JPS6232100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、オートマチツク車が走行時に坂道や
追越等のため運転者の意図によりシフトダウンす
る際、運転者のアクセルペダルの踏み込み速度に
感応する操作速度感応キツクダウンスイツチを動
作させることによりシフトダウンを行なうことを
特徴としたオートマチツク車用シフトダウン機構
に関する。

従来、オートマチツク車の走行時において、坂
道走行や追越走行等のため加速すべくシフトダウ
ンを運転者の意図により行なう場合、運転者はア
クセルペダルを所定ストローク以上に踏み込み、
該アクセルペダルが所定ストローク以上に踏み込
まれたときのみON作動するキツクダウンスイツ
チを作動させる。該キツクダウンスイツチのON
によりダウンシフトソレノイドを作動させシフト
ダウンを行なう機構になつている。このように従
来におけるオートマチツク車のシフトダウン機構
では、アクセルペダルを規定のストローク踏み込
まなければシフトダウンを行なうことが出来な
い。そのため、緊急時にシフトダウン操作を行な
う場合等は敏速なシフトダウンを行なうことが困
難である等の問題点があつた。

本考案は叙上の問題点を解消するために案出し
たものであり、アクセルペダルの踏み込み速度に
感応する操作速度感応キツクダウンスイツチを配
備した敏速なシフトダウン操作を成し得るオート
マチツク車用シフトダウン機構を提供することを
目的としたものである。

以下、添付図面に基づき本考案に係るオートマ
チツク車用シフトダウン機構の一実施例につき詳
細に説明する。

１はアクセルペダルであり、運転者が踏み込み
操作を行なうペダル部１ａとアーム部１ｂより構
成され、支持点１ｃを支点に揺動する機構となつ
ている。該アクセルペダル１の可動軌跡上の適宜
な位置には操作速度感応キツクダウンスイツチ２
が取付パネル３に固着されている。該固着構成は
操作速度感応キツクダウンスイツチ２におけるス
イツチケース２１に一体に形成されている取付ネ
ジ部２１ａを取付パネル３に穿設された孔３ａに
挿通し、該パネル３にナツト４，５により挟持し
固着している。

次に、前記操作速度感応キツクダウンスイツチ
２における構成の一例を第２図に示し説明する。

２１はスイツチケースであり、該スイツチケー
スは略円筒形状を成し、その一方端は取付ネジ２
１ａが刻設されている。

２２は操作ノブであり、ノブ部２２ａと円筒部
２２ｂとから成る。該円筒部２２ｂの内面部には
略断面円形状の摺動面２２ｃを有している。当該
操作ノブ２２は前記スイツチケース２１の開口部
より挿通され、該スイツチケース２１の内周面部
を進退自在に可動するよう構成されている。

２３は前記操作ノブ２２の円筒部２２ｂの摺動
面２２ｃを摺動可動する略ピストン形状を成す可
動体である。該可動体２３の内部底面中央には可
動接片２４が固着されている。該可動体２３は操
作ノブ２２の円筒部２２ｂへ挿入されることによ
り圧力室Ｐが形成される。

２６は外形略円盤形状をした極盤であり、該極
盤２６には固定接片２５が固着されている。該固
定接片２５が固着された極盤２６は、スイツチケ
ース２１の開口部に装着される。又、操作ノブ２
２及び可動体２３はそれぞれ操作ノブ２２のノブ
部２２ａ方向にスプリング２７，２８により押圧
されている。

第３図は、当該オートマチツク車用シフトダウ
ン機構の回路構成を示し、電源６，操作速度感応
キツクダウンスイツチ２及びダウンシフトソレノ
イド７が直列に接続されている。

次に、上記本考案に係るオートマチツク車用シ
フトダウン機構の実施例における作用を添付図面
に基づき説明する。

運転者の意図によりシフトダウンすべく所定以
上の踏み込み速度でF₁方向にアクセルペダル１
のペダル部１ａを踏み込むことにより、操作速度
感応キツクダウンスイツチ２の操作ノブ２２のノ
ブ部２２ａがアクセルペダル１の裏面に形成した
アーム部に衝当し、該操作速度感応キツクダウン
スイツチ２の操作ノブ２２はF₂方向へ押し込ま
れる。而して、操作ノブ２２は所定以上の操作速
度で押し込まれるので、圧力室Ｐ内の空気が急激
に圧縮され、且つ圧縮された空気は可動体２３に
設けた小孔２３ａへ直ちに逃げることができず、
該圧力室Ｐの内部圧力が急激に上昇し該可動体２
３がスプリング２８を圧縮しながら第２図におい
ては右方（極板２６方向）に動かされることとな
る。

そして、前記可動体２３に固着されている可動
接片２４が極盤２６に固着されている固定接片２
５に接触し、操作速度感応キツクダウンスイツチ
２の回路が閉成される。

また、運転者が、通常の速度、すなわち、所定
以下の踏み込み速度で、F₁方向にアクセルペダ
ル１のペダル部１ａを踏み込めば、操作速度感応
キツクダウンスイツチ２の操作ノブ２２は所定以
下の操作速度、つまり、緩やかに押し込まれ、圧
縮された圧力室Ｐ内の空気は小孔２３ａから逃げ
ると共に、該圧力室Ｐ内の内部圧力は比較的小さ
く、スプリング２８の伸張力により該可動体２３
は第２図において、右方に動かされることはな
い。

従つて、前記可動体２３に固着されている可動
接片２４は固定接片２５に接触せず、操作速度感
応キツクダウンスイツチ２の回路は開成したまま
である。そして、この場合、シフトダウンしな
い。

このように、操作速度感応キツクダウンスイツ
チ２の操作ノブ２２を規定ストローク押し込まな
い場合においても所定以上の踏込み速度があれ
ば、スイツチ回路を閉成することができる。

当該オートマチツク車用シフトダウン機構は、
前記操作速度感応キツクダウンスイツチ２のスイ
ツチ作動により、第３図に示すように電源６，操
作速度感応キツクダウンスイツチ２及びダウンシ
フトソレノイド７の閉回路が構成され、該ダウン
シフトソレノイド７が作動しシフトダウンを行な
う。

本考案に係るオートマチツク車用シフトダウン
機構は、叙上した構成、作動を有するので次の効
果を奏する。

走行中に、坂道や追越等のため運転者の意図に
よりシフトダウンする際、運転者は従来のように
アクセルペダルを規定量以上に深く踏み込む必要
が無くなり、アクセルペダルの踏み込み速度を所
定以上の速度で踏み込み操作を行なうだけで、規
定量以下のアクセル踏み込み量でもキツクダウン
スイツチをONさせシフトダウンを行なうことが
できるため、ギヤチエンジ操作に有する時間が大
幅に短縮される。即ち、緊急時でも敏速なシフト
ダウン操作が可能となり、安全性に対し、著大な
効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るオートマチツク車用シフ
トダウン機構の一実施例を示す正面図、第２図は
第１図に示す操作速度感応キツクダウンスイツチ
を示す断面図、第３図は本考案に係るオートマチ
ツク車用シフトダウン機構の回路図である。 １……アクセルペダル、１ａ……ペタル部、１
ｂ……アーム部、２……操作速度感応キツクダウ
ンスイツチ、２１……スイツチケース、２２……
操作ノブ、２３……可動体、２４……可動接片、
２５……固定接片、Ｐ……圧力室、３……取付パ
ネル、７……ダウンシフトソレノイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オートマチツク車が坂道走行や追越走行等のた
   め運転者の意図によりシフトダウンする際運転者
   が踏み込み操作を行なうアクセルペダルと該アク
   セルペダルと連動しONするキツクダウンスイツ
   チと該キツクダウンスイツチのON信号で作動す
   るダウンシフトソレノイドで構成されるオートマ
   チツク車用シフトダウン機構において、前記アク
   セルペダルと、該アクセルペダルを所定以上の操
   作速度で踏み込むと規定押し込みストローク以下
   でON作動する操作速度感応キツクダウンスイツ
   チを該アクセルペダルに連動する位置に配備した
   ことを特徴とするオートマチツク車用シフトダウ
   ン機構。