JPS6241177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガスケツトの取付脚にシール用フイン
を一体成型で形成し、このシール用フインでガス
ケツトと扉体との気密を保持し冷気の逃げを防ぐ
ようにした冷蔵庫の扉に関するものである。

第１図は冷凍室用の上扉１、冷蔵室用の下扉
２、補助用の中扉３を有する冷蔵庫である。これ
らの上扉１、下扉２および中扉３には、その外周
の扉枠４の内面にガスケツト５が取付けられ気密
性を保持するようになつている。このガスケツト
５を取付けるために、いずれの扉１，２，３にお
いても扉枠４の内面に枠体に沿つて環状に形成さ
れたガスケツト挿着溝６を有している。このガス
ケツト挿着溝６は、第２図に示すように、ガスケ
ツトを確実に係止するために開口部が係合片部７
によつて溝幅よりも狭く形成された狭幅部８と、
この狭幅部８の補強と上下型抜き成型のために開
口部が溝幅よりも拡く形成された拡幅部９とを交
互に連結して構成されている。このような扉枠４
を用いた中扉３の場合を例としてさらに詳しく説
明すると、第３図および第４図において、この中
扉３は、扉枠４の前面枠体部１０に扉板１１の辺
縁を係止し、扉枠４の内面枠体部１２の内周縁に
ドアバツク１３を取付け、内部に発泡断熱材１４
を充填して形成されている。６は前記ガスケツト
挿着溝で、第３図は狭幅部８におけるＡ−Ａ線断
面を、第４図は拡幅部９におけるＢ−Ｂ線断面を
示す。５は従来のガスケツトで、このガスケツト
５の上部には磁石１５が装着され、下部には取付
脚１６が形成され、この取付脚１６には係合段部
１７が形成されている。この係合段部１７は、ガ
スケツト挿着溝６の狭幅部８の係合片部７に係合
し、これによつてガスケツト５は扉枠４に係止さ
れている。ガスケツト挿着溝６内の底面には例え
ば硬質塩化ビニール部材からなる厚さ0.7mmのシ
ール用テープ１８が貼着され、このシール用テー
プ１８の上面にガスケツト５の先端が圧接するよ
うに構成されている。このシール用テープ１８は
ガスケツト５と扉枠４との気密性を保持するため
のものであるが、これがないと、ガスケツト５の
係合段部１７とガスケツト挿着溝６内の底面との
間に隙間が生じ、この隙間を介して外気が庫内に
侵入しドアバツク１３面に結露が生じてしまう。
特に、第４図に示すような拡幅部９では、ガスケ
ツト５が直接的に係止されていないため、ガスケ
ツト５が浮き上がり易く取付脚１６の係合段部１
７の部分とガスケツト挿着溝６内の底面との個所
に隙間が生じ易かつた。

なお、２は下扉で、この下扉２は内周枠体４に
扉板１９とドアバツク２０とを取付け、内部に発
泡断熱材２１を充填してなるものである。この扉
板１９には前記磁石１５の吸引力でガスケツト５
の上面に密接する鉄板製枠体２２が断熱枠体２３
で分離されて設けられている。

本考案は上述の点に鑑みなされたもので、ガス
ケツトの取付脚にシール用フインを一体成型で形
成し、このシール用フインをガスケツト挿着溝内
の内面に圧接してガスケツトと扉体との気密性の
保持を図るようにしたものである。これにより、
従来のような別部材としてのシール用テープを不
要としたものである。

以下、本考案の一実施例として中扉に応用した
場合を第５図に基づいて説明する。図において、
３は中扉、４は扉枠、１１は扉板、１３はドアバ
ツク、６はガスケツト挿着溝で、これらの構造は
第３図および第４図に示したものと同一である。
２４は本考案に特有のガスケツトで、このガスケ
ツト２４は上部に磁石１５を挿着し、下部に中空
の取付脚１６と係合段部１７とを一体成型で形成
してなり、前記取付脚１６の先端には断面が略ノ
字状のシール用フイン２５が一体成型で形成され
ている。前記ガスケツト２４の係合段部１７はガ
スケツト挿着溝６の狭幅部８の係合片部７に係合
し、これによつてガスケツト２４は扉枠４に係止
されている。この係止によつて前記取付脚１６の
先端に形成されたシール用フイン２５の先端部が
ガスケツト挿着溝６内の底面に圧接するように構
成されている。このため、拡幅部９のようにガス
ケツト２４の係合段部１７が直接的に扉枠４に係
止されていないところでも、シール用フイン２５
とガスケツト挿着溝６内の底面との間に隙間が生
じないのでガスケツト２４と扉枠４との気密性が
保持されている。また、ガスケツト２４には一体
に、ドアバツク１３に当接するフイン２６が設け
られている。

前記実施例では、シール用フイン２５は単一片
としたが、本考案はこれに限るものでなく、ガス
ケツト２４の取付脚１６に一体成型で形成され、
ガスケツト２４の係止時に、その先端部がガスケ
ツト挿着溝６内の内面を圧接して気密を保持する
ものであればよい。例えば、第６図に示すように
断面が略ノ字状の３本のシール用フイン２５，２
５，２５を取付脚１６の先端に一体成型で形成す
るようにしてもよい。

前記実施例では、ガスケツト挿着溝が扉枠の内
面に形成された場合について説明したが、これに
限るものでなく、扉体の内面の外周辺部に環状に
形成され、ガスケツトの取付脚を係止するもので
あればよく、このようなガスケツト挿着溝に本考
案特有のガスケツトを利用できる。例えば扉体を
扉本体と、この扉本体の内側に装着する合成樹脂
製の扉内側とを主体にして構成し、この扉内側の
外周辺部にその外周縁に沿わせて環状に、狭幅部
と拡幅部とを交互に連結してガスケツト挿着溝を
形成するものであつてもよい。

本考案は上記のようにガスケツトの取付脚に一
体成型したシール用フインでガスケツトと扉体と
の気密性保持を図るように構成したので、従来の
ようなシール用テープを不要とし、このため組立
部品数が減少し、かつ面倒なシール用テープの貼
着作業がないので、扉の組立が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷蔵庫の正面図、第２図は扉枠の背面
図、第３図と第４図は第２図の扉枠に従来のガス
ケツトを挿着して扉を形成した場合のＡ−Ａ線と
Ｂ−Ｂ線の断面図、第５図は本考案による冷蔵庫
の扉の一実施例を示すもので、第２図の扉枠に本
考案特有のガスケツトを装着した場合の断面図、
第６図は他の実施例を示す要部の断面図である。 １……上扉、２……下扉、３……中扉、４……
扉枠、５……従来のガスケツト、６……ガスケツ
ト挿着溝、１１……扉板、１３……ドアバツク、
１４……発泡断熱材、１７……係合段部、２４…
…本考案のガスケツト、２５……シール用フイ
ン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 扉体の内面の外周辺部に環状にガスケツト挿
   着溝を形成し、このガスケツト挿着溝に形成さ
   れた係合片部に、ガスケツトの取付脚に形成さ
   れた係合段部を係合してガスケツトを係止する
   ようにした冷蔵庫の扉において、前記ガスケツ
   トの取付脚に、前記ガスケツト挿着溝内の内面
   を圧接して気密性を保持するためのシール用フ
   インを一体的に形成したことを特徴とする冷蔵
   庫の扉。 (2) 扉体は、扉枠に扉板とドアバツクとを取付け
   内部に発泡断熱材を充填してなり、前記扉枠の
   内面にガスケツト挿着溝を形成してなる実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の冷蔵庫の扉。 (3) シール用フインはガスケツトの取付脚の先端
   部に断面が略ノ字状のひれからなり、このひれ
   の先端をガスケツト挿着溝内の底面に圧接して
   気密性を強化するようにした実用新案登録請求
   の範囲第１項または第２項記載の冷蔵庫の扉。