径大化されていた状態より
も小径化されるから、光フアイバ２の歪が解消さ
れ、伝送特性のよい光フアイバケーブルとなる。

故に本発明によるときは、伝送特性のよい光フ
アイバケーブルが簡易に製造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の１実施例を示した略示説
明図、第２図イ，ロは上記方法による光フアイバ
ケーブルの製造段階を示した断面図である。 １……パイプ、２……光フアイバ、３……被覆
物。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パイプ内に圧力をかけて、該パイプ外径を元
   の外径よりも大きくし、そのパイプ外周長手方向
   に光フアイバを巻きつけ、さらにそのパイプ外周
   長手方向に被覆物を設けた後、上記パイプ内部を
   減圧してパイプ外径を小さくすることを特徴とし
   た光フアイバケーブルの製造方法。