JPS6238595Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体容器本体と蓋体とを蝶番で結合し
ない構造でしかも両者を分離可能にしたポンプ注
液式液体容器に関するものである。

蝶番を使用しない構造でしかも蓋体を液体容器
本体に対して分離可能とした形式のポンプ注液式
液体容器としては、従来から蓋体自体を直接液体
容器本体の上部に螺着脱し得るようにすることが
試みられているが、この従来の蓋体回動式（螺着
脱式）のポンプ注液式液体容器では次のような欠
点がある。

(1) 蓋体の螺着脱時に、蓋体内に収容されたエア
ーポンプと液体容器本体側の給液口との間を気
密に保持するためのパツキンが蓋体回動によつ
てその回転方向に摺接せしめられて、該気密パ
ツキンが摩耗又は損傷し易く、その気密パツキ
ンの接触不良により空気漏れを起こすことがあ
る。

(2) 蓋体を締め込んだ際にその蓋体の方向が一定
せず、例えばポンプ操作板をロツクするための
ロツクツマミ（蓋体の後側に位置させるのが好
ましい）が横や前方に位置することがあつて見
映えが悪くなることがある。

(3) 蓋体内にはエアーポンプが収容されていて蓋
体全体が比較的大型になつているため、蓋体の
螺着脱時に蓋体をつかみ難くしかも回動操作が
重くなる。

本考案は、上記の如き従来のポンプ注液式液体
容器の問題点を改善することを目的としてなされ
たものであつて、本考案のポンプ注液式液体容器
は、液体容器本体の上部を構成する下口部材の外
周壁にネジを刻設する一方、蓋体の下端には前記
下口部材のネジに螺合可能なネジリングを前記蓋
体に対して回動自在に掛着するとともに、該ネジ
リングを下口部材に螺合することにより蓋体を液
体容器本体へ向けて押下げ得るようにし、以つて
エアーポンプと給液口の間に介設される気密パッ
キンを保護し、しかも蓋体を常に所定方向に向け
た位置で装着でき、さらに蓋体の着脱操作を軽快
に行うことができるようにしたことを特徴とする
ものである。

以下、図示合実施例に基づいて本考案のポンプ
注液式液体容器を説明すると、第１図及び第２図
には本考案第１実施例、第３図には同第２実施例
のポンプ注液式液体容器が示されている。

第１図及び第２図のポンプ注液式液体容器にお
いて、符号１は液体容器本体、２は蓋体を示して
いる。

液体容器本体２は、外ケース４内に真空二重瓶
製の液容器５を収容しさらに外ケース４の上部に
皿状の下口部材６を載置固定して構成している。

下口部材６は合成樹脂によつて成形されてお
り、下口部材６のほぼ中央部には給液口７が形成
されている。

又、下口部材６の外周壁２６の外面上部には雄
ネジ２７が刻設されている。

蓋体２の下部には給液口７を開閉する栓８と液
容器５内の液体を注出するための一連の液体注出
通路１１が一体的に形成されている。

又、蓋体２の内部にはベローズ式のエアーポン
プ９が収容されている。このエアーポンプ９は閉
蓋時には栓８内に形成した空気通路１５を介して
液容器５内と連通するようになつている。なお栓
８の胴部には気密パツキン１８が取付けられてお
り、閉蓋時に給液口７の開口縁上部を閉塞するよ
うにしている。

液体注出通路１１は、蓋体２の底板２１に一体
形成した横向き管部１２の基端側開口に液容器５
内に挿通される縦管１３を連結しさらに該横向き
管部１２の先端側開口に吐出管１４を連結させて
構成している。

なお、この実施例では、蓋体２、栓８、液体注
出通路１１及びエアーポンプ９によつて一体型の
蓋ユニツト１０を構成している。

蓋体２の外周壁２２の下端２２ａは蓋体底板２
１より所定長さだけ下方に延出させている。この
蓋体外周壁２２の下端２２ａには前記下口部材６
の雄ネジ２７に螺合可能なネジリング２０が掛着
されている。このネジリング２０は蓋体２に対し
て回動自在でしかも蓋体外周壁下端２２ａの外面
に外向きに突出させた係止片２３に係止されて蓋
体２から脱落しないように掛着されている。

この蓋体２は、ネジリング２０を下口部材６の
雄ネジ２７に螺合させることにより液体容器本体
１の上部に載置固定されるようになつており、そ
のときにエアーポンプ９と液容器５内とが気密的
に連通するように構成されている。即ち、ネジリ
ング２０を下口部材６の雄ネジ２７に螺合させれ
ば、それに伴つて蓋体外周壁下端２２ａの係止片
２３が該ネジリング２０によつて押圧されて蓋ユ
ニツト１０が回動することなく押し下げられ、栓
８に取付けた気密パツキン１８が給液口７の開口
縁を気密的に閉塞するようになつている。なおネ
ジリング２０を螺解すれば蓋ユニツト１０を液体
容器本体１から分離することができる。

このポンプ注液式液体容器では、エアーポンプ
９を収縮させるとその加圧空気が液容器５内に吹
き込まれ、該加圧空気によつて液容器５内の液体
を一連の液体注出通路１１を通して外部へ注出し
得るようになつている。

給液時には、ネジリング２０を螺解して蓋ユニ
ツト１０を取外せば給液口７を開放させることが
できる。なお、ネジリング２０を螺合又は螺解し
て蓋ユニツト１０を装着又は離脱させる際に、該
蓋ユニツト１０は回動することがなく、従つて気
密パツキン１８と給液口７の開口縁上面とは回転
方向にこすれることがない。なお、蓋ユニツト１
０を液体容器本体１から取外しておけば、液容器
５内の残液排出や洗浄作業、並びに液容器５内へ
の給液作業等がし易くなる。

第３図に示す第２実施例のポンプ注液式液容器
では、一連の液体注出通路１１を形成し導液管ユ
ニツト３０を蓋体２から分離させて液体容器本体
１に対して別個に着脱し得るようにしている。

この場合には蓋体底板２１に開口するポンプ吐
出口２９と導液管ユニツト３０の栓３１内に形成
した空気通路３５の上端開口３５ａとの間に気密
パッキン１９が介設される。

下口部材６の外周壁２６の前側には導液管ユニ
ツト３０の吐出管３４を上下に嵌挿させるための
縦切欠３６が形成されている。この縦切欠３６は
蓋体２の装着時にはネジリング２０で被覆されて
外部から見えないようになつている。

第３図中符号３７は吊持用のハンドルで、この
ハンドル３７は片方だけを下口部材外周壁２２の
後側に枢支させている。符号３８はエアーポンプ
９の上部に載置されたポンプ押板、３９は非注液
時にポンプ押板３８をロツクするためのロツク部
材、４０及び４１は蓋体２を回転方向の位置決め
をするために相互に凹凸嵌合する凸部と凹部で、
凸部４０は蓋体２の下面に又凹部４１は下口部材
６の上面にそれぞれ形成されている。

なお、この第３図の実施例の場合もネジリング
２０を下口部材６のネジ２７に螺合又は螺解する
ことにより、蓋体２を装着又は離脱し得るように
なつている。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案のポ
ンプ注液式液体容器は次のような効果がある。

(1) 蓋体２の外周壁下端２２ａに、下口部材６の
外周壁２６に形成したネジ２７と螺合可能なネ
ジリング２０を蓋体２に対して回動自在に掛着
しているので、ネジリング２０を下口部材外周
壁２６のネジ２７に螺合又は螺解した際に蓋体
２が回動することがなく、従つてエアーポンプ
９と給液口７の間に介設される気密パツキン１
８又は１９が回転方向にこすられることがない
ので該気密パツキン１８又は１９が長持ちする
とともに該パツキン１８又は１９の気密作用が
長期に亘つて良好となる。

(2) 蓋体２の装着時に、該蓋体２が回動しないの
で蓋体２を所定の方向に向けたままで固定する
ことができる。特に蓋体２にポンプ押板ロツク
用のロツク部材３９（第３図）等を設けたもの
であつても、該ロツク部材３９等を常に液体容
器の正規の方向に位置させた状態で蓋体２を固
定させることができ、外観を良好にすることが
できる。

(3) 蓋体２の着脱時に、ネジリング２０のみを回
転させればよいので、蓋体２の着脱操作がし易
く且つ軽快に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかるポンプ注
液式液体容器の上半部を断面とした側面図、第２
図は第１図の液体容器の蓋体分離状態を示す側面
図、第３図は本考案の第２実施例にかかるポンプ
注液式液体容器の上部縦断面図である。 １……液体容器本体、２……蓋体、４……外ケ
ース、５……液容器、６……下口部材、９……ポ
ンプ装置、１８，１９……気密パツキン、２０…
…ネジリング、２７……ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外ケース４内に液容器５を収容し且つ前記外ケ
   ース４の上部に下口部材６を載置固定してなる液
   体容器本体１と内部にエアーポンプ９を収容した
   蓋体２とを分離可能に結合し、さらに前記蓋体２
   の施蓋時には前記エアーポンプ９と前記液容器５
   内とが気密パツキン１８又は１９を介して気密に
   連通し得るようにしたポンプ注液式液体容器であ
   つて、前記下口部材６の外周壁２６にネジ２７を
   刻設する一方、前記蓋体２の下端には前記下口部
   材６に形成したネジ２７に螺合可能なネジリング
   ２０を前記蓋体２に対して回転自在に掛着すると
   ともに、前記ネジリング２０を前記下口部材６に
   螺合することにより前記蓋体２を前記液体容器本
   体１へ向けて押し下げ得るようにしたことを特徴
   とするポンプ注液式液体容器。