JPS622757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気二重層コンデンサに関し、とくに
自立型積層電気二重層コンデンサの電極リード構
造の改良に関する。

従来の自立型積層電気二重層コンデンサはたと
えば第１図の断面図に示すように側壁に位置する
ガスケツト１が電気絶縁性弾性体、上蓋電極２お
よび底板電極３が導電性弾性体で作られた容器内
にイオン透過性で、かつ非電子伝導性の多孔性セ
パレータ４を介して分離された一対のカーボン・
ペースト電極５を充填した電気二重層コンデンサ
素子（以下コンデンサ素子と略称）６を１個もし
くは複数個積層してケース内に収納した断面図の
第２図の自立型電気二重層コンデンサにおいて、
金属板に垂直に立てた第１の電極端子１１を有す
る第１の電極板１２と、コンデンサ素子６の積層
体の最下部とが導体ケース２１により電気的に接
続され、第２の電極端子３１を有する第２の電極
板３２とコンデンサ素子６の積層体の最上部とが
電気的に接続され、第１の電極板１２および導体
ケース２１と、第２の電極板３２およびコンデン
サ素子６の積層体の外周とがそれぞれ絶縁ケース
２２で絶縁分離され、かつ第１の電極端子１１と
第２の電極端子３１は相対向する位置にある。

上述した従来構造の電気二重層コンデンサで
は、第１の電極端子１１と第２の電極端子３１が
相対向して隣接配置されるため、電極端子１１，
３１およびケース２１のめつき材として錫めつき
を採用する場合、錫めつきの表面から針状結晶
（ひげ結晶（whisker）とも呼ばれる。以下ホイ
スカーと略称する。）が経時的に成長し、発生
し、最悪の場合第２の電極端子３１と第１の電極
端子３１およびケース２１がホイスカーにより導
電短絡するという欠点を有していた。

すなわち、従来構造では外装ケース、電極端子
部品などに安価な錫めつき部品を使用して工業的
に安価で信頼性のある自立型電気二重層コンデン
サを生産し供給することができず電子機品への経
済的応用が難しい欠点があつた。

なお、錫より針状結晶が成長することは一般に
よく知られている。

また、錫めつきは電極端子および導体ケースの
表面のめつき仕上げ材料として、(イ)めつきの表面
仕上りが均一になり易い(ロ)材料が安価である。(ハ)
工業的に量産向きであるとされている。

本考案の目的は、かかる従来の欠点を克服し、
新規で安価な電気二重層コンデンサを提供するこ
とにある。

本考案によれば少くとも一個の電気二重層コン
デンサ素子をケース内に収納して同一方向から電
極端子を引出した自立型電気二重層コンデンサに
おいて、第１の電極端子を有する錫めつきされた
第１の電極板と前記ケース内のコンデンサ素子最
下部とを錫めつきされた導電ケースにより電気的
に接続し、第２の電極端子を有する錫めつきされ
た第２の電極板と前記コンデンサ素子の最上部と
を電気的に接続し、前記第１の電極板および前記
導体ケースに対して、前記第２の電極板および前
記コンデンサ素子の外周とを各々絶縁隔離させ、
かつ前記第１の電極端子と前記第２の電極端子と
を位置決めする絶縁ケースを設け、第２の電極端
子の周囲を外装ケースと同一高さまで絶縁物で被
覆したことを特徴とする電気二重層コンデンサが
得られる。

以下、本考案の実施例を第３図および第４図を
参照して説明する。

第３図は本考案の一実施例を説明する断面図で
ある。第１の電極端子１１を有する鉄素材の上に
銅下地の錫めつきをした第１の電極板１２とブリ
キを素材とするケース２１内のコンデンサ素子６
の最下部とをケース２１により電気的に接続し、
また第２の電極端子３１を有する鉄素材の上に銅
下地の錫めつきした第２の電極板３２とコンデン
サ素子６の最上部とを電気的に接続し、第１の電
極板１２および導電性ケース２１に対して、第２
の電極板３２およびコンデンサ素子６の外周６の
外周を各各絶縁分離させ、かつ各電極端子を位置
決めするポリアセタールの絶縁ケース２２を用
い、さらにホイスカーの防止対策として、絶縁ケ
ースに関しては、第２の電極端子３１と第１の電
極端子１１の位置決めをする以外に、成長してく
るホイスカーを防止するために第２の電極端子３
１を付け根から、外装ケースと同一高さまで絶縁
ケース２２の突起４１で被覆する。

錫めつきされた第２の電極端子を絶縁性の突起
４１で被覆することにより、錫めつきされたケー
ス２１および錫めつきされた第１の電極端子より
成長してくるホイスカーを突起４１で遮断できる
ため両電極端子１１，３１間のホイスカーによる
短絡を防止することができる。第３図で示すよう
に第１の電極端子１１と第２電極端子３１間は、
ケース２１の内部においても完全にホイスカーに
よる短絡防止をはかる構造配置してある。

次に第３図の本考案実施例の製品を実際にプリ
ント板に実装した状態を第４図に示す。

電気二重層コンデンサは、導電性のケース２１
の外側面に熱収縮性のビニールチユーブ４２をか
ぶせプリント板５１表面との短絡防止をはかつて
いる。また両電極端子１１，３１はプリント板５
１の孔に挿入し半田５２で半田付けしてあり、両
電極端子１１，３１間は被覆され完全にホイスカ
ーによる短絡防止ができる。

以上本考案構造を採用した電気二重層コンデン
サは、工業的に量産効果のすぐれた錫めつき部品
を使いしかも経時的な信頼性の確保に関しても充
分考慮されているため工業的に量産できる製品と
して電子機器に広く利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に利用した電気二重層コンデ
ンサ素子の概略断面図。第２図は従来の構造の電
気二重層コンデンサの断面図。第３図は本考案の
電気二重層コンデンサの一実施例断面図。第４図
は本考案の電気二重層コンデンサ実装状態の断面
図。 １……ガスケツト、２……上蓋電極、３……底
板電極、４……多孔性セパレータ、５……カーボ
ンペースト電極、６……コンデンサ素子、１１…
…第１の電極端子、１２……第１の電極板、２１
……ケース、２２……絶縁ケース、３１……第２
の電極端子、３２……第２の電極板、４１……突
起、４２……ビニールチユーブ、５１……プリン
ト板、５２……半田。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少くとも一個の電気二重層コンデンサ素子をケ
   ース内に収納して同一方向から電極端子を引出し
   た自立型電気二重層コンデンサにおいて、第１の
   電極端子を有する錫めつきされた第１の電極板と
   前記ケース内のコンデンサ素子最下部とを錫めつ
   きされた導電ケースにより電気的に接続し、第２
   の電極端子を有する錫めつきされた第２の電極板
   と前記コンデンサ素子の最上部とを電気的に接続
   し、前記第１の電極板および前記導体ケースに対
   して、前記第２の電極板および前記コンデンサ素
   子の外周とを各々絶縁隔離させ、かつ前記第１の
   電極端子と前記第２の電極端子とを位置決めをす
   る絶縁ケースを設け、第２の電極端子の周囲を外
   装ケースと同一高さまで絶縁物で被覆したことを
   特徴とする電気二重層コンデンサ。