JPS623111Y2

JPS623111Y2 -

Info

Publication number: JPS623111Y2
Application number: JP1983060329U
Authority: JP
Priority date: 1983-04-22
Filing date: 1983-04-22
Publication date: 1987-01-23
Also published as: JPS59165173U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は縫製装置に係り、更に詳述すれば同
時に複数の被縫製物を同じように縫製する縫製装
置に関するものである。

例えばポケツトの内袋等のように同一形状の縫
製物を多量に縫製する場合、縫合しようとする２
枚の布地を重合し、その上に縫針をガイドする大
き目のスリツトを設けたガイド板を載せ、このス
リツトに添つて運針させて縫製することが行なわ
れている。しかし、このようなやり方では布地が
踊り、特に薄い布地の場合には縫製出来ないと云
うような欠点があつた。

この考案はこのような欠点を除去することを目
的とするもので、その特徴とするところは、被縫
製物の縫い個所に応じた形状のスリツトを有する
下押え板と、針穴位置に相当する部分に針穴より
も大きい穴（切欠）を形成すると共に、この穴間
に糸逃げ溝を形成した上押え板間に布片を挟んで
保持し得る被縫製物取付枠の１個あるいは複数個
をもつて構成した縫製板と、この縫製板をＸおよ
びＹ方向に移動せしめる制御ならびに駆動機構
と、ヘツド台に取付けられた前記被縫製物取付枠
数対応のミシンヘツドとを有し、前記上下押え板
間に布地を挟んで縫製することにより布地のおど
りをなくすようにした縫製装置を提供するもので
ある。以下この考案を図に示す一実施例について
詳述する。

この考案の縫製装置は第１図ａ，ｂおよび第２
図に示すように架台１の両端に設けられているメ
インギヤボツクス２とエンドボツクス３との間に
上糸調子台４とヘツド台５を取付け、前記架台上
にはＸ軸駆動部６で駆動されるＸ軸パルスモータ
７とＹ軸駆動部８で駆動されるＹ軸パルスモータ
９でＸ軸方向およびＹ軸方向に移動される縫製枠
１０が配設され、前記ヘツド台に取付けられてい
る複数個のミシンヘツド１１により前記縫製枠に
は後述する被縫製物取付枠が取付けられ、この枠
に取付けた被縫製物をコントロールボツクス１２
からの指令により作動する両パルスモータで前記
両駆動部を介してＸおよびＹ軸方向に動かして所
定の縫合せ個所を縫合するものである。

第３図乃至第５図ａ，ｂに示すように、前記し
た縫製枠１０には、ミシンヘツド１１の数だけの
被縫製物取付枠１３が取付けられ、この取付枠は
２本づつのアングル状をなす側枠板１４と側枠板
１５とこれらを結合する２本の取付棒１６と前記
側枠板上に取付けた下板１７と該下挟持板にヒン
ジ１８を介して取付けられた上押え板１９とで略
構成されている。

前記した側枠板１４と下押え板１７には、第３
図ｂに示すように例えば縫製しようとするポケツ
トの形に合せて双方の一部を切欠き、側枠板と下
押え板との間に縫製針の運針の支障にならないよ
うな幅をもつスリツト２０が形成されている。

上押え板１９は、紙あるいは薄いプラスチツク
板等からなるガイド板２１にミシンヘツド１１を
もつて縫製しようとする状態に運針して針穴２２
を明け、このガイド板を用いて第５図ａに示すよ
うに金属あるいは厚手のプラスチツク板に前記針
穴位置をプロツトし、このプロツトした点に第５
図ｂ，ｃに示すように針穴ピツチの1/2の半径の
穴２３をドリルで明けると共に、この穴のセンタ
ーに添つて隣り合せた穴の接する部分を縫い糸の
太さの約２倍程度の幅に拡げて全穴間が連通する
串だんご状の前記スリツトとその中心が一致する
糸逃げ溝２４を形成したものである。

この上押え板１９は、前記作業により糸逃げ溝
２３を形成する前に押える布片がすべるのを阻止
するためにAA−100程度の粗さのサンドペーパ
ー２５を下面側に、取手を兼ねた重錘板２６を上
面側にそれぞれ貼着してあり、前述の如く下押え
板１７上に前記下押え板のスリツト２０と糸逃げ
溝２４の中心が一致するようにヒンジ１８で取付
けてある。

このような構成の被縫製物取付枠１３は縫製枠
１０のミシンヘツド１１の位置に対応する個所に
それぞれ端枠板１５をもつて固定される。

この考案の縫製装置は以上の如き特徴のある被
縫製物取付枠を有したもので、以下一例としてこ
の縫製装置をもつてポケツトの裏袋の縫製を行な
う手順を説明する。

まず第６図に示すようにポケツトの裏袋となる
予じめカツトした２枚の布片２７をその裏面同志
が接するよう重合し第７図ａ，ｂに示すように各
被縫製物取付枠１３の上押え板１９を開けて下押
え板１７の所定の位置に載置し、第８図ａ，ｂに
示すように上押え板１９を閉じることにより被縫
製物のセツトが完了する。

縫製開始前は第９図ａ，ｂに示すように各ミシ
ンヘツド１１の針２７は被縫製物取付枠１３の所
定の点ａ位置にあり、この点を基準として、コン
トロールボツクス１２からの制御指令はＸ軸およ
びＹ軸駆動部６，８を介してＸ軸およびＹ軸パル
スモータ７，９を駆動してミシンヘツド１１の針
２７が第１０図ａ，ｂに示す縫い始め点ｂに位置
するよう縫製枠１０を移動させる。

第１０図ａに示すようにミシンヘツド１１の針
棒２８に取付けられた針２９には調子台４から天
ビン３０を通して上糸が縫製板１０側には下糸が
それぞれ取付けられ、一般に使用されているミシ
ン同様の直線縫いができる。

すなわち、第１１図に示すように針２９は上押
え板１９に明けられた穴２３の中心より布片２７
に突きささり上糸が下糸とからむと前記針が抜
け、コントロールボツクス１２からの指令により
Ｘ軸方向に１目分だけ被縫製物取付枠１３が動
き、上糸よりは針２９の下降に糸逃げ溝２４に入
つて次の穴２３の中心に突きささり以下同様にし
てカーブ部分はＸ軸およびＹ軸方向に前記取付枠
が動き、カーブの終りではＹ軸方向に動いて第１
２図に示すように布片２７の縁に添つてポケツト
の形に縫製される。

簡単な縫製ではこれまでであるが、このように
縫製の終つた布片２７は第１３図に示すように裏
返してから、第１４図に示すように、前述したと
同じ構成の下押え板、上押え板１７′，１９′を有
する被縫製物取付枠１０′を用いて袋縫いを行な
うことにより、第１５図に示すような峰製品Ａを
得る。なお第１６図に示すように布片２７の際辺
を縫うきわ縫いのときには上押え板１９の穴２
３、糸逃げ溝２４の外側における上押え板１９の
部分１９Ａは不必要である。

上述の縫製作業ではヘツド１１の数だけ同時に
同じ形状のポケツトの裏袋を縫製することが出来
る。

尚この場合、ミシンヘツド毎にＸ，Ｙ駆動パル
スモータを用いコントロールボツクスから別々の
指令を多重に出力するようにしておけば異なる形
の縫製物を得ることができる。

上押え板に貼着したサンドペーパーの代りに押
え板自体の裏面を粗面としてもよい。

以上述べたようにこの考案は被縫製物の縫い個
所に応じた形状のスリツトを有する下押え板と、
針穴位置に相当する部分に針穴よりも大きい穴
（切欠）を形成すると共に、この穴間に糸逃げ溝
を形成した上押え板間に布片を挟んで保持し得る
被縫製物取付枠の１個あるいは複数個をもつて構
成した縫製板と、この縫製板をＸおよびＹ方向に
移動せしめる制御ならびに駆動機構と、ヘツド台
に取付けられた前記被縫製物取付枠数対応のミシ
ンヘツドとを有し、前記上下押え板間に布地を挟
んで縫製するようにしたので、布地の縫製時のお
どりが生じにくく薄地の布片でも高速でかつ同時
に同じ形状のものを縫製することができる等の効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第１６図はこの考案の一実施例を示
すもので、第１図ａは縫製装置の全体の外観図、
第１図ｂはミシンヘツドが４個の場合の要部の斜
視図、第２図はヘツド部分の拡大斜視図、第３図
ａは被縫製物取付枠の上押え板を閉めた状態の斜
視図、第３図ｂは同じく上押え板を開いた状態の
斜視図、第４図ａは同じく上押え板を閉じた状態
の断面図、第４図ｂは同じく上押え板を開いた状
態の断面図、第５図ａはミシン針で穴を明けたガ
イド板の平面図、第５図ｂは上押え板の要部の拡
大平面図、第５図ｃは上下押え板の要部の拡大斜
視図、第６図は縫製しようとする布片の斜視図、
第７図ａ，ｂはそれぞれ布片挟持のため上押え板
を開けた状態の被縫製物取付枠の斜視図と断面
図、第８図ａ，ｂはそれぞれ布片を上、下押え板
間に挟み込んだ状態の被縫製物取付枠の斜視図と
断面図、第９図ａ，ｂはそれぞれ縫製開始前の針
と被縫製物取付枠との関係を示す斜視図と断面
図、第１０図ａ，ｂはそれぞれ縫製開始時の針と
被縫製物取付枠との関係を示す斜視図と断面図、
第１１図は縫製開始直後の状態を示す拡大斜視
図、第１２図は１次縫の終つた布片の斜視図、第
１３図は１次加工した後裏返しを行つたポケツト
袋の斜視図、第１４図はカエシ後における袋縫い
状態の要部の斜視図、第１５図は袋縫いが終つた
状態のポケツト袋の斜視図、第１６図はきわ縫い
状態の部分的斜視図である。１……架台、４……調子台、１１……ミシンヘ
ツド、１３……被縫製物取付枠、１７……下押え
板、１９……上押え板、２０……スリツト、２３
……穴、２４……糸逃げ溝、２７……布片、２９
……針。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

被縫製物の縫い個所に応じた形状のスリツトを
有する下押え板と、針穴位置に相当する部分に針
穴よりも大きい穴（切欠）を形成すると共に、こ
の穴間に糸逃げ溝を形成した上押え板間に布片を
挟んで保持し得る被縫製物取付枠の１個あるいは
複数個をもつて構成した縫製板と、この縫製板を
ＸおよびＹ方向に移動せしめる制御ならびに駆動
機構と、ヘツド台に取付けられた前記被縫製物取
付枠数対応のミシンヘツドとを有し、前記上下押
え板間に布地を挟んで縫製することを特徴とする
縫製装置。