JPS6236967Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は自動車のウインドガラスを取付けるた
めのクリツプに関するものである。

〈従来の技術〉 自動車のウインドガラスの取付部にはモールも
同時に取付けられる。従来では第１図に示すよう
に、ウインドガラス１の端部を保持するリテーナ
２をモール５にスポツト溶接あるいはカシメ止め
して一体に組合せ、車体の窓枠にボルト３及びナ
ツト４にて固着していた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来の構造では、モール５を交換する場
合、トリム６及びナツト４を外してウインドガラ
ス１も外さなければならず、モールの交換作業が
容易ではない。

また、リテーナ２に差し込まれているウインド
ガラス１の端部は、その表面側のみがリテーナ２
の内面に当接している浮いた状態となつている。
これは、車種等によりウインドガラス１の板厚が
変更されるため、板厚の厚いものでも対応するよ
うリテーナ２の隙間を大きくしているためであ
る。従つて、ボデーのフランジ部とウイドガラス
１の裏面との間に充填された接着剤，シーリング
材の部位が支点となつてウインドガラス１の端面
はリテーナ２内で走行中の振動等により共振する
場合がある。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の問題点を解決するために
なされたもので、その特徴とする構成は、合成樹
脂よりなるクリツプ本体に、ウインドガラス端部
の表面と端面との直角２面を支承するＬ字形段部
と、この段部に支承したウインドガラスの裏面に
当接しガラス板厚に応じて弾機的に押圧して挟持
する押圧突起片と、モールの一端を係止する凹溝
と、溝を形成するよう一端支持されたモールの他
端を係止するための係止用突起とを形成し、クリ
ツプ本体に固着用のボルトの一端を埋設したもの
である。

〈作用〉 上記の構成により、モールは凹溝と係止用突起
によつてクリツプ本体がボデーに固着された状態
で着脱を可能とし、ウインドガラスの端部は押圧
突起片によりガラス板厚に応じてＬ字形段部に押
圧挟持する。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第２図及び第３図に基づ
いて説明する。１０は合成樹脂よりなるクリツプ
本体である。このクリツプ本体１０には、ボデー
のフランジ部とウインドガラス１の裏面との間に
シーリング材１８を充填してセツトされるウイン
ドガラス１の端部の保持手段と、モール５の係止
手段とが設けられている。

ウインドガラス１の端部の保持手段の構成は、
ウインドガラス１の端部の表面と端面との直角２
面を支承するＬ字形の段部１１と、この段部１１
に支承したウインドガラス１の裏面に弾機的に当
接して押圧する押圧突起片１２とからなり、また
モール５の係止手段の構成は、モール５の一端５
ａを係止する凹溝１３と、モール５の他端５ｂを
係止する係止用突起１４とからなり、この係止用
突起１４は、溝１４ａを形成するよう一端が支持
された構造である。

１５はクリツプ本体１０をボデーに固着するた
めのボルトであり、その一端はクリツプ本体１０
に埋設されている。このボルト１５にはナツト１
６が螺合されていて、ボデーに締付固定する。１
７はクリツプ本体１０に埋設された補強用のリテ
ーナである。

本考案は上記の通りの構造であるから、凹溝１
３と係止用突起１４にはモール５の一端５ａ並び
に他端５ｂが着脱可能に係止される。このモール
５を係止するときに、モール断面に製造寸法のバ
ラツキがあつても、係止用突起１４は溝１４ａに
より弾性変位して他端５ｂを係止し、寸法バラツ
キを吸収する。

また、ウインドガラス１の端部は、段部１１に
ウインドガラス１の端部を差し込むことにより、
その表面と端面の２面は段部11に接し、裏面は押
圧突起片１２の弾機力によつて押圧され、表面を
段部１１に圧接して挟持する。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、モールはクリツ
プ本体に設けた凹溝と係止用突起とによつて着脱
可能に係止されるので、クリツプ本体をボデーに
固着した状態でモールの着脱交換が容易に得られ
る。しかも、前記係止用突起は溝を形成するよう
一端支持されているため、モール断面に製造寸法
のバラツキがあつても、その寸法バラツキを係止
用突起の弾性変位で吸収し確実に係止される。

また、ウインドガラスの端部は、クリツプ本体
に設けたＬ字形の段部と押圧突起片とによつて挟
持する構成であるから、ウインドガラス端部は共
振による遊動を防止し、押圧突起片の弾機押圧作
用によつて、ウインドガラスの板厚が変更しても
板厚に応じて確実に挟持する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のウインドガラス及びモールの取
付構造の断面図、第２図は本考案によるクリツプ
の斜視図、第３図は本考案クリツプによるウイン
ドガラス及びモールの取付状態の断面図である。 １……ウインドガラス、５……モール、１０…
…クリツプ本体、１１……段部、１２……押圧突
起片、１３………凹溝、１４……係止用突起、１
４ａ……溝、１５……ボルト、１６……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂よりなるクリツプ本体に、ウインドガ
   ラス端部の表面と端面との直角２面を支承するＬ
   字形段部と、この段部に支承したウインドガラス
   の裏面に当接しガラス板厚に応じて弾機的に押圧
   して挟持する押圧突起片と、モールの一端を係止
   する凹溝と、溝を形成するよう一端支持されたモ
   ールの他端を係止するための係止用突起とを形成
   し、クリツプ本体に固着用のボルトの一端を埋設
   してなる自動車のウインドガラス取付用クリツ
   プ。