JPS6231884B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、穀稈を脱穀処理する扱室と、その扱
室内に生じた排塵物を受入れて処理する処理胴室
とが並設してある複胴型の脱穀装置についての改
良に関する。

本発明において対象とする複胴型の脱穀装置
は、扱室に並設した処理胴室に、扱室の排塵口か
ら排出される排塵物をこなしながら扱室下方の選
別室に装架してある揺動選別棚のストローラツク
の上面に排出する作用と、２番還元機で回収した
２番物の再処理を行なう作用との二つの作用を行
なわすようにしてある形態の複胴型の脱穀装置で
ある。

上述の形態の複胴型の脱穀装置は、従前のもの
にあつては、実開昭54−14970号公報にあるよう
扱室に並設した処理胴室に、前端側と後端側とに
排塵口をそれぞれ設けるとともに、その処理胴室
内に軸架する処理胴の周面に設ける処理歯の移送
方向を、前半側にあつては前方に移送し後半側に
あつては後方に移送するように設定しておいて、
その処理胴室の中央部位に、扱室の排塵口から排
出される排塵物と２番還元機で回収した２番物と
を送り込み、扱室の排塵口からの排塵物は後方の
排塵口に送り、２番還元機からの２番物は前方の
排塵口に送るよう前後に振り分けて移送するよう
にしている。

しかし、この手段には、処理胴室に送り込まれ
てこなされた２番物の残渣たる藁屑類が、処理胴
室の前端の排塵口から排出されることから、揺動
選別棚の始端側に多量の藁屑類が放出されてくる
ことになつて、揺動選別棚の選別性能を低下さ
せ、選別室における選別を不調にする問題があ
り、また、処理胴室のうちで、２番還元機で回収
した２番物をこなす部分が、機体の後端側に設け
られる２番還元機から前方に離れた処理胴室の前
半側となることで、２番還元機の２番物を搬送す
る経路が長くなる問題がある。

本発明は、この問題を解消するためになされた
ものであつて、扱室に並設した処理胴室に、扱室
の排塵口から排出される排塵物のこなしと、２番
還元機で回収した２番物のこなしとを行なわせな
がら、排塵物をこなした処理物と２番物をこなし
た処理物とを、合流させて、揺動選別棚のストロ
ーラツクの上面に拡散放出するように選別室に排
出させ得るとともに、２番還元機の２番物を搬送
する経路を短くし得るようにする新たな手段を提
供することを目的とする。

そして、本発明においては、この目的を達成す
るための手段として、扱室の排塵口に前端側を連
通せしめてその扱室に並設せる処理胴室の後端側
を、扱室の後端部より長く後方に突出するよう延
長して、その延長部の前端側で前記扱室より後方
に位置する部位に、該処理胴室の排塵口を、選別
室に支架せる揺動選別棚のストローラツクの上面
に臨むよう開設し、その排塵口より後方に延びる
該処理胴室の延長部の後端部に、２番還元機の送
穀筒を連通するとともに、該処理胴室に軸架する
処理胴の周面の前記排塵口より後方に位置する部
位に設ける処理歯を、排塵物を前方に送る方向に
傾斜せしめたことを特徴とする複胴型脱穀装置を
提起するものである。

次に実施の一例を図面に従い詳述する。

図において、ａは脱穀装置Ａの機体で機分前後
方向（第１図及び第３図で左右方向）に長い機筐
状に形成してある。

１は前記機体ａ内腔に装設せる扱室で、機体ａ
内腔の、前端側の上半部で左右の一側に偏る部位
に装設してあつて、内部には、軸方向を機体ａの
前後方向に沿わせた扱胴２が軸架してあり、ま
た、該扱室１内に生じた藁切れ・未処理物等の排
塵物を排出する排塵口１０は、該扱室１の周壁を
構成している受網１１周面の、該扱室１と偏位側
と反対側における後端部位に設けてある。

３は前記扱室１に並設せる処理胴室で、機体ａ
内腔の上半側の、前記扱室１が偏位した側と反対
側に配位して扱室１と並列させてあつて、それの
盲板で形成してある周壁３０の前端寄りで扱室１
と対面する部位に設けた連通口３１を、連通路３
２を介して扱室１の排塵口１０と連通させてあ
り、また、該処理胴室３の内部には前記排塵口１
０から送られてくる排塵物をこなしながら後方に
送るよう周面に処理歯４０……を植設せる処理胴
４が、前記扱室１内の扱胴２と軸線が平行する状
態に軸架してある。そして、該処理胴室３は、そ
れの後端側が前記扱室１より後方に突出するよ
う、長く後方に延長してあつて、その延長部分の
前端部で扱室１より後方に位置する部位に排塵口
Ｗが設けてあり、また、その後方への延長部分の
前記排塵口Ｗより後方に延びる該処理胴室３の後
端側における周壁３０に、２番還元機５の送穀筒
５０の筒先が連通し、かつ、前記処理胴４の周面
で前述排塵口Ｗより後方に位置する部位には、そ
の処理胴４の周面に設ける処理歯４０……を、そ
の処理胴４の回転により排塵物をこなしながら前
方に移送する方向に傾斜せしめた処理歯４０′…
…として装設してあり、これによつて、処理胴室
３を、それの前半側においては、扱室１内から排
塵物を受入れてこなしながら排塵口Ｗから放出す
るようになり、また、後半側においては２番還元
機５で回収されてくる２番を再処理しながら前記
排塵口Ｗから放出するようにしてある。

６は、前記扱室１内に脱穀すべき穀稈の穂先部
を自動供給するフイードチエンで、挾扼レール６
０と挾扼チエン６１とを対向させてなる従来公知
のものであつて、前述の処理胴室３の上方空間に
おいて扱室１の扱口１２が設けられた機体ａ側壁
の外面に前後方向に装架してある。

７は、扱室１内で脱穀処理されて、扱室１の受
網１１から漏下する穀粒を風選するよう、機体ａ
内腔の底部に装設せる選別風路で、前端側は扱室
１の下方に配位して機体ａ内腔に装架せる唐箕ブ
ロワー７０の吹出口と連通し、後端側は扱室１の
後方に配位して機体ａ内腔に装設せる選別室８と
連通せしめてある。

９は前記選別風路７に前述の受網１１から漏下
する穀粒を送給しながら篩別するよう、扱室１の
受網１１下方から前記選別風路７を横切つて前述
の選別室８内に突入するように設けた揺動選別棚
で、選別室８内に突入する後端部には、上下に２
段のストローラツク９０，９１が前後に並列する
ように装設してある。そして、それの上方で前位
のストローラツク９０が扱室１の排稈口１３の後
方下方に位置せしめてあり、前述の処理胴室３に
設けた排塵口Ｗは、この上方で前位のストローラ
ツク９０の送出方向における基端部の一側の上方
位置に開放してあつて、その排塵口Ｗから選別室
８に排出される排塵物が、このストローラツク９
０の上面に拡散して放出されるようになつてい
る。

また、前記選別室８は、それの内腔の上部一側
に、吸引排塵機８０の吸引口８０ａが連通し、内
腔底部に一体に連設せる２番受樋８１内には、前
述の２番還元機５の２番スクリユー５１が軸架せ
しめてある。

なお、図示する実施例装置において、１４は扱
室１の穀稈入口、１５は扱室１の後面を塞ぐ機
壁、７１は一番スクリユーである。

このように構成せる実施例装置は次のように作
用する。

扱室１内に生じて、その扱室１の排塵口１０か
ら排出される排塵物は、連通路３２および連通口
３１を介して処理胴室３内に流入し、そこで回転
している処理胴４の周面の処理歯４０……により
こなされながら後方に送られて排塵口Ｗから、選
別室８に装架してある揺動選別棚９の上面に拡散
して放出されていく。

また、選別室８で選別されて２番還元機５で回
収された２番物は、該２番還元機５の送穀筒５０
により処理胴室３内の後端部に送込まれ、そこで
回転している前記処理胴４の後半側の周面に設け
た処理歯４０′により再処理されながら前方に送
られて、前述の扱室１の排塵口１０から処理胴室
３内に送込まれた排塵物と一緒に、前記排塵口Ｗ
から前述選別室８に装架してある揺動選別棚９の
上面に拡散して放出されていくようになる。

そして、２番還元機５で回収した２番物をこな
す処理胴室３の後半側が、２番還元機５のすぐ上
方に位置するようになることで、２番還元機の２
番物を搬送する経路が短かくてよいようになる。

以上説明したように、本発明による複胴型の脱
穀装置は、扱室１の排塵口１０に前端側を連通せ
しめてその扱室１に並設せる処理胴室３の後端側
を、扱室１の後端部より長く後方に突出するよう
延長して、その延長部の前端側で前記扱室１より
後方に位置する部位に、該処理胴室３の排塵口Ｗ
を、選別室８に支架せる揺動選別棚９のストロー
ラツク９０の上面に臨むよう開設し、その排塵口
Ｗより後方に延びる該処理胴室３の延長部の後端
部に、２番還元機５の送穀筒５０を連通するとと
もに、該処理胴室３に軸架する処理胴４の周面の
前記排塵口Ｗより後方に位置する部位に設ける処
理歯４０′……を、排塵物を前方に送る方向に傾
斜せしめて構成してあるのだから、扱室１に並設
した処理胴室３に、扱室１の排塵口１０から排出
される排塵物のこなしと、２番還元機５で回収し
た２番物のこなしとを行なわせながら、排塵物を
こなした処理物と２番物をこなした処理物とを、
合流させて、揺動選別棚９のストローラツク９０
の上面に拡散放出するようになつて、揺動選別棚
９の選別性能を良好にして、選別室８における選
別を円滑にし、かつ、処理胴室３の２番物をこな
す部分が２番還元機５の近くに位置するようにな
つて、２番還元機５の２番物を搬送する経路を短
くし得るようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施せる複胴型脱穀装置の一
部破断線を変えた縦断側面図、第２図は同上装置
の一部破断線を変えた縦断背面図、第３図は同上
装置の横断平面図である。 図面符号の説明、Ａ……脱穀装置、ａ……機
体、１……扱室、１０……排塵口、１１……受
網、１２……扱口、１３……排稈口、１４……穀
稈入口、１５……機壁、２……扱胴、３……処理
胴室、３０……周壁、３１……連通口、３２……
連通路、Ｗ……排塵口、４……処理胴、４０，４
０′……処理歯、５……２番還元機、５０……搬
送筒、５１……２番スクリユー、６……フイード
チエン、６０……挾扼レール、６１……挾扼チエ
ン、７……選別風路、７０……唐箕ブロワー、７
１……一番スクリユー、８……選別室、８０……
吸引排塵機、８０ａ……吸引口、９……揺動選別
棚、９０，９１……ストローラツク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 扱室１の排塵口１０に前端側を連通せしめて
   その扱室１に並設せる処理胴室３の後端側を、扱
   室１の後端部より長く後方に突出するよう延長し
   て、その延長部の前端側で前記扱室１より後方に
   位置する部位に、該処理胴室３の排塵口Ｗを、選
   別室８に支架せる揺動選別棚９のストローラツク
   ９０の上面に臨むよう開設し、その排塵口Ｗより
   後方に延びる該処理胴室３の延長部の後端部に、
   ２番還元機５の送穀筒５０を連通するとともに、
   該処理胴室３に軸架する処理胴４の周面の前記排
   塵口Ｗより後方に位置する部位に設ける処理歯４
   ０′……を、排塵物を前方に送る方向に傾斜せし
   めたことを特徴とする複胴型脱穀装置。