JPS6232170Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、循環作動するロープによつて搬送
物を送るロープコンベヤーのカーブ部の構造に関
する。

一対の平行するロープを循環作動させ、このロ
ープ上に搬送物を載せて移動させるロープコンベ
ヤーは公知である。このロープコンベヤーは搬送
物を載せて走行する部材がロープである為、その
屈曲が自由であり、従つてカーブ部を必要とする
コンベヤーにきわめて有効的に使用できる。

このロープコンベヤーのカーブ部は、起立させ
た固定軸の上端に軸設し且つ水平面内に回転する
シーブによつてロープを屈曲案内するよう構成さ
れる。従つて２本のロープを平行して同速度で走
行させるコンベヤーにあつて、カーブ部を構成し
た場合、カーブ部の内側に位置するロープが、外
側に位置するロープより先行してしまう結果とな
る。その結果、この２本のロープ上に載せた搬送
物が平行して直進するロープ上にある場合には、
その正しい搬送姿勢を保つが、カーブ部の場合、
内側の方が外側より先行してしまう為に、搬送物
がその正しい姿勢を保つことができず回転してし
まうことになる。

本考案は上記の点に鑑み、カーブ部においても
搬送物の姿勢を崩すことなく、正しい姿勢でカー
ブ送りすることができるロープコンベヤーの新規
なカーブ部を提供することを目的としてなしたも
のである。

この為に本考案では、起立させた軸の上端部に
設けたロープシーブによつて一対の走行ロープの
カーブ部内側ロープを屈曲案内するロープコンベ
ヤーのカーブ部であつて、上記上端のロープシー
ブと同一軸を有し且つ同期して同方向に回転する
大径のシーブを該ロープシーブの下方位置に設
け、一対の走行ロープとは別の無端のコーナーロ
ープを該大径のシーブの外周略４分の３の部位に
巻き付け、残余の部分を略走行ロープの高さ位置
まで立上がらせて複数の小型のロープ案内車によ
つて屈曲案内させ、これによりカーブ部の外側ロ
ープを構成する一方、走行ロープのカーブ部外側
ロープを上記コーナーロープの外側で而も下方位
置に逃がし、複数の小型のロープ案内車によつて
案内させてなることを特徴とするものである。

以下図面に示した好ましい実施例により本考案
の詳細を説明する。

図中１，１′がロープコンベヤーを構成する一
対の走行ロープで、ロープ１がカーブ部の内側と
なり、ロープ１′がカーブ部の外側となる。然し
このカーブ部の外側となるロープ１′は、後で詳
述するが、カーブ部における搬送物の搬送を別に
設けるコーナーロープに委ね、自身はコーナーロ
ープより外側で而も下方位置に逃がされて、搬送
物搬送には全く関与しないようにしてある。

２が内側のロープ１を屈曲案内するロープシー
ブで、カーブ部の基台３に起立した軸受筒４に回
転可能に挿通した軸５の上端に固定してある。図
中６が上記軸５の下端に固定し上端のロープシー
ブ２と同期して同方向に回転する大径のシーブで
あり、この大径シーブ６は、後述するコーナーロ
ープの曲率半径と略等しい半径を有する大きさと
してある。

図中７が、カーブ部の外側ロープを構成するロ
ープ１′とは別に設けた無端のコーナーロープ
で、第４図に示す通り上記ロープ１′のカーブ部
となる部分を除いて対応する大径のシーブの略４
分の３の部位に巻き付け、残余の部分即ちロープ
１′のカーブ部に相応する部位を小型のロープ案
内車８，８に案内させて立ち上がらせ、複数の小
型のロープ案内車９，９……によつて屈曲案内さ
せてある。このロープ案内車８，８は上記基台３
に固設した垂直基板１０に水平軸を設け、この水
平軸に軸支してあり、複数のロープ案内車９，９
は上記基板１０に固設したブラケツト１１に軸１
２を支持し、この軸１２に軸支させてある。この
ロープ案内車９，９は、第３図に示す通り上記ロ
ープシーブ２の高さより僅かに低い位置に位置付
け、而も夫々の軸１２をカーブ部の内側に僅かに
傾斜させ、コーナーロープ７に搬送物を確実に乗
せて送ることができるようにしてある。

図中１３，１３が、ロープ１′のカーブ部を、
上記コーナーロープより外側に而も下方位置に逃
がす為の小型のロープ案内車で、垂直基板１０の
外側に上記ブラケツト１１より低い位置のブラケ
ツト１４を設け、これに軸１５を支持し、軸支さ
せてある。

この他図中１６は循環作動するロープの戻り用
のロープシーブ、１７は同じく戻り用のロープ案
内車であ。

上記の通りの構成からなる本考案カーブ部の構
造では、駆動源（図示せず）の駆動力を受けて循
環作動するロープ１，１′のうちカーブ部の内側
となるロープ１の移動によつてロープシーブ２が
回転される。即ち例えばロープ１，１′が矢標Ａ
方向に走行すれば、ロープシーブ２は矢標Ｂ方向
に回転する。そして該ロープシーブ２と同軸５の
大径のシーブ６も同期して同方向に回転する。

而してこのシーブ６にはコーナーロープ７が巻
き付けてあり、その立上り部が小型のロープ案内
車９，９に屈曲案内されているから、該シーブ６
の回転によりコーナーロープ７も循環作動するこ
とになる。

而して同一軸５を中心としてロープシーブ２と
大径のシーブ６とが同期回転するから、これらロ
ープシーブ２とシーブ６とは軸５を中心とする角
速度が等しくなる。その結果、ロープシーブ２を
回転させるロープ１のカーブ部の軸５を中心とす
る角速度と、コーナーロープ７の軸５を中心とす
る角速度は等しくなる。

そしてロープ１′のカーブ部に相応する部分は
ロープ案内車１３，１３……によつてコーナーロ
ープ７の外側で而も下方位置に逃がされているか
ら、平行するロープ１，１′に乗せられて搬送さ
れる搬送物が、このカーブ部に差しかかると、外
側のロープ１′に乗つていた部分がコーナーロー
プ７に乗り移ることになる。そしてこのコーナー
ロープ７とロープ１のカーブする部分とは同一角
速度で走る結果、搬送物はカーブに沿つて向きを
変え、正しい姿勢で送られることになる。

叙上の如く本考案では、カーブ部を構成する外
側のロープを走行ロープとは別のコーナーロープ
によつて構成し、カーブ部の内側のロープによつ
て回転されるロープシーブと同軸で同期回転する
大径のシーブによつて該コーナーロープを駆動す
るようにした結果、内側のカーブ部のロープとコ
ーナーロープとを同一角速度で走らせることがで
き、これによつて搬送物を回転させることなく、
正しい姿勢でカーブ部を送ることができる大きな
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の好ましい実施例を示すもので、
第１図はその斜面図、第２図はその平面図、第３
図は第２図上−線に沿う断面図、第４図はコ
ーナーロープの循環を示す斜面図でシーブ及び案
内車を想像線で示してある。 １，１′……走行スープ、２……ロープシー
ブ、５……軸、６……大径のシーブ、７……コー
ナーロープ、８，９……ロープ案内車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 起立させた軸の上端部に設けたロープシーブに
   よつて一対の走行ロープのカーブ部内側ロープを
   屈曲案内するロープコンベヤーのカーブ部であつ
   て、上記上端のロープシーブと同一軸を有し且つ
   同期して同方向に回転する大径のシーブを該ロー
   プシーブの下方位置に設け、一対の走行ロープと
   は別の無端のコーナーロープを該大径のシーブの
   外周略４分の３の部位に巻き付け、残余の部分を
   略走行ロープの高さ位置まで立上がらせて複数の
   小型のロープ案内車によつて屈曲案内させ、これ
   によりカーブ部の外側ロープを構成する一方、走
   行ロープのカーブ部外側ロープを上記コーナーロ
   ープの外側で而も下方位置に逃がし、複数の小型
   のロープ案内車によつて案内させてなることを特
   徴とするロープコンベヤーのカーブ部の構造。