JPS6230175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はVTR等における固定ヘツド調整装置
に係り、特に、音声／コントロールヘツド等のコ
ンビネーシヨンヘツドのあおり角度を調整するの
に用いて好適なものである。

従来より、VTRにおいては音声信号を記録又
は再生するための音声ヘツドとコントロール信号
を記録又は再生するためのコントロールヘツドと
を一つのケースの上部及び下部へ組入れたコンビ
ネーシヨンヘツド（いわゆる音声／コントロール
ヘツド）が用いられている。そしてこのような音
声／コントロールヘツドとテープとの相対的な位
置を決める場合従来は、キヤプスタンをテープ走
行面に対して所定方向へ傾けることによつてテー
プに例えば上方向への規制力を常時作用させると
共に、このテープの上方向への移動を音声／コン
トロールヘツドの両側に配置されたテープガイド
の上側フランジによつて規制するようにしてい
た。そしてこの場合には、例えば上部に配置され
た音声ヘツドとテープガイドの上側フランジとの
相対位置を調整するだけで下部に配置されたコン
トロールヘツドの位置が規制されることになるの
で、音声／コントロールヘツドの位置調整が極め
て容易である。しかしながら、キヤプスタンの傾
きが大きすぎると、テープに必要以上の規制力が
作用してテープガイドの上側フランジとの過度な
当接によつてテープの上縁部にカール（湾曲）が
生じたり、或いはこれとは逆にキヤプスタンの傾
きが小さすぎると、テープに充分な規制力が働か
ないのでテープがその巾方向に変動してしまうお
それがある。すなわち、キヤプスタンの傾きが適
当でないと、テープの走行面が音声／コントロー
ルヘツドおよびテープガイドに対して直角方向に
傾いてテープの走行面と音声／コントロールヘツ
ドとが非平行状態となり、上述の不都合が生じた
り、音声信号及びコントロール信号が記録又は再
生されるべきテープ面の所定領域が音声ヘツド及
びコントロールヘツド上に配置されなくなつてし
まう。このような理由からテープ走行面に対する
キヤプスタンの傾きは極めて精度良く定めなけれ
ばならないが、この傾きの調整は、一般にキヤプ
スタンの支持台とシヤーシ等との間にシムを装着
することによつて行なつているのが現状であり、
この調整が非常に複雑な上にシムの装着には高度
な技術と熟練が必要であつた。

また、従来キヤプスタンと音声／コントロール
ヘツドとを平行に配置し、音声／コントロールヘ
ツドの両側に配置されたテープガイドの上及び下
フランジによつてテープの相対位置を規制するよ
うに構成したものもあるが、この場合には、上側
及び下側フランジの間においてテープがランダム
に移動してしまうために大きなカールが生じ易い
欠点がある。さらに、テープガイドのフランジと
音声／コントロールヘツドとの相対的な位置関係
だけでは音声ヘツド（又はコントロールヘツド）
の位置が決まらず、しかもテープ走行時に上側及
び下側フランジ間におけるテープの移動、或いは
テープ巾の変動によつて音声／コントロールヘツ
ドに対するテープの相対位置が常に変動してしま
う欠点がある。

本考案は上述の如き欠点を是正すべく考案され
たものであつて、テープに対接する固定ヘツド
と、その固定ヘツドの両側に配置された一対のテ
ープガイドとを同一の支持部材で支持し、前記固
定ヘツドの傾きを調整するヘツド調整手段を前記
支持部材の上部に設け、前記テープの走行面に対
して直角方向に回動可能な基台を設け、前記固定
ヘツドと一対のテープガイドとの相対位置を変え
ることなく前記テープの上下幅方向に対する前記
固定ヘツドと一対のテープガイドの上下の高さを
調整する高さ調整手段を介して前記支持部材を前
記基台に取付け、前記基台を回動させることによ
り前記支持部材を前記テープの走行面に対して直
角方向に回動させ、前記固定ヘツドと一対のテー
プガイドとを、その相対位置を変えずに前記テー
プの走行面に対して平行状態で前記テープに対接
できるように調整可能とした固定ヘツド調整装置
に係るものである。

次に、本考案を適用したVTRにおける固定ヘ
ツド支持装置の一実施例に付き図面を参照して説
明する。

第１図及び第２図に示すように、シヤーシ１に
はサブシヤーシ２が止ねじ３，４によつて締め付
け固定され、このサブシヤーシ２に装置基台６が
ねじ７と、スプリング８が装着されたねじ９とに
よつて固着されている。またサブシヤーシ２に
は、先端部が円錐状に形成されたねじ１１がねじ
込まれてその上方へ突出しており、さらにサブシ
ヤーシ２の上面にはほぼ半球状の突起１３が設け
られている。そして装置基台６の下面にはねじ１
１の上端部に対応する凹部１５及び突起１３に対
応する凹部１７が設けられている。

また装置基台６にはセラミツク等から成る支持
部材１９が固着されている。即ち、第１図に示す
ように、支持部材１９の上壁部１９ａの両側部に
は段部３５を有する貫通孔２２が設けられ、その
下壁部１９ｂには貫通孔２４がそれぞれ設けられ
ている。これらの貫通孔２２，２４にはねじ棒２
６が挿入されてその一端が装置基台６に設けられ
たねじ穴にねじ込まれ、これによつてねじ棒２６
が装置基台６に対して垂直に固定されている。そ
してこのねじ棒２６には円筒状のテープガイド２
８，２９が嵌合配置され、第４図に示すように、
その上部に設けられた段部３１と支持部材１９の
上壁部１９ａとの間にリング３３が嵌装されると
共に、その下部が貫通孔２４内に圧入されてい
る。従つてテープガイド２８，２９は互いに平行
に配置されている。さらにテープガイド２８，２
９の下端部と装置基台６との間にはスプリング３
０，３１がねじ棒２６にそれぞれ装着されてい
る。またねじ棒２６の上部は、下面の縁部にテー
パー面３２を有するナツト３４によつて締め付け
固定されている。そして、このナツト３４を締め
付けると、ナツト３４のテーパー面３２が上壁部
１９ａの凹部２１の端部を押圧し、支持部材１９
をスプリング３０の付勢力に抗して下降させる。
また反対にナツト３４を緩めると、支持部材１９
はスプリング３０の付勢力により上昇させられ
る。このような高さ調整手段によつて支持部材１
９の高さ位置が調整され、コンビネーシヨンヘツ
ド５４、音声消去ヘツド４８およびテープガイド
２８，２９がその相対位置を変えることなくテー
プ６０の上下幅方向に対してその高さ位置を調整
される。従つて、不測の衝撃、振動等が生じても
ねじ棒２６、即ちテープガイド２８，２９が支持
部材１９に対して変動することがないように構成
されている。

また、ねじ３７，３８によつて支持部材１９に
固着された第１の支持板４０には、ヘツド高さ調
整用のねじ４２と、スプリング４３が装着された
ねじ４４とによつて第２の支持板４６が連結され
ている。そして第１図に示すように、第２の支持
板４６には音声消去ヘツド４８と、音声ヘツド５
０及びコントロールヘツド５２が上下に組入れら
れたコンビネーシヨンヘツド５４とが互いに隣接
配置された状態で複数の止ねじ５６によつて固着
されている。即ち、音声消去ヘツド４８及びコン
ビネーシヨンヘツド５４は二つのテープガイド２
８，２９間に配置され、かつテープガイド２８，
２９の外周面はこれらのヘツド４８，５４のテー
プ摺接面から僅かに退いた位置に配置されると共
にテープガイド２８，２９とヘツド４８，５４と
は互いに平行状態に置かれている。そしてテープ
６０は第１図に示すように、支持部材１９の下壁
部１９ｂとリング３３によりその上下位置を規制
されて両者の間を走行するようになつている。な
お、上述の同一平面の延長上に凹部１５，１７の
頂点を結ぶ直線が一致するように構成されてい
る。従つて、装置基台６はスプリング８により前
記直線を中心として第２図及び第４図において時
計方向に回動附勢されている。

また、第１の支持板４０には先端が円錐状に形
成された調整ねじ５８，５９が所定位置にねじ込
まれており、第２の支持板４６にはこれらの調整
ねじ５８，５９の先端部に対応する位置に凹部６
１，６２が設けられている。そして調整ねじ５
８，５９を調整することによつて、音声消去ヘツ
ド４８及びコンビネーシヨンヘツド５４のアジマ
ス調整（テープに対するヘツドの傾き、またはヘ
ツドギヤツプの角度調整）及びギヤツプ向き調整
が行なえるようになつている。

次に、本実施例の固定ヘツド調整装置のあおり
角度を調整する場合に付き説明する。先ず、サブ
シヤーシ２から突出しているねじ１１と突起１３
の上部によつて二点支持されている装置基台６を
ねじ１１を調整することによつて、シヤーシ１に
対してほぼ平行状態にする。しかる後、ねじ７を
調整すると装置基台６はねじ１１と突起１３の頂
点を結ぶ直線を回動中心として第５図に示すよう
に回動することになる。例えば、第４図に示すよ
うに、ねじ７を調整してこのねじ７が挿入されて
いる部分を相対的に上方に位置せしめると、ねじ
９に装着されたスプリング８の附勢力によつて前
記直線を中心としてこのねじが挿入されている部
分は相対的に下方へ回動する。これに伴なつて、
テープガイド２８，２９、音声消去ヘツド４８及
びコンビネーシヨンヘツド５４が共に第４図にお
いて時計方向に回動する。換言すれば、音声消去
ヘツド４８及びコンビネーシヨンヘツド５４をテ
ープガイド２８，２９との相対位置を変えること
なく、テープ走行面に対して直角方向の直角調整
が行なわれることになる。従つて、例えばトラツ
キング波形を観察しながら、ねじ７を調整するこ
とによつて固定ヘツド調整装置を前記直線を中心
として第４図において反時計方向に回動させ、第
２図に示すようにテープ面とテープガイド２８，
２９及びヘツド４８，５４とを完全に一致させ
る。このような一連の操作によつてあおり角度の
調整が完了される。

このように構成した固定ヘツド支持装置によれ
ば、音声消去ヘツド４８及びコンビネーシヨンヘ
ツド５４とテープガイド２８，２９との相対位置
を変えることなくテープ走行面に対して直角方向
のあおり調整を行なうことができるので、キヤプ
スタンの傾斜角に依存するテープの走行ぐせを補
正することが極めて容易となる。従つて、テープ
の走行中において上記調整を行い、トラツキング
波形を観察しながら、テープの走行調整を極めて
容易かつ正確に行なうことができる利点がある。

以上本考案を一実施例に付き説明したが、本実
施例は本考案の技術的思想に基いて更に変形が可
能である。例えば、本考案の固定ヘツド調整装置
はテープレコーダ等における録音ヘツド、再生ヘ
ツド、消去ヘツド等にも同様に適用出来る。

以上のように本考案によれば、キヤプスタンの
傾き設定誤差、取付誤差等によりテープの走行面
が固定ヘツド及び一対のテープガイドに対して直
角方向に傾いて、テープの走行面と固定ヘツド及
び一対のテープガイドとが非平行状態になつた場
合でも、基台を回動させて支持部材をテープの走
行面に対して直角方向に回動させることによつ
て、固定ヘツドと一対のテープガイドとをテープ
の走行面に対して常に平行状態でテープに対接す
るように調整できるので、テープ面と固定ヘツド
の位置ずれに基づく記録、再生不良を確実に防止
することができる。

また、一対のテープガイドもテープの走行面に
対して平行状態で対接させることができるので、
テープを常に安定した状態でガイドでき、テープ
とテープガイドの位置ずれに基づくテープの走行
不良、およびテープガイドの上下にそれぞれ設け
られるテープの上下位置規制部にテープが強く当
接されることによつて生ずるテープ端部のカール
等のテープ破損を有効に防止することができる。

さらに、テープ走行面に対する固定ヘツドと一
対のテープガイドとの上述の位置調整に際して、
固定ヘツドと一対のテープガイドとの相対位置を
変えることなく位置調整ができるので、固定ヘツ
ドへ正確にテープをガイドすべく予め設定された
三者の相対位置関係を維持することにより、上記
位置調整後も、テープをテープガイドにより安定
した状態で正確に固定ヘツドへガイドすることが
できる。

さらにまた、本考案によれば、高さ調整手段に
より固定ヘツドと一対のテープガイドとの相対位
置を変えることなくテープの上下幅方向に対する
固定ヘツドと一対のテープガイドの上下の高さを
調整できるので、テープの走行面と固定ヘツドお
よび一対のテープガイドとの高さ位置を正確に合
わせることができ、テープの走行面と固定ヘツド
の高さ位置のずれに基づく、記録、再生不良およ
びテープガイドの上下にそれぞれ設けられるテー
プ上下位置規制部とテープとの異常接触に基づく
テープ破損を防止できると共に、高さ位置調整後
も固定ヘツドと一対のテープガイドとの相対位置
を維持できることにより、固定ヘツドに安定した
状態でテープをガイドすることができる。

また、本考案によれば、支持部材の上部に設け
られたヘツド調整手段により固定ヘツドの傾きを
調整してヘツドギヤツプの傾きをテープの走行面
に対して垂直になるように調整できるから、テー
プに固定ヘツド、ヘツドギヤツプを正確に対向さ
せることができる。しかも、ヘツド調整手段は支
持部材の上部に設けられているので、その調整を
容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を適用したVTRにおける固定ヘ
ツド調整装置を説明するものであつて、第１図は
固定ヘツド調整装置の一部切欠正面図、第２図は
固定ヘツド調整装置の側面図、第３図は第１図の
−線断面図、第４図はテープガイド、音声消
去ヘツド及びコンビネーシヨンヘツドがテープ走
行面から外れた状態を示す第２図と同様の側面
図、第５図はあおり調整による装置基台の動作を
示す第３図の−線断面図である。 なお図面に用いられている符号において、７，
９，１１……ねじ、１３……突起、１９……支持
部材、２８，２９……テープガイド、４０……第
１の支持板、４６……第２の支持板、４８……音
声消去ヘツド、５４……コンビネーシヨンヘツ
ド、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 テープに対接する固定ヘツドと、その固定ヘツ
   ドの両側に配置された一対のテープガイドとを同
   一の支持部材で支持し、 前記固定ヘツドの傾きを調整するヘツド調整手
   段を前記支持部材の上部に設け、 前記テープの走行面に対して直角方向に回動可
   能な基台を設け、 前記固定ヘツドと一対のテープガイドとの相対
   位置を変えることなく前記テープの上下幅方向に
   対する前記固定ヘツドと一対のテープガイドの上
   下の高さを調整する高さ調整手段を介して前記支
   持部材を前記基台に取付け、 前記基台を回動させることにより前記支持部材
   を前記テープの走行面に対して直角方向に回動さ
   せ、前記固定ヘツドと一対のテープガイドとを、
   その相対位置を変えずに前記テープの走行面に対
   して平行状態で前記テープに対接できるように調
   整可能とした固定ヘツド調整装置。