JPS6238145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は熱交換用二重管構造、更に詳しくは、
内パイプに通す流体とこの内パイプを囲む外パイ
プに通す流体との間で熱交換を行う流路を形成す
る二重管の構造に関するものである。

〔背景技術〕

一般に、内パイプと外パイプとより成る二重管
を用いて各パイプ内に通す流体間で熱交換を行う
場合、所望の熱交換量を得るために二重管を曲げ
たり継ぎ合したりして二重管による管路の長さを
所定のスペース内で変えることが行なわれてい
る。ところが、従来の熱交換用の二重管は殆んど
の場合、共に熱伝導率の高い銅でできた内パイプ
と外パイプとを組み合した構造となつているた
め、二重管の継ぎ合せには、ろう付け加工のよう
な熟練者の手による熱加工を必要とし、現場で簡
単に施工することが困難であるだけでなく、二重
管を曲げる場合に内パイプと外パイプとが屈曲部
で接続して両パイプ間で直接熱交換を行してしま
い、流体間の熱交換能が低下するという問題があ
つた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の点に鑑みて為されたものであつ
て、主な目的とするところは、管略の長さが容易
に変えられて所望の熱交換量を得ることができ、
しかも管の接続も簡単容易である熱交換用二重管
構造を提供することである。

〔考案の開示〕

本考案に係る熱交換用二重管構造では、熱伝導
率の高金属でできた金属管である内パイプを熱伝
導率の低い合成樹脂でできた樹脂管である外パイ
プで包囲し、内パイプに接続される第１接続口を
両端に備えた継手内管と外パイプに接続される第
２接続口を両端に備えた継手外管とが継手内管外
周に突出するフインによつて固定され、各第１接
続口に接続される内パイプと、各第２接続口に接
続される外パイプとが互いに離間する形で継手内
管が継手外管内の定位置に配置された構造を開示
し、この構造によつて内パイプ及び外パイプが
夫々継手内管及び継手外管によつて互いに離間し
た形に保持されると共に、両パイプが各継手管を
用いて簡単に連結できて両パイプによつて形成さ
れる管路の長さを自由に変えることができ、しか
もこの場合、継手内管と継手外管とを固定するフ
インの端面を第２接続口縁より内部に位置させて
第２接続口に挿入される外パイプがフインによつ
て位置決めされるようにしているので、外パイプ
の接続が容易となり全体として管路の形成が極め
て容易となるものであ、又たとえ管路が途中で曲
げられて外パイプと内パイプとが接触しても、両
パイプ内に流れる流体間の熱交換能が低下するこ
とがない。

本考案を以下図に示す実施例に基いて詳述す
る、本考案に係る熱交換用二重管構造は、内部に
流体を通す内に内パイプ１と、この内パイプ１を
包囲するパイプであつて内部に通す流体と内パイ
プ１内の流体との間で熱交換を行う外パイプ２
と、内パイプ１に接続される第１接続口４を両端
に有する継手内管３と、外パイプ２に接続される
第２接続口６を両端に有する継手外管５とより成
り、内パイプ１は熱伝導率の高い金属でできた金
属管であり、外パイプ２は熱伝導率の低い合成樹
脂でできた樹脂管であり、継手内管３の各第１接
続口４が継手外管５の各第２接続口６内に露出す
ると共に各第１接続口４に接続される内パイプ１
と各第２接続口６に接続される外パイプ２とが互
いに離間する形で継手内管３が継手外管５内の定
位置に配置され、継手内管３と継手外管５とが継
手内管３外周に突出するフイン７によつて固定さ
れたことを特徴とするものである。第１図及び第
２図には、Ｌ形に屈曲した継手内管３と同じくＬ
形に屈曲した継手外管５とを組み合して形成した
エルボＡを示すものであり、このエルボＡを用い
て内パイプ１及び外パイプ２を夫々連結結して第
３図に示すように、管路がジグザグ状に屈曲した
熱交換ユニツトＸを形成する。継手内管３及び継
手外管５は耐熱性を有する合成樹脂によつて一体
に成形され、第１図及び第２図に示すように、継
手内管３の外周における両端部を除く部分から半
径方向へ一体に突出する一対のフイン７によつて
継手内管３が継手外管５内の定位置に固定され
る。継手内管３両端の第１接続口４は継手外管５
の両端の第２接続口６より内側へ所定長さ引込ん
だ位置で各第２接続口６と同軸となる位置に形成
され、各第１接続口４は夫々継手内管３端部の内
周壁を切欠いて形成され、開口端には内パイプ１
の挿入を容易にするテーパガイド８が設けられ、
奥端には継手内管３に残る周壁の一部が第１スト
ツパ９として突出する。各第２接続口６は夫々継
手外管５端部の内周壁を切欠いて形成され、上記
第１ストツパ９よりも奥方に同様の第２ストツパ
１０が形成される。一方、内パイプ１は銅のよう
な熱伝導率の高い金属で成形され、端部外周に設
けた括れ部にＯリング１２が装着されており、第
４図に示すように、継手内管３の各第１接続口４
へ夫々先端が第１ストツパ９に当接する迄差し込
まれ、Ｏリング１２によつて第１接続口４へ水密
的に結合される。また、外パイプ５は上記エルボ
Ａと同様に熱伝導率が低く耐熱性を有する合成樹
脂で成形され、各々第２接続口６内に嵌入され
る。上記のフイン７の端面は継手外管５の口軸上
で第２ストツパ１０と同じ位置に揃えられ、各第
２接続口６内に挿入される外パイプ２の端面が第
２ストツパ１０とフイン７との両方に当接して外
パイプ２の位置決めが為される。尚、上記実施例
では継手内管３及び継手外管５とが共に合成樹脂
で成形された例を示したが、継手内管３のみを内
パイプ１と同様の金属管として外周より一体に延
出するフイン７で樹脂成形品である継手外管５と
結合するようにしてもよい。第３図に示す熱交換
ユニツトＸには、上記エルボＡの他に、第５図
ａ，ｂに示すような、Ｔ字管Ｂが熱交換路の両端
に設けられ、このＴ字管Ｂによつて内パイプ１と
外パイプ２とが分岐する。このＴ字管Ｂは同図に
示すように、縦管１５と横管１６とより成るＬ形
管１７てこのＬ形管１７における横管１６を包囲
する直管１８とより構成され、縦管１５が直管１
８の中央より半径方向外方に突出する形に合成樹
脂で一体に成形されており、直管１８内に位置す
る横管１６先端には上記内パイプ１に接続される
第１接続口４が形成され、直管１８外方に突出す
る縦管１５先端には内パイプ１へ熱交換される流
体を供給する第１供給管２０や熱交換後の流体を
内パイプ１より取り出す第１取出管２１が接続さ
れる。一方、直管１８の両端には夫々第２接続口
６が形成され、一方の第２接続口６へ熱交換路を
構成する外パイプ２が接続され、他方へこの外パ
イプ２へ流体を供給する第２供給管２２や外パイ
プ２から流体を取り出す第２取出管２３が接続さ
れる。このようにして構成される熱交換ユニツト
Ｘでは、第１供給管２０より内パイプ１へ高温の
流体を流すと共に第２供給管２２より外パイプ２
内に低温の流体を流し、内パイプ１の管壁を介し
て両者の間で熱交換を行い、熱交換後の流体を
夫々第１取出管２１及び第２取出管２３より取出
すようになつている。

上記の熱交換ユニツトＸでは内パイプ１及び外
パイプ２同士をルボＡで連結することによりジグ
ザグ状の熱交換路を形成した例を示したが、第６
図乃至第８図に示すように、前述と同様にして継
手内管３と継手外管５とで構成されるＴ字継手Ｃ
や、直継手Ｄや、或いは十字継手Ｅを用いて、各
種形状の熱交換路を形成することができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、内パイプが熱伝導率の
高い金属で成形されると共に内パイプが熱伝導率
が低い樹脂で成形され、内パイプに接続される第
１接続口を両端に備えた継手内管と外パイプに接
続される第２接続口を両端に備えた継手外管とが
継手内管外周に突出するフインによつて固定さ
れ、各第１接続口に接続される内パイプと各第２
接続口に接続される外パイプとが互いに離間する
形で継手内管が継手外管内の定位置に配置される
ものであるから、内パイプ及び外パイプを夫々第
１接続口及び第２接続口へ嵌入するだけで両パイ
プを夫々継手内管及び継手外管を介して順次連結
でき、所望の熱交換量に応じた長さの熱交換路を
容易に作り上げることができ、しかもこの場合、
継手内管と継手外管とを固定するフインの端面を
第２接続口縁より内部に位置させて第２接続口に
挿入される外パイプがフインによつて位置決めさ
れるようにしているので、外パイプの接続が容易
となり全体として管路の形成が極めて容易となる
利点があると共に、たとえこの熱交換路を途中で
曲げて内パイプと外パイプとが接触するようなこ
とがあつても、外パイプの熱伝導率が低いことか
ら、内パイプ内を流れる流体が外パイプを介して
直接系外と熱交換されることがなく、内パイプ及
び外パイプ内を流れる流体間熱交換能が低下する
ことがないという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解断面図、
第２図は同上に用いるエルボの側面図、第３図は
本考案の一使用例である熱交換ユニツトを示す概
路図、第４図は同上のエルボにおける内パイプ及
び外パイプとの接続部分を示す断面図、第５図
ａ，ｂは夫々同上の熱交換ユニツトに用いるＴ字
管を示す断面図と側面図、第６図ａ，ｂは夫々各
種の熱交換ユニツトに用いられるＴ字継手を示す
断面図と側面図、第７図及び第８図は夫々各種の
熱交換ユニツトに用いられる直管継手と十字継手
を示す断面図であり、１は内パイプ、２は外パイ
プ、３は継手内管、４は第１接続口、５は継手外
管、６は第２接続口、７はフインである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に流体を通す内パイプと、この内パイプを
   包囲するパイプであつて内部に通す流体と内パイ
   プ内の流体との間で熱交換を行う外パイプと、内
   パイプに接続される第１接続口を両端に有する継
   手内管と、外パイプに接続される第２接続口を両
   端に有する継手外管とより成り、内パイプは熱伝
   導率の高い金属でできた金属管であり、外パイプ
   は熱伝導率の低い合成樹脂でできた樹脂管であ、
   継手内管の各第１接続口が継手外管の各第２接続
   口内に露出すると共に各第１接続口に接続される
   内パイプと各第２接続口に接続される外パイプと
   が互いに離間する形で継手内管が継手外管内の定
   位置に配置され、継手内管と継手外管とが継手内
   管外周に突出するフインによつて固定され、この
   フインの端面を第２接続口縁より内部に位置させ
   て第２接続口に挿入される外パイプがフインによ
   つて位置決めされるようにして成る熱交換用二重
   管構造。