JPH0231242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はダイカストマシンや射出成形機などの
射出成形装置において、射出製品を金型から取出
す製品取出装置に関するものである。

〔従来の技術〕

ダイカストマシンや射出成形機などの射出成形
装置による成形作業は、固定盤に固定した金型と
可動盤に固定した金型とを可動盤の移動によつて
型締めしたのちそのキヤビテイ内へ溶湯または溶
融樹脂を射出して固化させるものであつて、固化
後は可動盤の移動によつて型開きを行なつたの
ち、金型内の射出成品を機外へ取出す。

この射出製品の取出しは、従来一般に成形装置
近傍に設けた製品取出装置によつて行なわれてお
り、このために従来から各種の装置が提案されて
用いられている。例えば特公昭58−29183号によ
つて公告された本出願人の発明に係る製品取出装
置は概略次のように構成されている。

すなわち、この装置は水平方向へ回動自在な水
平フレーム上に立設した垂直ガイド棒に、第１リ
ンクの根元部を上下動自在に支持させてその先端
部に製品受取部を設けるとともに、この第１リン
クの途中と水平フレームとの間を第２リンクで連
結したものであつて、第１リンクの根元部を上下
動させることによる第１、第２両リンク運動と、
水平フレームの水平回動とを組合わせて横向の金
型から製品を取出すように構成されている。な
お、上向または下向の金型の場合でも、水平回動
を行なわずに金型側の製品押出装置を用いれば製
品を取出すことができる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来の製品取出装置
においては金型の上向または下向である竪締型射
出成形装置の場合、金型の寸法が変ると製品受取
部の運動をこれに対応させることができないの
で、低い目の受取部に製品を落し込んだり、高い
目の受取部に製品を押上げたりしなければなら
ず、金型の寸法によつては安定した製品の取出が
できないことがあつた。また、金型の寸法変更に
対応し得るものとして、上下動自在なガイドに水
平バーを水平方向へ進退自在に支持させてこの水
平バーの先端部に製品受取部を設けたものも提案
されているが、ガイドと駆動装置が２組ずつ必要
となるので構造が複雑になり、運動が摺動部でこ
じれやすいという欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題点を解決するために本考案では
直立ガイドの下部とその上方とに支持ブロツクと
スライダとを上下動自在に嵌合し、基端部をスラ
イダに枢支させた第１リンクの中央部と支持ブロ
ツクとを第２リンクで連結して、第１リンクの先
端部に製品用受取部を枢着するとともに、支持ブ
ロツク用の上下動駆動手段と、スライダ用の上下
動駆動手段とを設けた。

〔作用〕

支持ブロツクの静止状態でスライダを上下動さ
せると第１リンクと第２リンクとのリンク運動に
より第１リンク先端部の製品用受取部が金型に対
する遠近方向へ進退するとともに、支持ブロツク
を上下動させると、装置全体が一体となつて上下
動し、金型の寸法変更に対応して製品用受取部が
位置決めされる。

〔実施例〕

第１図ないし第６図は本考案に係る製品取出装
置の実施例を示し、第１図はその側面図、第２図
は第１図のＡ視拡大正面図、第３図は第２図の
BB展開断面図、第４図は第１図のＣ視拡大正面
図、第５図は第４図のＤ視側面図、第６図は第４
図のEE断面図である。図において、射出成形装
置近傍の床面上に固定された４個のベース１上に
は、全体を符号２で示すガイドの底板３が固定さ
れている。ガイド２のフレーム４は、一対のコ字
鋼４ａ，４ｂとその前後を連結する補強板４ｃ，
４ｄとで長尺状に一体形成されており底板３に溶
着されて垂直状に立設されている。また、フレー
ム４はコ字鋼の間の凹陥部４ｅを成形装置側に対
向させており、両側コ字鋼４ａ，４ｂの成形装置
対向面には、断面方形の棒状に形成された長尺の
ガイドバー５が平行して垂直状にねじ止めされて
いる。なお、フレーム４の上端には、コ字状の補
強板６が溶着されている。

符号７で示すものは、以下説明するリンク機構
全体を支持する支持ブロツクであつて、ブロツク
板８を備えており、このブロツク板８は、長方形
板状の平板８ａと、その裏面にねじ止めされた一
対のスライド板８ｂと、平板８ａの表裏面にそれ
ぞれ一対ずつ突設された軸受板８ｃ，８ｄとで一
対形成されていて、スライド板８ｂの角溝をスラ
イドバー５に上下動自在に嵌合させている。また
ブロツク板８の軸受板８ｄはフレーム４のコ字鋼
４ａ，４ｂ間に係入されており、両軸受板８ｄに
設けた孔には、一対の軸受９が嵌合されてねじ止
めされている。一方、前記カバー２のフレーム４
と底板３とに溶着された基台１０上には、油圧シ
リンダ１１が直立して固定されており、そのピス
トンロツド１２の作用端に螺合された金具１３
は、支持ブロツク７のブロツク板８にねじ止めさ
れていてピストンロツド１２の進退により支持ブ
ロツク７が上下動するように構成されている。そ
して、支持ブロツク７には、細長い油圧シリンダ
１４がそのバンド１５に設けたピン１６を軸受９
に嵌合させることによつて枢支されており、支持
ブロツク７と一体的に上下動するように構成され
ている。

このような支持ブロツク７の上方には、全体を
符号１７で示すスライダが上下動自在に設けられ
ている。すなわち、スライダ１７は、平板１７ａ
とその表面に突設された一対の軸受板１７ｂと、
裏面にねじ止めされた一対のスライド板１７ｃと
で一体的に形成されており、スライド板１７ｃに
設けた角溝をガイドバー５に上下動自在に嵌合さ
せている。１８は、スライダ１７の平板１７ａに
じ止めされて上方へ延びる短冊状の連結板であつ
て、その上端部には、前記油圧シリンダ１４の油
圧で進退するピストンロツド１９の作用端が枢着
されており、ピストンロツド１９が進退すること
によりスライダ１７が第１図に実線で示すガイド
バー５の上端部と、鎖線で示す支持ブロツク７の
すく上との間で上下動するように構成されてい
る。

２０は、スライダ１７の軸受板１７ｂにピン２
１で基端を枢支された第１リンクであり、また２
２は支持ブロツク７の軸受板８ｄにピン２３で一
端を枢支された第２リンクであつて、第２リンク
２２の他端は第１リンクの中央部にピン２４で枢
着されており、スライダ１７が上下動することに
より、両リンク２０，２２がリンク運動するよう
に構成されている。第１リンク２０の先端部に
は、脚で支持された一対の製品受け用水平バー２
５ａを備えた製品受取部２５がピン２６によつて
枢着されており、この製品受取部２５にピン２７
で一端を枢着されたターンバツクル付きの補助リ
ンク２８の他端は、スライダ１７にピン２９で枢
着されている。このように構成されていることに
より、スライダ１７が第１図の実線位置から鎖線
位置へ下降すると、両リンク２０，２２のリンク
運動により、製品受取部２５が実線位置から鎖線
位置へ水平軸跡上を移動し、型開きした図示しな
い上下の金型間に達するとともに、ピン２６，２
９の位置設定で補助リンク２８を第１リンク２０
に平行させることにより、両リンク２８，２０が
平行リンク運動して製品受取部２５が常に水平姿
勢を保持するように構成されている。３０は製品
受取部２５に保持された製品の一例を示してい
る。そして、前記油圧シリンダ１１のピストンロ
ツド１２を進退させて支持ブロツク７を上下動さ
せることにより、各リンク２０，２２，２８と油
圧シリンダ１４とが一体的に上下動して金型の寸
法に対応した製品受取部２５の位置が設定される
ように構成されている。

以上のように構成された製品取出装置の動作を
説明する。金型のキヤビテイ内へ溶湯または溶融
樹脂を射出してこれが固化、冷却されたのち型開
きを行ない、第１図の状態から油圧シリンダ１４
のピストンロツド１９を後退させると、その作用
端が枢着された連結板１８を介してスライダ１７
が図の実線位置から鎖線位置へ下降する。このと
き支持ブロツク７が静止しているので、第１リン
ク２０と第２リンク２２とが実線位置から鎖線位
置へ移動し製品受取部２５が水平軌跡上を両金型
間の鎖線位置へ移動する。また、この運動中、補
助リンク２８と第１リンク２０とが平行リンク運
動することにより、製品受取部２５が常に水平姿
勢を保持しながら移動する。

製品受取部２５が上下の金型間へ進入した状態
で製品押出装置を作動させて製品を製品受取部２
５で保持させたのち、油圧シリンダ１４のピスト
ンロツド１９を前進させると、製品３０を保持し
た製品受取部２５が水平姿勢を保持しながら水平
軌跡上を実線位置へ戻る。そこで製品３０を製品
受取部２５から取出すことにより成形サイクルが
終了する。

そして金型の寸法が変更されて製品の取出位置
が例えば第１図に鎖線３０で示す位置から鎖線３
０Ａで示す位置へと変つた場合には、油圧シリン
ダ１１に送油してピストンロツド１２を前進させ
ると、リンク２０，２２，２８を始めとする装置
全体が相対位置を変えることなく上昇し、寸法変
更に容易に対応することができる。

なお、本実施例では支持ブロツク７とスライダ
１７とを上下動させる駆動手段として油圧シリン
ダを例示したが、エアシリンダでもよいし、ジヤ
ツキやラツク．ピニオン機構などでもよい。ま
た、本実施例では、スライダ１７用の油圧シリン
ダ１４を支持ブロツク側に固定した例を示した
が、これをフレーム４側に固定し、金型の寸法変
更に際しては両方の油圧シリンダ１１，１４のピ
ストンロツドを別々に寸法変更分だけ進退させる
ようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上の説明により明らかなように、本考案によ
れば製品取出装置において直立ガイドの下部とそ
の上方とに支持ブロツクとスライダとを上下動自
在に嵌合し、基端部をスライダに枢支させた第１
リンクの中央部と支持ブロツクとを第２リンクで
連結して第１リンクの先端部に製品用受取部を枢
着するとともに、支持ブロツク用の上下動駆動手
段とスライダ用の上下動駆動手段とを設けるよう
に構成することにより、動作が単純で簡単な構成
によつて製品用受取部を水平軌跡上で進退させる
ことができるので、製品の保持が安定し製品取出
機能が向上するとともに、簡単な操作で装置全体
を移動させて製品受取部の位置を変えることがで
きるので、１台の装置で各種寸法の金型に対応す
ることができてコストが大幅に低減され、操作性
が向上する。さらに本実施例のように補助リンク
を設ければ、製品受取部に常時水平姿勢を保持さ
せることができ、製品の保持が安定する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案に係る製品取出装
置の実施例を示し、第１図はその側面図、第２図
は第１図のＡ視拡大正面図、第３図は第２図の
BB展開断面図、第４図は第１図のＣ視拡大正面
図、第５図は第４図のＤ視側面図、第６図は第４
図のEE断面図である。 １……ベース、２……ガイド、５……ガイドバ
ー、７……支持ブロツク、８……ブロツク板、１
１，１４……油圧シリンダ、１７……スライダ、
２０……第１リンク、２２……第２リンク、２５
……製品取出部、３０……製品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベース上に垂直状に立設されたガイドと、この
   ガイドの下部に上下動自在に嵌合された位置決め
   用の支持ブロツクと、前記ベース側に固定され前
   記支持ブロツクに作用端を固定された上下動駆動
   手段と、前記支持ブロツクの上方において前記ガ
   イドに上下動自在に嵌合されたリンク支持用のス
   ライダと、前記スライダに作用端側を固定された
   上下動駆動手段と、前記スライダに基端を枢支さ
   れた第１リンクと、この第１リンクの中央部に一
   端を枢着され前記支持ブロツクに他端を枢着され
   た第２リンクと、前記第１リンクの先端部に枢着
   された製品受取部とを設けたことを特徴とする製
   品取出装置。