JPS6237581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は洗濯機に於ける溢水々位調節装置に関
する。

(ロ) 従来技術 コントロールボツクスに配設したツマミを操作
することにより、溢水管を伸縮して溢水々位を調
節する型式の従来例を第５図に示す。この従来例
は、洗濯槽５０に凹設した溢排水室５１内に、こ
の室底部の排水口５２を開閉する筒状の弁５３
と、この弁５３に上部から連結、連通して弁開閉
とは無関係に排水口５２に連通する伸縮自在な溢
水管５４を配設している。そして、溢水管５４の
上部に直接連結線５５を取外し可能に取付け、或
いは溢水管５４の上部にまずホルダーを取外し可
能に取付けてこのホルダーに連結線５５を取外し
可能に取付けている。この連結線５５の上端は長
尺なリンク５６及びレバー５７を介してコントロ
ールボツクス５８のツマミ５９に連結してある。
従つて、ツマミ５９を操作すると、溢水管５４を
伸縮させることができ、管上端の溢水口６０の上
下の位置、即ち溢水々位を調節できるのである。

この従来例は図面から明らかなように、溢水管
５４と連結線５５との取付け部分及び線下部が水
位下に位置する。一般に洗濯中に生じる糸くず等
は所定巾以上のものにはからみ付きにくいが、線
材、細巾のものにはよくからみ付き、更に集積し
やすい。従つて、この従来例では連結線５５の下
部や取付け部分に糸くず等がよくからみ、また集
積する。このために、溢水々位の調節の際に接触
により上下の動きが阻害されることがあり、また
付着していた糸くず等が洗濯中に再び回遊して洗
濯物に付着することがあつた。そこで、従来例で
は溢水管５４とホルダーとを、或いは溢水管５４
と連結線５５とを外して糸くず等を除去すると云
う作業を屡実行しなければならず、その作業時や
取外し、再取付けの際に連結線５５を変形させて
その後の溢水々位の設定を不正確にすることがあ
つた。

(ハ) 考案の目的 本考案は連結線への糸くず等のからみ付きを抑
制し、洗濯物への糸くず等の付着や糸くず等から
の悪臭発生を未然に防ぎ、また糸くず等の除去作
業の回数を減少させて連結線の変形を生じにくく
することを目的とする。

(ニ) 考案の構成 本考案は溢水管の上部に保持体を取外し可能に
取付け、この保持体に連結線との連結板と、ガイ
ド溝に嵌挿する両側板とを設けたものである。ま
た、連結線との連結位置を溢水口より所定の上方
位置、即ち洗濯中に洗濯水にほとんど漬ることが
ない位置にし、さらに、保持体を上下動させて
も、その回転方向の動きを規制したものである。
従つて、糸くず等が連結線及び連結部位にからみ
つき、集積することはほとんどない。そして、点
検のために保持体を溢水管から外し、掃除し、再
度取付ける場合、保持体の上下方向及び回転方向
の位置は取外し前とほとんど変ることがなく、よ
つて溢水管に簡単に再取付けでき、連結線を捩つ
たり、つかんで変帰させてしまうことがないので
ある。

(ホ) 実施例 第１図〜第４図に於いて、１は機枠２内に洗濯
槽３と脱水受槽４を並設して成る二槽式洗濯機
で、後部上部にコントロールボツクス５を横長に
配設している。コントロールボツクス５（以下ボ
ツクスと略す）は底面、後面、両側面及び前面の
下部を構成するコントロールケース６（以下ケー
スと略す）と上面及び傾斜した前面のほとんどを
構成し且つケース６に爪等で取外し可能に係着さ
れたコントロールプレート７（以下プレートと略
す）とから成り、内部に種々の電装部品（図示せ
ず）を装着している。

８は洗濯槽３の右後部の隅角部に凹設して成る
溢排水室で、その前面開口を多孔のストレーナ板
９によつて閉成している。ストレーナ板９は表面
に目盛と高、中、低の各文字を表現し、洗濯水位
の表示板を兼用している。また、溢排水室８は内
底部に排水口１０を形成し、上部をケース６下面
に対向すると共に、ケース６下面に形成されたガ
イド孔１１によつてボツクス５内に連通してい
る。

１２は溢排水室８内で排水口１０の周囲を開閉
し且つ常時閉成方向に弾付勢されている筒状の弁
で、外周に翼片１３，１３を突設し、上部外周に
はくびれ部１４を設けている。１５は弁１２の上
部に連結、連通された蛇腹状の即ち伸縮自在な溢
水管で、上部外周にくびれ部１６を設けている。

１７，１７は溢排水室８の内面に上下に亘つて
連続形成したガイド溝で、上記翼片１３，１３を
上下動自在に嵌挿させ且つ支持している。１８は
ガイド溝１７，１７とは別個に上下に亘つて連続
形成したガイド溝で、ツマミ操作される操作杆１
９を上下動自在に内装、支持している。この操作
杆１９は弁１２のくびれ部１４を抱持環で抱持
し、弁１２を上下に連動せしめる。

２０は溢水管１５の上部外周を夫々挾み且つガ
イド溝１７，１７に夫々上下動自在に嵌挿された
両側板２１，２１と、この両側板上部（溢水管上
端よりも30mm以上高い位置）を橋架し且つ溢排水
室の前面開口に向けて幾分膨出した連結板２２
と、両側板下部を橋架し且つ溢水管１５のくびれ
部１６の外周の3/4程を抱持する抱持環２３とか
ら成る保持体である。抱持環２３は一端部に舌片
２４を有しており、掃除の際などにはこの舌片２
４を指で押圧することにより拡開しくびれ部１６
の抱持力を解いて溢水管１５を簡単に取外すこと
ができるものである。

ここで、連結板２２はガイド孔１１を垂直線上
で挿通する硬貨の連結線２５の下端の折曲部を係
合させる係合孔２６を下部に形成している。そし
て、この係合孔２６の直上と上部とにＵ字型の案
内溝片２７，２７を突設し、この案内溝片２７，
２７間には連結線２５に孔２６への係入方向と
夫々左と右方向へと弾力的に当接する上下一対の
弾性片２８，２８を形成している。

２９はプレート７の前面の内、溢排水室８に該
当する部分に形成された凹所で、その内底面の右
寄りに縦長の移動孔３０を形成してボツクス５内
に連通している。３１は凹所２９の外面を上下に
摺動し、各摺動位置をバネ圧により保持される摺
動体、３２はこの摺動体を操作するツマミ、３３
は摺動体３１に突設され、移動孔３０を挿通して
ボツクス５内に突入したレバーである。３４はボ
ツクス５内に配設された短いリンクで、一端をレ
バー３３に、他端を連結線２５の上端に夫々枢支
している。３５は洗濯タイマーのツマミ、３６は
脱水タイマーのツマミ、３７は上記操作杆１９を
上下動させる弁操作ツマミ、３８は給水口であ
る。又、プレート７の前面には適宜化粧板（図示
せず）が取付けられる。

次に、洗濯水位或いは溢水々位の設定動作につ
いて説明する。設定はツマミ３１を上下動させる
のであるが、最上部に在る場合はリンク３４及び
連結線２５を引き上げているので、溢水管１５も
最上位に在り、これが高水位である。溢水管１５
はこの高水位の状態が伸縮していない状態であ
る。ここから適宜ツマミ３１を下降させ、中、低
に合せる。

溢水管１５の保持体２０の両側板２１，２１と
弁１２の翼片１３，１３とが嵌挿されるガイド溝
１７，１７は、上下一直線上に形成してあり、溢
水管１５を捩らない。また、ガイド溝１７，１７
を個別に作らず、兼用して簡素化したことによ
り、樹脂成型品である洗濯槽３の成型サイクル等
に効果をもたらす。

保持体２０が連結線２５を連結する連結板２２
は溢水々位よりも常に30mm以上上方に在り、洗濯
水にあまり触れない。従つて、ここに糸クズ等が
付着することは非常に少く、掃除のために連結線
２５を外す場合に楽である。溢排水室８内の掃除
やたまに付着した糸くず等を除去する場合は溢水
管１５の弾力や弁１２の付勢力が邪魔になるの
で、抱持環２３を開いて溢水管１５の抱持力を解
き、保持体２０を溢水管１５から外す。保持体２
０は両側板２１，２１がガイド溝１７，１７内に
嵌挿してあるから、回転方向の動きが規制されて
おり、連結線２５をつかんだりして支持しなくて
もよい。この後、必要により保持体２０から連結
線２５を外すが、連結線２５が連結板２２のスト
レーナ板９に対向する面（溢排水室８の前面開口
に向く面）に取付けてあるから、取外しの際にス
トレーナ板９を取外せば簡単に作業できる。

尚、保持体２０の連結板２２の下端を下方に長
く延設し、溢水管１５の上端を隠すようにしても
良い。

これは洗濯時の瞬間的に上昇、飛散した洗濯水
（本来溢水させるべきではない洗濯水）が溢水管
１５の上端に直接流れ込むのを防止する。即ち、
この延設板はストレーナ板９と対面し、この板の
多数の孔から押し寄せてくる水を左右に分散さ
せ、溢水管１５に直接流入させない。

(ヘ) 考案の効果 本考案は連結線への糸くず等のからみ付きや集
積を抑制したので、洗濯物への付着、悪臭の発生
を未然に防止できる。また、連結線の変形が生じ
にくいので、溢水々位の正確な調節機能を保持で
きる。よつて、本考案は正確な溢水々位を設定で
きる清潔な洗濯機を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を組込んだ洗濯機の斜視
図、第２図は側断面図、第３図は溢排水室内の斜
視図、第４図はその要部の拡大斜視図、第５図は
従来例の側断面図である。 ３……洗濯槽、５……コントロールボツクス、
８……溢排水室（溢水室）、１５……溢水管、１
７……ガイド溝、２０……保持体、２１……両側
板、２２……連結板、２５……連結線、３１……
ツマミ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽に凹設された溢水室内に伸縮自在な溢水
   管を配設し、コントロールボツクスのツマミによ
   つて上記溢水管を伸縮して溢水々位を調節するも
   のに於いて、上記溢水管の上部に保持体を取外し
   可能に取付け、この保持体は上記ツマミに連る連
   結線に溢水口より所定の上方位置で連結された連
   結板と、上記溢水室に上下に形成されたガイド溝
   に上下動自在に嵌挿された両側板とを有すること
   を特徴とした洗濯機の溢水々位調節装置。