JPS624021Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジン冷却フアン駆動軸及び発電
機をエンジンの出力回転軸に巻掛伝動具を介して
連動させたトラクタの原動部構造に関し、簡単な
配置改良により、容量の大きな発電機であつて
も、極力コンパクトな状態で、かつ、エンジン等
の保守点検を安全に行える状態で設けられるよう
にする事を目的とする。

次に、本考案実施の態様を例示図に基いて詳述
する。

前後夫々に車輪１，２を軸架してなる走行車体
の前部に原動部３を設けると共に後方側に操縦部
４を設け、かつ、後部に、ロータリ耕耘装置等の
各種作業装置を駆動昇降するためのリフトアーム
５及び伝動用の動力取出軸６を設けてあり、もつ
て、各種作業装置を連動連結し、走行に伴い、耕
耘等の各種作業を行えるように農用トラクタを構
成してある。

前記原動部３を構成するに、エンジンＥの前方
にエンジン冷却用のフアン７及びラジエータ８を
設けると共に、エンジンＥの上方に発電機９を設
け、それら全体を、機体前端の横軸芯周りで上下
揺動開閉自在に取付けたボンネツト１０で覆つて
ある。

前記発電機９は、エンジンＥの出力回転軸１１
のほぼ鉛直上方に比較的接近して設けられたフア
ン駆動軸１２に対し、そのほぼ鉛直上方に比較的
接近して設けられている。前記出力回転軸１１と
フアン駆動軸１２、及び、前記フアン駆動軸１２
の横側方に設けられたテンシヨン輪体１３にわた
つて第１巻掛伝動具１４を巻回し、前記テンシヨ
ン輪体１３の固定位置調節によりフアン７を駆動
するべく構成し、かつ、前記テンシヨン輪体１３
と、前記発電機９の入力用輪体１５とにわたつて
第２巻掛伝動具１６を巻回し、前記入力用輪体１
５、即ち、発電機９の固定位置調節により第２巻
掛伝動具１６の張力を調節し、発電機９を駆動す
るように構成してある。

エンジンＥから突設した一対のフレーム１７
ａ，１７ｂから構成してなる支持部材１７の先端
に筒状部材１８を連設し、前記発電機９に連設の
支持ブラケツト１９，１９の一方を前記筒状部材
１８に、機体前後方向の水平横軸芯Ｐ周りで揺動
自在に取付け、そして、支持ブラケツト１９，１
９の他方を、前記フレーム１７ａ，１７ｂの一方
１７ｂの基端側から突設の固定用フレーム２０
に、前記軸芯Ｐを中心とする円弧状に形成した長
孔２１を介し、任意の位置で締付固定するべく構
成し、かつ、前記左右の支持ブラケツト１９，１
９にわたり、前記入力用輪体１５の上方を覆うカ
バー２２を取付けてあり、前記発電機９の固定位
置調節に際し、カバー２２を発電機９と一体的に
変位させるべく構成してある。

以上要するに、本考案は、冒記したトラクタの
原動部構造において、前記フアン駆動軸１２及び
発電機９を、前記出力回転軸１１に対してその鉛
直上方あるいはその近くにおいて、機体上下方向
に比較的接近した状態でかつ前記発電機９を上側
にした状態で並列させ、前記フアン駆動軸１２の
横側方にテンシヨン輪体１３を配置し、前記出力
回転軸１１、フアン駆動軸１２及びテンシヨン輪
体１３にわたつて、かつ、前記発電機９の入力用
輪体１５と前記テンシヨン輪体１３とにわたつ
て、夫々、各別の前記巻掛伝動具１４，１６を巻
回し、前記入力用輪体１５を前記テンシヨン輪体
１３に対して遠近させるために、前記発電機９
を、前記入力用輪体１５の回転軸芯に平行な軸芯
Ｐ周りで揺動及び固定自在に設けると共に、前記
入力用輪体１５の上方側を覆うカバー２２を、前
記発電機９と一体的に揺動及び固定する状態で設
けてある事を特徴とする。

つまり、発電機９を、フアン駆動軸１２よりも
上側に位置させた状態で、出力回転軸１１に対し
てその鉛直上方あるいはその近くにおいて機体上
下方向に比較的接近させて設けるから、容量の大
きな発電機９であつても、エンジンＥの横側部に
設ける場合のように平面的に大きなスペースを要
するといつた事無く、全体として、コンパクトな
状態で設けられるに至つた。

しかも、上述配置構成の結果として、発電機９
が原動部３の上部に位置する事となり、エンジン
Ｅを稼動した状態で原動部３を点検するに際し、
発電機９の入力用輪体１５に不測に触れて負傷す
る虞があり、又、その問題の回避のためにカバー
２２を設ける事が考えられるが、単純にカバー２
２を設けると、テンシヨン輪体１３との間での巻
掛伝動具１６に対する張力調節のための入力用輪
体１５の固定位置変更に伴い、その度合いによつ
ては、カバー２２と入力用輪体１５との間に大き
な隙間を生じ、その隙間を通じて入力用輪体１５
に不測に触れる虞が依然として残り、たとえカバ
ー２２の固定位置を調節できるようにしたとして
も、その場合には操作上の煩しさを生じるが、本
考案によれば、カバー２２を入力用輪体１５と一
体的に変位させる状態で設けるから、入力用輪体
１５に対して固定位置を調節操作するだけで、操
作上の煩しさを生じる事無く、入力用輪体１５に
触れて負傷する事を確実に回避でき、全体とし
て、容量の大きな発電機９であつても、極力コン
パクトな状態で、かつ、エンジンＥ等の保守点検
を安全に行える状態で設ける事ができるに至つ
た。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るトラクタの原動部構造の実
施の態様を例示し、第１図はトラクタの全体側面
図、第２図は要部の拡大側面図、第３図は要部の
拡大正面図である。 ９……発電機、１１……出力回転軸、１２……
フアン駆動軸、１３……テンシヨン輪体、１４，
１６……巻掛伝動具、１５……入力用輪体、２２
……カバー、Ｅ……エンジン、Ｐ……揺動軸芯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン冷却フアン駆動軸１２及び発電機９を
   エンジンＥの出力回転軸１１に巻掛伝動具１４，
   １６を介して連動させたトラクタの原動部構造で
   あつて、前記フアン駆動軸１２及び発電機９を、
   前記出力回転軸１１に対してその鉛直上方あるい
   はその近くにおいて、機体上下方向に比較的接近
   した状態でかつ前記発電機９を上側にした状態で
   並列させ、前記フアン駆動軸１２の横側方にテン
   シヨン輪体１３を配置し、前記出力回転軸１１、
   フアン駆動軸１２及びテンシヨン輪体１３にわた
   つて、かつ、前記発電機９の入力用輪体１５と前
   記テンシヨン輪体１３とにわたつて、夫々、各別
   の前記巻掛伝動具１４，１６を巻回し、前記入力
   用輪体１５を前記テンシヨン輪体１３に対して遠
   近させるために、前記発電機９を、前記入力用輪
   体１５の回転軸芯に平行な軸芯Ｐ周りで揺動及び
   固定自在に設けると共に、前記入力用輪体１５の
   上方側を覆うカバー２２を、前記発電機９と一体
   的に揺動及び固定する状態で設けてある事を特徴
   とするトラクタの原動部構造。