JPH0462938B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、魚や肉類等の生鮮食料品を運搬する
容器として好適な、断熱性の折りたたみボツクス
に関する。

〔従来の技術〕

従来、生鮮食料品を運搬する容器としては、ポ
リスチレン系樹脂を発泡して成形したボツクスが
多く使用されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、上記発泡樹脂製ボツクスは、軽量で
断熱性に優れるが、 (a) 衝撃や、摩耗によつて破損し易い。

(b) 破損部分にゴミ等が付着して不衛生である。

(c) 空箱を回収する際、かさばり、輸送効率が極
めて悪い。

等の欠点があつた。

本発明は上記の事情に鑑み、断熱性がよく、耐
衝撃性で破損しにくく、衛生的で、しかも折りた
たみ自在で、効率のよい回収、運搬が可能な、生
鮮食料品等の運搬に好適な折りたたみボツクスを
提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を達成するために開発され
たもので、その要旨は、長方形または正方形の固
定枠と、地板と、上記固定枠の一方の対向する辺
に固着された接続部および上記地板の一方の対向
する縁のそれぞれに蝶番を介して内側方へ回動自
在に取付けられ、さらにその中央部にて蝶番を介
してくの字状に内側方に折りたためるように構成
された一方の対向する側板と、上記固定枠の他方
の対向する辺に固着された接続部に蝶番を介して
内側方へ回動自在に取付けられた他方の対向する
側板とを備えてなり、上記他方の対向する側板を
上記長方形または正方形の固定枠に対して垂直に
立て、上記一方の対向する側板を伸ばすことによ
つて組上げた際に、上記他方の対向する側板と一
方の対向する側板および地板とをそれぞれ固定す
るため互いに嵌合する嵌合部を上記他方の対向す
る側板、一方の対向する側板および地板に設けた
折りたたみコンテナーにおいて、上記地板および
一方の対向する側板にはフツクが設けられ、上記
他方の対向する側板には該フツクが嵌合する凹部
が形成されてなり、少なくとも地板と接続部と一
方の対向する側板と他方の対向する側板と蝶番と
は、それぞれオレフイン系重合体からなり、地板
と接続部と一方の対向する側板と他方の対向する
側板と蝶番とは、中空成形により成形されてな
り、蝶番は中空成形におけるパリソンを、一方の
金型の突出部を相対する他方の金型に押付け該押
付け側に押り曲げ可能に形成されてなり、接続
部、一方の対向する側板、地板およびこれらの間
に介在する蝶番ならびに接続部、他方の対向する
側板およびこれらの間に介在する蝶番はそれぞれ
一体成形されてなることを特徴とする折りたたみ
ボツクスにある。

〔発明の具体的構成および作用〕

以下本発明を説明する。

本発明に使用されるオレフイン系重合体として
は、例えばエチレンの単独重合体またはプロピレ
ンの単独重合体、エチレンとプロピレンの共重合
体、エチレンおよび／またはプロピレンと炭素数
が多くとも12個の他のα−オレフインとの共重合
体（α−オレフインの共重合割合は20wt％以下）
があげられる。これらのオレフイン系重合体のう
ち、エチレン単独重合体およびエチレンを主成分
とする共重合体の場合には、メルトインデツクス
（JIS Ｋ−6760にしたがい、温度が190℃および荷
重が2.16Kgの条件で測定、以下MIという）、また
は、プロピレン単独重合体、およびプロピレンを
主成分とする共重合体では、メルトフローインデ
ツクス（JIS Ｋ−6758にしたがい、温度が230℃
および荷重が2.16Kgの条件で測定、以下MFIとい
う）が5.0ｇ／10分以下のものが用いられるが、
0.01〜5.0ｇ／10分のものが好ましく、特に0.1〜
2.0ｇ／10分のものが好適である。

上記オレフイン系重合体を用いて、本発明の折
りたたみボツクスをつくるには、オレフイン系重
合体の成形分野において一般に実施されているパ
リソンを開いた金型の間に押出し、これを金型を
閉じて挟持して、エアブローする中空成形法（ブ
ロー成形法）によつて、地板、一方の対向する側
板、接続部およびこれらを一体につなぐ蝶番なら
びに他方の対向する側板、接続部およびこれらを
一体につなぐ蝶番をそれぞれ形成する。上記蝶番
は、金型を閉じてパリソンを挟持した後、一方の
金型の可動突出部を他方の金型の面に押付けてバ
リソンを融着させてエアブローすることによつて
形成される。この部分は、比較的薄肉の単層とな
り、折曲自在な蝶番が形成される。上記成形の際
の成形温度は通常180〜250℃で、特に190〜230℃
が好適である。温度が180℃より低いと、パリソ
ンの軟化度が低くすぎ、また250℃を越えると軟
化し過ぎて、いずれの場合でも、成形が困難とな
る。

また、固定枠は、アルミニウム等の金属を用い
てもよいが、生鮮食品運搬用としての衛生面を考
慮すると、本体と同様なオレフイン系重合体の射
出成形品であることが好ましい。

次に図面を参照して本発明の折りたたみボツク
スの構成を説明する。

第１図ないし第７図は、本発明に係る折りたた
みボツクスの一実施例を示す図で、第１図は、中
空成形法によつて一体成形された地板１、地板１
の長手部にそれぞれ蝶番２，２を介して取付けら
た長手側板３，３、および長手側板３，３に蝶番
４，４を介して取付られた接続部５，５よりなる
部品Ａの斜視図である。上記長手側板３，３の中
央には、これを折曲する蝶番６，６が、上記蝶番
２，４と反対側に折曲するように形成されてい
る。この蝶番６は、後述する理由により長手側板
３が立上つて平面となつた時点で、蝶番６の厚さ
方向の面が当接するようになつている。

また、第２図は、部品Ａと同様に中空成形によ
つて一体につくられ、蝶番７を介して一体に接続
された短手側板８と接続部９よりなる部品Ｂの斜
視図である。

上記部品Ａの地板１の両側縁外面、および長手
側板３，３の両側縁外面には、所要の位置に凹溝
嵌合部１１および１１′が設けられ、この凹溝嵌
合部１１，１１′には、あと加工によつて断面コ
字形の金属或いはプラスチツクス製の剛性フツク
１０，１０′の一端が、縁に平行な軸（図示せず）
によつて回転自在に取付けられ、上記部品Ｂの短
手側板８の外面には、上記フツク１０，１０′の
他端が挿入される嵌合部１２，１２′が設けられ
ている。

また、第３図および第４図は、折りたたみボツ
クスの全体図で、それぞれ折りたたむ時の状態、
およびボツクスとして使用する場合の状態を示す
図である。

図より明らかなように、折りたたみボツクス
は、長方形の固定枠１３の対向する長手部１３
ａ，１３ａに、部品Ａの接続部５，５を皿ねじ、
或いは接着等によつて固定し、固定枠１３の短手
部１３ｂ，１３ｂに、短手側板８を地板１および
長手側板３，３の内側に位置させて、部品Ｂの接
続部７を固定して、本発明の折りたたみボツクス
が構成されている。

上記ボツクスを折りたたむ場合には、短手側板
８を蝶番７によつて内側に折り曲げるとともに、
長手側板３を蝶番６より折り曲げると、蝶番２，
４が折れ曲がり、ボツクスは折りたたまれる。

また、ボツクスとして使用する場合には、短手
側板８を固定枠１３に対して垂直となるように回
動する。この際地板１、長手側板３の縁には、フ
ツク１０，１０′の一端が取付けられているので、
これがストツパとなり、短手側板８は、１０，１
０′に接して垂直な位置に止まる。次いで各フツ
ク１０，１０′の他端を短手側板８の孔嵌合部１
２，１２′に接入することにより、短手側板８は
立上つた長手側板３および地板１と係止され、ボ
ツクスが形成される。

この場合、第５図に地板１と短手側板８の嵌合
部１１，１２をフツク１０で係止した位置の縦断
面図、第６図に長手側板３と短手側板８の嵌合部
１１′，１２′をフツク１０′で係止した位置の断
面図を示すように、短手側板８が内側に回動して
ボツクスが折りたたまるのを防止するため、地板
１および長手側板３にアンダーカツト１４または
１５が設けてある。

上記ボツクスに運搬される荷を入れた場合、フ
ツク１０によつて地板１の変形が防止され、フツ
ク１０′によつて長手側板３、短手側板８の胴ぶ
くれが防止されるが、さらに、第７図に長手側板
３の縦断面図を示す用に、蝶番６部分の厚み方向
の当り面１６，１７は、長手側板３が立上がり、
垂直となつた時点で当接させて胴ぶくれ防止する
ことが必要であるが、特に垂直になるやや前に当
接するようにすると効果的である。このような蝶
番６を形成するにはあと加工による肉盛り、その
他種々な方法があるが、例えば第８図に示すよう
にこの部分が折曲した状態の金型を用いて蝶番６
を形成すれば、２点鎖線で示すように任意の角度
で当り面１６，１７が当接する蝶番６が得られ
る。

また、固定枠１３を下方に延ばして、側板３，
８のストツパ１８を設ければ、さらに強固に側板
を垂直に位置させることが可能となる。上記スト
ツパー１８の下端位置は、ボツクスを折りたたん
だ場合、地板１の外面と同じレベル以内とするこ
とが好ましい。

上記ボツクスは中空の地板１、長手側板３、短
手側板８が使用されているので、断熱性はよい
が、上記中空部分に発泡ウレタンや発泡ポリエチ
レン等を注入すれば、さらに断熱性のよい、強度
の優れた折りたたみボツクスが得られる。

なお上記説明では、固定枠を長方形としたが当
然のことながら正方形であつてもよい。また、地
板、長手側板と短手側板の係合は、嵌合部に嵌合
されるコ字形の剛性フツクを用いたが、同じ機能
を有すれば、嵌合部の位置、形状、フツクの形状
に制限はない。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明の折りたたみボツク
スは、中空成形によつて一体成形された少数の部
品を主体として、容易につくられ、断熱性も優
れ、荷を運搬した後は、折りたたんで返送回収出
来るので、効率のよい流通が可能となるなど多く
の長所を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、中空成形法によつてつ
くられる部品の斜視図で、第１図は、地板、長手
側板、接続部よりなる部品の図、第２図は短手側
板、接続部よりなる部品の図、第３図および第４
図は折りたたみボツクスの全体を示す斜視図で、
第３図は折りたたむ状態を示す図、第４図はボツ
クスに組上げた図、第５図は、第４図の−線
矢視断面図、第６図は、第４図の−線矢視断
面図、第７図は、第４図の−線矢視断面図、
第８図は、蝶番６を成形する場合の一例を示す断
面図である。 １……地板、２……蝶番、３……長手側板、４
……蝶番、５……接続部、６……蝶番、７……蝶
番、８……短手側板、９……接続部、１０，１
０′……フツク、１１，１１′……凹溝嵌合部、１
２，１２′……孔嵌合部、１３……固定枠、１３
ａ……長手部、１３ｂ……短手部、１４，１５…
…アンダーカツト、１６，１７……蝶番６の厚み
方向の当り面、１８……ストツパ、Ａ，Ｂ……部
品。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 長方形または正方形の固定枠と、地板と、上
   記固定枠の一方の対向する辺に固着された接続部
   および上記地板の一方の対向する縁のそれぞれに
   蝶番を介して内側方へ回動自在に取付けられ、さ
   らにその中央部にて蝶番を介してくの字状に内側
   方に折りたためるように構成された一方の対向す
   る側板と、上記固定枠の他方の対向する辺に固着
   された接続部に蝶番を介して内側方へ回動自在に
   取付けられた他方の対向する側板とを備えてな
   り、上記他方の対向する側板を上記長方形または
   正方形の固定枠に対して垂直に立て、上記一方の
   対向する側板を伸ばすことによつて組上げた際
   に、上記他方の対向する側板と一方の対向する側
   板および地板とをそれぞれ固定するため互いに嵌
   合する嵌合部を上記他方の対向する側板、一方の
   対向する側板および地板に設けた折りたたみコン
   テナーにおいて、上記地板および一方の対向する
   側板にはフツクが設けられ、上記他方の対向する
   側板には該フツクが嵌合する凹部が形成されてな
   り、少なくとも地板と接続部と一方の対向する側
   板と他方の対向する側板と蝶番とは、それぞれオ
   レフイン系重合体からなり、地板と接続部と一方
   の対向する側板と他方の対向する側板と蝶番と
   は、中空成形により成形されてなり、蝶番は中空
   成形におけるパリソンを、一方の金型の突出部を
   相対する他方の金型に押付け該押付け側に押り曲
   げ可能に形成されてなり、接続部、一方の対向す
   る側板、地板およびこれらの間に介在する蝶番な
   らびに接続部、他方の対向する側板およびこれら
   の間に介在する蝶番はそれぞれ一体成形されてな
   ることを特徴とする折りたたみボツクス。