JPS62287050A - 冷間圧延用ロ−ル材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ３、発明の詳細な説明 （産業上の利用分野） 本発明は耐摩耗性および靭性に優れた冷間圧延用ロール
材に関するものである。

（従来の技術） 最近の冷間圧延操業は圧延能率の向上、難加工材の増加
、製品品質の高級化のために、高速化。

連続化、高圧下化、ロールの小径化を指向しており、そ
こで使用されるワークロールは優れた耐摩耗性を有する
ことが要求されている。またこのような苛酷な圧延作業
に対してロール材には靭性も要求される。これまで冷間
圧延用ワークロールの耐摩耗性および靭性を向上させる
技術は、特開昭５６−９３２８号、特開昭５６−５２９
８９号。

特開昭５７−４７８４９号、特開昭５７−１０８２４８
号などにより数多く開示されており、例えば特開昭５７
−４７８４９号において、成分組成Ｃ：　０．７〜１．
６％、　　Ｓｉ　：　０．１５〜１．６％、Ｍｎ：０．
１５〜０．６％、　　Ｃｒ　：　３．５〜１２．０％を
含有し、かつＭｏ　：　０．４〜３％、Ｖ：０．２〜２
％の１種または２種を含有し、選択成分としてＮｉ　　
１％以下よりなる冷間圧延用ワークロール鋼材が提案さ
れている。

（発明が解決しようとする問題点） 前記のように苛酷な圧延作業に用いられる冷間圧延用ロ
ール材は耐摩耗性とともに靭性が要求され、前記特開昭
５７−４．７８４９号に提案されたＭｏを０．４〜３．
０％含有する場合には、Ｍｏを多量に添加するため靭性
が極めて低下するという問題点がある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、従来技術の有する前記未解決の問題点を除去
・改善することのできる冷間圧延用ロール材を提供する
ことを目的とするものであり、特許請求の範囲記載のロ
ール材を提供することによって、前記目的を達成するこ
とができる。すなわち、Ｃ：０．５〜１．５％、　　　
Ｓｉ　：　０．１〜１．５％。

Ｍｎ　　：０．２〜１．６％、　　Ｎｉ　：　０．１〜
１．Ｏ％。

Ｃｒ　：　３．５〜６．０％、　Ｍｏ　：　０．１０〜
０．３５％、Ｖ二０．５〜４．０％、　　Ｐ　：　０．
０２５％以下、　Ｓ　：　０．０２５％以下を含有し、
残部がＦｅおよび不可避的不純物よりなる鋼であり、し
かも■含有量とＣ含有量の重量比Ｖ／Ｃが０．８〜２．
０の範囲内であることを特徴とする耐摩耗性および靭性
に優れた冷間圧延用ロール材に関するものである。

次に本発明の詳細な説明する。

第１図は成分組成Ｃ：　１．０％、　Ｓｉ　：　０．６
５％。

Ｍｎ　：　０．４％、　Ｎｉ　：Ｑ、１５％、Ｃｒ５％
を含有する綱にＭｏ含有量をそれぞれ０．３％、　０．
８８％。

１．３８％添加した綱をそれぞれ球状化焼なまし後、油
焼入れ、焼もどしを施し、Ｍｏ含有量と２０　’ｃにお
けるシャルピー吸収エネルギーｕＥｚｏ　（ｋｇｆ　−
ｍ）との関係を求めた結果を示す図で、Ｍｏ含有量を０
．３５％以上添加することによりシャルピー吸収エネル
ギーｏＥｇ。が急激に低下することがわかる。

第２図は成分組成Ｓ　＋　　：　０．６５％、　Ｍｎ　
：　０．４０％。

Ｐ　：　０．０１２％、　　Ｓ　：　０．００６％、　
Ｎｉ　０．１５％、　　Ｃｒ：５．０％、　Ｍｏ　：　
０．３０％を含有する鋼にＣ，Ｖ含有量をそれぞれＣ：
　０．９〜１．５　％、　Ｖ　：　０．０８〜２．０％
の範囲内添加した鋼を球状化焼なまし後、油焼入れ、焼
もどしを施し、２円筒式摩耗試験機で摩耗試験を行い、
■含有量とＣ含有量との比Ｖ／Ｃの値と摩耗速度（ｌＩ
１ｇ／１０５回転）との関係を求めた図で、Ｖ／Ｃの値
を０．８以上とくに１．０以上にすると優れた耐摩耗性
を示すことがわかる。

上記の結果から耐摩耗性向上元素として硬質炭化物形成
元素Ｖを用い、■含有量とＣ含有量との比Ｖ／Ｃを０．
８以上とすることにより耐摩耗性を向上させ、靭性の劣
化を抑えるためにＭｏ含有量を０．３５％以下とするこ
とにより、耐摩耗性および靭性にすぐれた冷間圧延用ロ
ール材を提供できることを想到し本発明を完成した。

次に本発明に用いられるロール材の成分組成を限定する
理由を説明する。

Ｃ：本成分系ではＣは一部またはすべて基地中に固溶し
焼入性を向上させる元素であり、Ｃｒ。

Ｍ０．Ｖ、Ｗと炭化物を形成し、析出硬化による硬さの
上昇により耐摩耗性を向上する。しかし、０．５％以下
ではそれらの効果は少なく、また１、５％を超えると残
留オーステナイトが増加することにより硬さ低下により
耐摩耗性を低下させるのでＣは０．５〜１．５％の範囲
にする必要がある。

Ｓｉ：Ｓｉは耐事故性を向上し、その効果は０．１〜１
．５％の範囲で著しい。０．１％未満では耐事故性向上
に対して不十分であり１．５％を超えると脆化を助長す
るためＳｉは０．１〜１．５％の範囲にする必要がある
。

Ｍｎ　：　Ｍｎは焼入性向上元素であり、０．２％以上
でその効果が大きくなるが、１．６％を越えると脆化を
招くのでＭｎは０，２〜１．６％の範囲にする必要があ
る。

Ｃｒ　：　ＣｒはＣｒ炭化物を形成し、基地中に分散し
耐摩耗性を向上し、一部は固溶して焼入性を向上させる
が３．５％未満ではそれらの効果は少ない。６．０％を
越えるとＣｒ炭化物量の増加をもたらし、基地中に固溶
するＣ量を減少させるため焼入性を阻害するのでＣｒは
３．５〜６．０％の範囲にする必要がある。

Ｍｏ　：　Ｍｏは焼入性を増加させる元素であり、ロー
ル用鋼としては必須の元素である。しかし、０．１％以
下ではその効果は少なく下限を０．１％とした。また硬
いＭｏ炭化物を形成して耐摩耗性を向上させるが、多量
の添加は靭性を急激に低下させるので上限を０．３５％
とした。Ｍｏは０．１０〜０．３５％の範囲にする必要
がある。

■：■はＭｏと同様焼入性を上昇させる元素であるとと
もにＣと結合して硬いＭＣ炭化物を形成し、基地中へ分
散析出し耐摩耗性を向上する。■含有量とＣ含有量の比
Ｖ／Ｃが０．８以下では耐摩耗性の向上が期待できない
。また２、０以上にすると加工性が劣化し、製造コスト
が増加するためＶ／Ｃは０．８〜２．０の範囲にする必
要があり、従ってＶ／Ｃ比と前記Ｃ量との関係からＶは
０，５〜４．０％の範囲にする必要がある。

Ｐ：Ｐは脆化を助長する有害元素であり、Ｐは０．０２
５％以下にする必要がある。

Ｓ：Ｓは介在物量を増加させる元素であり、靭性が低下
するので圧延用ロールでは疲労・耐事故性の向上のため
に介在物を減少させる必要がある。

そのためＳは０．０２５％以下にする必要がある。

Ｎｉ：Ｎｉは高炭素鋼において、焼入性に有効な基地中
の固溶Ｃを減少させず、焼入性に極めて有効であるから
０．１％以上の添加を必要とする。

しかし１．０％以上添加すると残留オーステナイト量を
増加させ、硬さを低下させるのでＮｉ　は０．１〜１．
０％の範囲にする必要がある。

次に本発明を実施例について説明する。

（実施例） 電気炉により溶製した鋼をＬＲＦで精練し鋼塊を作製し
た。この鋼塊を鍛造後、焼ならし２球状化焼なましを施
した。次に画質処理として油冷による焼入処理後、焼も
どしを施した。さらに低周波炉により表面焼入れを施し
、液体窒素中でサブゼロ処理後焼もどしすることにより
表面硬さＨｖ８００を有する冷間圧延用ワークロールを
製造した。

表は発明鋼および比較鋼の成分組成２表面硬さく　Ｈｖ
）　、摩耗速度（ｍｇ／　１０’回転）および２０°Ｃ
におけるシャルピー吸収エネルギーＵＥ２０　（ｋｇｆ
−ｍ）を示す表である。

摩耗試験は２円筒式、摩耗試験で行った。表より本発明
鋼は比較鋼に比べ摩耗速度が低く、耐摩耗性ならびに２
０℃におけるシャルピー吸収エネルギーｕＥｚｏ　（ｋ
ｇｆ　ｍ）も良好であることがわかる。

本発明鋼により耐摩耗性および靭性にすぐれた冷間圧延
用ロール材を提供することができる。

（発明の効果） 本発明の冷間圧延用ロール材は、■含有量とＣ含有量の
比Ｖ／Ｃが０．８〜２．０の範囲となっているので耐摩
耗性が高く、またＭｏ含有量は０．１０〜０．３５％の
範囲であるので、高靭性があり、本発明のロール材を用
いるとロール原単位が向上するだけでなく圧延能率も向
上し、その効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はＭｏ含有量と２０℃におけるシャルピー吸収エ
ネルギーｕＥｚ。（ｋｇｆ−ｍ）との関係を示す図、 第２図は■含有量とＣ含有量との比Ｖ／Ｃと、摩耗速度
（ｆｆ１ｇ／１０’回転）との関係を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、Ｃ：０．５〜１．５％、Ｓｉ：０．１〜１．５％、
   Ｍｎ：０．２〜１．６％、Ｎｉ：０．１〜１．０％、Ｃ
   ｒ：３．５〜６．０％、Ｍｏ：０．１０〜０．３５％、
   Ｖ：０．５〜４．０％、Ｐ：０．０２５％以下、Ｓ：０
   ．０２５％以下を含有し、残部がＦｅおよび不可避的不
   純物よりなる鋼であり、しかもＶ含有量とＣ含有量の重
   量比Ｖ／Ｃが０．８〜２．０の範囲内であることを特徴
   とする耐摩耗性および靭性に優れた冷間圧延用ロール材
   。