JPS6240433B2 - - Google Patents

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JPS6240433B2
JPS6240433B2 JP53126896A JP12689678A JPS6240433B2 JP S6240433 B2 JPS6240433 B2 JP S6240433B2 JP 53126896 A JP53126896 A JP 53126896A JP 12689678 A JP12689678 A JP 12689678A JP S6240433 B2 JPS6240433 B2 JP S6240433B2
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JP
Japan
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ion exchange
membrane
exchange capacity
fluorine
weight
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JP53126896A
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Kyotaka Arai
Manabu Kazuhara
Yoshio Oda
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5554581A publication Critical patent/JPS5554581A/ja
Publication of JPS6240433B2 publication Critical patent/JPS6240433B2/ja
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、塩化アルカリ水溶液の電解方法、更
に詳しくは、変性含フツ素陽イオン交換膜を使用
するイオン交換膜法電解により、高電流効率、低
電圧にて比較的低濃度の水酸化アルカリと塩素と
を製造できる塩化アルカリ水溶液の電解方法に関
する。 近年、従来のアスベスト隔膜に代えて、イオン
交換膜を隔膜とするイオン交換膜法電解は、原料
の塩化アルカリを含まない高純度の水酸化アルカ
リと塩素とを製造しうるために注目され、工業的
にも一部実施されている。この際のイオン交換膜
としては、耐塩素性及び耐アルカリ性の点より含
フツ素陽イオン交換膜が使用されており、なかで
もカルボン酸基をイオン交換基とする含フツ素陽
イオン交換膜は、水酸化アルカリと塩素とをスル
フオン酸基をイオン交換基とするものに比べて水
酸化アルカリが高濃度になつたときにも高電流効
率にて製造しうるので、塩化アルカリの電解用イ
オン交換膜として、特に優れていることが知られ
ている。(特開昭51−130495号、特開昭51−
140899号公報参照) かゝるカルボン酸基を交換基とする含フツ素陽
イオン交換膜としては、イオン交換容量に応じて
上記イオン交換膜は性能が異なり、高電流効率に
て製造できる水酸化アルカリの濃度が異なる。 本発明者の研究によると、小さいイオン交換容
量の膜は、比較的低濃度の水酸化ナトリウムを製
造するのに有利であり、一方大きいイオン交換容
量の膜は、比較的高濃度の水酸化ナトリウムを製
造するのに有利である。 このため、低濃度の水酸化アルカリについて
は、上記に従つてイオン交換容量の低い膜を使用
すれば高電流効率で製造できるが、この場合、イ
オン交換容量が低いために膜の電気抵孔が大き
く、従つて槽電圧が上昇するという欠点がある。
一方、イオン交換容量の大きい膜をそのまま低濃
度の水酸化アルカリの製造に使用したのでは、電
流効率自体が低いという結果を招く。 本発明者は、低濃度の水酸化アルカリの製造に
おける上記の欠点を解消し、かゝる場合に高電流
効率でしかも低電圧にて塩化アルカリ水溶液を電
解しうる方法について、鋭意研究を行なつたとこ
ろ、含フツ素陽イオン交換膜の表層を一部変性処
理することにより、かゝる目的を十分満足する方
法を見い出し、これを本発明として提供するもの
である。 即ち、本発明は、イオン交換膜法による塩化ア
ルカリ水溶液の電解方法において、イオン交換膜
として、カルボン酸基をイオン交換基とし、イオ
ン交換容量が、1.1〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂か
らなる有フツ素陽イオン交換膜であつて、その少
くとも一面における表層部分のイオン交換容量を
上記本体部分のそれの2/3を越えるが95%以下に
低下せしめた変性含フツ素陽イオン交換膜を使用
して低濃度の水酸化アルカリと塩素とを製造する
ようにしたことを特徴とする塩化アルカリ水溶液
の電解方法にある。 かゝる本発明によれば、例えば30重量%以下、
更には15〜28重量%という低濃度の水酸化アルカ
リを製造する場合において、電流効率は、低濃度
水酸化アルカリの製造に適したイオン交換容量の
膜とほぼ同じ優れた値が保持できるとともに、電
解電圧も高濃度水酸化アルカリの製造に適したイ
オン交換容量の膜とほぼ同じ程度にまで低減でき
るので、工業的長時間の電解においては省電気エ
ネルギーという観点から極めて有利である。 本発明において使用されるカルボン酸基をイオ
ン交換基とする含フツ素イオン交換膜は、そもそ
も高濃度の水酸化アルカリの製造に適した大きい
イオン交換容量の膜が有利である。イオン交換容
量が大きい膜は、それだけ電気抵抗が小さくなる
ので、電解槽電圧を低下せしめるという点では、
イオン交換容量は大きいほど有利である。しかし
ながら、イオン交換容量が過度に大きくなる場合
には、膜を構成する含フツ素重合体の分子量が小
さくなり、成膜が困難になるので好ましくない。
かくして、本発明で使用される含フツ素陽イオン
交換膜のイオン交換容量は、1.1〜2.0ミリ当量/
g乾燥樹脂、なかでも特には1.2〜1.7の場合が特
に好ましい。 本発明でイオン交換基を有するカルボン酸基と
は、一般式−COOM(Mは水素又はアルカリ金
属を示す)で表わされる基が意味される。そし
て、カルボン酸基を交換基とする含フツ素陽イオ
ン交換膜は、種々の含フツ素重合体から構成でき
るが、好ましくはフツ素化オレフイン単量体とカ
ルボン酸若しくは該基に転換しうる官能基を有す
る重合能ある単量体との共重合体が使用される。
該共重合体としては、なかでもそれぞれ以下の
(イ)、(ロ)の重合単位を形成しうる単量体の使用が好
ましい。 (イ) (−CF2−CXX′)−、(ロ)
【式】 こゝでXはフツ素、塩素、水素又は−CF3であ
り、X′は、X又はCF3(CF2n−であり、mは1
〜5であり、Yは次のものから選ばれる。 (−CF2)−pA、−O−(CF2)−pA、
【式】
(−CF2)−p(−CH2)−qA p、q、nは、ともに、1〜10であり、Z、R
fは、−F又は炭素数1〜10の含フツ素アルキル基
から選ばれた基であり、Aは、−COOM又は−
CN、−COF、−COOR1、−CONR2R3又び−
COONR4などの加水分解又は中和反応により−
COOMに転換しうる官能基を示す。R1は、炭素
数1〜10のアルキル基、Mは上記と同じであり、
R2〜R4は水素又は炭素数1〜10のアルキル基を
示す。 上記(イ)及び(ロ)の重合単位からなる共重合体の場
合、上記(イ)、(ロ)の割合は、それぞれ所望の交換容
量を与えるように、共重合体中の(ロ)の重合単位が
適宜選ばれる。 含フツ素共重合体の製造にあたつては、上記
(イ)、(ロ)の重合単位を構成するそれぞれ一種以上の
モノマーを使用することができ、またこれらのモ
ノマーのほかに他の成分例えばCF2=CFORf
(Rfは炭素数1〜10の含フツ素アルキル基)、
CF2=CF−CF=CF2、CF2=CFO
(CF21〜4OCF=CF2のジビニルモノマーなどの
一種又は二種以上を併用することにより得られる
共重合体を架橋し、膜の機械的強度をある場合に
は改善することができる。 本発明の含フツ素重合体は、グラフト共重合体
又はブロツク共重合体でもよいが、上記(イ)、(ロ)の
如きモノマーを直接共重合させて得られる共重合
体が、イオン交換基の均一な分散性の点で特に好
ましい。含フツ素重合体の分子量は、得られる膜
の機械的性質及び成膜性とも関係するので、好ま
しくは、含フツ素共重合体の容量流速100ml/秒
を示す温度(TQ)が、130〜350℃、特には160〜
300℃の範囲を有するような高分子量のものが好
ましい。 なお、上記含フツ素重合体には、必要に応じ
て、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフ
イン重合体、更にはポリテトラフルオロエチレ
ン、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重
合体などの含フツ素重合体をブレンドすることも
でき、また、これらの重合体からなる布、ネツト
などの織物、不織物或いは多孔性フイルムからな
る支持体により共重合体を支持せしめて膜を補強
せしめることができる。なお、このようなイオン
交換基を有さないブレンド又は支持体を形成する
樹脂の重さは、上記イオン交換容量の値には算入
されない。 引き続いて、含フツ素重合体は膜成型される。
膜成型の手段は、既知の任意の手段、例えばプレ
ス成型、ロール成型、押出し成型、溶液流延法、
デイスパージヨン成型又は粉末成型などにより行
なわれる。かくして製膜されるが、イオン交換樹
脂膜として、例えば電解の際、電解液を実質上透
過させず、特定のイオンだけを選択的に透過させ
るというイオン交換樹脂膜本来の必要性から非多
孔性の緻密な膜に成膜することが必要であり、こ
の意味で膜の透水量は、水柱1m(60℃、PH10の
4NのNaCl中)で100ml/時間/m3以下、特には10
ml/時間/m2以下にすることが好ましい。また膜
厚は、好ましくは20〜1000ミクロン、更には50〜
500ミクロンにせしめるのが好ましい。 かゝる含フツ素重合体の製膜工程に相前後し、
好ましくは製膜後に、重合体がカルボン酸基その
ものではなく、該基に転換しうる官能基の場合に
は、それに応じた適宜の処理により、これらの官
能基はカルボン酸に転換される。例えば、−CN、
−COF、−COOR1、−CONR2R3及び−COONR4
(R1〜R4は上記と同じ)の場合には、酸又はアル
カリのアルコール溶液により加水分解又は中和せ
しめてカルボン酸又はその水溶性塩にした後本発
明に使用される。 上記含フツ素陽イオン交換膜は、塩化アルカリ
水溶液の電解に使用するに際し、上記のようにそ
の少なくとも一面における表層部分のイオン交換
容量を低下せしめるための変性処理される。変性
処理される膜の表層部分の厚みは、本発明では極
めて小さい範囲で上記目的が達成され、これは膜
の電気抵抗を上昇せしめないという点で極めて有
利である。本発明者の研究によると、処理の厚み
は、好ましくは0.1〜50μ、特には0.5〜10μが好
ましい。上記範囲より小さい場合には、目的達成
の効果が小さいとともに、耐久性が小さく、逆に
大きい場合には上記のように電気抵抗が大きくな
る。変性後の表層部分のイオン交換容量も、本発
明の目的達成にとつて重要であり、製造すべき水
酸化アルカリの濃度によつて異なり、目的とする
水酸化アルカリの濃度が大きいときには、大きい
イオン交換容量が要求され、水酸化アルカリの濃
度が小さいときには、小さいイオン交換容量が要
求される。かくして本発明においては15〜30重量
%の水酸化アルカリを製造する場合、イオン交換
容量は好ましくは0.8〜1.3、特には0.9〜1.2に制
御される。上記範囲より小さい場合には、電気抵
抗が大きくなるだけでなく、電流効率自体も小さ
くなり、逆に上記範囲より大きい場合には電流効
率が小さく本発明の目的が達成されない。更に、
上記変性処理は、膜の一面の表層部分、特には電
解槽の陰極側に面する表層部分に施すことによ
り、電流効率及び電解電圧の点で一層有利になる
ことが判明した。 表層部分のイオン交換容量を低下させる手段と
してはそのための種々の手段が使用できる。例え
ば、イオン交換膜の表面に、上記の如きイオン交
換容量の異なるイオン交換膜を貼り合わせるなど
の手段も可能であるが、この場合はかかる工程が
複雑化するとともに、上記貼り合わせ又は隔着面
が不均質であるため、膜が剥離したり、ふくれた
りする虞れがあるとともに、膜の電気抵抗が高く
なるという難点がある。 このため本発明では、上記イオン交換膜の有す
るカルボン酸基が高温、高濃度の水酸化アルカリ
中で分解現象を起すという事実に基く手段で変性
処理を行なうのが好ましい。かくして、本発明で
は、カルボン酸基が、温度が80℃以上の場合、40
重量%を越える水酸化アルカリ水溶液中で不安定
になり徐々に分解を起す現象を利用し、好ましく
は温度80℃以上にて、濃度50重量%〜90重量%、
特に操作上好ましくは、温度90〜120℃にて、濃
度50〜75重量%の水酸化アルカリと接触させるこ
とにより実施される。処理に使用する水酸化アル
カリの濃度は、上記より小さくてもよいが、かゝ
る場合には、より高温、長時間の処理が必要とさ
れる。例えば、水酸化アルカリの濃度が30重量%
以下の水酸化アルカリのときには、140℃以上の
高温で処理が要求される。水酸化アルカリとの接
触時間は、上記したように膜の表層部分のイオン
交換容量が、上記範囲になるように選ばれるが、
能率上好ましくは30分〜100時間、特には4〜40
時間で実施される。 かゝる水酸化アルカリによる接触処理の場合、
処理される2枚の陽イオン交換膜の少なくとも周
辺部分を封着し袋状ユニツトとし、かゝるユニツ
トを水酸化アルカリ水溶液中に浸漬することによ
り、その片面だけが処理された陽イオン交換膜が
容易に且つ効率的に処理されうる。かゝる場合、
本発明者の研究によると、陽イオン交換膜のイオ
ン交換基である、カルボン酸基が特にエステル型
になつている場合には、重ね合わされた2枚の膜
を常温に含む10〜50℃で、比較的小さい0.1〜10
Kg/cm2(ゲージ)で押圧することにより、2枚の
膜の周辺部乃至全体が完全に封着され、封着の場
合の特別な手段を要しないことが見い出された。
そして、かゝる封着ユニツトを水酸化アルカリと
接触処理した後に、イオン交換基であるカルボン
酸エステルを十分加水分解してカルボン酸又はカ
ルボン酸のアルカリ金属塩にすることにより、封
着していた2枚の膜は、再び小さな力で2枚に分
離できる。なお、封着されるイオン交換膜がカル
ボン酸のエステル型でない場合には、2枚の膜の
周辺部の封着には、例えば四フツ化エチレンポリ
マー系などの適宜の封着用のシール材が使用され
る。 上記水酸化アルカリによる本発明の接触処理
は、特別な設備を付加することなく、塩化アルカ
リ水溶液の電解において、陰極室における水酸化
アルカリ水溶液の濃度と温度を上記した範囲に保
持することにより容易に達成することができるの
で、実施上極めて有利である。 本発明におけるその他の変性処理としては、例
えば、NH2−(CH22〜10−NH2などのアミンを膜
の表層部分に塗布し、好ましくは150〜200℃に加
温してカルボン酸基を分解させる方法、或いは酸
化処理、還元処理、放電処理、電離性放射線処理
又は火焔処理などのカルボン酸基を分解するため
の種々の既知の手段が採用が可能である。 いずれにせよ、本発明におけるイオン交換膜の
変性処理により、末処理の本体部分のイオン交換
容量の好ましくは2/3を越えるが95%以下に低下
せしめて変性後の交換容量として、0.9〜
1.3meq/g乾燥樹脂にせしめるのが好ましい。 本発明において、塩化ナトリウム水溶液を電解
する他の条件については、既知のいずれの隔膜電
解における方式をも採用できるが、好ましくは、
電解電圧及び電流密度は、それぞれ2.3〜5.5ボル
ト、5〜80A/dm2、特には15〜50A/dm2が採
用できる。電解温度としては、好ましくは75〜
105℃、特には85〜95℃が採用される。電解に使
用される陽極は例えば黒鉛又はチタン母体に白金
族金属を被覆したり、白金族金属の酸化物を被覆
した寸法安定性を有する耐食性電極を適宜使用す
ることができる。また、電解槽、被極槽などのい
ずれの方式も採用できる。 以下に、本発明を更に具体的に示すために実施
例を挙げるが、本発明は、上記の記載及び下記の
実施例に限定されないことはもちろんである。 なお、以下の実施例における含フツ素陽イオン
交換樹脂膜の交換容量は次のようにして求めた。
即ち、陽イオン交換樹脂膜を、1NのHCl中で60
℃、5時間放置し完全にH型に転換し、HClが残
存しないように水で充分洗浄した。その後該H型
の0.5gの膜を0.1NのNaOH25mlに加えてなる溶
液中に浸漬し、完全にNa+型に転換した。次いで
膜をとり出して溶液中のNaOHの量を0.1Nの塩酸
で逆滴定することにより求めた。 また、容量流速は、30Kg/cm3加圧下、一定温度
の径1mm、長さ2mmのオリフイスを流出するポリ
マー量をmm/秒の単位で示したものである。 実施例 1、2 CF2=CF2とCF2=CFO(CF23COOCH3とを
アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として乳化
重合を行いポリマーを得た。このポリマーのイオ
ン交換容量は、1.50meq/g乾燥樹脂、容量流速
が100mm/秒となる温度(TQ)は230℃であつ
た。このポリマーを230℃でプレス成型して膜厚
300μのフイルムとした。 このフイルムを25%苛性ソーダ中に90℃、16時
間浸漬して加水分解してNa型陽イオン交換膜と
した。かかる陽イオン交換膜を区画されたニツケ
ル製セルの中央におき、片方には25重量%水酸化
ナトリウムを、他方には60重量%水酸化ナトリウ
ムを入れて95℃にて70時間保持した。かかる処理
を行なつた膜を一部切取り、多重反射赤外吸収ス
ペクトルをとつたところ、25重量%水酸化ナトリ
ウムに接していた膜面のスペクトルに変化は見ら
れなかつたが、60重量%水酸化ナトリウムに接し
た膜面のスペクトルには−COO−基の吸収の他
に−CF2H基およびNa2CO3による吸収が見られ
た。更に該膜をCa++型にイオン交換し、X線マ
イクロアナライザーで膜断面方向のイオン交換容
量の分布の調べた結果、60重量%水酸化ナトリウ
ムに接した膜面が厚さ10μの部分につきイオン交
換容量が1.15に低下していることが判つた。 残りの処理膜を2分割し、2台の2室法電解セ
ルにはさみ電解耐久試験を行なつた。結果を第1
表に示す。 上記のようにして片面のイオン交換容量を低下
させたイオン交換膜を使用して、陽極と陰極とを
区画し、二室型電解槽を形成し、陽極にはロジウ
ム被覆チタン電極、陰極には、ステンレスをそれ
ぞれ使用し、極間距離5cm、膜の有効面積25cm2
し、それぞれ濃度30重量%、25重量%の水酸化ナ
トリウムを得るべく塩化ナトリウム水溶液の2通
りの電解を行なつた。電解はいずれも、陽極室に
5Nの塩化ナトリウム水溶液を150c.c./時間、陰極
室には水酸化ナトリウムを製造すべき濃度に保持
するように水を供給し、電流密度40A/dm2、温
度90℃にて実施した。そして、陽極室から塩化ナ
トリウム水溶液を溢流せしめる一方、陰極室から
溢流する水酸化ナトリウム水溶液を捕集し、生成
水酸化ナトリウム量からその電流効率を求め、あ
わせて電槽電圧も測定した。その結果を第1表に
示す。 なお、比較のため、上記変性処理をしない元の
含フツ素陽イオン交換膜を使用し、上記と同様
に、水酸化ナトリウム濃度の異なる2通りの電解
を行ない、その結果をあわせて第1表に示す。
【表】 なお、上記365日後の生成水酸化ナトリウム水
溶液中の食塩の含有量(50重量%のNaOH換算)
は、実施例1〜比較例2でそれぞれ、7ppm、
10ppm、30ppm、50ppmであつた。 実施例1で使用した膜の抵抗を25重量%NaOH
中25℃で測定したところ1000Hzにおいて630Ω−
cmであり、比較例1の抵抗は420Ω−cmであつ
た。 実施例 3 実施例1と全く同様にして製造したC2F4とCF2
=CF−O−(CF23COOCH3からなるポリマーの
膜状成型物を加水分解して得た陽イオン交換膜
(交換容量1.5、厚さ300μ)を2室法セルにはさ
み、陽極液食塩水濃度を4Nに保ち、40A/dm2
90℃で電解を行なつた。電解開始後2日間は陰極
室NaOH濃度を40wt%に保ち、更に3日間陰極室
NaOH濃度を67重量%に保ち電解を行なつた。濃
度を40%から67%に上昇せしめることにより槽電
圧は0.4V上昇した。しかる後に陰極室NaOH濃度
を30%に下げて365日間電解耐久試験を行なつた
結果、アルカリ生成電流効率は96〜97%の範囲で
一定値を示し、槽電圧は3.7Vで変化はなかつ
た。 1年間通電した膜を取出し、25%NaOH中での
比抵抗を25℃で測定したところ475Ω−cmであつ
た。更に、Ca++型にイオン交換し、非分散型X
線マイクロアナライザーで陰極面のイオン交換容
量を測定したところ、1.1であつた。 実施例 4 実施例1と同じCF2=CF2とCF2=CFO
(CF23COOCH3の共重合体であるが、イオン交
換容量1.46、TQ230℃の共重合体からなる厚さ、
300μ、大きさ10cm×10cmの2枚のイオン交換膜
を、重ね合わせ、室温で10Kg/cm2の圧力下に圧着
した。 圧着ユニツトを60重量%の水酸化カリウム水溶
液中に浸漬し、110℃で16時間保持した。次い
で、処理物を、25重量%の水酸化カリウム水溶液
中に90℃、16時間浸漬し、十分に加水分解したと
ころ、圧着ユニツトを構成する2枚の膜は容易に
はがすことができた。 処理後のイオン膜の、60重量%の水酸化カリウ
ムに接した面を実施例1と同様にして、X線マイ
クロアナライザーで調べたところ、膜面下厚さ5
μの部分につき、イオン交換容量が1.20meq/g
に低下していることが判明した。 かゝるイオン交換膜を、実施例1と同様に処理
面を陰極側に向けて電解槽を組立て、陽極室に3
規定の塩化カリウム水溶液を供給し、陰極室の水
酸化カリウムを25重量%に保持し、電流密度
20A/dm2にしたほかは実施例1と同様にして電
解を行なつたところ、電流効率は97%、槽電圧は
3.3Vであつた。 一方、同じ共重合体からなる未処理のイオン膜
を使用した電解における電流効率は、90%、電圧
は3.1Vであつた。 実施例 5 CF2=CF2とCF2=CFOCF2CF(CF3)O
(CF23COOCH3とをアゾビスイソブチロニトリ
ルを開始剤として乳化重合を行いポリマーを得
た。このポリマーのイオン交換容量は、
1.2meq/g乾燥樹脂、TQは230℃であつた。こ
のポリマーを230℃にてプレス成型して膜厚300μ
のフイルムとした。 このフイルムを実施例4と同様にして、2枚重
ねあわせて、室温で10Kg/cm2で圧着した。 圧着物を、50重量%の水酸化ナトリウム水溶液
中、110℃、16時間浸漬処理した。次いで、処理
物を25重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に、90
℃、16時間浸漬し、十分に加水分解したところ、
圧着ユニツトを構成する2枚の膜は容易にはがす
ことができた。 処理後のイオン膜の、50重量%の水酸化ナトリ
ウムに接した面を実施例1と同様にしてX線マイ
クロアナライザーで調べたところ、膜面下厚さ10
μの部分につき、イオン交換容量が1.0meq/g
に低下していることが判明した。 かゝるイオン交換膜を実施例1と同様に、処理
面を陰極側に向けて電解槽を組立て、陽極室に3
規定の食塩水を供給し、陰極面の水酸化ナトリウ
ムを25重量%に保持し、電流密度20A/dm2にし
たほかは、実施例1と同様にして電解を行なつた
ところ電流効率94%、槽電圧は3.6ボルトであつ
た。 CF2=CF2とCF2=CFO(CF23COOCH3(a)と
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF23COOCH3(b)
とを実施例1と同様にして共重合体を行い、イオ
ン交換容量1.4meq/g乾燥樹脂、TQ230℃のポ
リマーを得た。 このフイルムを実施例4と同様にして、2枚重
ね合わせ、室温10Kg/cm2で圧着した。 圧着物を、60重量%の水酸化ナトリウム水溶液
中、90℃で16時間浸漬処理した。次いで処理物
を、25重量%、水酸化ナトリウム水溶液中に90
℃、16時間浸漬し、十分に加水分解したところ、
圧着ユニツトを構成する2枚の膜は、容易にはが
すことができた。 処理後のイオン膜の60重量%の水酸化ナトリウ
ムに接した面を実施例1と同様にしてX線マイク
ロアナライザーで調べたところ、膜面下厚さ5μ
の部分につきイオン交換容量が1.1meq/gに低
下していることが判明した。 かゝるイオン交換膜を、実施例6と同様にし
て、食塩水の電解に使用したところ、25重量%の
水酸化ナトリウムが電流効率96%、電圧3.5Vで
得ることができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 イオン交換膜法による塩化アルカリ水溶液の
    電解方法において、イオン交換膜として、カルボ
    ン酸基をイオン交換基として、イオン交換容量が
    1.1〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂からなる含フツ素
    陽イオン交換膜であつて、その少なくとも一面に
    おける表層のイオン交換容量を上記本体部分のそ
    れの2/3を越えるが、95%以下に低下せしめた変
    性含フツ素陽イオン交換膜を使用して、低濃度の
    水酸化アルカリと塩素とを製造するようにしたこ
    とを特徴とする塩化アルカリ水溶液の電解方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5281098A (en) * 1975-12-29 1977-07-07 Tokuyama Soda Co Ltd Electrolysis of aqueous solution of alkali metals

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