JPS6237503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は陳列什器等の最下段の棚板の取付構造
に関するものである。

従来の陳列什器は最下段の棚板の前面先端部に
人が乗つた際の転倒を防止するために転倒防止機
構を備えていた。しかし乍ら、上記転倒防止機構
は構造が複雑であつて施工時に手間がかかるとい
う欠点があつた。

本考案は上述の点に鑑み、簡単な構造で転倒防
止が確実に行なうことのできるばかりでなく最終
段の棚板の着脱が容易な棚板の取付構造を提供す
ることを目的とする。

本考案一実施例を図面に基づいて詳述する。１
は中空で角柱状のスチール製の水平片であつて、
この水平片１の下面前後端から角柱状の脚体２が
一体的に延設されていると共に水平片１の上面後
端から角柱状の支柱３が一体的に延設されて、全
体として中空のスチール製の枠体４を形成してい
る。また水平片１の前後端部上面には二個の長方
形状の透孔５ａ，５ｂが水平片１の内部空間に連
通して設けられている。６は上面開口で断面コ字
状の長尺部材よりなる溝形材であつて、この溝形
材６の下面の上記透孔５ａ，５ｂに対応する位置
には略Ｌ字型の鍵形片７と平板状の突片８とが溝
形材６の長手方向と直角方向に垂設されている。
上記鍵形片７は下端は垂線に対して後方に折曲形
成されているもので、第２図ａのように鍵形片７
の折曲部１２後面が後方の透孔５ａの後端縁に係
合すると共に突片８の前面が前方の透孔５ｂの前
端縁に当接するように嵌挿して水平片１上面に溝
形材６が載置される。この時、溝形材６の後端は
支柱３と間隙を有し、一方溝形材６の前端が水平
片１の前端より前方に突出して配置する。上記の
ような枠体４は複数個並設されて陳列什器の骨組
を構成するが、隣接する枠体４間に陳列用の棚板
が横架されるものであり、第２図ｂのように隣接
する最下段のスチール製棚板９の側端縁に設けた
垂下片１０が夫々溝形材６の開口部１１内に位置
し垂下片１０の外表面同志が夫々当接するように
嵌合される。また支柱３の前面に開口した係止孔
１４に支持腕を係止してこの支持腕に複数のスチ
ール製の陳列棚を支持せしめるものである。尚、
１５は高さ調整ねじである。第３図は本考案の別
の実施例であり、この実施例では枠体４の組立時
や搬送時や組み替え時等に溝形材６が水平片１か
ら脱離しないように突片８に抜け止め加工を施し
たものである。すなわち、第３図ｂは同図ａに示
す前記実施例の突片８の両側上端に凹部１３を設
けて抜け止めとしており、同図ｃはく字状に折曲
した突片８″を弾性材で形成することにより折曲
部１２′が透孔５ｂの前端縁に係止して抜け止め
とし、同図ｄはく字状の弾性材よりなる一対の突
片８″を溝形材６の長手方向と平行に並設するこ
とにより折曲部１２′が透孔５ａの両側縁に係止
して抜け止めとしている。上述のように抜け止め
加工を設すことにより溝形材６が容易に脱離しな
い上に、最下段の棚板９を使用しない場合は取外
すことが可能で棚板９が邪魔になることがなくき
わめて汎用性が高いものである。

しかして、後方の透孔５ａに鍵形片７を挿入し
て溝形材６を後方にずらし、鍵形片７の折曲部１
２後面を透孔５ａの後端縁に当接せしめた後、突
片８を前方の透孔５ｂに嵌挿せしめて溝形材６を
水平片１上面に係合載置する。そして、上記のよ
うな枠体４を複数個並設して隣接する最下段の棚
板９の垂下片１０を溝形材６の開口部１２に嵌合
せしめて隣り合う枠体４，４間に棚板９を支持
し、上方に別の棚板を取設することで陳列什器を
構成する。従つて、最下段の棚板９の先端部に人
が乗つても、棚板９の回転モーメントを溝形材６
の鍵形片７が係止して棚板９が第２図ａ中矢印の
ように回転して転倒することはない。

かくて本考案にあつては、溝形材の後部下面に
先端が後方へ折曲された略Ｌ字型の鍵形片を垂設
すると共に溝形材の前部下面に突片を下方へ垂設
し、鍵形片を後方の透孔内に先端が後方へ突出す
る状態で挿入させて鍵形片の折曲部後面を透孔の
後端縁に係合させると共に突片を前方の透孔内に
嵌挿して突片の前面を透孔の前端縁に当接させた
ので、溝形材の突片の前面が前側の透孔の前端縁
に当接した状態となり、また鍵形片の折曲部後面
が後ろ側の透孔の後端縁に係合した状態となつて
いるために、溝形材に水平方向における前後方向
の力が作用した場合でも溝形材は枠体に対して前
後方向にずれ動くことがなく、しかも鍵形片の先
端は後方へ突出した状態で鍵形片が水平片の透孔
内に挿入されているために、鍵形片の先端部が透
孔の後端縁に確実に係合することになり、棚板の
前端部が後ろ側へ押されて前部に荷重が作用した
ような場合でも溝形材が転倒することがないもの
である。また、溝形材を上面開口で断面コ字状に
形成し、棚板の側端縁に設けた垂下片を溝形材の
開口部に嵌合せしめ、隣り合う枠体間に棚板を支
持させたので、棚板の垂下片が溝形材の開口部内
に嵌合して棚板が溝形材からずれ落ちることがな
いものであり、しかも複数枚の棚板を連続して横
方向に接続する場合にも隣接する棚板の垂下片を
共に溝形材の開口部内に挿入嵌合させることで隣
接する棚板を表面が面一に載置することができる
ものである。しかも、最下段の棚板を使用しない
時には溝形材の先端部を持ち上げ前方にずらすだ
けで溝形材を水平片から取外すことができ、棚板
の着脱が簡単となり棚板の不使用時に棚板が邪魔
になることがなくて使い勝手が大変良いものであ
る。また、人が最下段の棚板の先端部に乗つたと
き最下段の棚板に発生した回転モーメントは溝形
材の鍵形片と後方の透孔との係合部で係止され溝
形材が転倒することがなく、簡単な構造で確実な
転倒防止機構を構成することができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の組立状態を示す斜視
図、第２図ａ，ｂは夫々同上の破断側面図、破断
正面図、第３図ａは同上の要部斜視図、同図ｂ，
ｃ，ｄは夫々別の実施例の要部拡大斜視図、１は
水平片、２は脚体、３は支柱、４は枠体、５ａ，
５ｂは夫々枠体、６は溝形材、７は鍵形片、８は
突片、９は棚板、１０は垂下片、１１は開口部で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平片の下面前後端からそれぞれ脚体を下方に
   一体的に延出し、水平片の上面後端から支柱を上
   方に一体的に延出して中空のスチール製枠体を形
   成し、水平片の前後端部上面にそれぞれ透孔を設
   け、水平片上面に載置される上面開口で断面コ字
   状の溝形材の後部下面に上記水平片の後ろ側の透
   孔に対応する位置にて先端が後方へ折曲された略
   Ｌ字型の鍵形片を垂設すると共に溝形材の前部下
   面に水平片の前側の透孔に対応する位置にて突片
   を下方へ垂設し、鍵形片を後方の透孔内に先端が
   後方へ突出する状態で挿入させて鍵形片の折曲部
   後面を透孔の後端縁に係合させると共に突片を前
   方の透孔内に嵌挿して突片の前面を透孔の前端縁
   に当接せしめ、最下段の棚板の側端縁に設けた垂
   下片を溝形材の開口部に嵌合せしめ、隣り合う枠
   体間に棚板を支持せしめて成ることを特徴とする
   棚板の取付構造。