JPH053261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、燃料ガスと空気との混合ガスを触媒
燃焼せしめることにより、ステイツク状の熱溶融
性樹脂接着剤を溶融して吐出するガンタイプの接
着剤吐出器、更に詳しくは、溶融パイプの温度を
感知して燃料ガス供給量を自動調整する為の装置
に関する。

［従来の技術］ 従来、この種接着剤吐出器は、溶融パイプに挿
入されたステイツク状の接着剤を電熱ヒーターに
よつて加熱溶融させ、これを先端のノズルより吐
出せしめることによつて接着作業に供していた
が、接着剤の溶融に電源を使用する為、例えば梱
包用の接着に際し、倉庫内で使用する場合等にお
いては電源部の設置箇所が限定されている為、電
源部より遠く離れた場所、又屋外等電源部のない
場所では使用できない等の問題点がある。

そこで、上記問題点を解消しようとしたものと
して、電気のかわりに、火災発生のない無炎状態
で燃料ガスを触媒燃焼せしめることにより接着剤
を溶融して吐出するガンタイプの接着剤吐出器は
本願人の提案に係り、先願となつている。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、燃料ガスと空気との混合ガスを触媒
燃焼させ、その燃焼熱を利用して熱源に提供する
と同時に、熱源の温度は燃料ガスの供給量によつ
て決定される為、その熱源温度及び供給量の安定
化を図り得るようにした接着剤吐出器を提供しよ
うとするのが、その目的である。

［問題点を解決する為の手段］ 即ち本考案は、燃料ガスと空気との混合ガスを
触媒燃焼せしめることによりステイツク状の熱溶
融性樹脂接着剤を溶融し、この溶融接着剤を吐出
させるガンタイプの接着剤吐出器において、本体
に内装したガスタンクに支持体を介在して形成し
た弁筐内に、ガスノズルをガス管と導通せしめて
開閉操作可能に内装してなる弁体が、弁筐底部に
介在したガス流量調整部材とガスタンクに上下動
調整可能に配設したガス調整体との間にて上下動
調整可能なるよう配設したガス流量調整装置を形
成する一方、上記支持体とガス量調整体間にバイ
メタルを溶融パイプの温度の変化を感温管を介し
て感知可能に配設し、該バイメタルに上記弁体を
支持せしめて構成し、上記問題点を解決したので
ある。

［作用］ 本考案は上記構成により、スイツチによる開弁
操作によつて、ガスノズルからガス管を通して混
合管に噴出する燃料ガスと空気とが混合し、この
混合気化ガスを噴出管より酸化用触媒に対して拡
散接触状に噴出させ、着火ヒーターの所期着火に
基づいて触媒燃料が開始され、この触媒燃焼熱及
び伝導熱によつて溶融パイプ中の接着剤を溶融さ
せてノズルより外部へ溶融接着剤を吐出せしめ、
同時に溶融パイプの温度の変化を感温管を介して
バイメタルが感知し、該バイメタルの熱変形によ
り弁体を動作せしめて燃料ガス流量を自動的に調
整し、接着剤を安定した溶融状体で吐出せしめる
のである。

［実施例］ 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
れば、第２図に示したように、吐出器の外廓をな
す本体１はガン形状の中空体に形成され、該本体
１の下部には、燃料ガスが充填されているガスタ
ンク２を内装させてあると共に、該ガスタンク２
のガス噴出部にはガス流量調整装置３を配設させ
てある。

上記ガス流量調整装置３は第１図に明示したよ
うに、ガスタンク２の開口部に支持体４を気密に
嵌着してあり、該支持体４に凹設した弁筐５に弁
体６を上下動可能に、かつ外装したＯリング７に
より気密に嵌合させてあり、該弁体６の底部と、
吸液芯８をガスタンク２内に垂設してある上記弁
筐６の座部との間にモルト等のガス流量調整部材
９を敷設させてある。

上記弁体６の弁孔６ａ内にはガスノズル１０を
上下動可能に、かつスプリング１１にて下方へ付
勢せしめて、その下端に装着してある閉塞部材１
２により、上記弁孔６ａの下端に連設してある底
部弁孔６ｂを閉塞可能に形成してあると共に、該
ガスノズル１０がスプリング１１の弾撥力に抗し
てスイツチ１３により引き上げられることで、上
記底部弁孔６ｂを開孔可能に形成してある。

ここで、上記弁孔６ａの内壁面と、上記ガスノ
ズル１０との間にはガス通路１４が形成させてあ
り、上述のように底部弁孔６ｂが開孔されること
でガスタンク２内の燃料ガス（液化ガス）は吸液
芯８、ガス流量調整部材９を通して、上記ガス通
路１４からガスノズル１０の弁孔１０ａに供給さ
れ、該ガスノズル１０に接続させてある吸気孔１
５ａ付き突出ノズル１５内に供給されるよう形成
されている。

又、上記ガスタンク２の上部には、ガス量調整
レバー１６ａを付設してあるガス調整体１６を上
下方向へ螺動可能に、かつ上記支持体４を覆つて
螺着させてあり、その頂壁１６ｂの中心に貫通し
た孔１６ｃから上記ガスノズル１０を外側へ突出
させてあると共に、その頂壁１６ｂ裏面と、上記
支持体４の起立する周縁４ａとの間に周辺部を挾
着支持せしめて円盤状のバイメタル１７を水平状
態に架設させてあり、該バイメタル１７の略中央
部に、上記弁体６の上端部を支持させてある。

上記バイメタル１７には、後述する溶融パイプ
の温度の変化を感温管１８を介して伝達されるよ
う形成させてあり、当該バイメタル１７が第１図
中二点破線で示したように下方へ熱変形すること
で弁体６を押し上げ、該弁体６の底面で、上記ガ
ス流量調整部材９を圧縮し、これによりガス流量
を減少するよう形成してある。

又、ガス流量を増大するには、バイメタル１７
の変形量を少なくするようにすればよい。

即ち、ガス量調整レバー１６ａを持つて、ガス
量調整体１６を回動させることにより、上方へ移
動させ、バイメタル１７の保持力を弱め、支持体
４との間に遊びをもたせることで弁体６の下動距
離を減少せしめ、その結果、弁体６の底面とガス
流量調整体９との隙間を大きくすればよい。

又、ガス量を減少するには、上記ガス調整体１
６を上述と反対方向へ回動させることにより可能
となる。

更に、上記本体１の上部には、接着剤溶融部１
９が本体１の前後端開口部２０，２１を貫通する
ように水平に配設され、ステイツク状の熱溶融性
樹脂接着剤２２（以下これを単に接着剤と言う）
を収納する溶融パイプ２３の外周には酸化用触媒
２４を外装させてある。

又、上記溶融パイプ２３の一側には、酸化用触
媒２６を外装させてある多数箇の噴射孔２５ａ…
…を有する噴出管２５が、上記溶融パイプ２３と
平行に配置させてあり、上記酸化用触媒２４は、
溶融パイプ２３と共に、上記噴出管２５をも外装
させてあり、該酸化用触媒２４の外周には、酸化
用触媒２４，２６、噴出管２５、溶融パイプ２３
の保温を目的とした多数箇の孔２７ａ……を有す
る金属保温筒２７を締着させてある。

又、上記溶融パイプ２３の先端には吐出用ノズ
ル２８を接続させてあり、該吐出用ノズル２８に
は、玉弁２９をスプリング３０によつてノズル孔
２８ａを閉じる方向に付勢させて内装させてあ
る。

上記噴出管２５は混合管３１に接続させてあ
り、該混合管３１はガス管３２により前記突出ノ
ズル１５と接続させてある。

又、上記噴出管２５の一側には、酸化用触媒２
６に電熱線３３ａを接触せしめた着火ヒーター３
３が第３図にように配置させてあり、該着火ヒー
ター３３より導出したコード３４の一端を本体１
に内装した電池３５の陽極側に、他端は着火スイ
ツチ３６を介して陰極側に夫々接続させてあり、
着火スイツチ３６をON操作することにより電熱
線３３ａが赤熱するよう形成させてある。

又、本体１には接着剤２２の送り台３７を配設
してあり、該送り台３７は押圧体３８を介して本
体１に枢着したハンドル３９の後端とリンク４０
で連結させてあり、ハンドル３９を、張設したス
プリング４１の張力に抗して引くことによつて押
圧体３８が接着剤２２をクランプして溶融パイプ
２３の方向へ押圧移動するよう形成させてある。

尚、第２図において、４２はゴム、テフロン等
からなる接着剤２２の案内筒、４３は案内筒４２
に外装した金属筒を夫々示し、第３図において４
４は前記着火ヒーター３３の嵌合用ソケツトを示
す。

ここで、前記酸化用触媒２４，２６の材料とし
ては、白金、パラジウム、ロジウム、鉄、ニツケ
ル、クロム等の種類があるが、できるだけ低温で
混合ガスを完全に酸化でき、使用温度領域が広
く、耐久性に優れる等の条件を備えたものが良好
である。

又、酸化用触媒２４，２６自体の構成として
は、触媒材料をロツクウール、シリカ、アルミナ
繊維、ガラス繊維等の無機質担体を紐状に織つた
メツシユの担体で担持したものが良い。

而して、上記構成において、これを用いる時
は、スイツチ１３を押し上げると、ガスノズル１
０が押し上げられることによつて開弁し、ガスタ
ンク２内の燃料ガスは第１図に示すガス流量調整
装置３のの弁孔６ｂ、ガス通路１４、弁孔１０ａ
を経てガスノズル１０から突出ノズル１５内に噴
出し、吸気孔１５ａより吸気される一次空気と混
合され、ガス管３２を経て混合管３１内に噴出
し、その際、混合管３１の図示しない開口部から
吸気される二次空気と混合され噴出管２５へ送ら
れ、そして酸化用触媒２４，２６へ向けて燃料ガ
スは拡散供給される。

この時、スイツチ３６をON操作して着火ヒー
ター３３の電熱線３３ａを赤熱せしめて、触媒燃
焼の開始に必要な温度を得た段階で拡散供給され
た燃料ガスは触媒燃焼を開始し、略170℃〜210℃
の温度範囲で溶融パイプ２３に前もつて挿入させ
てあるステイツク状の接着剤が溶融し始めると、
送り台３７より新たに挿入されたステイツク状の
接着剤２２は引金３９を引くことにより押圧体３
８を連動し、接着剤２２を溶融パイプ２３内へ送
り込み、該溶融パイプ２３内で溶融した接着剤は
吐出ノズル２８から吐出させる。

又、引金３９を離すとスプリング４１の復元力
により押圧体３８はステイツク状の接着剤２２よ
り離れ、送り台３７は後退して元の位置に戻る。

又、燃焼温度及び伝導熱の影響で溶融パイプ２
３の温度が設定温度、例えば170℃〜210℃の範囲
を越えた場合には、感温管１８を介してバイメタ
ル１７に伝導され、該バイメタル１７が熱変形し
て弁体６を押し下げ、ガス流量調整部材９を圧縮
し、その孔を小さく押しつぶすので、ガス流量は
減少する。

従つて、燃焼温度は燃料ガスの流量によつて決
定される為、燃焼温度は設定した範囲まで低下す
る。

又、上述と反対に、燃焼温度が設定値よりも低
い場合には、バイメタル１７の熱変形量が小さく
なるので、弁体６はバイメタル１７によつて引き
上げられ、ガス流量調整部材９は圧縮が解かれる
ことによつて元形に復帰し、その孔は元形に復帰
するのでガス流量は増大し、燃焼温度は設定範囲
まで上昇し、以下これが連続して繰り返し行なわ
れることによつて燃焼温度が安定する。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る接着剤吐出器
は構成したから、酸化用触媒２４，２６内に燃料
ガスを拡散供給し、触媒燃焼を進行せしめること
により溶融パイプ２３内に挿入されたステイツク
状の接着剤２２を溶融し、これを吐出ノズル２８
から吐出するようにした接着剤吐出器において、
ガスタンク２にガス流量調整装置３を設け、上記
溶融パイプ２３の温度、及び伝導熱を感温管１８
で感知してバイメタル１７に伝え、該バイメタル
１７の熱変形量をもつて弁体６を動作せしめ、ガ
ス流量調整部材９を任意に圧縮又は圧縮解除する
ことによつてガス流量の安定化を図り、もつて触
媒燃焼温度を自動的に調整制御せしめることがで
きるので、ステイツク状の接着剤２２の溶融の安
定化と、吐出ノズル２８より吐出されるのに最適
な温度にコントロールすることができ、又、ガス
タンク２に上下動可能に配設したガス調整体１６
の操作によつてバイメタル１７の熱変形量を任意
に調整することによりガス流量を調整して燃焼温
度が例えば、夏期と冬期とでは異なる場合の燃焼
温度設定を容易に行なうことができ、更にガスタ
ンク２の上部にガス流量調整装置３を設けること
によりコンパクト化が図れると共に構造的に簡単
で、かつ部品点数が少ないから安価に制作するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例を示すもので接
着剤吐出器におけるガス流量調整装置の拡大縦断
側面図、第２図は接着剤吐出器全体を示す縦断側
面図、第３図は同実施例における着火ヒーターを
一部断面して示す正面図である。 １……本体、２……ガスタンク、３……ガス流
量調整装置、４……支持体、５……弁筐、６……
弁体、９……ガス流量調整部材、１０……ガスノ
ズル、１６……ガス調整体、１７……バイメタ
ル、１８……感温管、２２……熱溶融性樹脂接着
剤、２３……溶融パイプ、３２……ガス管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料ガスと空気との混合ガスを触媒燃焼せしめ
   ることによりステイツク状の熱溶融性樹脂接着剤
   を溶融し、この溶融接着剤を吐出させるガンタイ
   プの接着剤吐出器において、本体に内装したガス
   タンクに支持体を介在して形成した弁筐内に、ガ
   スノズルをガス管と導通せしめて開閉操作可能に
   内装してなる弁体が、弁筐底部に介在したガス流
   量調整部材とガスタンクに上下動調整可能に配設
   したガス調整体との間にて上下動調整可能なるよ
   う配設したガス流量調整装置を形成する一方、上
   記支持体とガス量調整体間にバイメタルを溶融パ
   イプの温度の変化を感温管を介して感知可能に配
   設し、該バイメタルに上記弁体を支持せしめてな
   ることを特徴とする接着剤吐出器。