JPH029225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は噴霧ノズルから圧力噴霧された液体燃
料と燃焼用空気とを混合させ燃焼させる加圧噴霧
式燃焼装置に関するものである。

従来、噴霧ノズルから噴出する微小の液体燃料
と空気供給装置にて給送された燃焼用空気とをス
タビライザにて拡散、旋回させて混合し、該混合
ガスを燃焼させる加圧噴霧式燃焼装置が知られて
いる。

しかしながら、かかる加圧噴霧式燃焼装置では
液体燃料と燃焼用空気とを十分に混合させるため
にスタビライザの構造を極めて複雑なものとした
り、或いは燃焼用空気の流れを安定させるために
ドラフトチユーブ、送風筒を長く形成しなければ
ならず、構造が複雑化或いは大型化するという欠
点を有していた。また、バーナの出力（発熱量）
を変えるときは、スタビライザは勿論のことバー
ナ全体の構造を設計変更しなければならず、各部
品の共通化という点からも不利であつた。

本考案は前記従来の欠点に鑑み、スタビライザ
の構造を複雑化させかつドラフトチユーブ、送風
筒を大型化させることなく、燃焼用空気の流れを
安定化させ、更には該燃焼用空気と液体燃料を十
分に混合させると共に、バーナの出力を変えると
きもバーナ全体の構造を変えることなく簡単に該
出力を変えることができる加圧噴霧式燃焼装置を
提供しようとするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第３図ａ，ｂは本考案の一実施例を
示すもので、１０は給湯機本体、２０，３０は該
給湯機本体１０の側壁の上下に設けられた一対の
バーナ、４０は送風筒４１を介して燃焼用空気を
バーナ２０，３０に送風する送風機（空気供給装
置）、５０は前記バーナ２０，３０に送油管５１
を介して液体燃料を圧送する加圧式ポンプ、６０
は点火プラグである。

前記バーナ２０，３０は、円筒状のドラフトチ
ユーブ２１，３１の先端寄りに複数のフイン２２
ａ，３２ａを有するスタビライザ２２，３２を配
置すると共に、該ドラフトチユーブ２１，３１の
略中央に噴霧ノズル２３，３３を配置している。

７０は燃焼用空気の補助旋回板で、燃焼用空気
の旋回部片７１と、第１の取付部片７３と、第２
の取付部片７２とからなり、該取付部片７２は前
記スタビライザ２２，３２の外周面に溶接し、ま
た、該取付部片７３は前記ドラフトチユーブ２
１，３１の内周面に溶接して、前記旋回部片７１
をスタビライザ２２，３２より燃焼用空気の流入
側（送風筒４１側）に位置させると共にその先端
をドラフトチユーブ２１，３１の内側に向けて取
付けている。

なお、前記補助旋回板７０は次のようにして形
成する。すなわち、第３図ａ，ｂに示すように横
長方形状の折り曲げ可能な金属製基板８０の長手
方向一端８０ａ寄りを幅方向上端８１ｂ寄りに向
け縦に切断し、更に該切断部分８１から他端８０
ｃ側を一側面８２側に、任意の角度αに折り曲げ
て旋回部片７１となし、また、該切断部分８１か
ら一端８０ａ側を多少一側面８２側に折り曲げて
取付部片７２となす。また、前記取付部片７３は
該基板８０の上部長手方向に沿つて形成される。

本考案に係る加圧噴霧式燃焼装置は前述の如
く、補助旋回板７０の旋回部片７１をスタビライ
ザ２２，３２より燃焼用空気の流入側に位置させ
ると共に、その先端をドラフトチユーブ２１，３
１の内側に向けて取付けているから、送風筒４１
から送風された燃焼用空気は予め旋回部片７１に
より旋回、拡散してスタビライザ２２，３２に送
風されるので、スタビライザ２２，３２における
燃焼用空気の旋回、拡散がより促進され、噴霧ノ
ズル２３，３３から噴出される液体燃料との混合
が十分に行なわれる。

また、前記補助旋回板７０は折り曲げ可能な金
属製基板８０を用いており、旋回部片７１を任意
の角度αに折り曲げることができるから、該折り
曲げ角度αを変えることにより燃焼用空気の空気
量の調節も可能となり、他方、各バーナ２０，３
０の発熱量を変える場合はバーナ２０，３０全体
の構造を変えることなく単に噴霧ノズル２３，３
３の大きさ（吐出量）と旋回部片７１の角度αを
変えるだけで発熱量を変えることができる。ま
た、多ガン式異発熱量バーナを備える加圧噴霧式
燃焼装置に補助旋回板７０を取付けるときは、バ
ーナ２０，３０全体の部品を変えることを要しな
いから、部品の共通化を図ることもできる。

更に、該補助旋回板７０は取付部片７２，７３
を有し、該取付部片７２はスタビライザ２２，３
２の外周面に溶接し、該取付部片７３はドラフト
チユーブ２１，３１の内周面に溶接して取付けて
いることから、スタビライザ２２，３２の固定部
材としての機能をも有する。

更にまた、補助旋回板７０は横長の基板８０の
一部を切断し、該切断部分８１の両側を一側面８
２側に折り曲げることにより形成され、構造簡単
で容易に製作することができる。

以上説明したように、本考案によれば、噴霧ノ
ズルから噴霧された液体燃料と空気供給装置から
給送された燃焼用空気とを拡散、混合するスタビ
ライザと、該燃焼用空気を旋回させ該スタビライ
ザに案内する複数の補助旋回板とをドラフトチユ
ーブ内に取付けた加圧噴霧式燃焼装置において、
各補助旋回板を方形状の一枚板にて形成し、各補
助旋回板の一端側は前記ドラフトチユーブの内面
に取付けられた第１の取付部片にて構成するとと
もに、第１の取付部片から各補助旋回板の他端側
はドラフトチユーブの内側に屈曲し先端側をスタ
ビライザに固定した第２の取付け部片と、第２の
取付部片と分離し、任意の角度に折り曲げ可能な
旋回部片とから構成し、旋回部片は前記スタビラ
イザがより前記燃焼用空気の流入側に位置し、か
つ、該旋回部片の先端をドラフトチユーブの内側
に向けて屈曲したので、空気供給装置から給送さ
れた燃焼用空気は予め旋回部片により旋回、拡散
してスタビライザに送風されるから、スタビライ
ザの構造を複雑にしなくてもスタビライザにおけ
る燃焼用空気の旋回、拡散が促進され、噴霧ノズ
ルから噴出される液体燃料と十分に混合されて良
好な燃焼を達成できるという利点を有する。ま
た、補助旋回板の旋回部片は任意の角度に変える
ことができるから、燃焼用空気の空気量も調節で
き、加圧噴霧式燃焼装置の発熱量を変えるときは
単に噴霧ノズルと旋回部片の角度を変えるだけで
発熱量を変えることができるので、スタビライザ
等の部品の設計変更を要せず部品の共通化を図る
ことができるという利点等を有する。更に、各補
助旋回板を方形状の一枚板にて形成し、各補助旋
回板の一端側は前記ドラフトチユーブの内面に取
付けられた第１の取付部片にて構成するととも
に、第１の取付部片から各補助旋回板の他端側は
ドラフトチユーブの内側に屈曲し先端側をスタビ
ライザに固定した第２の取付け部片と、第２の取
付部片と分離し、任意の角度に折り曲げ可能な旋
回部片とから構成しており、スタビライザがドラ
フトチユーブにこの補助旋回板を介して固定され
ることは勿論のこと、この補助旋回板は一枚の板
の一部を切断し更にこれを折り曲げることにより
形成され、その構造が非常に簡単なものとなつて
いる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る加圧噴霧式燃焼装置を示す
もので、第１図は一部省略断面図、第２図は補助
旋回板の取付状態を示す断面図、第３図ａ，ｂは
補助旋回板の製作方法を示し、第３図ａは基板の
一部を切断した状態を示す斜視図、第３図ｂは旋
回部片を折り曲げた状態を示す斜視図である。 図中、２１，３１……ドラフトチユーブ、２
２，３２……スタビライザ、２３，３３……噴霧
ノズル、４０……空気供給装置、７０……補助旋
回板、７１……旋回部片、８０……基板、α……
任意の角度。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 噴霧ノズルから噴霧された液体燃料と空気供給
   装置から給送された燃焼用空気とを拡散、混合す
   るスタビライザと、該燃焼用空気を旋回させ該ス
   タビライザに案内する複数の補助旋回板とをドラ
   フトチユーブ内に取付けた加圧噴霧式燃焼装置に
   おいて、 前記各補助旋回板を方形状の一枚板にて形成
   し、該各補助旋回板の一端側は前記ドラフトチユ
   ーブの内面に取付けられた第１の取付部片にて構
   成するとともに、該第１の取付部片から該各補助
   旋回板の他端側は前記ドラフトチユーブの内側に
   屈曲し先端側を前記スタビライザに固定した第２
   の取付け部片と、該第２の取付部片と分離し、任
   意の角度に折り曲げ可能な旋回部片とから構成
   し、 前記旋回部片は前記スタビライザがより前記燃
   焼用空気の流入側に位置し、かつ、該旋回部片の
   先端を前記ドラフトチユーブの内側に向けて屈曲
   した ことを特徴とする加圧噴霧式燃焼装置。