JPS6232813Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は金型の型締めを垂直方向に行う竪型
の射出成形機に関するものである。

この種の射出成形機については、既にいくつか
の考案がなされているが、型締方向と射出方向と
を共に上方から垂直に行うものはなく、そのほと
んどが、下方からの型締めに対して、水平方向ま
たは垂直方向からの射出であり、上方からの型締
めに対しては水平方向からの射出を採用してい
た。

下方から型締めを行う場合の欠点は、型締装置
が機台内に組込まれるため、機台が大きくなるば
かりか、下型の位置が高くなり、作業性が悪くな
ること、また上方からの型締めでは上記欠点はな
いが、構造上水平方向からの射出となり、パーテ
ングラインからの射出となるため、ゲートバラン
スが取り難くなり、成形品が限定されるなどの欠
点が生じた。

この考案は型締及び射出を垂直方向とすること
によつて、上記従来の欠点を排除し、小型で作業
能率にすぐれ、また成形品に制限を受けない新た
な竪型の射出成形機を提供しようとするものであ
る。

上記目的によるこの考案は、機台の上に下部基
盤と上部基盤とをタイバーにより連結して竪に配
し、その間に設けた上下動自在な型締盤を、射出
装置の支持盤に兼用する一方、上記上部基盤を型
締シリンダの受台として用い、これにより上部基
盤及び型締盤の中央に射出装置を垂直にしかも昇
降自在に位置させ、型締と射出とを上方から共に
可能となしたものである。また上部基盤を貫通し
て設けた型締ラムとの連結による型締盤の上下動
と共に、射出装置をもまた上下動し、型締盤の上
下動ストロークに関係なく、ノズルタツチを常に
一定ストローク内にて行うことができるようにし
たものである。

以下この考案を図示の例により詳細に説明す
る。

１は機台で、その上に下部基盤２と上部基盤３
とが、４本のタイバー４，４により連結して竪に
配してある。下部基盤２と上部基盤３との間に
は、型締盤５がタイバー４，４に案内されて上下
動自在に設けてある。

上部基盤３と型締盤５の中央には、それぞれ貫
通孔６，７が穿設してあり、さらに上部基盤には
ラム貫挿孔８，８と支柱孔９，９とが穿設してあ
る。

１０，１０は上部基盤３の上に設置した型締シ
リンダで、型締ラム１１，１１は上記ラム貫挿孔
８，８より下方に突出し、型締盤５と連結してい
る。

１２は射出装置で、上部基盤３及び型締盤５の
中央の各孔６，７に加熱筒部分を挿入し、ノズル
を下向きにして垂直に位置している。この射出装
置１２の支持は、上部基盤３の支柱孔９，９を貫
通して型締盤５に佇設した４本の支柱１３，１３
をもつて行つている。

この各支柱１３，１３の上端には中央に穴を有
するジヨイント板１４が固定してあり、かつジヨ
イント板１４の両側中央にノズルタツチシリンダ
１５，１５の各ピストンロツド１６，１６が吊設
してある。

また射出装置１２の油圧シリンダの両側部には
支持板１７，１７が水平に突設され、この支持板
１７，１７の下側に上記ノズルタツチシリンダ１
５，１５が連結してある。すなわち、射出装置１
２はジヨイント板１４とピストンロツド１６，１
６及びノズルタツチシリンダ１５，１５を介して
支柱１３，１３に支持され、ピストンロツド１
６，１６の伸長に伴ない昇降することになる。

なお図中１８は油圧モータ、１９は下部基盤２
の上に設けたターンテーブル、２０は一対の金型
である。

次に作用を説明すると、まず第１図の状態にお
いて、型締シリンダ１０，１０の作動により型締
ラム１１，１１が伸長する。それにより型締盤５
が下方へ移動し、下部基盤２との間にて金型２０
を型締めする。このとき射出装置１２も型締盤５
と共に下方へ移動する。次にノズルタツチシリン
ダ１５，１５が、ピストンロツド１６，１６をシ
リンダ外に押出す方向に作動する。しかしピスト
ンロツド１６，１６はジヨイント板１４に固定さ
れているため、反対にノズルタツチシリンダ１
５，１５が下降し、それと共に射出装置１２も下
りて、第２図に示す状態にノズルタツチする。

また型開きの場合は、ノズルタツチシリンダ１
５，１５の上昇作動が先行し、射出装置１２を上
昇したのち、または上昇しつつ型締シリンダ１
０，１０を作動させて型締盤５を上方に戻す。

第５図に示す実施例は型締ラム１１，１１に支
柱１３，１３を佇設し、この支柱に射出装置１２
を支持させて、型締盤５と射出装置とを連動させ
る場合を示したものである。

この考案は上述のように、竪に配設した上部基
盤３に型締シリンダ１０，１０を設置し、また射
出装置１２を型締盤５と連動すべく支柱１３，１
３に支持させて垂直に設け、型締と射出とを上方
から行うことができるようにしたことから、下記
のごとき効果を奏する。

下型が固定されているので、インサート及び
取出作業が容易で自動化にも適する。

下部に型締シリンダが無いため、下型の位置
を低くでき作業性が良い。又機械の全高が低く
できる。

パーテイング射出でなくセンター射出となる
ためゲートバランスが取り易い。また横型の機
械の金型がそのまま使用できる。

下型スライド機構や、回転機構の組付が容易
にできる。

機械の床面積が小さくできる。

ノズルタツチストロークが常に一定である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る竪型射出成形機を例示す
るもので、第１図は型開時の縦断正面図、第２図
は型閉時の縦断正面図、第３図は側面図、第４図
は平面図、第５図は支柱の他の実施例を示す部分
縦断面図である。 １……機台、２……下部基盤、３……上部基
盤、４……タイバー、５……型締盤、１０……型
締シリンダ、１１……型締ラム、１２……射出装
置、１３……支柱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部基盤と上部基盤とをタイバーにより連結し
   て機台上に竪に配し、そのタイバーに型締盤を上
   下動自在に取付け、かつ上部基盤に設置した型締
   シリンダの型締ラムと型締盤とを連結し、上部基
   盤及び型締盤の中央孔に加熱筒部分を挿入して射
   出装置を上部基盤の上方に垂直に配置し、その射
   出装置を型締盤側に佇設した支柱により昇降自在
   に支持してなる竪型射出成形機。