JPS6233066B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はタイヤ等の成形における成形ドラム
へのタイヤ材料、特に比較的幅が狭く、薄くかつ
粘着し易いゴムシート（ゴムのみ又はコード入
り）、例えばチエーフア等の貼付け装置に関す
る。

従来、例えばグリーンタイヤの自動成形におい
ては、この種のゴムシートは比較的に幅が狭く、
薄くかつ粘着し易いので、単品のままではスムー
スな切断や送り出しが困難なため、成形ドラムに
隣接して固定配置したコンベア上で予め２種類の
異なるゴムシート、例えばチエーフアとカーカス
プライをタイヤの１周長分の長さにそれぞれ定尺
切断し、続いてこれらを予めプリアセンブリング
即ち互いに積層接着して一体とした後、これをド
ラムに同期して移送動作する送り込みコンベア等
を介してドラム上に供給し、貼付けることが試ら
れてきた。この従来方法では、チエーフアの如き
幅が狭くかつ薄いゴムシートである場合に、ゴム
シートの巻きぐせなどによる蛇行あるいは切断ナ
イフ部分における付着や詰りによる送り出し不良
が発生し易く、また２種の異なるゴムシートを切
断するために、２種の異なる切断装置を必要と
し、或は２種のゴムシート材質のいずれにも通用
するものとなれば例えばロータリナイフなどの大
がかりなものが必要となる問題があり、更に、ド
ラムに貼付ける前に予め定尺切断してある時間置
かれる間に２種のゴムシートの異なる収縮率によ
りプリアセンブリングしたものに波打ち状しわな
どが発生したり、またプリアセンブリングしたも
のはヘビージヨイントになり易いなどの不都合が
あり、適正確実な貼付けが困難であるという問題
もあつた。

前記の問題をある程度解決できるものとして、
特開昭57−105336号公報に開示されているものが
ある。これについては次の問題が考えられる。す
なわち、成形ドラムの上側から材料であるゴムシ
ートが供給される構成であるから、薄いゴムシー
トの場合その先端をドラム上側に位置させたとき
先端が垂れ下がり、しわを生じたり、ずれたりし
て正確に貼れない点、またゴムシートの先端部を
ドラム側へ圧着する以前に材料載置板を旧位置へ
復帰させるから、材料戻り防止装置が必要であ
り、その構成が材料の変形防止の観点から薄い材
料については問題がある点、等である。

この発明は、上述したようなことから、ドラム
へ供給するゴムシートが薄いものであつても単独
でそのくせや収縮などに影響されることなく、成
形ドラム上の貼付けを適正に行うことができかつ
コンパクトなゴムシートの貼付け方法及び貼付け
装置を提供することを目的とするものである。

第１の発明は、所定幅で長く形成されたゴムシ
ートを貼付面を上側にして一端から引出し可能に
先端部を送り込み装置に支持させ、その送り込み
装置の移動によりゴムシートの先端部を成形ドラ
ムの下側へ位置させ、そのゴムシートの先端部を
前記ドラム側へ押圧することにより貼付けてから
前記送り込み装置を原位置に復帰させると共にド
ラムを所定回転角だけ回転させることによりその
回転角に対応する周長分のゴムシートをドラムに
貼付けた後、所定長さで切断し、再び上記ドラム
を回転させて後続ゴムシートを貼付けることによ
りゴムシートの前記先端部と前記切断により形成
した後端部とを接合する方法である。

第２の発明は、回転量を制御可能な成形用ドラ
ムと、そのドラムの下側位置に向つて進退動作可
能に機枠に設けられたメインフレームと、そのメ
インフレーム上に前記ドラムの軸方向と平行に移
動可能に支持されたサブフレームと、そのサブフ
レーム上にメインフレームの進退方向に沿つて進
退動作可能に設けられ進行動作時のみゴムシート
を保持するゴムシート保持部を先端に有すると共
に上記ゴムシートを支持する支持面及びゴムシー
トの両側縁位置規制案内部を有するゴムシート送
り込み装置と、前記サブフレームの先端部に揺動
可能に支持されサブフレームの前進位置において
ドラム周面側へ押圧作用せしめられるローラを有
する押圧装置と、上記サブフレームの後退位置に
おける先端部近傍においてドラムに１周長よりも
やや短い所定長さだけ貼付けた上記ゴムシートを
切断するように設けられた切断装置とからなる装
置である。

上記したドラムを回転させて長尺ゴムシートを
ほぼ１周長分ドラムに貼付けて後に定尺切断する
ことは、長尺ゴムシートのドラム貼付前の位置に
ある部分に適当な張力を与えるためであり、これ
によつてゴムシートのくせや腰の弱さに影響され
ることなく薄いゴムシートでもきわめて好ましい
状態でドラムに供給され、良好に貼付けることが
できるようになるのである。そしてゴムシートを
ほぼドラム１周長分貼付ける段階で、ドラムの回
転角θを制御することによつて、ドラムへの貼付
け始端から切断位置までのゴムシートの長さをド
ラム１周長の長さにオーバラツプジヨイント量
（長さ）を加味した長さに等しくなるようにする
ことができ、常に任意かつ適正なオーバラツプジ
ヨイント量を得ることができる。

また、この発明において、ゴムシートの先端を
ドラムの下側へ位置させて上方へ押圧することに
よりドラム側へ貼付けるようにしたことは、ゴム
シートの先端部をドラム側へ押圧する際に薄いゴ
ムシートの場合には先端部が垂れ下がり気味とな
るが、下側から持ち上げるようにして押圧するこ
とになるから、ずれたりしわなどを生じることな
く正確に貼付けることができる。

さらに、この発明において、ゴムシートの先端
部をドラム側へ貼付けた後で、ゴムシートの送り
込み装置を元位置に復帰（ドラム側から後退）さ
せることは、ゴムシートの先端部がドラム側へ確
実に保持された状態でゴムシートを支えている部
分が移動するので、ゴムシートに無理な力が作用
し難く、薄いゴムシートであつても好ましくない
変形を生じない上に、特別に材料戻り防止装置を
設ける必要がない。

以下この発明の方法及び装置をタイヤ成形にお
けるチエーフアの貼付けに適用した実施例により
説明する。この実施例の装置は、その概略の構成
を第１図乃至第３図に示すように、成形ドラム
１、メインフレーム２、サブフレーム３、ゴムシ
ート送り込み装置１３、押圧装置４、切断装置５
等からなるものである。第３図には片側を示して
あり、別の片側は対称構造をなしている。

成形ドラム１は、回転量を正確に制御できるよ
うになつているもので、停止状態から所望角度回
転させて停止させることができる。図示していな
いが、メインモータによつてタイミングベルトを
介して回転駆動されるようになつており、ドラム
１の１回転について3600パルスを発生するパルス
発信器と、そのパルスカウンタと、パルス数によ
る回転角度設定器とを有し、所定の電気信号によ
り設定した角度例えば300゜だけ回転して長尺シ
ートをほぼ１周長分ドラムに貼付けて停止するよ
うになつている。このとき後述する切断装置５の
切断位置からドラム１のゴムシート貼付始端まで
の長さがドラム１周長分、プラスオーバーラツプ
ジヨイント量に相当するように制御されている。

メインフレーム２は、機枠１０ａに設けた支持
台１０上をドラム１の下側に向つて進退動作する
ように設けられており、第２図及び第３図には片
側のみを示すが、両側を案内部１１によつて支持
され、支持台１０に取付けたエヤシリンダ１２に
よつて進退駆動される。メインフレーム２の両側
にはサブフレーム３が各々設けられており、その
各々にメインフレーム２の進退方向に沿つてゴム
シート送り込み装置１３の案内溝１４が形成され
ている。各サブフレーム３は、ゴムシートのドラ
ムへの貼付位置調節のためにねじ式間隔調節装置
１５を設けられている。図中３０はねじ３０ａ、
右ねじ３０ｂを有するねじ棒、３１，３２は案内
棒、３３はねじ棒３０に連結してねじ棒を回転さ
せるハンドル、３４はナツト部である。なお、支
持台１０及び案内部１１にはハンドル軸用の長孔
が設けてある。ハンドル３３によるねじ棒３０の
回転によつて左右のサブフレーム３は案内棒３
１，３２に沿つて移動し、その間隔を任意に左右
対称な状態で調節される。

サブフレーム３上に位置するゴムシート送り込
み装置１３は、ゴムシート１６を直接支持するも
ので、上面がその支持面１７に形成され、下部が
サブフレーム３の案内溝１４にあり溝係合してお
り、エヤシリンダ１８によつて進退動作する。支
持面１７のドラム側前方端上側にはゴムシート保
持部として逆止爪１９が枢軸支されており、ゴム
シート１６の前方への引き出しは許容するが、後
方への引張りにはゴムシート１６を保持するよう
に作用する。従つてゴムシート送り込み装置１３
はエヤシリンダ１８によつて前進動作せしめられ
るとき、ゴムシート１６を保持して前進する。こ
の前進位置は、第１図に仮想線で示すように、メ
インフレーム２と共に進退するサブフレーム３の
前端部である。なお、支持面１７の逆止爪１９の
位置から後方の部分には、ゴムシート１６の両側
縁部に接してその幅方向位置を規制し、ゴムシー
トの蛇行などを防止する案内部材３５が設けられ
ている。この案内部材３５は両側のものが互いに
ねじ棒３６を介して連結され、前記ねじ棒３０の
ようにハンドル３７を回転させることによりその
間隔をゴムシート１６の幅に合つた状態に調節さ
れる。３８，３９は案内棒である。

押圧装置４は、各サブフレーム３の前方端にア
ーム２０を介して枢支されたローラ２１と、その
ローラ２１をドラム１の周面に向つて揺動させ押
圧動作させるアーム２０ａ及びエヤシリンダ２２
とからなり、メインフレーム２の前進位置におい
て、ゴムシート送り込み装置１３が保持して来た
ゴムシート１６の先端部をドラム１の周面へ向つ
て押圧して貼付けるようになつている。

切断装置５は、はさみ型のもので、各々両側の
サブフレーム３に設けられ、その切断位置は送り
込み装置１３が後退した状態の先端よりわずかに
前方位置である。刃２３は枢軸支され、エヤシリ
ンダ２４により回動して下方の固定刃２３ａと協
働して切断動作する。ゴムシート１６は送り込み
装置１３の先端よりもやや前側で切断され、送り
込み装置１３よりもその分突出した状態となる。
これは押圧装置４によつてゴムシート１６の先端
をドラム側へ押しつけることができるようにする
ためである。また、この切断装置５はメインフレ
ーム２がドラム１側へ前進した状態でドラム１に
接触しないように切断動作するようになつてい
る。その切断動作位置はゴムシート１６の先端が
押圧接着されるドラム１の位置から所定距離だけ
離れており、その距離が（360゜一回転した角）
の周長分に任意のオーバラツプジヨイント量を加
えた長さに等しくなつている。

このゴムシート貼付装置を用いて、予めドラム
１上に形成されているカーカス部に対してチエー
フアを、すなわちゴムシート１６を次のように貼
付けることができる。装置の各部の動作はシーケ
ンス制御により、左右両側が各々同様に動作す
る。最初に予めリール等に巻回した状態で準備さ
れたチエーフアとなる長いゴムシート１６の先端
を、サブフレーム３の先端よりもさらに前方へ引
き出して切断装置５を動作させ、先端部を切り落
して準備状態とする。そして装置を始動させる。
まず、送り込み装置１３がドラム１側へ前進す
る。このときゴムシート１６は爪１９の保持作用
で送り込み装置１３と共に前進するので引き出さ
れ、その先端は押圧装置４の上側に位置するよう
になる。次にメインフレーム２がドラム１側へ前
進する。メインフレーム２はサブフレーム３と共
に前進するから、ゴムシート１６はさらに引き出
されてその先端がドラム１の下側に位置するよう
になる。この状態で押圧装置４が動作すると、ゴ
ムシート１６の先端はローラ２１によつてドラム
１の下側周面の所定位置に押圧接着される。押圧
接着されると同時に送り込み装置１３が元の位置
まで後退し、そしてドラム１が矢印の方向へ回転
を始める。これによつてゴムシート１６はドラム
１に巻き取られるようにして貼付けられる。その
際ゴムシート１６は案内部材３５によつて両側縁
を所定位置に規制されセンタリングよく送り込ま
れる。ドラム１は設定されている回転角度、例え
ば300度回転すると一旦停止し、その間に切断装
置５がゴムシート１６を切断する。これによつて
ゴムシート１６はドラムの未貼着分にオーバラツ
プジヨイント量を加えた長さに正確に対応する長
さを残して切断される。そして再びドラム１が同
じ方向に回転すると、ゴムシート１６の残りの部
分はドラム１に貼付けられる。このとき先に押圧
接着されていたゴムシート１６の始端と後で切断
された後端とがわずかに重なり合つた過不足のな
い状態にジヨイントされる。続いて押圧装置４の
ローラ２１が下降して、メインフレーム２が元の
位置に後退する。

上述したように、ゴムシート１６は幅が狭くか
つ薄いものであるが、ゴムシート１６の先端部が
ドラム１の下側の供給されてドラム側へ持上げる
ようにして貼付けられ、そしてゴムシート１を支
持している送り込み装置１３が後退すると共にド
ラム１が回転するから、ゴムシート１の先端がき
わめて良好にドラム側へ接着される。そして、間
隔を調節された案内部材３５によつてその位置を
正確に規制されながら、適当な張力を与えられた
状態でドラム１に巻き取られるようにして貼付け
られるから、ゴムシート１６に巻きぐせなどがあ
つたとしてもそのくせに影響されるようなことは
なく、ドラム１の正確な位置に供給されて良好に
貼付けられる。すなわち、薄いゴムシートを従来
方式のように他の異なるゴムシートとプリアセン
ブリングしないで単独で良好に貼付けることがで
きる。また、ゴムシート１６は１周長分の大部分
をドラム１に貼付けられた後に、後部に所定量を
残して切断され、そして直ちに貼付けられるか
ら、収縮の影響を受けなくてきわめて好ましいジ
ヨイント部が得られる。従つて確実な自動化が可
能となる。また、装置としては定尺切断したゴム
シートに対応する長さのコンベアが不要であり、
また切断装置は１種でよいから全体をコンパクト
に構成できる。また、この実施例の装置では２条
のゴムシート１６が双方のサブフレーム３の間隔
調節に従つて所定の位置でドラムへ供給されるか
ら、正確なチエーフア貼付位置が容易に設定でき
る。

また、上記実施例において、タイヤのチエーフ
アの貼付けについて説明したが、このほかにビー
ドフイーラやブレーカエツジカバリングの貼付け
にも適用できる。

以上のようにこの発明によれば、ゴムシート先
端部をドラムの下側へ供給して下側から持上げる
ようにしてドラム側へ押圧接着することにより、
特に薄いゴムシートであつても良好に先端部をド
ラム側へ接着でき、また、ゴムシートの先端部を
ドラム側へ接着してからゴムシートを支えている
部分が後退するようにしたことにより、ゴムシー
トの戻り防止装置を必要としないでしかもゴムシ
ートの変形のおそれがなく、従つて従来の問題点
が全面的に解決され、薄く、幅が狭く、かつ粘着
し易いゴムシートであつても良好に貼付けること
ができる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の装置の１実施例の概略の構
成を示す部分断面側面図、第２図は第１図に対応
する概略部分平面図、第３図は第１図のＡ−Ａ断
面の左半分の拡大図である。 １……ドラム、２……メインフレーム、３……
サブフレーム、１３……ゴムシート送り込み装
置、４……押圧装置、５……切断装置、１０ａ…
…機枠、１６……ゴムシート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定幅で長く形成されたゴムシートを貼付面
   を上側にして一端から引出し可能に先端部を送り
   込み装置に支持させ、その送り込み装置の移動に
   よりゴムシートの先端部を成形ドラムの下側へ位
   置させ、そのゴムシートの先端部を前記ドラム側
   へ押圧することにより貼付けてから前記送り込み
   装置を原位置に復帰させると共にドラムを所定回
   転角だけ回転させることによりその回転角に対応
   する周長分のゴムシートをドラムに貼付けた後、
   所定長さで切断し、再び上記ドラムを回転させて
   後続ゴムシートを貼付けることによりゴムシート
   の前記先端部と前記切断により形成した後端部と
   を接合するゴムシートの貼付け方法。 ２ 回転量を制御可能な成形用ドラムと、そのド
   ラムの下側位置に向つて進退動作可能に機枠に設
   けられたメインフレームと、そのメインフレーム
   上に前記ドラムの軸方向と平行に移動可能に支持
   されたサブフレームと、そのサブフレーム上にメ
   インフレームの進退方向に沿つて進退動作可能に
   設けられ進行動作時のみゴムシートを保持するゴ
   ムシート保持部を先端部に有すると共に上記ゴム
   シートを支持する支持面及びゴムシートの両側縁
   位置規制用案内部を有するゴムシート送り込み装
   置と、前記サブフレームの先端部に揺動可能に支
   持されサブフレームの前進位置においてドラム周
   面側へ押圧作用せしめられるローラを有する押圧
   装置と、上記サブフレームの後退位置における先
   端部近傍においてドラムに１周長よりもやや短い
   所定長さだけ貼付けた上記ゴムシートを切断する
   ように設けられた切断装置とからなるゴムシート
   の貼付け装置。