JPS5812047Y2 - 熱交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高温の気体または液体（以下単に流体という）
の熱によって他の低温の流体を加熱するための熱交換装
置に関するものである。

高温流体から放出される熱を低温流体に移行せしめるた
めの熱交換装置としては従来から既に種種な構造のもの
が知られ、また熱交換効率を高めるために種々な工夫が
なされている。

例えば高温流体の給送パイプをジグザグ状に屈曲させた
り、あるいはパイプの外周に多数のフィンを設けたりし
て放熱有効長さの増大あるいは放熱面積の拡大を計って
いる。

しかしながらかかる熱交換効率の向上手段は、製作コス
トが嵩むばかりでなく熱交換装置の構造が複雑化し、コ
ンパクト化が困難であり、スペース的に著しく不利とな
る不都合が避けられない。

本考案は上記した不都合が改善された高性能な熱交換装
置を提供するものであって、図面にその実施例を示した
ごとぐ、半円形状あるいは扇形状の断面を有する複数の
チューブ６．６を、その両端部の対面部間にスペーサー
ピース７を介装して併合し、両端部を除いてスリット状
の空隙８を有する内管５を構成し、該内管５の見掛げ上
の外径より大きい内径を有すると共に両端部近傍に流入
管１および流出管２を備えた筒状外管３を設け、該筒状
外管３内にその内面と間隙４をおいて前記内管５を配置
すると共に、前記内管５の両端部と節状外管３０両端部
とを密接嵌合して一体化し、該節状外管３の流入管１か
ら流出管２に向って流れる流体が上記間隔４および上記
空隙８とに分流して通過し得るようになしたことを特徴
とするものである。

更に具体的に説明すると、比較的熱伝導性の小さい材料
、例えば耐熱性合成樹脂でもって筒状外管３を形成し、
該外管３のｍ個部下方に流体、例えば熱湯の流入管１を
、そして他側部上方に流出管２を設け、該外管３の内部
に熱伝導性の大きい材料、例えばステンレス、アルミニ
ウム合金、銅などで作られた断面半円形状の２本のチュ
ーブ６゜６がその両端部の対面部に熱伝導性の大きい制
別、例えば上記チューブ６．６と同材質のスペーサーピ
ース７を介装して併合され両チューブ６．６の両端部を
除く対面部間にスリット状の空隙８を形成した見掛けの
外径が外管３内面よりも小さい該外管３と同心に位置さ
せて間隙４を有した２重構造となし、該外管３をその両
端部にｋいて漸次縮径して該内管５を保持せしめ、流入
管１から矢印Ａ方向に流入せしめた例えば熱湯が第２図
に示したごとく上記チューブ６．６の外周面および上記
スリット状の空隙８を通って流出管２から矢印Ｂ方向に
流動する際、矢印Ｃ方向から矢印り方向にチューブ６．
６内を流れる水に加熱作用（熱交換作用）をなしてチュ
ーブ６．６内の水を温水化するようになしたものである
。

図中９，９は導管を結合するためのネジ部である。

第５図は上記した内管５を、円を直径方向に４等分した
断面を有する４本のチューブ６．６でもって構成した態
様を示し、第６図は円を３等分し、た断面を有する３本
のチューブ６．６でもって内管５を構成した実施例を示
したものであって、いずれの例においても各チューブ６
．６の対面部間には図示していないがスペーサーピース
１が介装され各チューブ６．６の対面部間にスリット状
空隙８，８が形成されている。

また、上記した節状外管３は、第１図および第７図にお
いてその両端部を漸次縮径せＬめて、内管５を保持させ
た態様を示しているが、第８図および第９図に示したご
とく、該外管３を円筒形となし内管５の端部な該外管３
の内径部に嵌着可能な外径を有した肉厚部１０となした
異径同心の平行管状に構成してもよく、また該肉厚部１
０に代えて別途の環状結合体１１を外管３と内管５との
間に嵌入してもよい。

なお、実施例として筒状外管側に高温水を、そして内管
側に低温水を流動せしめて熱交換を行なう例を記述して
いるが、逆に内管側に高温水を、そして外管側に低温水
を流動せしめても高能率な熱交換を行ない得ることは勿
論であり、また流体として液体のほかに温度の異なる２
種の気体、あるいは温度の異なる液体と気体との間の熱
交換にも利用することができる。

更にまた内管は、円を２等分、３等分あるいは４等分し
たごとき断面を有する複数のチューブに限らず、５等分
、６等分あるいはそれ以上多くの円を直径方向に等分し
た多数のチ１−ブでもって構成し、かつ多数のチューブ
間に多数の空隙を形成すれば、内管の見掛けの外径を大
きくするととｔよく一層熱交換効率の高い熱交換装置を
得ることができる。

又第１図、第７図に示すように筒状外管３と内管５を両
端部において漸次縮径させて把持固定せしめた場合には
、伺ら環状の部品や溶接等も不要どなり製作、加工が極
めて容易となる。

本考案の熱交換装置によれば、以上の説明から明らかな
様に、節状外管と内管との間の間隙に加えて内管のチュ
ーブ対向面間にスリット状の空隙が設けられているので
、流入管から筒状外管内に流入した流体は、内管外周の
間隙および内管のスリット状の空隙を通って流出管に達
し、この間内管を通る流体はチューブの外周面のみなら
ず対面部を介して広い面積において熱交換が行なわれる
ことになり、熱交換効率が著しく向上し、高性能の熱交
換装置が得られる。

しかも半円状あるいは扇形状の断面を有する複数のチュ
ーブの両端部の対向面間にスペーサーピースを介装して
内管を構成し、この内管を筒状外管内に挿入し、それら
の両端部を密接嵌合して一体化するだけであるため、構
造が極めて簡単であり、製作が容易でコンパクトに形成
することができるなど、実用上有益な多大の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したものであって、第１図は
１部間面斜視図、第２図は第１図の流出管位置における
縦断面図、第３図はチューブの併合状態を示した部分斜
視図、第４図はチューブの併合状態を示した１部間面正
面図、第５図および第６図は断面形状の異なる併合チュ
ーブを内装した態様を示すそれぞれ縦断面図、第７図は
１部間面正面図、そして第８図および第９図は装置の他
の実施態様を示した１部間面正面図および１部省略断面
図である。 １は流入管、２は流出管、３は節状外管、４は隙間、５
は内管、６はチューブ、１はスペーサーピース、８は空
隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 半円形状あるいは扇形状の断面を有する複数のチューブ
   を、その両端部の対面部間にスペーサーピースを介装し
   て併合し、両端部を除いてスリット状の空隙を有する内
   管を構成し、該内管の見掛は上の外径より大きい内径を
   有すると共に両端部近傍に流入管および流出管を備えた
   筒状外管を設け、該筒状外管内にその内面と間隙をおい
   て前記内管を配置すると共に、前記内管の両端部と筒状
   外管の両端部とを密接嵌合して一体化したことを特徴と
   する熱交換装置。