JPS6231259B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、室内の空調状態を確保しつつ、室内
の強制換気と室内空気の循環とを同時に可能なら
しめる送風装置に関するもので、ひとつの送風機
で、室内循環と強制排気ならびに強制給気を簡単
な手段で実現し、安価で小形でかつ換気による室
内圧力の変化をなくする送風装置を提供するもの
である。

近年、冷暖房装置の普及とともに密閉度の高い
室が多くなり、一方的な給気もしくは排気での室
内空気の入れ換えは困難でありかつ室内の圧力が
室外の圧力より低くもしくは高くなり、開放形燃
焼機等への影響およびドアの開閉等による異常騒
音の発生を生じる。このため、排気および給気を
同時にかつ強制的に行う必要がある。

従来、室内換気装置として換気扇が多用されて
いるが、室内の冷暖房効果を阻害し、同時給排換
気をするためには、室に通気口を設けなければな
らない欠点がある。この欠点を改良するものとし
て熱ロスを少なくした空調換気扇が提案されてい
るが、機器構成が複雑でかつフアンを２個必要と
するため高価なものとなり、また室の壁に300mm
角程の大きな換気口を壁に開口する必要があり、
工事が大規模になり、工事費が高くなる欠点があ
る。またこのような従来の換気扇は、室内空気の
循環機能を有しないため、室温分布が悪く、必要
以上の換気をして熱ロスしている欠点がある。

本発明は上記従来の欠点をなくするもので、１
個の送風機を室内循環と室内換気の送風機として
利用できる構成し、給排気通路を一体に形成する
小形の換気筒により、室内空気を循環せしめつつ
同時にかつ強制的に排気および給気行なえるよう
にした送風装置を提供するものであり、その特徴
とするところは、室内空気を循環せしめる吸気口
と吹出口および室内空気を給排気する換気口を有
する箱体と、この箱体内に設け、外径の異なる室
内空気循環兼排気用の羽根と外気吸引用の羽根を
主板の両面に設けた羽根車と、前記羽根車の主板
外周上に位置して前記箱体内に設け、前記吸気口
と吹出口を連通する一方のフアン通路および前記
換気口からの給気を前記吹出口に案内する他方の
フアン通路をそれぞれ形成した仕切板と、この仕
切板に形成した室外送気口に一端を接続し、かつ
前記換気口を貫通した排気通路と前記換気口に一
端を接続して前記外気吸引用の羽根のフアン吸気
口に通じる給気通路を一体形成した換気筒とを備
え、前記羽根車の室内空気循環兼排気用の羽根は
前記吸気口、一方のフアン通路より吹出口への室
内空気循環と前記排気通路への強制排気を行な
い、前記外気吸引用の羽根は前記給気通路、フア
ン吸気口、他方のフアン通路より吹出口への外気
送風を行なう送風装置であり以下、図面ととも
に、本発明の一実施例について説明する。

第１図は、本発明の一実施例を示す側面断面図
である、第１図において、１は箱体であり、室内
空気を循環せしめる吸気口２と吹出口３および室
内を給排気する換気口４が配設され、モーター５
の軸と直結される主板６を介して、外径の異なる
羽根７，７ａを主板６の外径より小さい位置に配
設した羽根車８と、主板６の外周上に位置しフア
ン内通路を分割する仕切壁９を設けたケーシング
１０を内蔵し循環用フアンと換気用フアンの両機
能をもたしている。１１は換気筒で、仕切板１２
で仕切られ外気吸引口１３と外気送風口１４を有
する給気通路１５と室外吐出口１６と仕切壁９の
開口部に室外送気口１７を有する排気通路１８の
２流路を形成する。１９は給気通路１５と連通す
るフアン吸気口であり、羽根車８を介して室内と
連通する。排気通路１８は、給気通路１５と室内
とを連通するフアン通路２０内を貫通し、吸気口
２と吹出口３とが連通するフアン通路２１内に面
した仕切壁９に位置する室外送気口１７より、フ
アン通路２１の１部の流れを排気する。仕切壁９
ならびに仕切板１２は、アルミニユームやステン
レス等の金属薄箔、多数の微細孔や起毛を設けた
金属薄板等の顕熱交換効率の高い材料もしくは、
炭素繊維、金属粉を混沙した和紙、塩化リチユー
ム等の吸湿材を含浸させた合成紙等の潜熱交換効
率の高い材料を単独もしくは併用して構成され、
仕切壁９は、平板状もしくは波形状に形成でき、
仕切板１２は、円筒、ダクト状、平板状に形成さ
れる。羽根車８は、同一形状の羽根および一方は
前向羽根、他方は径向き羽根もしくは後向き羽根
を主板６に一体に配設し、給排気風量を同じにせ
しめるように羽根外径を異ならしめる構造をな
し、羽根より外方の主板６で羽根車のバランス調
整を行い、低振動化、低騒音化をはかつている。
２２は室の壁である。

斯くのごとに構成における本発明の動作を次に
説明する。モーター５に通電すると羽根車８が、
回転し、図に実線矢印で示す空気の流れを生じ、
室内空気ａは、箱体１の吸気口２より羽根車８内
に、室外空気６は、換気筒１１の外気吸引口１３
より給気通路１５を径てフアン吸込口１９より羽
根車８内に吸引される。羽根車８内に吸引された
室内空気ａは、羽根車８の主板６および仕切壁９
を介して羽根車８内に吸引された室外空気ｂに温
湿度交換しつつフアン通路２１に送風される。フ
アン通路２１に送風された室内空気ａは、その１
部が、仕切壁９の室外送気口１７より排気通路１
８を流れ、仕切板１２を介して給気通路１５を流
れる室外空気ｂに温湿度交換して室外吐出口１６
より室外へ排気され、残部は、箱体１の吹出口３
より室内へ送風され、室内を循環する。一方、外
気吸引口１３より吸引される室外空気ｂは、給気
通路１５を流れる間に、仕切板１２を介して排気
通路１８の空気より温湿度交換され室内空気ａに
より近づいた状態で外気送風口１４よりフアン吸
込口１９に送風され、フアン内を流れる間に羽根
車８の主板６および仕切壁９を介して、室内空気
ａから熱交換され、室内空気ａにほぼ近い状態で
フアン通路２０を流れて、箱体１の吹出口３より
室内へ吹出され、室内を循環する。従つて、室内
に吹出される空気ｃは、温湿度に関しては、ほと
んど室外空気ｂの給気による影響をうけずに室内
空気ａにほぼ近い状態であり、かつ空気中に含ま
れる有毒ガス成分の濃度が低下し、室外の濃度に
近づいた濃度となり、清浄された空気が室内を循
環する。特に、室内で開放形燃焼機を使用してい
る室では、燃焼に必要な酸素量が給気通路を経て
十分に供給されるため酸欠による有毒ガス成分例
えばCOやNOxの発生を増加させることがなく、
常に新鮮な空気が吹出口３より供給され、室内を
循環しているため室内を快適な状態に保つことが
できる。

以上のように本発明によれば一方で室内空気の
循環を行ないながら、汚れた空気の一部を室外に
排気し、また他方できれいな外気を吸引し室内空
気に混合させているので、室内の空調状態を急激
に変化させることなく、一定の空調状態を維持し
つつ、室内空気の清浄化をはかれるものである。

また羽根車は主板の両面に設けた外気吸引用の
羽根と室内空気循環兼排気用の羽根の外径を異な
らしめているので、給気通路と排気通路の圧損が
異なつても同じ給排気風量にでき、室内圧力が室
外圧力と異なることがなく、部屋のドア開閉時の
異常音等を防止できる。

さらに１個の羽根車で何んらの操作もなく室内
空気循環、外気吸引の給気、室内空気の排気を行
なえる便利さを有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例における送風装置を示
す側面断面図である。 １……箱体、２……吸気口、３……吹出口、４
……換気口、５……モーター、６……主板、７，
７ａ……羽根、８……羽根車、９……仕切壁、１
０……フアンケーシング、１１……換気筒、１２
……仕切板、１３……外気吸引口、１４……外気
送風口、１５……給気通路、１６……室外吐出
口、１７……室外送気口、１８……排気通路、１
９……フアン吸込口、２０，２１……フアン通
路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 室内空気を循環せしめる吸気口と吹出口およ
   び室内空気を給排気する換気口を有する箱体と、
   この箱体内に設け、外径の異なる室内空気循環兼
   排気用の羽根と外気吸引用の羽根を主板の両面に
   設けた羽根車と、前記羽根車の主板外周上に位置
   して前記箱体内に設け、前記吸気口と吹出口を連
   通する一方のフアン通路および前記換気口からの
   給気を前記吹出口に案内する他方のフアン通路を
   それぞれ形成した仕切板と、この仕切板に形成し
   た室外送気口に一端を接続し、かつ前記換気口を
   貫通した排気通路と前記換気口に一端を接続して
   前記吸引用の羽根のフアン吸気口に通じる給気通
   路を一体形成した換気筒とを備え、前記羽根車の
   室内空気循環兼排気用の羽根は前記吸気口、一方
   のフアン通路より吹出口への室内空気循環と前記
   排気通路への強制排気を行ない、前記外気吸引用
   の羽根は前記給気通路、フアン吸気口、他方のフ
   アン通路より吹出口への外気送風を行なう送風装
   置。