JPS6241022Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエレベータのかご室に関し、特に吊
天井を有するエレベータのかご室の改良に関する
ものである。

第１図は吊天井を備えた従来のエレベータかご
室を説明するためのものであつて、１はかご室で
あり、このかご室１は側壁２及び天蓋３を備え、
かご室１内の上部には天蓋３から吊下げ状態に吊
天井４が設置され、この吊天井４には照明板５が
取付けられていると共に、その内側には照明灯６
が設置されている。

しかし、このような従来のエレベータかごにお
ける吊天井４はかご室１に固定されるものである
ため、最初に設定したかご天井高さＨを変更する
ことができない。したがつてエレベータの使用勝
手を予め想定して天井高さを決めておく必要があ
り、しかも、かご室のインテリアデザインも吊天
井によつて殆んど固定されたものとなり変化でき
なかつた。

そこでこの考案は、吊天井をリンク機構によつ
て天蓋下面に支持し、これによりかご室の天井高
さを使用勝手に応じて任意に変更可能にし、併せ
てかご室のインテリアデザインに幅をもたせ得る
ようにしたエレベータのかご室を提供するにあ
る。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第２図はこの考案にかかる吊天井を備えたエレ
ベータかご室の一例を示すもので、第１図と同様
かご室１は側壁２及び天蓋３から構成され、そし
てかご室１の上部には吊天井４が複数の可動式リ
ンク機構７によつて上下動可能に支持されてい
る。このリンク機構７は第２図では２組しか図示
しないが、実際は４組あり、吊天井４を四個所で
支持するようになつている。

このようなリンク機構７は互いの中間部を回動
可能にＸ状に連結した一対のリンク８，９を有
し、このＸ状リンク８，９の一端はそれぞれ吊天
井４及び天蓋３に回動可能に連結され、そしてリ
ンク８の他端は天蓋３の下面に固着したガイド部
材１０に水平方向にスライド可能に係合されてい
るとともに、リンク９の他端は吊天井４の上面に
固着した門型ストツパ１１のラツク歯１１ａに係
合されている。なお、第２図において、その前後
に位置するリンク９（同図では前部側のリンクの
みを示す）のストツパ１１との係合端は通しの軸
により連結されていることが望ましい。

また、リンク機構７により支持された吊天井４
には照明板５が取付けられており、吊天井４の内
側には照明灯６が配置されている。

上記のように構成されたかご室の吊天井におい
て、長尺物の積込み運搬時等に際し、かご室１の
天井高さＨを高くした場合は、吊天井４を下方よ
り押し上げてリンク９の係合端９ａをストツパ１
１のラツク歯１１ａから外し、かかる状態で吊天
井４全体をさらに押し上げる。そして希望する天
井高さになつたとき、吊天井４に対する押し上げ
力を除けば、リンク９の係合端９ａがストツパ１
１のラツク歯１１ａに係合し、吊天井４は第２図
の実線に示す位置に保持されることになる。

また、第２図の実線に示す位置にある吊天井４
をかご室インテリアに適した位置、例えば１点鎖
線の状態に設定する場合は、吊天井４を僅かに持
ち上げてリンク９の係合端９ａをストツパ１１の
ラツク歯１１ａから外し、この非係合状態を保持
しながら吊天井４全体を下降させ、そして第２図
の１点鎖線の位置に来たときリンク９の係合端９
ａをストツパ１１のラツク歯１１ａに係合させれ
ば良い。

さらにまた、吊天井４が第２図の実線の状態に
あるとき、第２図の左側にあるリンク機構７のス
トツパ１１に対するリンク係合端９ａの移動量を
多くし、かつ、第２図の右側にあるリンク機構７
のストツパに対するリンク係合端９ａの移動量を
小さくすれば、吊天井を符号４′に示すように傾
斜させることができる。このことはインテリアデ
ザインに幅を持たせることになる。

即ち、本実施例にあつては、かご室天井の高さ
を必要に応じて、及びかご室インテリアに合せて
簡単に変更できるものである。

第３図はこの考案の他の実施例を示すもので、
リンク機構７におけるリンク９の他端を吊天井４
に取付けたガイド部材１２にスライド可能に係合
し、そして天蓋３の下面には電動機１３により前
進後退動作されるねじ杆１４を設け、このねじ杆
１４の一端をガイド部材１０に係合されているリ
ンク８に連結する。

このように構成されたかご室吊天井において、
電動機１３を正又は逆回転させることによりねじ
杆１４を矢印Ａ方向に前進、後退させれば、吊天
井４は上下されることになり、また、第３図に示
すねじ杆付き電動方式をリンク機構７毎に設けて
おけば、吊天井４の傾斜設定も可能になる。

以上のようにこの考案によれば、かご室内の吊
天井及び天蓋に一端を回動可能に連結し、かつ他
端側を吊天井及び天蓋に対し水平方向にスライド
可能に連係したＸ状リンクからなる複数個の可動
式リンク機構により吊天井をかご室天蓋に支持
し、そして上記Ｘ状リンクのスライド連係部の位
置を変化させることで吊天井を上下できるように
したものであるから、かご室天井の高さを簡単に
変更することができ、このため、長尺物の運搬時
には天井を押し上げて利用ができ、かつ乗客輸送
時はデザイン的最適な条件に設定することができ
る。即ちエレベータの使用勝手及びかご室のイン
テリアデザイン面よりかご室天井を簡単に変更可
能にできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来におけるエレベータかご室の概略
側面図、第２図はこの考案にかかる吊天井を備え
たエレベータかご室の概略側面図、第３図はこの
考案における吊天井支持機構部の他の実施例を示
す一部の側面図である。 １……かご室、２……側壁、３……天蓋、４…
…吊天井、５……照明板、６……照明灯、７……
リンク機構、８，９……リンク、１０，１２……
ガイド部材、１１……ストツパ、１１ａ……ラツ
ク歯、１３……電動機、１４……ねじ杆。なお、
図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. かご室天蓋及び吊天井に一端を回動可能に連結
   し、かつ他端を上記天蓋及び吊天井に対し水平方
   向にスライド可能に連係したＸ状リンクからなる
   複数個の可動式リンク機構により吊天井を天蓋に
   支持し、上記Ｘ状リンクのスライド連係部の位置
   を変化させるようにしたことを特徴とするエレベ
   ータのかご室。