JPS6233171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はボールバルブの操作軸の密封支持構
造の改良に関するものである。従来のボールバル
ブの操作軸の密封支持構造として本出願人は先に
実公昭50−23375号公報に記載のような構造を提
供しており、その要部構造は第１図に示す様にバ
ルブ本体１に形成した軸承孔２に操作軸３をバル
ブ本体１内よりグランドシール４ａを介して外部
へ挿通させ、これの鍔部３ｂを軸承孔２の内面側
環状段部２ａに回転自在に当接係合させ、操作軸
３の下部角軸部３ａをボール５の外径面頂部に形
成した係止溝６内に係止させて一体に回転可能と
なし、操作軸３の上部にグランドシール４ｂ及び
操作軸３の倒れ防止用グランドリング７を挿通さ
せ、軸承孔２の外側環状段部２ｂに嵌入させ、更
に操作ハンドル８の先部を操作軸３の上部に嵌挿
させ、ナツト９を締付けて操作ハンドル８を基準
に操作軸３を上方へ引き上げてグランドシール４
ａ，４ｂに一定のシール面圧を与えた状態で固定
してある。ところが上記グランドシール４ａ，４
ｂは操作軸３の回転動作に伴つて摩耗し、グラン
ドシール４ａ，４ｂとバルブ本体１との間のシー
ル面圧が所定値以下になると隙間を生じて流体が
外部へ漏れるといつた問題があつた。そこでグラ
ンドシール４ａ，４ｂがシール性を損なわない範
囲で、ある程度摩耗するとナツト９を締付けて操
作軸３を引き上げ、グランドシール４ａ，４ｂと
バルブ本体１との間に一定のシール面圧を与えれ
ばよいのであるが、グランドシール４ａ，４ｂの
摩耗量が外部からでは検知不可能であり、頻繁に
ナツト９を締付けねばならず、作業が煩雑となる
ばかりでなく、しばしば過度に締付けられるため
に、摩耗が激しくなる欠点があつた。そこで従来
は、第１図に示す様に操作ハンドル８とナツト９
との間にバネ座金１０を介在させたり或いは第２
図に示す様に操作ハンドル８とグランドシール４
ｂとの間に皿バネ１１を介在させて、これらによ
り常時操作軸３に引き上げ力を作用させて、グラ
ンドシール４ａ，４ｂが摩耗すると、バネ座金１
０或いは皿バネ１１の弾性復元により操作軸３を
引き上げてグランドシール４ａ，４ｂとバルブ本
体１との間に一定のシール面圧を与える様に構成
している。しかし乍ら、上記バネ座金１０或いは
皿バネ１１の操作軸軸線方向のタワミ量がグラン
ドシール４ａ，４ｂの厚みに比べて非常に少な
く、グランドシール４ａ，４ｂの摩耗量が多くな
ると、これらでは十分な補正ができず、結局、ナ
ツト９を締め直さなければならず、手間がかかつ
ていたし、また、第２図の皿バネ１１では、操作
軸３の倒れを防止させることができないため、支
持剛性が低い欠点があつた。

この考案は上記従来の欠点に鑑み、これを改良
除去したもので、操作ハンドルとグランドシール
との間にタワミ量の大きい多重渦巻筒形のタケノ
コバネを操作軸に巻き付けて圧縮間圧させて操作
軸に十分な引き上げ力を作用させると共に操作時
の倒れを防止させたもので、以下、この考案の構
成を図面に示す実施例に従つて説明する。

第３図及び第４図に於いて、１２は両側に流体
流通路或いは接続口１３ａ，１３ｂを形成したバ
ルブ本体、１４はバルブ本体１２の中央部にボー
ルシール１５ａ，１５ｂを介して回転自在に装着
したボールで、内部に流体流通孔１６を穿設して
あり、回転動作に伴つて流体流通路１３ａ，１３
ｂと流通孔１６とを連通或いは遮断させて流量を
制御する。一方のボールシール１５ａの背面をバ
ルブ本体１２の内周面に突設した環状のガイド部
１７に支持させ、他方のボールシール１５ｂの背
面をガイドリング１８及び止めリング１９にて支
持させて固定してある。２０はバルブ本体１２に
形成した軸承孔２１に挿通させた操作軸で、下部
の角軸部２０ａをボール１４の外径面頂部に形成
した係止溝２２内に係止させて一体に回転可能と
なしてある。２３は軸承孔２１の内周側環状段部
２１ａ内に嵌入し、操作軸２０の鍔部２０ｂにて
押圧され、軸承孔２１をシールするグランドシー
ル、２４は軸承孔２１の外径側環状段部２１ｂに
嵌入させたグランドシール、２５は環状段部２１
ｂ内に座金２６を介して嵌入し、起立させたタケ
ノコバネで、内周面を操作軸２０の外周に当接さ
せてある。２７は操作軸２０の上部に挿通係合さ
せた操作ハンドルで、タケノコバネ２５の上端に
当接し、更にバネ座金２８を介して操作軸２０に
螺挿したナツト２９を締付けてタケノコバネ２５
を圧縮させて固定してある。

上記構成であれば、バルブ本体１２と操作ハン
ドル２７との間に圧縮間在させたタケノコバネ２
５の弾力により座金２６を介してグランドシール
２４を均等に押圧して軸承孔２１を十分にシール
し、同時に操作ハンドル２７及び操作軸２０に引
き上げ力を作用させ得る。従つて操作軸２０の回
転によりグランドシール２３，２４が摩耗して
も、タケノコバネ２５により操作軸２０が摩耗量
に応じて自動的に引き上げられ、従来の如くナツ
ト２１を締め直さなくても、シール性が保たれ
る。しかもタケノコバネ２５のタワミ量はグラン
ドシール２３，２４の厚みに比べて十分に大き
く、グランドシール２３，２４の摩耗量が多くな
つても十分に補正できる。また操作軸２０の回転
時、グランドシール２４に対して座金２６が滑る
のでタケノコバネ２５によつてグランドシール２
４を損傷させることがなく、操作に支障を来すこ
とはない。更にタケノコバネ２５により操作軸２
０を保持するので、操作時に倒れることもない。

以上説明した様にこの考案は軸線方向に貫通し
た流体通路をもち、この流体通路の両端に接続口
を有する円筒状のバルブ本体と、円筒状バルブ本
体内の流体通路中央にボールシールを介して気密
かつ回動可能に装着したボールと、ボールの頂部
係止溝に下端角軸部を係止し、円筒状バルブ本体
の周壁中央上部に直接穿設した軸承孔に回動可能
に挿通した操作軸と、操作軸の上端にバネ座金を
介してナツトで締結した操作ハンドルと、軸承孔
の上下に大径でかつ、同心円状に穿設された内周
側及び外径側の環状段部に夫々嵌着され、操作軸
の軸承部の気密を保持する薄板環状のグランドシ
ールとを具備し、内周側環状段部に嵌着されたグ
ランドシールを操作軸の下端付近に設けた環状の
鍔部で押し上げて該環状段部に圧接させるように
なしたボールバルブにおいて、内径を操作軸の外
径面に密着して巻き付かせ、外径を軸承孔周囲の
外径側環状段部内径面に密着当接して嵌着し、操
作軸の軸方向に弾性的に伸縮し得る多重渦巻筒形
のタケノコバネを、ハンドルの下面と外径側環状
段部に嵌着されたグランドシールの上面との間の
操作軸に軸方向に圧縮した状態で挿入すると共
に、タケノコバネの下端を薄板環状の座金を介し
て外径側環状段部のグランドシールの上面に当接
させたから、円筒状バルブ本体の外径面と設置し
て接地される操作ハンドルの下面の僅かなスペー
ス内に、軸方向の弾性変位量の大きいタケノコバ
ネの特性を有効に利用して配置することによつ
て、ナツトの締め込みを頻繁に行わなくとも、グ
ランドシールの相当大きい摩耗量にまで十分追随
させることができ、これによつて、グランドシー
ルの厚味を有効最大限度まで使用することがで
き、長期使用が可能となつて長期に亘つて良好な
シール性を保持させることができる。

また、円筒状バルブ本体の周壁中央上部に直接
穿設された軸承孔には、その上下面にグランドシ
ールを嵌着するための環状段部が同心円状に穿設
されるため、操作軸の有効支持面積が非常に小さ
なものとなるが、多重渦巻筒形のタケノコバネ
を、その内径を操作軸外径面に密着して巻き付か
せ、外径を軸承孔周囲の外径側環状段部内径面に
密着当接して嵌着したことによつて、操作軸の倒
れを上記タケノコバネの支持作用を利用して防止
させることができ、狭いスペースにおける操作軸
の支持剛性の向上と、グランドシールの摩耗に対
する密着追随性とをタケノコバネ１個で同時に達
成させることができ、構造が簡単で安価となる。

さらに、タケノコバネの下端は、薄板環状の座
金を介してグランドシールの上面に当接させたか
ら、このグランドシールの上面全体を均等かつ確
実強固に外径側環状段部に密着させることがで
き、シール性を向上させ得る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のボールバルブのグラ
ンド部の構造を示す要部断面図、第３図は本考案
に係るボールバルブの構造を示す断面図、第４図
はそのグランド部の構造を示す要部拡大断面図で
ある。 １２……バルブ本体、１４……ボール、２０…
…操作軸、２１……軸承孔、２３，２４……グラ
ンドシール、２５……タケノコバネ、２７……操
作ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸線方向に貫通した流体通路をもち、この流体
   通路の両端に接続口を有する円筒状のバルブ本体
   と、円筒状バルブ本体内の流体通路中央にボール
   シールを介して気密かつ回動可能に装着したボー
   ルと、ボールの頂部係止溝に下端角軸部を係止
   し、円筒状バルブ本体の周壁中央上部に直接穿設
   した軸承孔に回動可能に挿通した操作軸と、操作
   軸の上端にバネ座金を介してナツトで締結した操
   作ハンドルと、軸承孔の上下に大径でかつ、同心
   円状に穿設された内周側及び外径側の環状段部に
   夫々嵌着され、操作軸の軸承部の気密を保持する
   薄板環状のグランドシールとを具備し、内周側環
   状段部に嵌着されたグランドシールを操作軸の下
   端付近に設けた環状の鍔部で押し上げて該環状段
   部に圧接させるようになしたボールバルブにおい
   て、内径を操作軸の外径面に密着して巻き付か
   せ、外径を軸承孔周囲の外径側環状段部内径面に
   密着当接して嵌着し、操作軸の軸方向に弾性的に
   伸縮し得る多重渦巻筒形のタケノコバネを、操作
   ハンドルの下面と外径側環状段部に嵌着されたグ
   ランドシールの上面との間の操作軸に軸方向に圧
   縮した状態で挿入すると共に、タケノコバネの下
   端を薄板環状の座金を介して外径側環状段部のグ
   ランドシールの上面に当接させたことを特徴とす
   るボールバルブの操作軸の密封支持構造。