JPS6240933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は比較的長尺の観賞用鉢植え植物を簡便
に包装して園芸店などから一般家庭に持ち運びす
るのに便利な、そして美感を呈し得る簡単な構成
の鉢植え植物の包装箱に関するものである。

近時、生活様式の多様化、洋風化に伴なつて一
般家庭でも家庭の装飾を兼ねて観賞用の鉢植え植
物を部屋内に飾る傾向が普及しつつあり、それに
つれて観葉植物のみならず、カトレヤやその他洋
らんなどのはち花が美麗であるので好まれ、従つ
て趣味的に育てて観賞するほか、贈答用品に利用
されることが多くなりつつある。

そこで斯かるはち花などを園芸店、一般花屋な
どで購入者に花を傷めることなくかつ携帯できる
ような安全性のある包装が必要となり、斯かる目
的のための包装容器が要求されるようになつて来
た。

本考案は斯かる現状に鑑みてなされたものであ
つて、観賞植物としての贈答にふさわしい外観を
呈し、しかも安定した状態で内部に鉢を受支で
き、包装時並びに包装箱内からのはち花の取り出
し時花を傷めることなく簡便に取扱えるようにし
た包装箱であつて、殊に包装の際鉢の大小に応じ
て付属を加減することができ、合理的にかつ強固
に固定でき、横向きにして持ち運び時安定な状態
となる構成の包装箱を提供することにある。

以下本考案を一実施例について図面により詳述
すれば、第１図乃至第４図に示すものは長寸の鉢
植え植物の包装箱を構成するための箱体とその内
部に収容する鉢支持体との展開状態のものであ
り、第１図に示す包装箱体１は図示の如き外形に
展開して段ボール紙等剛性大なる板紙を打抜いて
あり、所要の内法となるよう（具体例では平断面
正方形となるように等分して）内折曲げ線ア，
ア′，ア′，ア′を縦方向に入れ、図上左端の部片
２の外側には折曲げ線アに沿つて貼り合せ代３を
適宜幅にて箱形成時の側板部片２，２′，２″長さ
に対応するよう連接し、各側板部片２，２′，
２″，２′の箱形成時における底部形成のための底
部片４，４′，４，４′をそれぞれ折曲げ線イ，
イ，イ，イを介して連接してある。貼り合せ代３
を備えた側板部片２とこれに組立時対向する位置
の側板部片２″とに連接する底部片４，４は図示
の如く一側辺を傾斜させ、これと反対の辺は箱形
成時の板厚ｔ分折曲げ線ア′延長部から控えて折
曲げ線イと直角に形成すると共に、その基部隣接
部分にノツチ状の切欠き４″を設け、かつその切
欠きの上側斜辺の延長した線上にミシン目５を付
してある。そして残る他の二側板部片２′，２′に
連接する底部片４′，４′は前記底部片４，４の切
欠き４″を備えた側が折曲げ線イに対して傾斜角
大なる辺とし、反対側は折曲げ線イに対して傾斜
角少なる辺とした形状になつている。また側板部
片２，２′，２′の中央位置には長楕円形の窓６を
設け、残りの側板部片２″中間部の底部片側寄り
に部片の縦方向中心線上で所要の間隔にて長角小
孔のさげ手取付け孔７，７が穿設してある。そし
て各側板部片上端には折曲げ線ウ，ウ，ウ′，ウ
を介して、側板部片２には蓋片８を、側板部片
２′，２′にはそれぞれ内折曲げ片９，９を、側板
部片２″には内折り片９′を、それぞれ連接し、蓋
片８の先端部には閉止用の差込み片８′を折曲げ
線エを介して連接してあり、内折曲げ片９，９は
側板部片からの折曲げ線ウに平行して板紙の厚み
よりやや広い間隔をおいて折曲げ線ウ″を付し、
かつ中間部にも折曲げ線オをそれぞれ付したもの
となし、内折り片９′は他の各折曲げ片よりも短
かくて幅もやや狭い寸法にしてある。前記窓６部
分には透明の合成樹脂フイルムを張りつけてあ
る。

このような外形に打抜き形成した包装箱体展開
板は縦方向の折曲げ線ア，ア′，ア′，ア′に沿つ
て折曲げて貼り合せ代３部分とその反対側板部片
２′の外側縁とを重ね合せて接着剤又はステープ
ルによつて接合し、使用前においては第５図に示
すような状態で嵩低くして搬送するようになす。

而して第２図に示すのは鉢支持体１０（第６図
参照）の鉢受台１１となる部分を展開したもので
あり、中央に前記包装箱体１の組立時における内
法よりやや小さい寸法とした受板１２の図上左右
には適宜長さの脚片１３，１３を折曲げ線カ，カ
を介して対称に連接し、この各脚片１３，１３に
はその図上上下の両端位置に折曲げ線キ，キを介
して補強部片１３′，１３′を連接し、前記中央の
受板１２中央には中心から放射状に複数の切線１
４を等分に入れて、その各終端間を繋ぐ折曲げ線
クを付して鉢受け入れ孔形成部１５を形成したも
のであり、これら切線１４によつて切られた部分
を押し下げると鉢の受支孔が形成されるようにな
つており、かつこの受板１２に設けた受支孔は最
も大きい鉢を受支できるようにしてある。

また第３図に示すのは鉢支持体１０を構成する
縦支持部材１６であつて、受板１２の幅と等しく
して支持枠部１７と鉢受支部１８とを内折曲げ線
サ，サ′，シ，スを介在して一連のもので形成し
てあり、支持枠部１６の全長は前記包装箱体１の
高さ寸法Ｌから前記鉢受台１１の脚片１３高さｌ
を差引いた寸法よりやや短かい長さl′になつてお
り、鉢受支部１８は図示の如く内折曲げ線サとシ
との間に図上下側の中間部を適宜幅Ｗ切下げた段
付きの透孔１９を設け、上下方向等分位置で折曲
げ線サ′により直角に屈曲できるようにし、折曲
げ線シより先端に向け前記の折曲げ線サ，サ′間
寸法よりほぼ板厚分短かい寸法の部分１８′とそ
の先端に適宜寸法で貼着部分１８″とを有する形
状になつている。また前記支持枠部１７には包装
箱体１の側板部片に設けた窓６よりやや大きい寸
法の内窓形成部２０が包装箱内に納めたとき合致
する位置に配してあり、中央部縦長に透孔２１部
を設けると共に、その両側に内窓形成部２０周囲
の縦枠部分２２の幅とほぼ等しい幅の折曲げ補強
片２３をその上下（図上）端部は切線を入れ、縦
方向には半切線による折曲げ線セ，セをそれぞれ
付してなる。

斯かる縦支持部材１６は２枚を１組とし、その
鉢受支部１８は第６図に示す如く各内折曲げ線
サ，サ′，シ，スに沿つて内巻きにし、貼着部分
１８″を支持枠部１７の下部表面に接着剤を用い
て、またはステープルにより固着して、該支持枠
部１７の下端に細長い箱形をなす補助板取付け部
２５が形成されるようにし、斯くなしたものを鉢
受台１１の折曲げ線カ，カに下端外縁を合致する
ように接着して、鉢受台１１と支持枠部１７とが
一体になるように形成して鉢支持体１０が構成さ
れるようになし、通常時は第７図に示す如く展開
した状態で嵩張らないようにして搬送する。

斯くなされた包装箱体１と鉢支持体１０とでた
とえば洋らんのような長寸のはち花を包装するに
は、第８図に示す如く先づ鉢支持体１０の両脚片
１３，１３を折曲げ線カ，カに沿つて下向き直角
に折曲げ、かつ各補強片１３′，１３′を折曲げ線
キ，キに沿つて更に内側へ直交するよう折曲げ
て、受板１２が浮いた状態にする。次いで第９図
に示す如くはち花Ａを受板１２中央の鉢受入れ孔
形成部１５に鉢A′部を載せて押し込めば、切線
１４により分割されている部片が押し下げられて
鉢A′の胴部が各三角状の部片の折曲げ線クに沿
つた部分で受止められて受支孔で支持される。こ
の状態で鉢A′は鉢受台１１に浮かせて受支され
ている。そこで両側の支持枠部１６，１６を平行
に引き起し、別途に底部片４，４′，４，４′を周
知手段で交互に掛け合せて底面を形成した包装箱
体１の開口部１ａから、第１０図に示す如く鉢支
持体１０に受支せしめたはち花Ａを挿入する。な
お、包装箱体１の底部は予め組合せて重なり合う
部分で接着しておいても底部片４，４に付したミ
シン目５が対角線上に位置するので、このミシン
目５に沿つて箱を二つ折りして嵩張らない状態で
保管しておくことができ、このようにすれば包装
前に一々組立ることなく準備できるので便利であ
る。

斯くの如くして包装箱体１の上部開口部分から
被包装はち花Ａを該箱体内に収容すれば、脚片１
３と補強片１３′とによつて箱体１の内底部に鉢
支持体１０が安定状態で保持され、予め折曲げ線
セ，セに沿つて内側に縦枠部片２３を折畳んで補
強した状態にて内窓形成部２０が包装箱体１の窓
６に合致するように納まる。そこで内折曲げ片
９，９を折曲げ線ウ，ウ″に沿つて内挿した支持
枠部１６，１６の上部を囲うように内側に折込
み、しかる後内折り片９′を折り込むと、内折曲
げ片９，９がロツクされる。従つて蓋片８をその
先端の差込み片８′を折曲げて内折り片９′に沿わ
せて挿入すれば開口部が閉じ鉢支持体１０も固定
される（第１１図〜第１４図参照）。以後さげ手
取付け孔７，７に周知のさげ手３０をその両端で
係合することにより、包装状態にて横向けで持ち
運びすることができるのである。なお、窓６が設
けられているので内容物が確認でき、包装後であ
つても内容物の間違いが生ずることはない。そし
て包装状態からはち花を取出すには、前記操作と
逆の順序で開くことにより簡単に取出すことがで
きる。

而して洋らん類、その他比較的長寸のはち花類
を前記包装箱内に収容するに際して、鉢の寸法が
異なる場合、即ち被包装物のはち花が大小兼用に
して使用するようにしておけば、包装箱の種類を
変更することなく、第４図，に示す如く前記
した鉢支持体１０の鉢受台１１上に重ねて鉢受け
入れ孔形成部（前記の鉢受台１１における符号１
５部分）の鉢受け入れ孔径が中程度の補助板２６
及び小形の鉢用の補助板２６′を準備しておき、
これら両補助板２６，２６′はその最大寸法が受
板１２の外形寸法とほぼ合致する寸法にして、四
辺に鉢支持体１０を組立た状態での補助板取付け
部２５に形成される透し孔１９に対して挿入係止
できる寸法にした突出部２７がそれぞれ中央に設
けてあり、板中央には鉢受け入れ孔径が中又は小
となるように切線１４′を放射状に入れた鉢受け
入れ孔形成部１５′，１５″が形成したものを、被
包装はち花の鉢の大きさに応じて大寸の場合以外
は中鉢用の補助板２６又は小鉢用の補助板２６′
を選択して鉢受台１１上に重ね、その鉢受け入れ
孔形成部１５′又は１５″上から鉢を挿入すれば、
重ね合された鉢受け入れ孔形成部１５と１５′
（又は１５″）とが共に押し下げられて鉢が受け入
れられ、補助板２６又は２６′側の鉢受け入れ孔
形成部１５′（又は１５″）の寸法に応じて鉢は安
定支持されることになる。

なお、鉢支持体１０の両支持枠部１６，１６を
直立されたとき、その基部に付されている補助板
取付け部２５に形成される透し孔１９により鉢の
一部が受け止められ、更に包装時の安定性を図る
ことができるのである。

叙上の如く本考案によれば、被包装物である観
賞植物が長寸のものであつても、そしてその鉢の
寸法が大小異つても、鉢部分をその寸法に応じて
選択的に補助板を用いて、一種類の包装箱内に安
定状態で収容できて、そのまま横向きにして持ち
運びできる包装体となし得たのであり、外部から
内容物の状態確認も容易に行ない得て外観的体裁
もよく、観賞植物の包装用箱としてけだし有用な
ものであるといえる。

なお、本考案の趣旨に則すれば、上記実施例に
限定されるものではなく、箱寸法が正方形以外の
場合であつても、それぞれの辺の長さに対応して
関係する部分の寸法を設定することで目的を達成
できることはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の包装箱体一実施例展開図、第
２図は鉢支持体の鉢受台展開図、第３図は鉢支持
体の縦支持部材展開図、第４図は補助板を示す
図、第５図は包装箱体を組立る前の折畳んだもの
を示す斜視図、第６図は鉢支持体の組立状態を示
す斜視図、第７図は鉢支持体を展開した状態で示
す斜視図、第８図乃至第１０図は組立包装態様を
示す図、第１１図乃至第１３図は包装箱の開口部
を閉じる状態を示す図、第１４図は持ち運び時の
態様を示す図である。 １……包装箱体、２，２′……側板部片、３…
…貼り合せ代、４，４′……底部片、６……窓、
７……さげ手取付け孔、８……蓋片、８′……差
込み片、９……内折曲げ片、１０……鉢支持体、
１１……鉢受台、１２……受板、１３……脚片、
１４，１４′……切線、１５，１５′，１５″……
鉢受け入れ形成部、１６……縦支持部材、１７…
…支持枠部、１８……鉢受支部、１９……透し
孔、２０……内窓形成部、２５……補助板取付け
部、２６，２６′……補助板、２７……突出部、
３０……さげ手、Ａ……はち花。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダンボール紙等の板紙を打抜いて１枚で底部と
   蓋部と三側面に窓を有して他の一側面にさげ手取
   付け部を有する側板とからなる長角形の包装箱体
   と、該包装箱体の内法に納まる寸法で中央に被包
   装植物の鉢を浮かせて受支するように鉢受け入れ
   孔形成部を設けて両側に脚片を有した鉢受台、及
   びその上面に所有長さで相対向して内窓形成部を
   有すると共に鉢受台に取付く基部に鉢受け止め用
   透し孔を有する補助板取付け枠部を形成した一対
   の縦支持部材とを一体に固着した鉢支持体とから
   なり、該鉢支持体の鉢受台中央上面には、鉢の直
   径に対応して該鉢受台に直接設けた鉢受け入れ孔
   形成部よりも直径の小さい鉢受け入れ孔形成部
   と、前記鉢受け止め用透し孔と係合して固定され
   る突出部とを外周に形成した補助板が選択的に装
   着できるようにし、前記包装箱体の開口部側には
   該箱体内に受け入れた鉢支持体の縦支持部材を覆
   つて固定する内折曲げ片を対称に一対と、その固
   定用内折り片と、蓋片とが付されていることを特
   徴とする観賞用鉢植え植物の包装箱。