JPS6228704Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は点火ケーブル付きデイストリビユータ
キヤツプに関するものである。

例えば第１図に示す様に、従来内燃機関点火用
デイストリビユータに於いて、一般に、デイスト
リビユータキヤツプ１に別にはなれている点火ケ
ーブル５′の端末６′を接続して使用する。なお第
１図中２はアルミ金具、７は端子、８はゴムキヤ
ツプである。

しかし乍ら上記構成によるものは、 ○イ 部品点数が多く。結合部分が多い。従つてそ
れだけ信頼性を確保することがむつかしい。

○イ 誰もが脱着可能であり、不完全な装着による
事故が発生する。

そこでそのような欠点を除去するため点火ケー
ブルとデイストリビユータキヤツプとを一体化す
ることが実開昭55−97175号により知られてい
る。

このものは点火ケーブルの先端に端子を結合
し、この結合部分にポリプロピレン等で作られた
連結体を装着し、この連結体をポリプロピレン等
で作られたデイストリビユータキヤツプに固着す
るものである。

しかし乍ら上記は連結体とデイストリビユータ
キヤツプとの固着が必ずしも充分でない。

そこで本考案者は次のことを案出し試みた。即
ち第２図に示す様に、点火ケーブル５′とデイス
トリビユータキヤツプ１とを一体化するに際し、
端末金具３を点火ケーブル５′の端末に取り付
け、先端部分を残して端末金具３上及びケーブル
５′端末部分に予め、前記ポリプロピレン等の連
結体に代え、溶融接着剤樹脂（熱をかけると接着
効果を有する樹脂）１０′の成型層を施して置き
（図ａ，ｂ参照）、次に上記溶融接着剤樹脂成型層
１０′を施したケーブル５′を持つて来てその端末
に上記成型層１０′上にデイストリビユータキヤ
ツプ１をモールド成型し点火ケーブル５′とデイ
ストリビユータキヤツプ１とを一体化するもので
ある（図ｃ参照）。なお１１は位置決め用突部で
ある。

上記に於いては点火ケーブル５′のシース材と
デイストリビユータキヤツプ１との材質の相違に
より直接点火ケーブル５′上にデイストリビユー
タキヤツプをモールド成型しても双方が密着しな
いので双方に密着する溶融接着剤樹脂を介して点
火ケーブル５′とデイストリビユータキヤツプ１
を一体化させている。

しかしながら第２図に示すものでは一般的に使
用されているエチレンプロピレンジエンミツクス
チヤー（以下EPDM）をシース材とする点火ケー
ブルであれば溶融接着剤樹脂層１０′との密着は
良好であるが、耐熱性の優れたシリコーン（硅素
樹脂）をシース材とする点火ケーブルとの密着は
不十分な点があつた。

本考案は上記問題点に鑑みなされたものであ
り、その目的はシリコーンをシース材とする点火
ケーブルもデイストリビユータと一体化すること
の出来る点火ケーブル付デイストリビユータキヤ
ツプを提供せんとするものである。

以下例示の第３図に就いて本考案を説明すると
５はシリコーンをシース材とする点火ケーブルで
あり、端末にアルミ金属よりなる端子金具３が接
続されている。４はEPDMチユーブであり、端子
金具３近傍の点火ケーブル上にシリコーン系接着
剤９を介して被せられている。１０はEPDMチユ
ーブ４上にモールド成形される溶融接着樹脂層で
あり、溶融接着剤樹脂層１０上にはポリプロピレ
ン、エポキシ等よりなるデイストリビユータキヤ
ツプ１がモールド成形される。

前記溶融接着剤樹脂は熱をかけると接着効果を
有する樹脂であり、変性ポリプロピレン、変性ポ
リエチピレンを主成分とするもので例えば住友化
学工業(株)製Bondfast（商標）Ｇが使用される。

したがつて溶融接着剤樹脂層１０およびデイス
トリビユータキヤツプ１の成形時の熱と圧力によ
つて、EPDMチユーブと溶融接着剤樹脂層１０お
よび溶融接着剤樹脂層１０とデイストリビユータ
キヤツプ１とは密着しさらにシリコーンをシース
材とする点火ケーブル５とEPDMチユーブ４はシ
リコーン系接着剤により密着するので点火ケーブ
ル５とデイストリビユータキヤツプ１とが一体化
される。

なお、溶融接着剤樹脂は加熱されない限り接着
しないかたいものであるので溶融接着剤樹脂層１
０成形後においても取扱い容易で次の作業である
デイストリビユータキヤツプ１のモールド成形に
おいても全然支障を来すことはない。

以上の如く本考案に於いては、点火ケーブルは
シリコーンをシース材とするものであるが、
EPDMチユーブ４の層と熱をかけると接着効果を
有する樹脂たる溶融接着剤樹脂層１０との二層を
特に用いるから、前記の如くシリコーンをシース
材とする点火ケーブル５とデイストリビユータキ
ヤツプ１とをシリコーン系接着剤９、EPDMチユ
ーブ４、溶融接着剤樹脂層１０を介して一体化さ
せることが出来、全体として耐熱性の優れた点火
ケーブル付きデイストリビユータキヤツプを提供
することが出来る。

また前記説明において点火ケーブル５にモール
ド成形された溶融接着剤樹脂層１０上にデイスト
リビユータキヤツプ１をモールド成形して点火ケ
ーブル５とデイストリビユータキヤツプとを一体
化したが一体化手段は前記に限らず第４図に示す
如く、あらかじめ成形されたデイストリビユータ
キヤツプ１の取付空所１６に前記の溶融接着剤樹
脂層１０を入れ、溶融接着剤樹脂層と取付空所と
の隙間に更にホツトメルト装置１５により溶融さ
せられた溶融接着剤樹脂１４を注入口１７より流
しこむことにより（図ａ参照）、点火ケーブル５
とデイストリビユータキヤツプ１とを一体化する
手段もある（図ｂ参照）。尚第４図中、第３図と
同一符号は同一構成を示している。

【図面の簡単な説明】

点火ケーブル、デイストリビユータキヤツプを
例示する図に於いて第１図は従来例を説明する縦
断面図である。第２図は先行技術を説明する断面
図で、図ａは点火ケーブル端末部、図ｂは図ａの
底面図、図ｃは点火ケーブル端末部とデイストリ
ビユータキヤツプを一体化した縦断面図である、
第３図は本考案を説明する縦断面図である、第４
図は本考案の他の一体化手段を説明する図で、図
ａは点火ケーブル端末部とデイストリビユータキ
ヤツプ一体化前の斜視図、図ｂは図ａのものを一
体化した後の斜視図である。 １……デイストリビユータキヤツプ、３……端
子金具、４……チユーブ、５……シリコーンをシ
ース材とする点火ケーブル、９……シリコーン系
接着剤、１０……溶融接着剤樹脂層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 点火ケーブルはシリコーンをシース材とする
   ものであつて、その端末に接続される端子金具
   近傍の点火ケーブル上にシリコーン系接着剤を
   介して被せられるエチレンプロピレンジエンミ
   ツクスチヤーからなるチユーブと該チユーブ上
   に成形される溶融接着剤樹脂層とを介して、点
   火ケーブルとデイストリビユータキヤツプとが
   一体化されてなることを特徴とする点火ケーブ
   ル付きデイストリビユータキヤツプ。 (2) 溶融接着剤樹脂層が変性ポリプロピレン又は
   変性ポリエチレンの群から選ばれる少なくとも
   １つを含むものである実用新案登録請求の範囲
   第(1)項記載の点火ケーブル付きデイストリビユ
   ータキヤツプ。