JPS623495Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は忍返しを上部に取付けた金網柵に関す
るもである。

一般に、金網柵や屏などの上部に忍返しを取付
ける場合には、有刺鉄線を張設したり、鉄や木、
竹などの棒状体の先端を尖らせたものを列設する
ことによつてそれを構成していたが、構造が複雑
で設置作業が面倒であり、しかも、柵や屏などに
対して一定の傾斜角度に固定的に取付ける構造の
ものが多く、そのため傾斜角度を自由に設定でき
なかつた。

また、忍返しと金網、屏本体とが全く異種構造
であるため、それらの間に調和感がなく、従つて
柵の美観が著しく損われるという欠点があつた。

特に、２枚の金網体から形成される２重金網を
使用した金網柵においては、２重金網の構造が特
殊で非常に重厚感があるため、従来のような忍返
しでは２重金網との調和がとれず、柵としての体
裁を保つことが難しい。

本考案は、金網と忍返しとの調和がとれた金網
柵の提供を目的とするもので、２重金網を使用し
た金網柵の上部に、２重構造を有する忍返しを傾
斜角度を設定可能に取付けたことをその特徴とす
るものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明するに、本考案の金網柵は、第１図に示すよ
うに、適宜な間隔で地面に立設した支柱１，１，
……と、該支柱１，１間に張設した２重金網２，
２，……と、該２重金網２の上部において支柱
１，１間に取付けた忍返し３，３，……とからな
つている。

上記２重金網２は、縦横の素線４．５からなる
２枚の金網体２ａ，２ａを前後に所定の間隔をお
いて平行に配設し、それらの上下端の湾曲状の連
結部２ｂ，２ｃを介して連結することにより形成
したもので、該２重金網２は、その端部に取付け
た連結金具６を介して支柱１に取付けている。

また、忍返し３は、上記２重金網２と同様に、
縦横の素線７，８からなる２枚の金網体３ａ，３
ａを円弧状の連結部３ｂを介して一体に連設し、
前後に並列する各縦素線７の先端に尖頭部７ａを
形成することにより２重構造としたもので、該忍
返し３を支柱１，１間に取付けるに当り、各支柱
１の上部には、第３図及ぴ第４図からも分るよう
に、取付孔１０及び該取付孔１０を中心にして放
射状に位置する複数の調節孔１１，１１，……を
備えた扇形や円板形、柱状等の部材を固着するこ
とにより取付部９を形成し、一方、忍返し３の端
部には、取付孔１３及び調節孔１４を１つづつ備
えた連結金具１２を取付け、これらの取付部９及
び連結金具１２の取付孔１０及び１３にボルト１
５を挿通すると共に、取付部９におけるいずれか
の調節孔１１と連結金具１２の調節孔１４とにボ
ルト１６を挿入し、これらのボルト１５，１６を
それぞれナツトで締付けることによつて上記忍返
し３の固定を行つている。この場合、取付部９に
おける調節孔１１を選定することにより、忍返し
３を鉛直、内傾斜、外傾斜のいずれかの状態に設
置することができる。

なお、忍返し３における円弧状の連結部３ｂの
中心位置に上記取付孔１３を設けるようにすれ
ば、忍返し３を傾斜させた状態でその連結部３ｂ
が前後に大きく突出するのを防止することがで
き、また忍返し３における少なくとも縦素線７を
鋼線などの硬質の線材によつて形成すれば、該忍
返し３の強度を高めることができる。

上記構成を有する本考案の忍返し付金網柵によ
れば、２重金網を張設した支柱間に金網と類似の
２重構造を有する忍返しを取付けたので、金網と
忍返しとが十分に調和した体裁のよい金網柵を構
成することができ、また、上記忍返しは傾斜方向
を調節自在としてあるので、金網柵の設置状況等
に応じて該忍返しを鉛直、内傾斜、外傾斜のいず
れの態様にでも設置することができ、しかも、２
重構造をなし且つ傾斜調節自在な上記忍返しによ
つて、画一的になりがちな金網柵に意匠的変化を
持たせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図はそのＡ−Ａ拡大断面図、第３図は第１図にお
ける要部拡大図、第４図はそのＢ−Ｂ断面図であ
る。 １……支柱、２……２重金網、２ａ……金網
体、３……忍返し、７……縦素線、７ａ……尖頭
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２枚の金網体を所定間隔をおいて前後に連結す
   ることにより形成した２重金網を、適宜な間隔を
   おいて地面に立設した支柱間に張設し、該２重金
   網の上部において、各支柱間に、上端を尖頭部と
   なした縦素線を前後２列に配列してなる傾斜方向
   が調節自在な２重構造の忍返しを取付けたことを
   特徴とする忍返し付金網柵。