JPS6237906Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アルミサツシ窓を装備した建物の窓
外空間の有効な活用と、これに必要な附属構造物
の取付加工を著しく簡略化することを目的として
開発された新しい複合サツシに関する。

最近のアルミサツシは、サツシ枠の内部に正規
の障子だけでなく、防虫用の網戸や日照調整用の
ブラインドのほかに、雨戸や戸袋までも装着した
複合型式のサツシが市販されるようになつてき
た。けれども、これらの複合サツシは、いずれも
サツシ本来の遮閉機能の多様化を計るために案出
されたものであつて、それ自体で建物の利用面積
を拡大することにはならず、人口密集地の二階建
木造住宅やミニ開発地域の住宅及びアパートで
は、例えば出窓の設置や手摺付の露台及び物干台
等を窓外に設置する手段によつて、少しでも生活
空間を拡げようとする努力がなされているが、実
際にこれらの附属構造物を窓外に設置するには、
利用面積の割に工費が嵩む事は勿論、建物の壁
面、特に窓サツシに対する附属構造物の納まりが
悪く、これが施工上の大きな難点になつている。

本考案は前記の問題点を特異な複合構造のサツ
シにより解決したもので、窓用サツシの室外側
に、室内側から開閉し得る収納箱とその上端部外
周縁に手摺とを一体化して設けることによつて、
建物の窓外空間を立体的に活用すると共に、これ
らの附属構造物の取付加工を著しく簡略化するこ
とに成功したものである。

次に本考案による複合サツシの構造を実施例の
図面について具体的に説明すると、図中１は主体
になる窓用サツシ、２はサツシ１の室外側に附設
した収納箱、３は収納箱２の上端部外周縁に植立
して設けた手摺であつて、本実施例の場合、サツ
シ１は、サツシ枠４の内部を上下二段４ａ，４ｂ
に区画して、上段４ａに二枚の障子５，５、下段
４ｂに二枚の扉体６，６を各々引違いに嵌設し、
前記の障子５，５及び扉体６，６を左右に開閉し
得るように装着したものを窓用サツシ１として、
該サツシ１の室外側に、下段４ｂには収納箱２を
その上段４ａ部外周縁には手摺３を一体化して設
けたものであつて、この内収納箱２はサツシ枠４
の下段の開口部をコ字形に取囲むように下側枠７
ａ上側枠７ｂ及び角隅柱７ｃによつて箱形に形成
し、上部には天板７ｄ、下部には底板７ｅ周囲に
側板７ｆを張着し、手摺３は前記角隅柱を兼用す
ると共に上側枠７ｂとその上部に適間隔毎に植立
した格子棧７ｇとでコ字形に形成され、そして角
隅柱７ｃと格子棧７ｇの頂部に跨つて笠木８を横
架して該笠木の両端部をサツシ枠４に連結してな
る。

尚、前記複合サツシの構成部材間の連結構造に
ついては、形材の一方にビスホールを形成してお
き、他方の形材に穿設した透孔からタツピングビ
スを螺入して連結すれば良い。

また、サツシ１と収納箱２及び手摺３は、これ
を夫々工場で独立した自立構造のものに製作して
施工現場で連結しても良い。

以上のように本考案の複合サツシは、窓用サツ
シと収納箱及び手摺を一体化した構造なので、こ
れを建物の開口部に装備すれば、通常のサツシ窓
と同様に室内、室外の空間を遮断して開閉し得る
サツシ本来の機能を発揮し得る事は勿論、窓外の
下半部にある収納箱は、空内側から開閉して地袋
と同様に使用できる物入れになり、また収納箱上
面の手摺で囲まれた部分は、その大きさに応じて
露台や物干場となるので、植木鉢を置いたり、洗
濯物を乾かすのに役立ち、窓外の空間を上下二層
に分割して立体的に活用することが出来、また本
考案の複合サツシを使用すれば、前記の収納箱と
手摺など窓外の附属構造物を建物に装備する際
に、これらをサツシの取付に関連して全く一挙に
施工する事が可能になるので、その施工を著しく
簡略化し、建築工期の短縮と工費の節約になり、
然かも取付後の複合サツシは欧風の窓辺を連想す
る優美な外観を呈し、室内側から見た窓は和洋室
いずれの場合にも明るい近代的感覚の雰囲気を持
つ。

又、従来建屋の屋外側に張出した手摺はこれを
支持するため地上から角隅柱を立設し、これにて
支持されていたのみで、事実上手摺床板下方及び
その裏面はなんら有効利用されていなかつた。本
案はかかる手摺を支持する角隅柱を利用してその
強度を損うことなく床面裏側を室内側から開閉で
きる収納箱として有効に活用できる等、数々の利
点を併有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による複合サツシの具体的な実施
構造の一例を示す斜視図である。 １……窓用サツシ、２……収納箱、３……手
摺、４……サツシ枠、４ａ……上段、４ｂ……下
段、５……障子、６……扉体、７ａ，７ｂ……側
枠、７ｄ……天板、７ｅ……底板、７ｆ……側
板、８……笠木。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サツシ枠の内部を上下二段に区画して上段に二
   枚の障子を下段に二枚の扉体を各々引違いに嵌設
   し、前記障子及び扉体を左右に開閉し得るように
   装着したものを窓用サツシとして、該サツシの室
   外側に、下段には収納箱を、その上段部外側縁に
   は手摺を一体化して突出させたものであつて、こ
   のうち収納箱はサツシ枠の下段の開口部をコ字形
   に取囲むように下段枠、上側枠及び角隅柱によつ
   て箱形に形成し、上部には天板、下部には底板、
   周囲に側板を張着して室内側から扉体を開閉可能
   とし、他方手摺は前記角隅柱を兼用すると共に上
   側枠とその上部に適間隔毎に植立した格子桟とで
   コ字形に形成され、そして角隅柱と格子桟の頂部
   に跨つて笠木を横架して該笠木の両端部をサツシ
   枠に連結してなる複合サツシ。