JPS5825793Y2 - コンバインにおける穀稈搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、圃場内に植立する殻稈を刈取り、刈取殻稈
について脱穀を行なうコンバインにおいて、刈取殻稈に
ついて脱穀部への供給搬送を行なうと共に、脱穀後の排
ワラ搬出を行なう殻稈搬送装置に関するものである。

すなわち、この考案は、特にコンバインが大型化され脱
穀部が大容量化された場合に起りがちな、極短稈とか倒
伏殻稈の脱穀部への不十分な供給による扱残しの問題を
解決すると共に、それでありながら構造が極力簡単化さ
れている、コンバインにおける新規な殻稈搬送装置を提
供しようとするものである。

図示の実施例について、この考案に係るコンバインにお
ける殻稈搬送装置の構成を説明すると、先ず図示のコン
バインは通例のように、左右のクローラ１の駆動で機体
を走行させつつ、機体前方のデバイダ２により植立殻稈
を分草し、殻稈引起し装置３により該植立殻稈を引起し
て、刈刃４により植立殻稈を株元部で刈取り、刈取殻稈
については、横搬送装置５と縦搬送装置６とにより脱穀
部７方向へ搬送するように、構成されているが、脱穀部
７に対し刈取殻稈を供給しつつ搬送する搬送帯は、特に
次のようなものに構成されている。

すなわち、扱歯８を植設せる扱胴９を設置された扱室１
０内へ刈取殻稈を供給しつつ搬送する該搬送帯は、前方
側に位置する第１の搬送チェノ１１と後方側に位置する
第２の搬送チェノ１２との、互に直列する２個の搬送チ
ェノ１１，１２に２分割されている。

このうち前方側の第１の搬送チェノ１１は、扱室１〇−
側前方位置に位置を固定して設けられたスプロケットホ
イール１３と扱室１〇−側の扱室１０長さ方向での略中
央部に位置を固定して設けられた他のスプロケットホイ
ール１４とに懸廻されて、その姿勢を固定して設けられ
ている。

これに対し後方側の第２の搬送チェノ１２は、上記化の
スプロケットホイール１４に機体横断方向において重合
させて設けられたスプロケットホイール１５と、機体の
最後部に設けられ脱穀部７からの排ワラについて細断或
は集束等の排ワラ処理を行なう排ワラ処理装置１６の上
方に位置を固定して設けられた他のスプロケットホイー
ル１７とに、懸廻されて設けられており、この第２の搬
送チェノ１２は、次のようにその姿勢を変更可能とされ
ている。

すなわち、該第２の搬送チェノ１２前端のスプロケット
ホイール１５は、その軸１５ａを支承する軸受体ごと、
脱穀部７個面上の支持板１８に支持させてあり、この支
持板１８に上記軸受体を嵌合する円弧状の長溝１８ａを
形成し、第１図に実線図示の姿勢から長溝１８ Ｈに沿
わせてスプロケットホイール１５を上方へ変位させ、長
溝１８ ａ上端位までもたらすことで、一点鎖線図示の
ように第２の搬送チェノ１２を、第１の搬送チェノ１１
の延長線上から外れた、前上方向きの傾斜姿勢へともた
らし得るように、なされているのである。

つまり、第２の搬送チェノ１２は、その後端のスプロケ
ットホイール１７の軸１７ ａまわりで上方回動可能に
支持された関係とされており、第２の搬送チェノ１２の
姿勢は、スプロケットホイール軸１５ａの軸受体を固定
具１９により固定解除可能に支持板１８に固定すること
で、固定される。

第１の搬送チェノ下方下方位と第２の搬送チェノ１２の
前半部下方位とには、該チェノ１１，１２方向にスプリ
ング２Ｏａ附勢された挟把レール２０を設けてあり、第
２の搬送チェノ１２の後半部下方位には、該チェノ１２
方向にスプノング２１ ａ附勢された挟把レール２１を
設けである。

第２図に示すように、扱胴９の下方に配された受網は、
前後の第１の受網２２と第２の受網２３とに分割されて
おり、該両受網２２．２３間において第１、第２の搬送
チェノ１１，１２連接点位置で第１の排塵口２４を、ま
た扱胴９の後端位で第２の排塵口２５を、それぞれ設け
である。

第２図において２６は、受網２２．２３の下方から後方
にかけて設けられた揺動選別装置であるが、この揺動選
別装置２６は、第１の受網２２の下方に位置するチャフ
シーブ２７と、このチャフシーブ２７下方のグレンシー
ブ２８と、第１の排塵口２４からの排出物を受取る第１
のストロ−ラック２９と、第２の排塵口２５からの排出
物を受取る第２のストロ−ラック３０とを、備えたもの
に構成されている。

第２図において、３１は唐箕、３２は一番口、３３は二
番口である。

この考案に係る図示の殻稈搬送装置は、上記のように構
成しであるから、第１図に実線図示及び第２図に二点鎖
線図示のように、第１の搬送チェノ１１の延長線上に第
２の搬送チェノ１２を位置させた状態では、第１の搬送
チェノ１１が挟把レール２０との間で刈取殻稈株元部を
挾持しその穂先側を扱室１０内に挿入供給しつつ、該刈
取殻稈を搬送したのに引続き、第２の搬送チェノ１２が
該第１の搬送チェノ１１から刈取殻稈を受継し、挟把レ
ール２０との間で該刈取穫稈の株元部を挾持しその穂先
側を扱室１０内に挿入供給しつつ、殻稈供給搬送を行な
い、その後引続いて、脱穀部７を出る排ワラを、挟把レ
ール２１との間で挟持しつつ搬出して、該排ワラを排ワ
ラ処理装置１６へと供給する。

この考案に係る殻稈搬送装置は、圃場内に植立する殻稈
が比較的長いものであり、且つ、倒伏があまりみられず
刈取り後に整然と供給される状態では、上記のように、
第２の搬送チェノ１２を第１の搬送チェノ１１の延長線
上において、用いられる。

このときは、上で行なった作用の説明から明らかなよう
に、はぼ通例の場合同様の脱穀が行なわれる。

これに対し、圃場内に植立する殻稈が極短稈であるとか
、かなりの倒伏がみられ刈取り後に不揃いで供給される
ものである場合には、第２の搬送チェノ１２を、第１，
２図に一点鎖線図示のように、第１の搬送チェノ１１の
延長線外に位置する姿勢へとおいて、用いられる。

このときは、第１の搬送チェノ１１の終端に至るまでは
、該搬送チェノ１１と挾扼レール２０間で挾持される刈
取殻稈が先端側のみを扱室１０内へ供給されるが、第１
の搬送チェノ１１の終端で、第２の搬送チェノ１２前端
が該終端位置を外れていて殻稈受継が行なわれず殻稈挾
持作用が無くなり、このため殻稈が扱胴９回転で扱室１
０内に引込まれ、扱室１０の後半部では殻稈の全量が該
扱室１０内へ投入供給される。

したがって、極短稈とか種部がチェノ１１側にあったよ
うな不揃い殻稈についても、全量投入された扱室１９後
半部内での扱残しの無い完全な脱穀が行なわれるに至る
のである。

そして図示の場合には、殻稈を一部投入ないし一部供給
される扱室１０内前半部と全量投入ないし全量供給され
る扱室１０内後半部とから、それぞれ第１の排塵口２４
と第２の排塵口２５を介し各別に排塵を行なわせ、且つ
、その排出物を各別のストロ−ラック２９ 、３０にて
処理させることとしであるから、選別処理効果の高めら
れた選別が行なわれることとなっている。

以上の説明から明らかなように、この考案のコンバイン
における殻稈搬送装置は、脱穀部７に対し刈取殻稈を供
給しつつ搬送する搬送布を、脱穀部７の中途まで殻稈搬
送を行なう第１の搬送帯１１と、脱穀部７中途から脱穀
部７終端まで殻稈供給搬送を行なうと共に脱穀部７終端
からさらに排ワラ排出搬送を行なう第２の搬送帯１２と
に、２分割し、上記第２の搬送帯１２をその排ワラ搬出
端まわりで、上記第１の搬送帯１１から殻稈受継を行な
わない搬送非作用姿勢への選択的に回動変位可能に支持
してなるものであって、収穫する殻稈が極短稈であると
か倒伏していて刈取り後に不揃いとなるものであるとき
に、特に大容量の脱穀部で起りがちである扱残しを、そ
のような場合には、第２の搬送帯１２を上記搬送非作用
位置におくことで、脱穀部７の後半部では該脱穀部７内
に殻稈を全量投入して、無くし得るものとなっており、
また排ワラの使用目的等で、第２の搬送帯１２に搬送作
用を行なわせ整然とした排ワラを得ることもできるもと
なっている。

またこの考案の殻稈搬送装置は、選択的に殻稈全量投入
を行なわせるべく設けられた第２の搬送帯１２をして、
脱穀部７からの排ワラを排出搬送する搬送帯を兼ねたも
のとされていることから、上記のような長所を有するも
のでありながら、その構造が極力簡単化されているもの
となっている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を装備したコンバインの概
略側面図、第２図は同コンバイン要部の概略縦断側面図
である。 ７・・・・・・脱穀部、９・・・・・・扱胴、１０・・
・・・・扱室、１１・・・・・・第１の搬送チェノ、１
２・・・・・・第２の搬送チェノ、１５・・・・・・ス
プロケットホイール、１６・・・・・・排ワラ処理装置
、１７・・・・・・スプロケットホイール、１８・・・
・・・支持板、１８ａ・・・・・・長溝、１９・・・・
・・固定具、２０・・・・・・挟把レール、２１・・・
・・・挟把レール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀部に対し刈取殻稈を供給しつつ搬送する搬送帯を、
   脱穀部の中途まで殻稈供給搬送を行なう第１の搬送帯と
   、脱穀部中途から脱穀部終端まで殻稈供給搬送を行なう
   と共に脱穀部終端からさらに排ワラ排出搬送を行なう第
   ２の搬送帯とに、２分割し、上記第２の搬送帯をその排
   ワラ搬出端まわりで、上記第１の搬送帯から殻稈受継を
   行なわない搬送非作用姿勢へと選択的に回動変位可能に
   支持してなる、コンバインにおける殻稈搬送装置。