JPS62380Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、空気膜構造に於けるワイヤ定着部
保護部材の改善に係わる。

所謂、空気膜構造とは、第１図の平面図に示さ
れる如く、建物周辺に設けたコンプレツシヨンリ
ング１から建物規模に合わせてワイヤ２…をかけ
わたし、そのワイヤ２…間に膜材３…を張り、屋
根面を構成し、屋根面の単位面積当りの重量より
も大きい圧力を室にかけ、屋根面を空気圧で支え
る構造であるが、これに於いて、該ワイヤ２の該
コンプレツシヨンリング１に対する定着部４…
は、インフレート時、デフレート時の仰伏挙動に
対応すべくヒンジ止めにて構成される。

つまり、第２図に示す如く、コンプレツシヨン
リング１より突出設のブラケツト５にワイヤ２の
端部のソケツト６を軸止７してなる。

尚、このヒンジ部のレベルにあつて、図示の如
く、膜材３の末端をコンプレツシヨンリング１に
止着８するに際し、必ずヒンジ軸芯に合致させて
通して張設すると配慮されねばならない。

こうしないと、インフレート時（実線態様）、
デフレート時（一点鎖線態様）にヒンジ軸芯部の
膜材に伸び、縮みが生じ、膜材が破断するという
事態を避けることが出来ないからである。

さらに、このヒンジ部の膜材３の敷設は、この
部分を切り除いた形態でなされ、かつ、膜材３の
敷設されることのない膜材３よりも突起のヒンジ
部は、箱状にカバーする保護部材でもつて被蔽さ
れ、この膜材３と保護部材とは、介在配設の取付
金具に夫々の端部を止着して互いに接続してい
る。

つまり、第３図に示す如く、アングル材でもつ
て枠状に延伸構成され、ヒンジ部軸芯線にて所定
隙間を有して分割の取付金具９，９′は、ソケツ
ト６、ワイヤ２からの持ち出し金具１０，１０′
並びにコンプレツシヨンリング１に締結され、こ
れを止着用プレートとしてＣ図に詳示する如く、
膜材３の端部と定着部をカバーしている全体を可
撓、伸縮材のネオプレンで一体成型の箱状の保護
部材１１の端部が止具１２，１３にて止着され
て、被覆接続がなされている。

しかして、かかる定着部の保護部材１１には、
特にヒンジ部には、インフレート時、デフレート
時間に寸法の伸び、縮みと屈曲が生じるが、この
挙動に対して、その全体構成材質のネオプレンの
物性でもつて追従するとしている。

しかるに、寸法の伸び、縮み、屈曲が生じる個
所は定着部全域に亘る訳ではなく、ヒンジ部のみ
であり、この一部にのみ起る挙動に対応するべく
なされた上述手段は、型代にコストもかかり、極
めて不合理である。

本案は叙上の点に鑑みなされたもので、その要
旨とするところは、ワイヤ定着部の保護部材を、
ヒンジ部軸芯線にて所定間隔を有して２分割の金
属製（アルミ、ステイール、ステンレス等）の箱
型とし、かつ当該ヒンジ部軸芯線部をジヤバラ型
の合成ゴム製のエキスパンジヨイントで構成する
ことにより、適材適所の合理的な設計をすると共
に挙動に対する追従性（品質の確保、向上）の向
上を期した点にある。

以下、これの詳細を図にもとづいて説明する。

すなわち、第４図は、本案保護部材を実施の定
着部を俯瞰した図で、図中１４，１４′は本案の
ヒンジ部軸芯線にて所定間隔を有して２分割の金
属性（アルミ、ステイール、ステンレス等）より
成る箱型、又１５は当該箱型１４，１４′間に残
余のヒンジ部軸芯線部分を被覆するジヤバラ型の
合成ゴム製エキスパンジヨイントを夫々示す。

かかる保護部材を水平切裁して平面視すると第
５図の如くである。又、保護部材の組合わせ構造
は第７図の箱型展開図、第８図の箱型に対するエ
キスパンジヨイント並びにガスケツトの組付き説
明図に明らかにされる。

尚、同図実施例にあつては、既述の持ち出し金
具１０がソケツト６に取り付いたのに対して、ヒ
ンジ軸芯に取付いた点で異なる。

第７図、８図より明らかなる如く、エキスパン
ジヨイント１５は、その両端を箱型１４，１４′
の周縁に付形の凹溝にはめ込むことで装着され
る。

しかして、ヒンジ部よりコンプレツシヨンリン
グ１側の箱型１４′は常に固定され、他方、ヒン
ジ部より膜材中心側は、ワイヤ２のインフレー
ト、デフレートの状態に合わせて揺動することと
なる。

該箱体１４の取付金具９に対する止着並びに箱
型１４の周縁のガスケツト止めの構成は第６図に
示される。

すなわち、箱型１４の端縁には取付金具９に対
しての締結用ブラケツト１４ａとガスケツトはめ
込み用溝部１４ｂが付形されており、当該締結用
屈曲部１４ａでボルト１６にて取付金具９の持ち
出し金具１０に対する締結と共に締結される。

又、止め具１２のカバー１７の側端より延出の
ガスケツト１８は該溝部１４ｂにはめ込まれ、こ
れによつて膜材３と定着部保護カバーとの間の接
続部のシール処理がなされる。

尚、１９は結露受樋を示す。

叙上の如く本案保護部材は構成されるので、以
下列記の如き諸効果を奏し得る。

(1) 動きがあつて、これに対応しなければならな
い部所、つまりヒンジ部には対応部材の可撓性
のジヤバラ型の合成ゴム製エキスパンジヨイン
トを配するも、その必要のない部所には不可撓
材の金属製の箱型を配するとして適材適所の合
理化を達成した。

(2) 保護部材に於ける挙動部位をヒンジ部のジヤ
バラ型の合成ゴム製エキスパンジヨイントのみ
と明確にしたため、不挙動固定部（金属製箱
型）が多くなり、止着部にゆるみが生じること
がなく止水性が向上した。

(3) ジヤバラ型合成ゴム製エキスパンジヨイント
の採用で単なる可撓性ではなく挙動吸収能の高
い構成となり、追従性が向上した。

(4) 保護部材の金属性の箱型は型成型で作製され
るものではないので、形状の自由性とコストダ
ウンが出来た。

【図面の簡単な説明】

第１図は膜構造説明図、第２図はワイヤ定着部
の説明図、第３図ａ，ｂ，ｃはワイヤ定着部の正
面、平面、要部拡大図、第４図は本案実施になる
定着部の俯瞰図、第５図は本案実施の定着部の平
面図、第６図は要部の縦断拡大図、第７図は本案
構成に於ける箱型の展開図、第８図は第７図に示
される箱型に対するエキスパンジヨイント並びに
ガスケツトの組付き説明図である。 １……コンプレツシヨンリング、２……ワイ
ヤ、３……膜材、４……定着部、９，９′……取
付金具、１０，１０′……持ち出し金具、１４，
１４′……箱型、１５……エキスパンジヨイン
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワイヤ定着部のヒンジ部軸芯線にて所定間隔を
   有して２分割に金属製箱型を構成し、かつ、当該
   ヒンジ部軸芯線部をジヤバラ型の合成ゴム製のエ
   キスパンジヨイントで構成してなることを特徴と
   する空気膜構造に於けるワイヤ定着部保護部材。