JPS6241081B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は長尺合板として接合されるべき単位合
板および該合板を用いた長尺合板の製造方法に関
するものである。

従来長尺合板における単位合板の接合にはバツ
トジヨイント、フインガージヨイント、スカーフ
ジヨイントなどの方法が用いられている。

このうちバツトジヨイントは合板木口面の直接
の突付け接着であるため、合板の厚さに関係なく
行なえるものであるが、接着面積が少ないため、
曲げ強度などの接合強度が弱い欠点がある。

またフインガージヨイントは合板木口に巾方向
にフインガー状の実を形成し、互いに衝合せて接
着する方法である。しかしこの方法は合板の木口
がフインガー状の実となるため、薄い合板には採
用できない難点がある。また接合部がフインガー
状のため接着面積は増大される反面、切削加工が
難しい。

スカーフジヨイントは合板をその表面単板面よ
り任意角度でスカーフ切削し、相対向する合板の
スカーフ面と衝合せ接合するものである。

この方法はバツトジヨイントに比べて接着面積
が増大するため、接合強度が増大する利点があ
る。さらにフインガージヨイントに比べて切削加
工が容易である利点を有する。

しかしこの方法はこれらの利点を有するのに
かゝわらず次のような問題点を残している。

スカーフを突き合せるため、その突き合せ面
に滑りが生じ易く、接合面に段違いが生ずる。

接合面から接着剤が溢れ易く、合板表面が汚
染される。

合板の接合強度を大きくするため、スカーフ
長さを合板厚みの８〜15倍にしなくてはなら
ず、この結果被切削部分が大きくなり、材料の
歩留まりが低下する。

本発明は以上の従来の長尺合板の接合部の問題
点を解決することを目的としたものである。

以下図面に記載された本発明の実施例について
説明する。

実施例においては任意厚みに切削された単板
を、その繊維方向を直交させて積層接着した３プ
ライ合板１，１′を長尺合板の単位合板としてい
る。

合板１の表面単板２の繊維方向と直交する木口
面に切欠き部を形成する傾斜面３を設ける。傾斜
面３の水平長さをL₂とする。水平長さL₂は表面
単板２の厚さの２〜15倍とすることが好ましい。
水平長さL₂を表面単板２の厚さの２倍以下とす
ると、その接合強度が従来のバツトジヨイントの
場合と余り変らなくなり好ましくない。また15倍
以上とすると切削加工が難しくなり、しかも苦労
して切削したとしてもその割りに接合強度が増大
するものではない。

裏面単板４に前記傾斜面３とほゞ平行な傾斜面
５を凸部６となるように設ける。この傾斜面５の
水平長さをL₁とする。水平長さL₁は裏面単板４
の厚さの２〜16倍とすることが好ましい。このよ
うな水平長さL₁とする理由は表面単板２の構成
において記載した理由と同様である。

中間単板７は表裏面単板２，４と繊維方向が直
交する。中間単板７に任意角度に傾斜面３，５を
つなぐ衝き合せ面８を形成する。この結果合板１
の両木口面はＺ形状となる。

傾斜面３，５の水平長さL₂，L₁の関係は L₁＞L₂ とする。

合板１に隣接する合板１′にその木口面が合板
１の木口面をほぼ裏返した形状の木口面を形成す
る。したがつて合板１′においては表面単板の傾
斜面の水平長さがL₁、裏面単板のそれがL₂とな
る。その関係は L₁＞L₂ である。

合板１，１′の木口面を衝合せ少くともその一
方に接着剤を塗布し、両者を接合する。このよう
にして求むる長尺合板が得られる。

このように接合された合板１，１′は互いに衝
き合せ面８で衝合するため、従来のスカーフジヨ
イントのように接合面で滑りを起すことがない。

傾斜面３，５、衝き合せ面８による本発明接合
方法と従来のスカーフジヨイントの接合方法を比
べると、衝き合せ面８がある分だけ本発明は合板
材料の切削部分が少なくなり歩留りが向上する。

また逆にスカーフジヨイントと本発明接合部の
水平長さを同じ長さL₁＋L₂としたとすると、本
発明の傾斜面３，５の表裏面とのなす角度はスカ
ーフジヨイントに比べ小さくなり、接合強度も大
きくなる。

つぎに第３図に示すようにもしL₂＝L₁として
合板１ａ，１ａ接合したとする。この場合、凸部
６ａ，６ａの先端がしぼんでしまい、へこみ９が
発生してしまい、接合強度が低下するだけでな
く、体裁を著るしく損なうことになる。

本発明ではL₂＜L₁としてあるので、L₁−L₂＝
ｌだけ凸部６が表裏面上にオーバーラツプするこ
とになり、へこみ９は発生しない。したがつて接
合強度も低下することがなく、体裁も損なわな
い。オーバーラツプ部分が凸部となり、化粧板と
して用いる場合は、サンデイングして凸部を除去
する。下地材として用いる場合は特にサンデイン
グする必要がない。

本発明の作用効果： 傾斜面３，５の水平長さL₁，L₂の関係を L₁＞L₂ とすることにより、接合部にへこみ９が生ずるこ
となく接合強度が低下することなく、また体裁も
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明に用いる合板１，１′の木口形
状の側面図、第２図：本発明長尺合板の接合部側
面図、第３図：従来の長尺合板の接合部側面図、
１，１′…合板、２…表面単板、３…傾斜面、４
…裏面単板、５…傾斜面、６…凸部、７…中間単
板、８…衝き合せ面、９…へこみ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 表裏単板２，４と中間単板７の繊維方向が直
   交する長尺合板として接合されるべき合板におい
   て、表面単板２の繊維方向と直交する木口面に切
   欠部を形成する傾斜面３を、裏面単板４の繊維方
   向と直交する木口面に凸部を形成し、かつ前記傾
   斜面３と平行する傾斜面５を中間単板７には前記
   傾斜面３，５をつなぐ衝合せ面８を設けて、合板
   両木口面をＺ形形状とし、 前記傾斜面３，５の水平長さL₁，L₂の関係
   は、 L₂＞L₁ であることを特徴とする長尺合板として接合され
   るべき合板。 ２ 任意厚みに切削された単板をその繊維方向が
   直交するように積層した長尺合板の製造方法にお
   いて、合板１の表面単板２の繊維方向と直交する
   木口端部に、切欠き部を形成する水平長さL₂の
   傾斜面３を設け、一方裏面単板４の繊維方向と直
   交する木口端部に凸部を形成する前記傾斜面３に
   平行する水平長さL₁の傾斜面５を設け、かつ
   L₁，L₂の関係をL₁＞L₂とし、かつ中間単板７に
   前記傾斜面３，５に対して任意角度の衝き合せ面
   ８を形成して合板１にＺ形形状の木口面を形成
   し、 他方合板１に接合すべき合板１′に合板１の木
   口面に上下対称の木口面を形成し、 合板１，１′の木口面を衝合せ接合する、 ことを特徴とする長尺合板製造方法。