JPS6228431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は前処理装置の化成処理帯の改善をはか
つた積層金属板の製造装置に関する。 近年軽量性、断熱性および防振性などの見地か
ら金属板を合成樹脂により積層した積層金属板の
使用が注目されている。従来この積層金属板の製
造は大別して金属板に脱脂、水洗、バフ研摩、化
成処理などの前処理を施した後接着剤などの合成
樹脂を塗布し、その後この樹脂を加熱溶融させて
金属板を合せて圧着積層する方法か、あるいは前
処理を施した後加熱して、その加熱した金属板上
に溶融もしくは未溶融のフイルム状樹脂を供給
し、その後金属板を合せて圧着積層する方法によ
り行われている。このため積層金属板の製造装置
としては一般に前処理装置、樹脂または金属板の
加熱装置、樹脂供給装置、および圧着用のラミネ
ート装置を備えており、必要に応じてその他接着
力を向上させるための再加熱装置およびこれに伴
う再ラミネート装置、あるいは形状修正装置など
が配置されている。 従来このような装置における前処理装置は処理
液を循環スプレーするスプレー方式や処理液中に
浸漬するデツプ方式を採用しており、このため金
属板の両面が同時に処理され、製品としては両側
に化成処理皮膜の形成されたものが製造されてい
た。しかしながらこの化成処理皮膜は加工の際汚
染されたり、部分的に除去されたりするため、加
工品を塗装する場合の化成処理皮膜として利用で
きない。このため加工品を塗装する場合新たに化
成処理を行う必要があつたが、素材化成処理皮膜
が残存していると新たに化成処理を行つても均一
な皮膜が得られないという問題があつた。 また、需要家によつては独自の化成処理−塗装
体系で加工品の塗装を行つている場合があり、素
材化成処理膜が残存している場合には除去せねば
ならないため、労力を要するという問題があつ
た。 これらのことから素材積層金属板としては化成
処理皮膜がなく、オイリングにより防錆をはかつ
たものが要望されていた。 このようなオイリング処理製品は化成処理帯が
デツプ方式である場合製造不可能であるが、スプ
レー方式である場合樹脂と接着する面側のみスプ
レーし、製品の外側となる面側のスプレーを中止
すれば製造可能のように考えられる。しかしこの
ような片面スプレーの場合化成処理液が反対側の
面に流れてくるため、反対側の面にも化成処理皮
膜が部分的に形成されてしまい、目的の製品を得
ることができない。 本考案はかかる問題解決のため、両側に化成処
理皮膜のない積層金属板の製造装置を提供するも
のである。 本考案は前処理装置の化成処理帯の構造を金属
板に対する化成処理液の供給を金属板の片面皮膜
形成にほぼ必要な量に制限し、これを積層の際樹
脂と接する側に接触塗布する構造にし、化成処理
皮膜が両側にない積層金属板の製造を可能にした
ものである。このような化成処理帯の構造として
はロールコーター方式の塗布ロールを金属板の片
側に配置し、パン中に入れられた化成処理液を金
属板の片面に塗布する構造のもの、あるいは多孔
質の中空ロールを前記同様に配置し、ロール中空
部に化成処理液を供給して塗布する構造のもの、
さらには中空ロールのスリツト部に多孔質部材も
しくは刷毛状部材を差込み、これらの部材より化
成処理液を浸出させる構造のものなどが考えられ
る。 添付図面はこれらの構造のうちロールコーター
方式のものを組込んだ積層金属板製造装置を示す
もので、第１図において２枚の帯状金属板１およ
び１ａはそれぞれ別個のペイオフリール２および
２ａより送り出すようにされている。これらのペ
イオフリール２，２ａの次には前処理装置３およ
び３ａが配置され、送り出された帯状金属板１，
１ａはここで金属板の種類に応じて種々の組合せ
の前処理が行われる。 第２図はこの前処理装置の１例を示したもの
で、各帯は次のようになつている。

【表】 第１帯４の表面粗化処理および第２帯５の水洗
処理は帯状金属板１，１ａがアルミニウム板、ス
テンレス鋼板の如く表面が圧延仕上のもので、表
面粗度がほとんどないものの場合、あるいは冷延
鋼板やめつき鋼板の如くある程度表面粗度を有す
るが不足である場合に使用される。 第３帯６のクロメート処理は帯状金属板１，１
ａが冷延鋼板、アルミニウム板あるいはアルミニ
ウムめつき鋼板など化成処理がクロメート処理が
適用できるものの場合使用する。第４帯７以降は
亜鉛めつき鋼板や冷延鋼板などリン酸塩処理が適
用できるものの場合使用する。 この前処理装置３，３ａにおいては化成処理帯
である第３帯６、第４帯７および第６帯９はロー
ルコート方式になつている。すなわちこれらの処
理帯には化成処理液を入れるパン１０と、このパ
ン１０より化成処理液を吸上げるピツクアツプロ
ール１１と、このピツクアツプロール１１により
転写された化成処理液を帯状金属板１，１ａに塗
布するアプリケーターロール１２が帯状金属板
１，１ａの通過位置上側に配置され、その上側面
にのみ塗布するようになつている。 前処理装置３，３ａの次には加熱装置１３，１
３ａが配置され、さらにその次にはラミネートロ
ール１４が配置されている。このラミネートロー
ル１４により２枚の帯状金属板１，１ａは圧着さ
れるが、この圧着に際しては金属板間に樹脂押出
し機１５よりフイルム状溶融樹脂１６を供給でき
るようにされている。この樹脂押出し機１５の代
りに樹脂フイルム供給装置を配置し、樹脂フイル
ムを供給するようにしてもよい。 ラミネートロール１４の次には順次再加熱装置
１７、再ラミネートロール１８、冷却装置１９、
レベラー２０およびテンシヨンリール２１が配置
されている。再加熱装置１７および再ラミネート
ロール１８は樹脂を再溶融、再圧着することによ
り接着強度を高めるものである。 この実施例においては帯状金属板１，１ａの上
側面から化成処理液が塗布されるようになつてい
るが、パスライン中に第３図に示す如くループを
設け、下側面から塗布するようにすることも可能
である。 以上ロールコーター方式のものを示したが、他
の方式の場合も同様にできる。 このように本考案の装置は化成処理液を金属板
の片側の樹脂接着面に必要な量だけしか塗布しな
いので、反対側面には化成処理液が流れず、従つ
て積層金属板としては両側に化成処理皮膜のない
ものが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の全体断面図、第２
図は前処理装置の拡大断面図、第３図は他の実施
例の部分断面図である。 １，１ａ……帯状金属板、３，３ａ……前処理
装置、６……第３帯（クロメート処理）、７……
第４帯（リン酸塩処理）、９……第６帯（シール
用クロメート処理）、１０……パン、１１……ピ
ツクアツプロール、１２……アプリケーターロー
ル、１３，１３ａ……加熱装置、１４……ラミネ
ートロール、１５……樹脂押出し機。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 金属板の前処理装置と、加熱装置と、樹脂供
   給装置と、ラミネート装置とを備え、金属板を
   化成処理した後樹脂供給の前または後に加熱
   し、その後供給した樹脂を介してラミネート装
   置により金属板を圧着積層する積層金属板の製
   造装置において、前記前処理装置の化成処理帯
   を金属板の片面にのみ接触塗布する構造にした
   ことを特徴とする積層金属板の製造装置。 (2) 化成処理帯の金属板通過位置の一方の側に塗
   布ロールを配置したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の積層金属板の製造
   装置。