JPS6230033B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は触媒燃焼装置を有するスキーワツクス
溶融塗布具に関するものであり、その特徴とする
ところはワツクス塗布ベースとワツクス溶化室の
一部より触媒燃焼室を形成し、300〜800℃の比較
的低温で燃焼する触媒部の燃焼熱を熱伝導でワツ
クス塗布ベースに伝えるとともに、燃焼ガスによ
りワツクス塗布ベースおよびワツクス溶化室を効
率よく加熱するようにしたものである。

従来、スキーワツクス溶融塗布具として用いら
れているものを大別すると２種類に分けられる。
即ち、熱源として電気を用いたものと固型燃料や
気体燃料を用いたものである。電気を用いたもの
はシーズヒータを鋳込んだアイロンの様なものが
用いられており、サーモスタツトの様な温度制御
部品により温度調整が容易な反面、その使用場所
が屋内などの配線が施こされた範囲に限られると
いう欠点があつた。一方、固型燃料や気体ガス燃
料を熱源として開いたものは、屋内、屋外にかか
わらずいずれの場所でも使用可能であるが、反
面、１温度制御がしにくく、２熱効率が悪い等の
難点があつた。また、これらの燃料を用いた燃焼
形態はいずれも炎燃焼であり、従つて、強い風な
どが生じている状態では炎が吹き消され、安定し
た燃焼が得られないという点も短所としてあつ
た。

これに対し、本発明は燃焼熱を利用したもので
あり、屋外で吹き消えの心配なく使用でき、かつ
熱効率良く加熱できるようにしたものであり、以
下添付図面をもとにその実施例について説明す
る。第１図は気体燃料を用いて触媒燃焼させ、そ
の燃焼熱を効率良く熱交換させたスキーワツクス
溶融塗布具である。図において、燃料タンク１か
ら出た気体燃料は、圧力調整器、開閉スイツチ３
を通つて混合管４に送られる。混合管４内のノズ
ルから噴出した燃料ガスは、この時、吸引口５よ
り空気を取り込み、混合された状態で混合管出口
より触媒燃焼室６へ送られる。触媒燃焼室６は、
ワツクス塗布ベース７とワツクス溶化室８の一部
を含む形で構成されており、内部に拡散板９およ
び触媒１０がワツクス塗布ベース７に接触して置
かれている。触媒１０とワツクス塗布ベース７を
接触させる構成により、触媒で発生した熱が迅速
にワツクス塗布ベースに伝わり、従つて熱効率が
高く、ワツクス塗布ベースの昇温速度が速くな
る。

また、触媒燃焼室６の上面、側面の一部をワツ
クス溶化室８の底面及び側面で構成、望ましくは
触媒１０がベース溶化室８に接触した構成とする
ことにより、ワツクスの溶化速度も迅速化され
る。

ここで混合管４から触媒燃焼室６へ送り込まれ
た混合ガスは、この拡散板９で均一なガス流に分
散された後、触媒１０表面でヒータ線１１による
着火で燃焼を開始する。燃焼装置の一部は触媒１
０から隣接するワツクス塗布ベース７へ熱伝導で
供給され、一部は燃焼ガスを介して、ワツクス塗
布ベース７、ワツクス溶化室８へ熱供給され、残
りは排熱ガスとして排気口１２より外部へ放出さ
れる。この供給熱量によりワツクス溶化室８内の
固型ワツクスは溶けて液体となり、つまみ１８の
操作により開閉杆１３を動作させることによりワ
ツクス流出孔１４から流れ出る。流れ出た液状ワ
ツクスは加熱されたワツクス塗布ベース７により
スキー板に均一に塗布される。

上記構成のように触媒燃焼室６は、ワツクス塗
布ベース７およびワツクス溶化室８の一部を含む
形で形成され、かつ、触媒１０とワツクス塗布ベ
ース７が接触していることにより、燃焼熱量が効
率良く、ワツクス塗布ベース７およびワツクス溶
化室８へ供給される。なお燃焼室６内のワツクス
塗布ベース７にフインを形成させることによりさ
らに熱交換を良くすることも可能である。熱源に
用いる気体燃料はプロパン・ブタン等の液化ガス
を用いている。圧力調整器２は液化ガスの温度に
よる圧力変動を吸収して安定した２次圧力を供給
するとともに、圧力調整器２内のダイヤフラムに
可変の外力を加え、２次圧力が変えられる構造に
している。この可変外力の操作をガス流量調整つ
まみ１５で行ない、ガス流量を変えることによ
り、ワツクス塗布ベース７の温度を制御する。な
お図中１６は開閉スイツチつまみ、１７は着火用
電池、１９は把手である。

触媒には種々の材質、形状のものがあるが、燃
焼用触媒として要求される特性は１担体の熱容量
が小さく、着火が容易なこと、２触媒能力が優れ
ていて、燃焼時の転化率が良いこと、３ガス流に
対する圧損が少ない形状でかつ耐熱性が高いこと
等である。これらの特性を最も満たすものとして
は、担体としてシリカフアイバーを撚糸しクロス
状にしたものに、アルミナをコートし、その上に
白金またはパラジウムを担持させた触媒があげら
れる。

第２図は、燃焼ガス通路１９および排気口２０
および排気口２１をワツクス溶化室８の周囲に設
けたもので、第１図の構成よりもさらに、ワツク
ス溶化室８への熱交換を良くし、熱効率を上げた
ものである。またワツクス溶化室８の周囲に燃焼
ガス通路２０を設けているため、ワツクス溶化室
８の内壁の温度上昇は速く、従つて内壁と接触し
ているすべての固型ワツクスの部分で溶解を始
め、ワツクス溶化に要する時間が短縮できる。

第３図は、第２図の構成において、ワツクス溶
化室８の外周壁から外側に向けて燃焼ガス通路２
０内にフイン２２を設けることによりさらに熱交
換性を良くしたものである。従つて、ワツクス溶
化時間もさらに短縮され、熱効率も良くなる。

上記した本発明のスキーワツクス溶融塗布具を
用いることにより以下の様な効果を発揮すること
ができる。１、燃料として液化ガスを用いてお
り、電源のない場所でも作業できる。２、触媒燃
焼であり、炎燃焼のような吹き消えがない。３、
ワツクス塗布ベース、ワツクス溶化室の一部で触
媒燃焼室を形成したから、非常に熱効率が高く、
ワツクス溶化の短縮化およびワツクス塗布の確実
化が図れる。４、また燃焼熱による加熱方式であ
りながら温度調整が的確にでき、これにより、状
況に応じた使用ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明スキーワツクス溶融塗布具の一
実施例を示す断面図、第２図は他の実施例を示す
要部断面図、第３図は第２図における要部横断面
図である。 ６……触媒燃焼室、７……ワツクス塗布ベー
ス、８……ワツクス溶化室、１０……触媒。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 触媒を設置した触媒燃焼室と、この触媒燃焼
   室の一部を構成するワツクス塗布ベースおよびワ
   ツクス溶化室と、燃料タンクから上記触媒に至る
   燃料供給系に接続されるとともに、ガス流量調整
   つまみを有する圧力調整器とを具備し、かつ、ワ
   ツクス塗布ベースにはワツクス溶化室で溶化した
   ワツクスを流出させるワツクス流出孔を形成した
   スキーワツクス溶融塗布具。 ２ 触媒燃焼室に連らなる燃焼ガス通路および排
   気口をワツクス溶化室の周囲に設けたことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項に記載のスキーワツ
   クス溶融塗布具。 ３ ワツクス溶化室の外周から外側に向けて燃焼
   ガス通路内にフインを設けたことを特徴とする特
   許請求の範囲第２項に記載のスキーワツクス溶融
   塗布具。