JPS6231779Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、天井吊形室内ユニツトに関し、特に
室内を隅々に亘つて冷房または暖房し得るように
したものに関するものである。

従来より、天井吊形室内ユニツトとして、天井
に吊られた本体ケーシングの前面に吹出口を設け
て、該吹出口から冷風また温風を吹出すことによ
り、室内を冷房または暖房するようにしたものは
一般によく知られている。

しかしながら、前記従来の天井吊形室内ユニツ
トでは、冷風または温風の吹出し方向が一方向
（前方）に限られているため、冷風または温風が
室内の隅々にまで行き渡らず、室内全体を均一に
かつ良好に冷房または暖房することができないと
いう問題があつた。

一方、このような問題の解決を図つた天井吊形
室内ユニツトとして、第１図に示すように、天井
に取付けられる取付部材ａと、該取付部材ａに装
着された円筒状の熱交換器ｂと、前記取付部材ａ
の熱交換器ｂ取付位置内側に装着された送風フア
ンｃとを備え、前記送風フアンｃにより下方より
吸込んだエアを熱交換器ｂで熱交換した後該熱交
換器ｂの全外周方向へ吹出すようにしたものが提
案されている（例えば実公昭50−19708号公報等
参照）。なお、ｄはドレンパン、ｅは送風ガイド
である。

しかし、この提案のものは、室内全体を冷房ま
たは暖房するには天井における室内のほぼ中央部
に据付ける必要がある。そのため、冷媒配管およ
びドレン配管等を天井裏面に沿つて室外へ導出さ
せる上で、これら配管が長くまた困難なものとな
り、ドレン配管にあつてはドレン排出用のポンプ
を必要とすることがある。

しかも、ドレンパンｄと送風ガイドｅとは別部
材で形成されているため、組立作業性が悪いとい
う問題があつた。

本考案にかかる諸点に鑑みてなされたもので、
天井の壁際等に室内ユニツトを据付けても室内の
隅々までにも冷風または温風を送り得るようにす
ることにより、冷媒配管やドレン配管が短くてか
つ容易であつて、室内全体を均一にかつ良好に冷
房または暖房できる天井吊形ユニツトを提供する
ことを主たる目的とし、さらに、本体ケーシング
内に配設される別々の部材を各々の機能を損うこ
となく可及的に一体化すことにより、前記室内ユ
ニツト組立時の組付作業性を向上させることを目
的とするものである。

この目的を達成するため、本考案の構成は、下
面に吸込口を有し、前面および左右両側面に各々
吹出口を有する本体ケーシングと、該本体ケーシ
ング内に吸込口に対向して配設された斜流フアン
と、前記本体ケーシング内の斜流フアン下流側に
それぞれ吹出口に対向して配設された熱交換器と
からなり、前記斜流フアンにより吸込口より吸込
んだエアを各熱交換器で熱交換した後各吹出によ
り三方へ吹出すように構成した天井吊形室内ユニ
ツトであつて、前記各熱交換器下部に一連に配設
されるコ字状のドレンパンと、前記斜流フアン周
囲から各熱交換器下面に向つて広がつて斜流フア
ンからのエアを各熱交換器に導くフアンハウジン
グとが一体に形成されたもので、矩形状室内の一
側中央部における天井の壁際に据付けることによ
つて室内を隅々に亘つて冷房または暖房するよう
にするとともに、ドレンパンとフアンハウジング
とを統合一体化するものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第２図および第３図は本考案に係るヒートポン
プ式空気調和機の天井吊形室内ユニツトＡを示
し、１は天井ｖの壁ｗ際に吊懸けられた方形扁平
体状の本体ケーシングであつて、該本体ケーシン
グ１の下面１ａ央部には吸込口２が設けられてい
るとともに、本体ケーシング１の前面１ｂおよび
左右両側面１ｃ，１ｃにはそれぞれ吹出口３ａ，
３ｂ，３ｃが設けられている。

前記本体ケーシング１内の央部には吸込口２に
対応して斜流フアン４が配設されている。該斜流
フアン４は、本体ケーシング１の上面１ｄに固定
された駆動モータ５と、該駆動モータ５の駆動軸
５ａに接続され、斜流加速を生ぜしめる複数枚の
羽根６ａ，６ａ，…を有する羽根車６とからな
り、吸込口２よりエアを吸込んで斜め外方三方に
送給するようになつている。

また、前記本体ケーシング１内の斜流フアン４
下流側には３つの熱交換器７ａ，７ｂ，７ｃがそ
れぞれ前記吹出口３ａ，３ｂ，３ｃに対向して配
設されている。該互いに隣接する熱交換器７ａ，
７ｂ，７ｃの各冷媒管７ｄ，７ｄ同士はそれぞれ
連結されていて一連の冷媒管路が形成されている
とともに、該冷媒管路８の両端部（熱交換器７ｃ
の冷媒管７ｄ，７ｄの本体ケーシング１背面１ｅ
側端部）には、それぞれフレキシブルチユーブ９
ａを一部に有する連絡配管９の一端部が接続さ
れ、該連絡配管９の他端部は、フレキシブルチユ
ーブ９ａにより本体ケーシング１背面１ｅおよび
壁ｗを貫通して室外に導出されて室外ユニツト
（図示せず）に連絡されている。以上によつて、
斜流フアン４により吸込口２より吸込んだエアを
各熱交換器７ａ，７ｂ，７ｃで熱交換した後各吹
出口３ａ，３ｂ，３ｃより前方と左右側方との三
方へ吹出すようにした本考案の天井吊形室内ユニ
ツトＡが構成されている。

尚、１０は吸込口２に装着された吸込グリル、
１１および１２は各吹出口３にそれぞれ回動自在
に設けられた水平羽根および垂直羽根であつて、
該両羽根１１，１２の向きを変える事により吹出
口３ａ，３ｂ，３ｃから吹出されるエアの吹出し
方向を調整し得るようになつている。

また、１３ａは本体ケーシング１内の前記各熱
交換器７ａ，７ｂ，７ｃ下部に一連に配設される
コ字状のドレンパンであつて、該ドレンパン１３
ａにはドレン配管１４が接続されていて、ドレン
パン１３ａ内に溜つたドレンを該ドレン配管１４
を介して室外に排水するようになつている。１３
ｂは前記斜流フアン４周囲から立つたのち各熱交
換器７ａ，７ｂ，７ｃ下面に向つて平坦状に拡が
るフアンハウジングであつて、該フアンハウジン
グ１３ｂと本体ケーシング上面１ｄとによりエア
通路１５が形成されていて、前記斜流フアン４か
らのエアを該エア通路１５を介して各熱交換器７
ａ，７ｂ，７ｃに均一に導くものである。そし
て、前記ドレンパン１３ａとフアンハウジング１
３ｂとはアンダーパネル１３として一体に形成さ
れており、該アンダーパネル１３下面には吸音断
熱材１３ｃが一様にかつ一体に固着されている。
尚、１６は電気部品ボツクス、１７は据付現場配
線用端子盤、１８は連結配線、１９は盲板であ
る。

したがつて、前記実施例においては、斜流フア
ン４によつて吸込口２より吸込んだエアを熱交換
器７ａ，７ｂ，７ｃで熱交換した後、その熱交換
されたエアを冷風または温風として本体ケーシン
グ１の前面１ｂおよび左右側面１ｃ，１ｃに設け
た各吹出口３ａ，３ｂ，３ｃより前方と左右側方
との三方へ吹出すので、本考案の室内ユニツトＡ
を矩形状室内の一側（好ましくは長辺側）中央部
における天井ｖの壁ｗ際にその本体ケーシング１
背面１ｅを壁ｗ側にして据付けた場合には、従来
の如く冷風または温風を前方にしか吹出さない場
合に比べ冷風または温風が室内の隅々にまで行き
渡ることになり、室内全体を均一にかつ良好に冷
房または暖房することができる。

しかも、前記室内ユニツトＡは天井ｖの壁ｗ際
に吊懸けるものであるため、連絡配管１９、ドレ
ン配管１６、連絡配線１７は壁ｗを貫通して直ち
に室外に導出させることができ、よつて、これら
の配管や配線が短かくて済み、かつ容易に行うこ
とができる。また、本体ケーシング１の下面１ａ
からの吸込みであるため、その背面１ｅを壁ｗに
密着させることができ、配管や配線が露出しない
据付が可能となつて、室内の美観を損うことはな
い。

さらに、ドレンパン１３ａとフアンハウジング
１３ｂとは一体に形成されているので、前記室内
ユニツトを組立てる際には、本体ケーシング１の
上面１ｄに斜流フアン４および各熱交換器７ａ，
７ｂ，７ｃを組付けた後に、吸音断熱材１３ｃが
固着されたアンダーパネル１３を組付けることに
より、一挙にドレンパン１３ａおよびフアンハウ
ジング１３ｂの組付けを完了できるので、室内ユ
ニツトの組付作業性を向上できる。また、前記ア
ンダーパネル１３の下面には吸音断熱材１３ｃが
一様かつ一体に形成されているので、アンダーパ
ネル１３に斜流フアン４からのエアが吹きつけら
れれても吸音断熱材１３ｃの制振効果によりビビ
リ音が発生しない。しかも、その断熱効果によ
り、ドレンパン１３ａ下面に結露が生じるのを防
止できる。

尚、以上の実施例は冷暖可能な室内ユニツトに
ついて説明したが、冷房専用または暖房専用の室
内ユニツトでもよい。

以上説明したように、本考案によれば、斜流フ
アンにより本体ケーシング下面の吸込口より吸込
んだエアを３辺に配した各熱交換器で熱交換した
後、本体ケーシングの前面および左右側面の吹出
口より三方へ吹出すものであるので、矩形状室内
の一側中央部における天井の壁際に据付けた状態
で室内の隅々までにも冷風または温風を送つて室
内全体を均一にかつ良好に冷房または暖房するこ
とができるとともに、冷媒配管やドレン配管を容
易に行うことができるものである。

さらに、ドレンパンとフアンハウジングとを一
体に形成したので、室内ユニツト組立時の組付作
業性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す縦断面図であり、第２図
ないし第４図は本考案の実施例を示し、第２図は
縦断側面図、第３図は本体ケーシングの下面部分
を取り外した状態における下方から見た平面図、
第４図は部分破断斜視図である。 １……本体ケーシング、１ａ……下面、１ｂ…
…前面、１ｃ……側面、２……吸込口、３ａ，３
ｂ，３ｃ……吹出口、４……斜流フアン、７ａ，
７ｂ，７ｃ……熱交換器、１３……アンダーパネ
ル、１３ａ……ドレンパン、１３ｂ……フアンハ
ウジング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下面１ａに吸込口２を有し、前面１ｂおよび左
   右両側面１ｃ，１ｃに各々吹出口３ａ，３ｂ，３
   ｃを有する本体ケーシング１と、該本体ケーシン
   グ１内に吸込口２に対向して配設された斜流フア
   ン４と、前記本体ケーシング１内の斜流フアン４
   下流側にそれぞれ吹出口３ａ，３ｂ，３ｃに対向
   して配設された熱交換器７ａ，７ｂ，７ｃとから
   なり、前記斜流フアン４により吸込口２より吸込
   んだエアを各熱交換器７ａ，７ｂ，７ｃで熱交換
   した後各吹出口３ａ，３ｂ，３ｃより三方へ吹出
   すように構成した天井吊形室内ユニツトであつ
   て、前記各熱交換器７ａ，７ｂ，７ｃ下部に一連
   に配設されるコ字状のドレンパン１３ａと、前記
   斜流フアン４周囲から各熱交換器７ａ，７ｂ，７
   ｃ下面に向つて拡がつて斜流フアン４からのエア
   を各熱交換器７ａ，７ｂ，７ｃに導くフアンハウ
   ジング１３ｂとが一体に形成されていることを特
   徴とする天井吊形室内ユニツト。