JPS6239996B2 - - Google Patents

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JPS6239996B2
JPS6239996B2 JP5097983A JP5097983A JPS6239996B2 JP S6239996 B2 JPS6239996 B2 JP S6239996B2 JP 5097983 A JP5097983 A JP 5097983A JP 5097983 A JP5097983 A JP 5097983A JP S6239996 B2 JPS6239996 B2 JP S6239996B2
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JP
Japan
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tgase
reaction
antibody
monoclonal antibody
immobilized
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JP5097983A
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Hideo Chiba
Ryuzo Sasaki
Masaaki Yoshikawa
Koji Ikura
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Ajinomoto Co Inc
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Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、モノクローナル抗体を用いて特異的
に固定化されたトランスグルタミナーゼ、及びそ
の利用法に関する。 トランスグルタミナーゼ
(Transglutaminase、Glutaminyl−peptide γ
−glutamyl transferase;EC 2.3.2.13以下
「TGase」と略す)は、Ca2+依存性のアシル転移
酵素である。アシル供与体は特異性が高くペプチ
ド鎖中のグルタミン(Glnと略す)残基のγ−カ
ルボキシルアミド基であり、アシル受容体はペプ
チド鎖中リジン(Lysと略す)残基のε−アミノ
基および種々の一級アミンであり、反応機構は以
下のようである。 この酵素が触媒する反応としては、ペプチド鎖
中Gln残基とペプチド鎖中Lys残基との間でのε
−(γ−グルタミル)リジン架橋結合の形成、ペ
プチド鎖中Gln残基へのアミン化合物の導入、あ
るいはアミン化合物非存在下でのペプチド鎖中
Gln残基の脱アミド反応がある。 TGaseは多くの動物の様々な部位で見つけられ
ているが、この生理機能として知られているもの
はほとんどがタンパク質間架橋形成反応であり、
血液凝固カスケード反応の最終ステツプであるフ
イブリンモノマーの架橋重合による安定化、表皮
組織の角質層における不溶性タンパク質の形成、
毛タンパクの架橋形成、また、げつ歯類の射精後
にみられる腟栓形成などがある。 TGaseを利用すれば、蛋白質の生化学的研究、
新しい酸素反応系の形成や、再利用可能な補酵素
誘導体−カゼイン複合体の形成、さらには必須ア
ミノ酸を導入することによつて食品蛋白質の栄養
価を改善することができ、大量入手する方法の開
発が望まれている。 現在、TGaseを利用するにあたつて良質な酵素
の給源としてモルモツトの肝臓(Guinea Pig
Liver)のTGase(以下GPL−TGaseと略す)が
用いられている。 しかしながら質的には優秀なGPL−TGaseを用
いることについて3つの問題点がある。1つは、
モルモツトが高価であり、したがつてTGaseも高
価なものとなつていること、精製法が複雑で収率
が悪く大量調整には不適当であること、現在は1
回のみ使用するだけであることなどである。 酵素を効率よく利用する方法として酵素を固定
化する方法がある。しかし直接タンパク質固定化
用担体に酸素を固定化すると、酵素活性が著しく
減少する場合がある。 本発明者らはこのような酵素を高収率で簡便に
固定化し、効率よく利用する方法を提供すべく鋭
意検討した結果、タンパク質固定化用担体に、ト
ランスグルタミナーゼの活性部位以外の部位にお
いてトランスグルタミナーゼを捕捉する抗トラン
スグルタミナーゼモノクローナル抗体を結合せし
め、該モノクローナル抗体にトランスグルタミナ
ーゼを捕捉せしめて固定化することによつて、抗
原であるTGaseが特異的に固定化され、酵素反応
を制御できることを発見し、本発明を完成した。 更にモノクローナル抗体に捕捉されたTGaseを
用いて酵素反応を行つた場合、モノクローナル抗
体の種類によつて抗体と酵素との結合部位が異な
ることを利用し、酵素活性中心を認識しないクロ
ーンより産生されるモノクローナル抗体であつて
も、活性部位に対し担体と抗体が立体障害をつく
り基質の接近を妨げる場合と、立体障害をつくら
ない場合とを使い分け、酵素反応をモノクローナ
ル抗体の種類、反応分子の大きさによつてコント
ロールすることもできる。また、アミノ化合物の
導入反応時に副反応としておこる基質タンパク質
のタンパク質間架橋形成を抑制し、導入反応の効
率を向上することができる。 本発明はモノクローナル抗体のこの性質を利用
し、TGaseの酵素活性を有効に発現せしめるもの
である。本発明の固定化法は、TGaseに限らず、
他の高価で微量にしか得られない動植物組織由来
の酵素について適用することができる。 モノクローナル抗体は抗原分子上の1つの抗原
決定基と特異的に結合する抗体であつて、その認
識部位が一定の均一な抗体である。モノクローナ
ル抗体を得るには、抗体産生を行う脾臓のリンパ
球と無限の増殖能を有する悪性の骨髄腫細胞とを
細胞融合することによつて、抗体産生能と増殖能
とを併せ持つハイブリドーマ(融合細胞腫)を
得、これをクローンに分けることによつてモノク
ローナル抗体を産生する細胞を得ることができ
る。 本発明で用いる抗トランスグルタミナーゼモノ
クローナル抗体は次のようにして得られる。まず
TGaseを用いて免疫したマウスの脾細胞とマウス
骨髄腫(ミエローマ)細胞とをポリエチレングリ
コールにより細胞融合させた後、ヒポキサンチン
−アミノプテリン−チミジン培養液(以下
「HAT培地」という)中で細胞を培養すると、互
いの欠損を捕つたハイブリドーマのみが増殖す
る。 このハイブリドーマの抗体産生をテストし陽性
であつたクローンを新しい培地で増殖させてクロ
ーン化を繰り返す。このようにしてクローン化さ
れた細胞について免疫グロブリン変異体の産生が
ないかどうか解析する。クローンが産生する抗体
をスクリーニングする方法は、Solid phase法
(ビオチン−アビジン系蛍光標識法「BASスクリ
ーニング」と略す〔フナコシ薬品(株)総合カタログ
No.4(1983)276頁〜279頁に記載の方法〕)と活
性中和法(二次抗体法)によるスクリーニング法
により、更に抗体産生細胞のクローニングを行う
ことによつて行われる。 活性中和法には間接法と直接法があり、間接法
とはモノクローナル抗体では抗原−抗体複合体は
沈降しないため、ウサギの抗マウスlgG抗体とS.
aureus菌体を結合させることにより抗原−抗体
複合体を沈降させ、上清液中の残存TGaseを測定
することにより抗体量を知るものである。 直接法とは、TGase溶液をモノクローナル抗体
の濃縮培養上清に加えて反応させた後、残存
TGaseを測定することにより抗体量を知るもので
ある。 得られた抗TGase抗体(lgG)産生ハイブリド
ーマを、限界希釈法により0.5cell/wellとなるよ
うに希釈してプレートにまき生育させクローニン
グする。 このようなスクリーニング法により抗TGase抗
体産生ハイブリドーマとして、TGaseの活性部位
を捕捉するモノクローナル抗体を産生するクロー
ンと、TGaseの活性部位以外の部分を捕捉し
TGaseの活性に影響を及ぼさないモノクローナル
抗体を産生するクローンと、TGaseの活性部位以
外の部分を捕捉しTGaseの活性を抑えるモノクロ
ーナル抗体を産生するクローンの3種類の抗
TGase抗体産生ハイブリドーマが得られる。 このようにしてクローン化したハイブリドーマ
を、生体外又は生体内で培養して培養上清から抗
体を集めることにより大量に抗体を調製すること
ができる。特に組織的に許容される動物(マウス
など)に注射して生体内で培養する方法が大量調
製に適している。例えば、ハイブリドーマを注入
された動物の腹水を遠心分離し、得られた上清液
に硫酸アンモニウム飽和溶液を加えて沈殿させ、
沈殿した画分を緩衝液に混合して溶解した後、よ
く透析した溶液をモノクローナル抗体含有液とし
て用いることができる。クローン化したハイブリ
ドーマとして特にTGase活性部位以外の部分を捕
捉するモノクローナル抗体を用いた場合に、酵素
活性が高い、固定化されたTGaseが得られ、更に
担体と抗体が立体障害をつくり、基質の接触を妨
げるような抗体を用いた場合には、特異的な反応
をする固定化されたTGaseが得られる。 このようなモノクローナル抗体中のタンパク質
のNH基に、タンパク質固定化用担体を結合せし
め、結合したモノクローナル抗体にTGase捕捉し
固定化したTGaseが得られる。タンパク質固定化
用担体としては多糖類(セルロース、デキストラ
ン、アガロースなど)、イオン交換樹脂、多孔性
ガラスなどの水不溶性担体があり、これにタンパ
ク質を物理的吸着、イオン結合、あるいは共有結
合させることによつて固定化する。固定化酵素の
多くは粒状であるが、利用目的によつて膜状、板
状、管状あるいは繊維状にすることもできる。物
理的吸着法は活性炭、カオリナイト、ハイドロキ
シルアパタイトなどを担体として用いる方法であ
る。イオン結合法は、DEAE−セルロース、
TEAE−セルロース、DEAE−セフアデツクス、
CM−セルロースあるいはイオン交換樹脂などを
用いる方法である。共有結合法は結合様式によつ
て、ジアゾ法(アミノ基を有する水不溶性の担体
(R−NH2)をジアゾニウム化合物とし、これを酵
素とジアゾカツプリングさせる)、ペプチド法
(カルボキシル基を含む担体をアジド化するか、
多糖類をBrCNで活性化したものと酵素蛋白質中
の遊離のアミノ基とでペプチド結合させる)、お
よびアルキル化法(ハロゲンのような官能基を有
する不溶性担体を用いる)に分離され、これらの
方法より本発明のモノクローナル抗体を結合する
のに適したものを選ぶことができる。 タンパク質固定化用担体としてアフイニテイー
クロマトグラフイー用担体が好ましく、「Affi−
Gel 10」「Affi−Gel 15」(BiO−Rad
Laboratrois製)などを用いることができる。
「Affi−Gel 10」については下記のような反応で
結合する。 モノクローナル抗体と「Affi−Gel 10」との反
応は下記の条件が好ましい。 PH 6.5〜8.5 温 度 1℃〜10℃ 時 間 3時間〜5時間 モノクローナル抗体と「Affi−Gel 10」との量
比は、ゲル1mlに対してモノクローナル抗体10〜
20mgを含む溶液に換算して1ml程度加えれば充分
である。 次の工程として担体に結合したモノクローナル
抗体とTGaseとの固定化反応は両者をよく撹拌し
た後1℃ないし4℃にて2時間ないし5時間放置
することによつて行われる。これを1000回転程度
での遠心分離し沈殿物をTGase緩衝液〔例えば、
2mMのEDTAを含有する20mMトリス塩酸塩緩
衝液(PH7.5)〕で洗浄する。この遠心分離と洗浄
を2ないし4回繰り返した後、同体積の緩衝液に
分散して、固定化されたTGase分散液を得る。 8Dクローン抗体(後述)を介してTGaseを固
定化する方法は、モノクローナル抗体でのTGase
の特異的吸着により酵素の精製をおこない、同時
に固定化TGaseを得ることを可能にする。モノク
ローナル抗体は比較的容易に大量調製が可能であ
りTGaseも固定化により再利用可能であるため、
精製の簡易化と酵素の固定化しての反復使用とい
つた2つの利点を一挙に獲得することになり、
TGaseをモノクローナル抗体により固定化するこ
とはモルモツト肝臓から得られたTGaseの有効利
用方法である。 実施例 −材料および方法− トランスグルタミナーゼの調製 トランスグルタミナーゼは、J.Connellanらの
方法〔J.Biol.Chem.、246、1093(1971)〕により
新鮮なモルモツトの肝臓より調製されたものを用
いた。モルモツトの肝臓800gに冷0.25Mシヨ糖
溶液21を加えてホモゲナイズし、遠心分離を行な
い上清液を得た。これをTGase緩衝液〔2mM
EDTA含有5mMトリス塩酸塩緩衝液(PH7.5)〕
で平衡化してあるDEAEセルロースカラムに添加
吸着させ、酵素活性の高い画分を得た。 これを撹拌しながら1%硫酸プロミタンを添加
し、遠心分離して沈殿を集めた。この沈殿より
0.05M硫安を含む緩衝液を添加し、ホモゲナイズ
することによつてTGaseを抽出した。この抽出液
よりカルボキシメチル・セルロースカラムにてプ
ロタミンを除去し、更に難溶物を除いた。これを
10%アガロース(Bio Gel A−0.5M)でゲル濾
過を行ない、活性の高い画分を集め、更に限外濾
過して濃縮しTGase溶液とした。 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動は
Laemmliの不連続緩衝液系を用いる方法
〔Nature、227、680(1970)〕により、TGase純
度は80%であつた。 免 疫 TGaseを含むPBS(0.15M塩化ナトリウムを含
む10mMリン酸緩衝液PH7.4)と、等量のFreund
’s complete adjuvantを混合し乳化処理し、
0.1ml中に32μgのTGaseを含有する乳化液を得
た。この乳化液0.3〜0.4mlを8週令のBALB/c
マウスの腹腔内に注射した(1匹あたり
TGase100〜120μg)。2週間後、PBSに溶けた
58μgのTGaseを注射し追加免疫した。追加免疫
を2回繰り返して、完全に免疫した。 ハイブリドーマの作製 ハイブリドーマの作製にはまず免疫したマウス
の脾臓を摘出しこれより脾細胞をときほぐし、別
に培養した8−アザグアニン耐性マウスミエロー
マ細胞(NS−1)とを約2:1の割合で混合
し、遠心後ペレツトに50%ポリエチレングリコー
ル(PEG)を加えて細胞融合し、これらを96穴
マイクロプレート(MCP)に106cell/well程度
に分注した。これらをHAT培地(RPMI1640(日
水製薬(株))100ml溶液に50倍のHAT2mlを溶解さ
せたもの)で生育させハイブリドーマ生育wellを
選択した。 lgG産生ハイブリドーマのクローン化 91のハイブリドーマ生育wellについてBAS−ス
クリーニングをおこなつたところ、16wellが陽性
と出、lgG産生ハイブリドーマが検索された。 16のlgG産生ハイブリドーマから間接法による
活性中和スクリーニングで、3つの抗TGase抗体
産性ハイブリドーマが得られた。これらについて
クローニングとBASスクリーニングおよび活性
中和法によるスクリーニングをおこなつて最終的
に8つの抗GPL TGase抗体産生ハイブリドーマ
クローンを得た。 サブクラスの決定 マイクロオクタローニ法で試料lgG溶液とウサ
ギの抗マウスlgG1、lgG2a、IgG2bおよびIgG3抗体
溶液との沈降線によりサブクラスを決定した。モノクローナル抗体lgGのサブクラス サブクラス クローン lgG1 2F、4B、7C、8B、8D、8E、11C lgG2a 9F 8D、および9Fクローン培養上清のTGase活性に
与える影響 間接法による活性中和で特に高い値を示した
8Dクローンおよび9Fクローンの産生する抗体が
直接法でTGaseに影響を与えるかどうかを検討し
たところ、8Dクローンは影響を与えず活性中心
を認識していない抗体を産生し、9Fクローンは
活性を抑制し活性中心を認識している抗体を産生
するものであつた。 大量培養および培養上清の濃縮 最終的に得られたクローンについては、Tフラ
スコで培養し大量の培養上清を得た。 この培養上清に当容の飽和硫安溶液を加えて、
50%飽和和状態にした後、遠心分離して沈澱を緩
衝液にとかして透析し、最終的に11〜13倍濃縮
(体積換算)されたものが得られた。 腹水からのモノクローナル抗体の調製 マウスBALB/Cの腹腔内に1匹当り0.5mlの
プリスタン(Aldrich Chemical社製)を注射
し、更に1週間後同様に再投与した。3日後に、
前記のTGaseに対する抗体産生ハイブリドーマを
クローン化した懸濁液をマウスの腹腔内に5×
106〜107cell/mouse程度になるように注射し抗
体を産生させた後、その腹水2〜3ml/mouseを
採取した。これを遠心分離し沈殿物を除去した
後、抗体を含む上清液に硫酸アンモニウム飽和溶
液を等量加えて抗体を沈殿として得た。これを遠
心分離して得られる沈殿画分を緩衝液〔0.15M塩
化ナトリウムを含有する0.1M炭酸水素ナトリウ
ム溶液(PH8)〕に溶解し、これをよく透析して
用いた。腹水より得たモノクローナル抗体(生体
内培養したもの)は、フラスコで培養して得たモ
ノクローナル抗体(生体外培養したもの)の約
100倍の濃度であつた。 アフイニテイクロマトグラフイー用担体と抗体の
結合反応 アフイニテイクロマトグラフイー用担体
〔(Affi−Gel 10」(Bio−Rad Laboratories製)〕
1mlをガラスフイルター上で氷冷したイソプロパ
ノールで3回洗浄した後、更に氷水で3回洗浄し
た。これを1000rpmで遠心分離して得られた沈殿
1mlにモノクローナル抗体15mgを含むタンパク溶
液1mlを加え、4℃にて5時間撹拌してモノクロ
ーナル抗体を担体に結合させた。 反応後これを1000rpmで遠心分離して得られた
沈殿を、0.1M炭酸水素ナトリウムと0.15M塩化ナ
トリウム混合液で2回洗浄した後、等量の0.1M
エタノールアミン塩酸塩(PH8.0)を混合し、室
温で1時間撹拌した。これを遠心分離して得られ
た沈殿を、TGase緩衝液〔2mM EDTAを含有
する20mMトリス塩酸(PH7.5)〕で洗浄した後、
等量の緩衝液に懸濁させ、10mgタンパク/mlgel
を含有するゲル懸濁液を得た。 抗体を介して結合した固定化TGaseの作製 8Dモノクローナル抗体あるいは6Fモノクロナ
ール抗体を結合させた「Affi−Gel 10」200μ
にTGase(精製品の場合100μg、粗製品の場合
(700μg)を含む溶液100〜300μを加えて4℃
で3時間撹拌し、遠心分離して沈殿物を得た。こ
の沈殿物をTGase緩衝液で6回洗浄した。 次に洗浄した沈殿物を等量のTGase緩衝液に懸
濁して固定化したTGase懸濁液を得た。 8D−TGaseおよび9F−TGaseの作製 8Dモノクロナール抗体および9Fモノクロナー
ル抗体を結合させた「Affi−Gel 10」200μ
に、TGase100μ(107μg)を加え4℃で3時
間放置して8D−TGaseと9F−TGaseを作製し
た。Bio−Rad Laboratoriesの「PROTEIN
ASSAY KIT」を用いてマイクロアツセイ法によ
りタンパク定量をおこない、 3H−プトレシンの
アセチル化カゼインへのとりこみによりTGaseア
ツセイ〔Anal.Biochem.、44.207(1971)及び
50、623(1972)の方法〕をおこなつて結合の収
支について計算した。結果を表1に示す。
【表】 8D−TGaseおよび9F−TGase作製の収支か
ら、8D−TGaseは、計算上結合しているTGase
量の約1/3の活性を発現しているのに比べて9F−
TGaseの場合はほとんど活性を示さなかつた。こ
れは、9F−クローンの産生するモノクローナル
抗体が活性中心を認識しているため、活性中心で
結合するTGaseが使用不能となり活性を発現しえ
ないためと考えられる。 8D−TGaseおよび9F−TGaseの作製において
ともに用いたタンパクの約60%が結合し、活性の
ほとんどが結合したことになつており、用いた
TGaseが純度60%であることから考えるとこのモ
ノクローナル抗体が結合した「Affi−Gel10」と
の結合の際にモノクローナル抗体の特異的結合に
よりTGase選択的に結合されたことを示す。 固定化TGaseの37℃長時間反応における安定性 固定化TGaseと固定化していないTGaseの安定
性の差をみるため、8D−TGase(8D−モノクロ
ナール抗体を介して固定化したもの)と固定化し
ていないTGaseを用いて 3H−プトレシンのアセ
チル化カゼインへのとりこみを37℃で反応させて
測定した。反応系の組成を下記に、そして結果を
第1図に示す。
【表】
【表】 未洗浄試料のスポツトを0分と180分にとり長
時間反応における蒸発分を換算した。 固定化TGaseの熱安定性 25、30および37℃で放置した固定化していない
TGaseおよび8D−TGaseの37℃反応での初速度
をもとめることにより、各温度での安定性のちが
いについて検討した。なお放置時のタンク濃度に
よる失活の差を補正するため最終的に10mg/mlと
なるように水35μ、TGase20μに対し牛血清
アルブミン20μを加えた。結果を第2図ないし
第4図に示す。 第2図の結果から8D−TGaseは25℃では4hrs
たつても活性の低下がなかつた。この点から考え
ると8D−TGaseは25℃で使用すれば再利用可能
と考えられる。 固定化TGase(8D−TGase)と固定化していな
いTGaseによるαs1−カゼインの架橋重合反応 3H−プレトシンのアセチル化カゼインへの導
入反応では、ほぼ同じ活性を示す酸素量を用いて
αS1−カゼインを架橋重合させ、8D−TGaseと
固定化していないTGaseとの間の反応性のちがい
をみた。 反応系の組成を下記に示す。
【表】
【表】 37℃にて反応させ、0分、15分、30分、60分、
120分後に反応系から60μとり、SDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)用試
料処理液60μに加えることにより反応を終了さ
せた。この液を95℃にて3分間熱処理した後、
Lammliの不連続緩衝液系を用いる方法に従つ
て、試料20μ(タンパク20μg)を各レーンに
用いた。 8D−TGaseおよび固定化していないTGaseを
用いてαs1−セゼインの架橋重合をおこなわせる
と固定化していないTGaseでは15分ですでに高重
合度のものを形成し、60分でもうほとんどもとの
αsのバンドが消失した。一方8D−TGaseによ
る反応の場合は、120分たつてもとのαs1のバン
ドがはつきりとのこつていた。この結果から考え
られることは、TGaseはグルタミン反応部位と2
つの基質反応部位があるが、特にアミン反応部位
での立体障害がひどく低分子基質であるプトレシ
ンは容易に反応部位に近づくことができるが、よ
り大きなαs1−カゼインは近づくことがより困難
になるのではないかと考えられる。 この性質を利用すれば、アミン化合物導入反応
時に副反応としておこる基質タンパク質の架橋重
合が抑制され、導入反応の効率を向上させうる。 モノクローナル抗体を介して結合させたTGaseと
直接結合させたTGaseの反応性 TGaseの粗製品〔DEAEセルロースカラムに添
加吸着させた後の酵素活性の高い画分〕を、8D
モノクローナル抗体が結合されている「Affi−
Gel 10」または「Affi−Gel 10」にそれぞれ4℃
にて3時間かけて固定化しTGaseの収支を測定し
た。 結果を表2に示す。
【表】 直接結合する方法は、酵素の様々な部位で結合
する可能性があり、多くの酵素が結合により使用
不能な状態になるものと考えられる。このことよ
り直接法ではTGaseの利用効率が悪く、有効利用
の方法としては不適当であり、モノクローナル抗
体を介してTGaseを固定化する方法がすぐれてい
る。 利用例 固定化TGase(8D−TGase)によるαS1−カ
ゼインへのリジン導入 固定化TGaseの利用例として、牛乳タンパク質
の主成分であるαs1−カゼインへの必須アミノ酸
リジンの導入を行つた。反応系の組成を下記に示
す。 4%αs1−カゼイン 200μ 0.5MTris−HCl(PH7.5) 160μ 0.4Mジオスレイトール 80μ 0.8MCal2 80M 0.1ML−リジン 400μ H2O 180μ8D−TGase susp 500μ 1600μ 25℃にて、反応液をゆるく撹拌しつつ反応さ
せ、一定時間後に反応液を遠心分離して固定化
TGaseを反応系により沈降物として分離した。上
清を10mMリン酸カリウム緩衝液(PH7.6)にた
いして透析した後、アミノ酸分析を行い、リジン
導入量を測定した。結果を第5図に示した。 同一反応系を例として、固定化TGaseの反復使
用における効率の変化をみた。反応時間は2時間
として、反応終了時に反応液を遠心分離して固定
化TGaseを回収し、0.15M塩化ナトリウムと0.2m
Mジオスチレイトールを含むTGase緩衝液で3回
洗浄した後に再使用に供した。 結果を表3に示した。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は、固定化TGaseと固定化していない
TGaseを37℃に長時間反応させたときの、TGase
の安定性を示す。横軸は時間(分)、縦軸はアセ
チル化カゼインにとり込まれたプトレシン
(nmole)である。破線は固定化TGase、実線は
固定化していないTGaseの値である。第2図ない
し第4図は、それぞれ25℃、30℃、37℃における
TGaseの熱安定性を示す。横軸は時間(時間)、
横軸は活性(%)である。破線は固定化TGase、
実線は固定化していないTGaseの値である。第5
図は、固定化TGaseによるαs1−カゼインへのリ
ジン導入を示す。横軸は時間(時間)、縦軸はαs
−カゼインにとり込まれたリジン量(リジン/
αs1−カゼイン、mole/mole)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 タンパク質固定化用担体に、トランスグルタ
    ミナーゼの活性部位以外の部位においてトランス
    グルタミナーゼを捕捉する抗トランスグルタミナ
    ーゼモノクローナル抗体を結合せしめ、該モノク
    ローナル抗体にトランスグルタミナーゼを捕捉せ
    しめて固定化されたトランスグルタミナーゼ。
JP5097983A 1983-03-26 1983-03-26 固定化されたトランスグルタミナ−ゼ Granted JPS59175884A (ja)

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