JPS6228743Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として内部電極構造の電子部品に
関する。

内部電極構造の電子部品としては、たとえば積
層形磁器コンデンサが最も良く知られているが、
このほか電極の一方または両方を誘電体磁器基板
の内部に埋設した単層容量形の磁器コンデンサ
等、他のタイプのものも最近提案されている。こ
れらの内部電極構造の電子部品は、一般にモノリ
シツクな防湿構造となるので外装なしに使用でき
ること、高信頼性であること、磁器コンデンサに
おいては小型大容量で絶縁性が高く、高い周波数
範囲まで優れた周波数特性を示すものが得られる
こと等々の特長があり、電子計算機、通信機、テ
レビ受像機、ラジオ受信機、電子時計、電卓など
の各種の電子機器に広く利用されつつある。これ
らの内部電極構造の電子部品は、第１図Ａ、Ｂに
例示するように、磁器等より成る基板１の内部
に、内部電極２、３を層状に埋設すると共に、こ
れらの電極２、３を基板１の相反する両端部にそ
れぞれ導出し、両端部にそれぞれ塗布焼付け等し
た端部電極４、５に各別に導通接続した構造とす
るのが一般的であつた。しかし、端部電極４、５
を互に相反する両端部に各別に形成する構造であ
ると、厚膜IC化や回路モジユール用のチツプ部
品として使用する場合は都合が良いけれども、端
部電極４、５にリード線を接続してデイスクリー
ト部品として使用する場合には、たとえば第２図
に示すように、基板１の幅方向の両端から挟むよ
うにしてリード線６、７を端部電極４、５に接続
固定しなければならないため、基板１の安定性が
悪く、しばしばリード線６、７から脱落するもの
があり特別の固定治具を使用しなければならない
等の難点があつた。

本考案は上述する欠点を除去し、リード線に対
する挟み込み作業、接続作業が非常に容易で、支
持安定性が高く、テーピングによる自動ライン化
の可能な電子部品を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本考案に係る電子部
品は、内部電極を埋設した平板状の基板の一側端
部の略中間部に欠落による凹部を設け、前記凹部
の両側の側端部に、前記内部電極を導通する一対
の端部電極を、前記凹部によつて互いに分割して
被着形成したことを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内
容を具体的に説明する。第３図は本考案に係る電
子部品の正面図である。図において、第１図と同
一の参照符号は機能的に同一性ある構成部分を示
している。この実施例では、磁器等よりなる平板
状の基板１の一側端部の略中間部に欠落による凹
部８を設け、この凹部８の両側の側端部に、内部
電極に導通する端部電極４、５を、凹部８によつ
て互いに分割して、塗布焼付けした構造となつて
いる。これらの端部電極４、５は、第６図の平面
断面図に示すように、基板１の内部に埋設した内
部電極２、３に各別に導通接続されており、そし
て凹部８によつて分割されて互に電気的に独立さ
れた構造となつている。凹部８はこの実施例では
円弧状となつているが、角形等の他の形状とする
こともできる。

本考案に係る電子部品は上述のような構造であ
るから、当該電子部品にリード線を接続してデイ
スクリート部品化する場合、第４図に示すように
ごく一般的な形状のリード線クリツプ９を用い、
このリード線クリツプ９の先端部に、当該電子部
品を前記端部電極４、５側から挟み込んで装着
し、かつ半田付けすることにより、リード線クリ
ツプ９に端部電極４、５を簡単かつ確実に半田付
けすることができる。しかも、基板１の厚み方向
の両面からリード線クリツプ９で挟持する構造と
なるから、支持安定性が非常に良好である。ま
た、端部電極４−５間に設けた凹部８は、端部電
極４−５間の電気的絶縁性を確保する部分になる
ことは勿論であるが、同時に当該電子部品の方向
性を検出するための部分ともなるから、前述の効
果と併せて、テーピングによる自動化ラインが可
能となる。

すなわち、当該電子部品には表、裏の方向性は
一般にはないが、上、下の方向性があるから、第
５図に示すように、テーピング部材１０上に予め
テーピングしたリード線クリツプ９に、当該電子
部品を自動的に挟み込んで電子部品連を製造する
場合、電子部品の上、下の方向性を検出する必要
がある。その際の方向検出部分として前記凹部８
を用い、たとえば光検出等の手段によつて凹部８
のある方向を検出し、これにより電子部品の方向
性を自動的に検出し、リード線クリツプ９に対す
る当該電子部品の自動挿入が可能となるのであ
る。

更に、平板状の基板１の一側端部の略中間部に
欠落による凹部８を設け、この凹部８の両側の側
端部に、凹部８によつて互いに分割して、端部電
極４、５を被着形成する構造であるので、同一側
端部にある端部電極４−５間を、凹部８によつて
電気的に確実に絶縁できる。しかも、端部電極
４、５を被着形成するに当つて導電性ペーストを
塗布焼付けした場合、または、端部電極４、５に
リード線を半田付けした場合、凹部８がバリヤと
なつて、凹部８の両側に塗布された導電性ペース
トまたは溶融半田が互いに短絡することがない。
このため、端部電極４−５間の電気絶縁性が高
く、端部電極４、５の被着形成作業及びリード線
半田付け作業の容易な電子部品が得られる。

上述の実施例では、磁器コンデンサを前提にし
て説明したが、端部電極を有する内部電極構造の
電子部品であれば、全て本考案の適用が可能であ
り、それ故本考案は磁器コンデンサに限定されな
い。また、基板１は矩形状である必要はないし、
また磁器で成ることも必須ではない。

以上述べたように、本考案に係る電子部品は、
内部電極を埋設した平板状の基板の一側端部の略
中間部に欠落による凹部を設け、前記凹部の両側
の側端部に、前記内部電極に導通する一対の端部
電極を、前記凹部によつて互いに分割して被着形
成したことを特徴とするから、次のような効果が
得られる。

(a) リード線クリツプ等に対する挟み込み作業が
非常に容易で、しかも支持安定性が高く、テー
ピングによる自動ライン化の可能な電子部品を
提供することができる。

(b) 平板状の基板の一側端部の略中間部に欠落に
よる凹部を設けてあるので、テーピングによる
自動ライン化において、この凹部を方向性検出
部分として利用し、リード線クリツプに自動挿
入することが可能になる。

(c) 凹部の両側の側端部に、凹部によつて互いに
分割して、端部電極を被着形成する構造である
ので、同一側端部にある端部電極間を、凹部に
よつて電気的に確実に絶縁し、電気絶縁の信頼
性の高い電子部品を提供できる。

(d) 端部電極を被着形成するに当つて導電性ペー
ストを塗布焼付けした場合、または、端部電極
にリード線を半田付けした場合、凹部のバリヤ
作用により、凹部の両側に塗布された導電性ペ
ーストまたは溶融半田が互いに短絡することが
ない。このため、端部電極間の電気絶縁性が高
く、端部電極の被着形成作業及びリード線半田
付け作業の容易な電子部品が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来の磁器コンデンサの正面図、第
１図Ｂは第１図ＡのB₁−B₁線上における断面
図、第２図はその欠点を説明する図、第３図は本
考案に係る電子部品の正面図、第４図および第５
図はその使用態様を説明する図、第６図は本考案
に係る電子部品の平面断面図である。 １……基板、２，３……内部電極、４，５……
端部電極、８……凹部、９……リード線クリツ
プ、１０……テーピング部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内部電極を埋設した平板状の基板の一側端部
   の略中間部に欠落による凹部を設け、前記凹部
   の両側の側端部に、前記内部電極に導通する一
   対の端部電極を、前記凹部によつて互いに分割
   して被着形成したことを特徴とする電子部品。 (2) 前記一対の端部電極のそれぞれに対し、前記
   基板を厚み方向の両面から挟む一対のリード線
   を各別に導通接続させたことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の電子部品。