JPS6240893Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プラスチツクのブロー成形法により
本体と蓋体の如き中空体を有する二構成体よりな
るプラスチツク容器等において、その二構成体を
連結する圧縮薄肉化した屈曲自在連結部の構造に
関する。

本体と蓋体よりなり、ヒンジ構造によつて蓋体
を開閉自在に連結してなるプラスチツク容器にあ
つては、ヒンジ構造を本体と蓋体と同質材で一体
形成してなる薄肉の屈曲自在連結部としたものが
近時多くなつている。

本体とこれに対して開閉自在の蓋体とを薄肉の
屈曲自在連結部で連結してなる中空部を有するプ
ラスチツク容器は、通常ブロー成形法によつて成
形されるが、薄肉の屈曲自在連結部は屈曲回数が
増すにつれて材料が疲労し、鋭角状に折れること
等により多数の細かい亀裂が筋状に現われる、い
わゆる白化現象を呈し、それがさらに進行する
と、ついには破断してしまうことになる。

ところで、従来、上記の如き構造になるプラス
チツク容器の寿命は、容器本体部分の破損による
ことよりも屈曲自在連結部の破断によることが多
いので、この部分の屈曲強度の強化を図れば、容
器の耐用年数を大幅に向上させることになる。

本考案は、プラスチツク容器等における屈曲自
在連結部の屈曲強度を、その構造を何ら複雑化す
ることなく大幅に向上させることを目的とするも
のであつて、その構成の要旨は、屈曲自在連結部
を熱可塑化されたパリスンを重ね合わせ圧縮薄肉
化して中心部が一定範囲の肉厚と圧縮比となり、
かつ合わせ面より離れた外側面に位置する基部が
面状に形成した中心部より厚肉状となるように形
成したことにある。

以下、本考案の構成を図面に示した各実施例に
ついて具体的に説明する。

第１図において、１は中空二重壁構造のプラス
チツク容器であつて、２はその本体、３は蓋体で
あり、本体２と蓋体３は薄肉の屈曲自在連結部４
によつて連結され、本体２に対して蓋体３が屈曲
自在連結部４をヒンジとして開閉自在となつてい
る。この屈曲自在連結部４の基部４ａ，４ａは、
中心部４ｂよりやや厚肉に形成して屈曲自在連結
部の構造としている。

上記二重壁構造のプラスチツク容器１は、第３
図に示すように、押出ダイ５より押出したパリス
ン６を分割形式の金型７，７′に挟み、かつ吹込
針８によつて加圧流体を圧入して、本体２、蓋体
３および屈曲自在連結部４を一体的に形成する。
このため、屈曲自在連結部４は熱可塑化された二
重のパリスン６が圧縮された構造となる。

第５図、第６図および第７図はそれぞれ本考案
における二構成体の他例であつて、第５図の実施
例は、蓋体３の係止具９と蓋体３との連結部１０
に実施した例であり、第６図の実施例は、プラス
チツクタンク１１の連結部１２および取付ブラケ
ツト部１３に実施した例であり、また第７図は本
体、蓋体等に取付ける取付構成体１４，１４の連
結部１５に実施した例である。このほかにも、本
考案は二構成体の連結部に種々の態様で実施する
ことができる。例えば、本体２と把手との連結等
がその例である。

本考案に係る屈曲自在連結部４は、パリスンの
対向壁を重ね合わせ圧縮薄肉化して積層状に形成
され、かつ本体と蓋体の如き二構成体を閉じたと
きの合わせ面より離れた位置にて、二構成体と連
なる屈曲自在連結部の基部４ａ，４ａを、面状に
形成した中心部４ｂより厚肉に形成されているの
で、屈曲状態が曲面状となつて鋭角状に折れるこ
とがなく、その屈曲強度が大幅に向上され、しか
も、屈曲自在連結部４の中心部４ｂは薄肉に形成
されているので、屈曲自在連結部４の屈曲性をそ
こなうことはほとんどない。また、剥離や白化現
象が基部より内方へ進行する現象を最も効果的に
抑制することができる。

本体と蓋体の如き二構成体と屈曲自在連結部を
ブロー成形法によつて一体に形成する場合、その
屈曲自在連結部は成形金型の合わせ面上（パーテ
イングライン上）に形成される。また、本考案の
屈曲自在連結部の中心部肉厚は0.1〜2.0mm、好ま
しくは0.2〜1.0mmであり、ブロー成形法で形成す
るとき、屈曲自在連結部の中心部は、パリスンの
圧縮前の肉厚と圧縮後の肉厚との比（圧縮比）を
２以上、好ましくは５以上とするのがよい。圧縮
比が２未満であると、繰返し屈曲により剥離等が
発生しやすく、繰返し屈曲性に劣る。

以上のように、本考案は、プラスチツクのブロ
ー成形法により本体と蓋体の如き中空体を有する
二構成体およびそれらを連結する屈曲自在連結部
を一体に成形したプラスチツク容器等において、
上記屈曲自在連結部は、熱可塑化状態のパリスン
を重ね合わせ圧縮薄肉化して中心部の肉厚を0.1
〜2.0mm、圧縮比を２以上とし、合わせ面より離
れた外側面に位置する基部を面状に形成した中心
部より厚肉状に形成したものであるから、屈曲自
在連結部の繰返し屈曲特性を最良の状態とし、し
かも、その構造を何ら複雑化することなく屈曲強
度を大幅に増強させて、鋭角状に折れること等に
よる剥離や白化の進行する現象を最も効果的に抑
制することができ、さらに、屈曲自在連結部はパ
リスンを重ね合わせた積層状に形成され、屈曲状
態が曲面状となつて鋭角状に折れることがなく、
その実施化によりプラスチツク容器等の耐用年数
を大いに向上させることができる等、きわめて有
用性の高い効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図はプラスチツク容器の開蓋状態の斜視図、第
２図は180度開蓋した状態の屈曲自在連結部の側
面図、第３図はプラスチツク容器の成形態様を示
す断面略図、第４図Ａ，Ｂは屈曲自在連結部の構
成の他例図、第５図、第６図および第７図はそれ
ぞれ二構成体の他例を示す斜視図である。 １……プラスチツク容器、２……本体、３……
蓋体、４……屈曲自在連結部、４ａ，４ａ……そ
の基部、４ｂ……その中心部、６……パリスン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラスチツクのブロー成形法により本体と蓋体
   の如き中空体を有する二構成体およびそれらを連
   結する屈曲自在連結部を一体に成形したプラスチ
   ツク容器等において、上記屈曲自在連結部は、熱
   可塑化状態のパリスンの対向壁を重ね合わせ圧縮
   薄肉化して中心部の肉厚を0.1mm〜2.0mm、圧縮比
   を２以上とし、本体と蓋体の如き二構成体を閉じ
   たときの合わせ面より離れた位置にて、二構成体
   と連なる屈曲自在連結部の基部を、面状に形成し
   た中心部より厚肉状に形成したことを特徴とする
   屈曲自在連結部の構造。