JPS6234037Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は引張りコイルバネのフツクの形状に関
するものであり、特に組立後にバネがバネ掛けか
ら容易に外れることがなく、更に、自動組立の容
易なバネのフツクの形状に関するものである。

引張りコイルバネのフツクは、通常第１図に示
されるように成形されていて、これを第２図ａ，
ｃに図示されているようなバネ掛けに掛けるよう
になつている。この引張りコイルバネは、通常は
バネの引張り力によつてバネ掛けから外れること
はないが、急激な伸縮などによる踊り現象や、バ
ネが切れたり、伸びたりしたときにはフツクがバ
ネ掛けから外れることがあり、片側のフツクがバ
ネ掛けから外れたときには、極めて不安定となつ
て容易に外れて落下してしまう。これを防止する
ために、第２図ｂに示すように板状部品にフツク
を通す穴を設けてバネ掛けとすることも行われて
いるが、手作業でバネを組付けるときにも作業し
難く、まして自動組立するとなると、極めて複雑
な動作を行う組立装置を用いなければならない。

本考案は、上記欠点を除き、バネの踊りや、切
れ、伸びなどによつてもバネがバネ掛けから外れ
ることなく、更に自動組立も容易なフツクの形状
を提供することを目的とするものである。

以下、本考案の詳細を実施例に基づいて説明す
る。

第３図は本考案の異なつた２つの実施例を示し
ており、いずれもコイル部１に続いてフツク部２
が成形されている。フツク２は２重巻のコイル状
となつており、それぞれのコイルが相互に偏心
し、コイルの一部が他のコイルの内側に位置して
いる。

このバネを組付けるときには、フツク２を外側
から把持すると把持力によつてフツクが変形して
２重のコイルがほぼ同心となり、第２図ａ，ｃに
示す通常のバネ掛けに容易に挿入出来る。外側か
らの把持力を除けば、フツクのコイルは再び相互
に偏心するように変形して、第４図に示すよう
に、偏心したフツク中央のＡ部（第３図）で内側
に位置するコイルと他のコイルとの間でバネ掛け
を掴み、容易に外れないようになる。

自動組立を行うときにも、同様にフツク２を外
側から掴んで供給し、バネ掛けに挿通して離すこ
とによつて、全く同様に、且つ容易に自動組立を
行うことが出来る。バネの他端のフツクも、バネ
を引き伸ばしながらバネ掛けに挿通させることに
よつて同様に組立可能であることは云うまでもな
い。バネ掛けの先端を、第４図に示すようにテー
パ状にすれば、フツクの挿入が更に容易となり、
自動組立も容易となる。

以上の説明では、フツクは相互に偏心した２重
巻のコイルとして説明したが、これを３重巻と
し、中央の１巻きのみを偏心させても全く同様の
作用、効果を有、バネ掛けに対しては、更に安定
した取付が可能となる。

本考案は、上述のように組立が容易であり、且
つ組立後はバネ掛けから外れる恐れがないので、
バネが外れて落ちることによる事故は全く生ぜ
ず、更に自動組立にも容易に適合するので、自動
組立する大量生産品に用いるとき極めて大きな効
果を生ずるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフツクを有する引張りコイルバ
ネの正面図、第２図ａ，ｂ，ｃはそれぞれバネ掛
けの外観を示す斜視図、第３図ａ，ｂは本考案の
フツクを有する引張りコイルバネの正面図、第４
図は第３図ａのバネを実際に使用したときの状態
を示す斜視図である。 １…コイル部、２…フツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フツク部が複数回巻回されたコイルであつて、
   該コイルの少くとも１巻きが他のコイルに対して
   偏心しており、該コイルの一部が他のコイルの内
   側に位置していることを特徴とする引張りコイル
   バネ。