JPS6242183Y2

JPS6242183Y2 -

Info

Publication number: JPS6242183Y2
Application number: JP12429280U
Authority: JP
Priority date: 1980-09-01
Filing date: 1980-09-01
Publication date: 1987-10-29
Also published as: JPS5746136U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、自動車用自動変速機等に用いられる
ワンウエイクラツチに関する。

従来のワンウエイクラツチとしては、例えば第
１図に示すようなものがある。すなわち、１が内
輪、２が外輪であり、これらの間にローラ３が介
在するとともに、外輪２内周面にカム面４が形成
されてローラ３とカム面４とによりカム機構５を
構成し、もつて外輪２に対して内輪１を一方向に
のみ回転しうるようにしている。外輪２の両側面
には段部６，７を形成し、ここにサイドプレート
８，９を各配設して、両者８，９をリベツト１０
により外輪２に固定することによりサイドプレー
ト８，９のセンタリングをしている。このサイド
プレート８，９は、ローラ３などの、内外両輪
１，２間に介在する部材を保持している。１ａは
内輪１内周面の溝であり、これに潤滑剤を充填し
ておき、連通孔１ｂを介して遠心力により潤滑剤
をローラ３に供給するようになつている。１１は
スナツプリングであり、これにより外輪２をトラ
ンスミツシヨンのケース１２に保持し、また内輪
１の内周面には例えば遊星歯車のキヤリヤが嵌合
される。

ところで、例えばフロントエンジン・フロント
ドライブ形の自動車にあつては、エンジンとトラ
ンスミツシヨンとを自動車の左右方向に向けて搭
載しているものがあるが、このような形式のトラ
ンスミツシヨンの場合は、特に、長さ寸法が車幅
により制限されるため、これを構成するワンウエ
イクラツチやギヤ等の取付寸法を可及的に薄くす
る必要がある。しかしながら前記従来例において
は、ローラ３の長さ寸法に対する外輪２の厚味寸
法が、段部６，７の合計寸法だけ大きいため、こ
のワンウエイクラツチをケース１２等に取付ける
ための軸方向寸法が大になつてその取付けが困難
になる不具合がある。また前記従来例によれば、
両サイドプレート８，９を外輪２に取付ける手段
としてリベツト１０を用いるため、部品点数が多
くなり、且つこれを貫通させる穴を開設する必要
があるため工数も増加して、コストが高くなる不
具合もある。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたものであり、外輪の一側に段部を形成
し、この段部に第１のサイドプレートを嵌め合
せ、外輪の他側に第２のサイドプレートを配する
とともに、第２のサイドプレートに第１のサイド
プレートの一部をなす折曲片を掛渡して、この折
曲片により第２のサイドプレートをそのセンタリ
ングをして取付けることにより、外輪の厚味を薄
くし、且つ両サイドプレート間に掛渡される部品
にサイドプレートの一部分を用い、以つて前記不
具合を解決することを目的としている。

以下、本考案を図面に基いて説明する。

第２図および第３図は、本考案の一実施例を示
す図である。まず構成を説明すると、１が内輪、
２が外輪であり、これらの間にローラ３が介在す
るとともに外輪２内周面にカム面４が形成され
て、ローラ３とカム面４とによりカム機構５を構
成し、もつて外輪２に対して内輪１を一方向にの
み回転しうるようにしている。カム機構５は、ロ
ーラ３に代えてカムを用いることもできる。外輪
２の一側面には段部６を形成し、ここに段部６の
高さと同じ厚味の第１のサイドプレート８を配設
して第１のサイドプレート８のセンタリングをす
る。かくして該第１のプレート８は、表面が外輪
２側面と同一面をなし、且つローラ３の一端面を
覆つており、さらにその一部を折曲げてなる折曲
片８ａが内外両輪１，２間を貫通してその先端８
ｂがこれらの他側に突出している。また、外輪２
の他側面には、ローラ３の他端面に及ぶ第２のサ
イドプレート９を配設する。このサイドプレート
９には小孔９ａが開設してあり、前記第１のサイ
ドプレート８の折曲片８ａを小孔９ａから突出さ
せ、その先端８ｂを第２のサイドプレート９表面
においてかしめることにより、第２のサイドプレ
ート９をセンタリングするとともに両サイドプレ
ート８，９を外輪２に固定する。１３はセンタリ
ングブロツクであり、外輪２の内周面に形成した
凹部２ａに係合し、且つ前記折曲片８ａによりセ
ンタリングブロツク１３の折返部１３ａを支承し
て外輪２に固定している。８ｃはサイドプレート
８の折曲部であり、内外両輪１，２間に臨んでロ
ーラ３を弾支するスプリング１４の一端を支持し
ている。２ｂは外輪２の外周に形成された凸部で
あり、オートトランスミツシヨンのケース１２に
嵌合して外輪２の回転止めをなし、また１１は外
輪２をケース１２に保持するスナツプリングであ
る。また１ａは内輪１内周面の溝であり、これに
潤滑剤を充填しておき、連通孔１ｂを介して遠心
力により潤滑剤をローラ３に供給するようにして
ある。そして内輪１の内周には遊星歯車のキヤリ
ヤ等が嵌合される。第２図の矢印Ａは内輪１の回
転方向を示す。

次に作用を説明する。

外輪２に対する両サイドプレート８，９の取付
け手順とあわせて本実施例の作用を説明すると、
外輪２には予め一側にだけ段部６を形成してお
き、第１のサイドプレート８を段部６に適合させ
ることによりセンタリングして外輪２に取付け
る。第１のサイドプレート８には折曲片８ａおよ
び折曲部８ｃを予め形成しておく。次いでスプリ
ング１４とローラ３を第１のサイドプレート８内
側に配した後、予め小孔９ａを開設した第２のサ
イドプレート９を外輪２の他側に配する。このと
き前記折曲片８ａの先端８ｂが小孔９ａから突出
するようにサイドプレート９を配し、しかる後先
端８ｂをかしめる。このとき第２のサイドプレー
ト９のセンタリングがなされ、しかも両サイドプ
レート８，９が外輪２に固定される。

かくして構成されたワンウエイクラツチは、そ
の外輪２を凸部２ｂにおいてオートトランスミツ
シヨンのケース１２に係合して回転止めするとと
もに、外輪の両側にスナツプリング１１を施して
取付ける。

而して内輪１に嵌合された遊星歯車のキヤリヤ
が、第２図においてＡ方向に回転するときは内輪
１も同じく回転して、ローラ３がカム面４を形成
する斜面を、内輪１との間隔が大きな方向に移動
するため、内輪１は自由に同方向に回転すること
ができ、また前記キヤリヤが反Ａ方向に回転しよ
うとするときには内輪１も反Ａ方向に回転しよう
とするが、このときはローラ３がカム面４を形成
する斜面を、内輪１との間隔が小さな方向に移動
して、内外両輪１，２間にローラ３を噛込むた
め、内輪１は外輪２に対してロツクされ、したが
つて反Ａ方向には回転しない。かくしてキヤリヤ
の同方向の回転も阻止される。

以上説明してきたように、本考案によれば、外
輪の一側に段部を形成し、この段部に第１のサイ
ドプレートを嵌合せ、外輪の他側に第２のサイド
プレートを配するとともに第２のサイドプレート
に第１のサイドプレートの一部をなす折曲片を掛
渡して、この折曲片により第２のサイドプレート
をセンタリング１２取付けるようにしたため、第
２のサイドプレートのセンタリングをするための
段部を外輪に形成する必要がない。したがつて、
外輪は、この段部に相当する厚味が必要ではなく
なつたため、その厚味を薄くすることが可能とな
り、各機器間の狭い個所にもワンウエイクラツチ
の外輪を取付けることが容易になつた。しかも、
この考案によれば、外輪の厚味を薄くしても外輪
内周面やローラ等のカム機構を小形化するもので
はないから、ワンウエイクラツチの性能を低下さ
せるおそれはない。また、第２のサイドプレート
のセンタリングは第１のサイドプレートの折曲片
によりなし、折曲片は第１のサイドプレート成形
時に同時成形しておくことができるため、外輪の
穿孔やリベツト等の別段の手段を用いることなく
第２のサイドプレートのセンタリングと両サイド
プレートの外輪への固定とをすることができ、し
たがつてワンウエイクラツチのコストダウンに貢
献することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の一部省略断面図、第２図は本
考案の一実施例を示す一部切欠正面図、第３図は
第２図の−線断面図である。１……内輪、２……外輪、３……ローラ、４…
…カム面、５……カム機構、６……段部、８，９
……サイドプレート、８ａ……折曲片、８ｂ……
先端、９ａ……小孔、１１……スナツプリング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

同心に配置された内外両輪と、両輪間に設けら
れたローラ等からなるカム機構と、該カム機構の
ローラを両側面から規制するサイドプレートとか
らなるワンウエイクラツチにおいて、外輪の一側
に段部を形成し、この段部に第１のサイドプレー
トを嵌め合せ、外輪の他側に第２のサイドプレー
トを配するとともに、第２のサイドプレートに第
１のサイドプレートの一部をなす折曲片を掛渡し
て、この折曲片により第２のサイドプレートを取
付けるようにしたことを特徴とするワンウエイク
ラツチ。