JPS6234099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は主としてフアンを使用し火炎に強制的
に空気を供給して燃焼反応を促進することにより
短炎化を実現して燃焼機の小型化を図つた家庭用
燃焼装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の一構成例を第１図、第２図に示す。炎口
部１の両側には混合気の流れに平行に空気を噴出
する保炎空気口２と、混合気の流れに交差して空
気を噴出する傾斜空気口３が空気噴射板４上にそ
れぞれ多数設けられている。傾斜空気口３は炎口
部１の長手方向に山形状に多数配列されている。

このような従来の燃焼装置では次の問題があつ
た。すなわち給湯機用の燃焼装置では使い勝手の
向上を図るために風呂用給湯から台所の皿洗い用
給湯まで対応するために燃焼量を大幅に変化させ
る必要がある。しかし第２図ａに示す如く風呂用
給湯に対応して燃焼量を多くした場合は、混合気
イの流速が大きく、又、流量も多いため火炎Ａは
山形状に配列された傾斜空気口３に沿つて形成さ
れ、傾斜空気口３から噴出された空気は直ちに火
炎Ａに供給され燃焼反応を促進し短炎化を実現し
て燃焼室も小さくすることができるが、台所の皿
洗い用給湯に対応して燃焼量を少なくした場合に
は混合気ロの流速が小さく、又、流量も少ないた
め第２図ｂに示す如く火炎Ｂはもはや混合気が下
流側まで空気噴射板に沿つて流れないため傾斜空
気口３に沿つて形成されなくなる。従つて燃焼量
の変化に対して熱効率を高く維持させるために空
気過剰率を低い値に保つ場合には、燃焼量が少な
くなると傾斜空気口３から供給される空気噴出速
度が低下すること、さらに下流側では山頂部の傾
斜空気口３と火炎との距離が増すことにより噴出
される空気はかなり下流で火炎中央部に供給され
ることになるため火炎長が著しく増大し、また燃
焼室を小さくすると燃焼不良を発生するという問
題を有するものであつた。

考案の目的 本考案はかかる従来の問題点を解消するもので
燃焼量を大幅に変化させても小さな空気過剰で火
炎長を短くし、燃焼装置を小型化することを目的
とする。

考案の構成 この目的を達成するために本考案は多数の炎口
より成る炎口部と、炎口部より噴出される混合気
の流れに交差して空気を噴出する多数の傾斜空気
口とを備え、傾斜空気口は炎口部の長手方向に多
数山形状に配列され、かつ各山形状に配列された
傾斜空気口の裾野部中央には下流方向へ並べて穿
孔した傾斜空気口を設けた構成である。

この構成により燃焼量が多い場合には混合気の
流れは先ず傾斜空気口から噴出される空気流によ
り偏流され、山形状に配列された傾斜空気口に沿
つて流れるようになり十分な距離をもつた各山へ
混合気が大きく分割される。次に裾野部中央に下
流方向へ設けられている傾斜空気口から噴出され
る空気流により、各山へ分割された混合気はさら
に小さく二等分され混合気の細分割がおこなわれ
ることになる。従つて傾斜空気口に沿つて形成さ
れる火炎は著しく反応面が拡大されることになり
短炎化が一層促進される。燃焼量が少ない場合に
は混合気が下流側である山頂部の空気口まで届か
ないが、山形状に配列された傾斜空気口と各山の
裾野部中央の傾斜空気口より噴出される空気流に
より少量の混合気は上流側で完全に細分割される
ことになる。従つて混合気は燃焼量が少ない場合
でも細分割され火炎は傾斜空気口に沿つて形成さ
れるため供給された空気は直ちに燃焼反応を促進
するよう有効に使用される。よつて燃焼量が少な
い場合でも小さな空気過剰率で火炎長を短くし安
定燃焼することができることになる。

実施例の説明 以下本考案の一実施例について第３図〜第６図
に基づいて説明する。なお図中第１図と同一構成
要素については同一番号を付している。

第３図、第４図において袋状の空気室５を形成
するバーナボデイ６の凹部によ多数の炎口より成
る炎口部１を両面から挟着してその下に混合気室
７を構成している。炎口部１近傍のバーナボデイ
６の一部は凹状となり保炎室８の一部を構成して
いる。空気噴射板４は傾斜部部には多数の山形状
に配列され、かつ各々その裾野部には中央に下流
方向への傾斜空気口３を設けるとともに、炎口部
１近傍の水平部には直線上に多数の保炎空気口２
が設けられバーナボデイ１の溝にはめ込まれてい
る。また空気噴射板４には傾斜空気口３と保炎空
気口２の間に多数の小突起９が設けられており、
バーナボデイ１との間に小間隙１０が構成され空
気室５と保炎室８が連通されている。またバーナ
ボデイ６の外側には混合気分配室１１と混合管１
２が備えられている。

上記構成における作用を説明すると、混合管１
２から供給された混合気は混合気分配室１１に入
り２つの混合気室７に分配され、炎口部１から燃
焼室内へ流出し炎口部１上に火炎を形成する。一
方燃焼用空気はフアン（図示せず）によつて供給
され、３つの空気室５に分配されて流入し、その
大部分は傾斜空気口３から火炎の両側より比較的
大きな流速で噴出される。火炎は強制空気供給に
よる燃焼反応の促進と、山形状に配列された傾斜
空気口に沿つて形成されることによる表面積の著
しい拡大により火炎長が短くなる。空気室５に供
給された残りの燃焼用空気は小間隙１０で減圧さ
れ、かつ適切な流量に制御され保炎室８に入り比
較的低速で保炎空気室２より炎口部１の両側から
流出し、火炎基部の安定化を図つている。

ここで傾斜空気口３は炎口部１の長手方向に山
形状に配列され、かつ各々その裾野部には中央に
下流方向へも空気口を設けてあるため、燃焼量が
多い場合には第５図ａで示す如く傾斜空気口３の
配列に沿つて火炎Ｃが形成され、上流側で従来よ
りも多くの空気が供給されること、及び実質的な
火炎分割数が従来の２倍になり火炎表面積が従来
より一層拡大することにより短炎化が一段と促進
される。燃焼量が少ない場合には第５図ｂで示す
如く、従来と同様に山頂部の傾斜空気口まで混合
気の流れは届かないが、裾野部では中央に下流方
向へ設けられた傾斜空気口３により流側で混合気
が細分割された火炎Ｄとなり、火炎表面積が増加
して燃焼反応が促進されるとともに、この時には
短炎化に奇与しない山頂部から供給される空気量
は相対的に従来より減るため、小さな空気過剰率
で完全燃焼させることができる。以上をグラフ化
したものが第６図であり、より少ない空気量で完
全燃焼するため従来（特性曲線Ｍ）の燃焼設定点
ａよりも本考案（特性曲線Ｎ）の燃焼設定点ｂの
方が空気過剰率を低く設定でき、熱効率を高く維
持することができる。

考案の効果 以上の説明から明らかなように本考案の燃焼装
置によれば以下の効果が得られる。

(1) 山形状に配列され、かつ各々の裾野部中央に
は下流方向へ傾斜空気口を設けることにより、
混合気の細分割と上流側で大部分の空気を噴射
供給することになり燃焼量が多い場合には短炎
化の促進、燃焼量が少ない場合には不要空気量
の低減が図れ燃焼量が大幅に変化しても、低い
空気過剰率で完全燃焼でき、熱効率の向上が実
現できる。

(2) 空気過剰率の小さな所に燃焼設定点を設ける
ことができるので、フアン送風量が減り騒音の
低減が図れる。

(3) 燃焼量が少ない場合でも火炎細分割が実現さ
れるため、炎口部に沿つてフレームツドを挿入
すれば火炎面との接触面積が増大するためイオ
ン電流が増し失着火検知が容易におこなえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃焼装置の要部を示す断面斜視
図、第２図ａ，ｂは第１図の燃焼装置により形成
される火炎の説明図、第３図は本考案の一実施例
を示す全体断面図、第４図は第３図の要部を示す
断面斜視図、第５図ａ，ｂは本考案の燃焼装置に
より形成される火炎の説明図、第６図は従来列と
本考案の燃焼装置の燃焼特性を示す比較説明図で
ある。 １……炎口部、３……傾斜空気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の炎口より成る炎口部と、前記炎口部より
   噴出される混合気の流れに交差して空気を噴出す
   る多数の傾斜空気口とを備え、前記傾斜空気口は
   前記炎口部の長手方向に多数山形状に配列され、
   かつ前記山形状に配列された傾斜空気口の裾野部
   中央に下流方向へ傾斜空気口を穿孔した燃焼装
   置。