JPS6226986B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、宝石などの装身具を収容する容器
あるいは化粧具であるコンパクトなどに用いて好
適の装飾容器に関するものであつて、閉塞時は外
面に蝶番などが現われない一体のブロツク状であ
つて、また開放時はバネにより常時、蓋部分が上
方に大きく開いて保持されるようにしたものであ
る。つまり、装飾容器は元来、容器自体が１つの
装飾品であるため体裁上、外面に蝶番などが現わ
れないことが望ましく、また、内容物が見えるよ
うに開放状態で保管あるいは陳列する目的から、
蓋部分はバネにより常に大きく開かれることが必
要である。しかし、この構造とするには製造組立
に大きな手数を要する不利があつた。

これに対し、この発明は製造組立が極めて容易
であり、量産に適するように構成したものであつ
て、この発明の実施例を図面について説明する
と、１は蓋部分であつて、一体の硬質樹脂で作ら
れ、第１図、第３図、第４図に明らかなように前
壁（図の左方）には下端鈎状とした係止片２、後
壁には、軸着片３がそれぞれ垂下連成されてい
る。この軸着片３は、下面開口する空洞部４を有
する中空状に作られ、この空洞部４を囲む左右壁
下端に軸通し孔５，５が開設され、この空洞部４
にバネ６をその一方の略逆Ｕ字状の突出部を収容
し、他方の２本の脚状突出端を下方に垂下させる
とともに、軸通し孔５，５とバネ６にわたつて軸
杆７を挿入し、その両端が軸着片３の左右に等長
に現われるように取付けてある。（第３図参照） 次に、８は容器部分であつて同じく一体の硬質
合成樹脂で作られ、第２図、第３図、第４図に明
らかなように前壁には前記蓋部分の係止片２に適
合する鈎状の切欠段部９、後壁には蓋部分の軸着
片３ならびに後述する軸押え片１３，１３を各収
容すべき切込凹部１０が設けられ、この切込凹部
１０は、切欠部１１を介して後方に開口するとと
もに、左右両端部分をさらに穿掘して軸押え片嵌
合穴１２，１２が形成されている。軸押え片嵌合
穴１２，１２に嵌合固定すべき軸押え片１３，１
３は第２図、第３図に示すように正面逆Ｌ状の小
片である。この軸押え片１３は、逆Ｌ状に限らず
第５図に符号１３′に示すように正面コ状に形成
し軸杆７を上下から保持するものであつてもよ
い。

さて、上記蓋部分１と容器部分８との接続は、
前記蓋部分１の軸着片３に挿通した軸杆７の両端
部分にそれぞれ軸押え片１３，１３をかぶせると
ともに、この軸押え片１３，１３の下端を容器部
分８の軸押え片嵌合穴１２，１２上に位置させ、
次いで容器部分８に対し、蓋部分１を圧下して、
軸押え片１３，１３の下端を軸押え片嵌合穴１
２，１２に圧入して一体に固定することにより即
座に行われる。すなわち、軸押え片１３，１３は
上面を蓋部分１の後壁下面に接して圧下され、下
端を軸押え片嵌合穴１２，１２内に自然に圧入さ
れるのであつて、圧入後は合成樹脂の弾力により
抜け出すおそれはないが、より確実に個着させる
為には、アンダーカツト、接着、超音波溶着、高
周波溶着等の個着手段をとつても良い。尚、軸通
し孔５は円でなく楕円状であつてもよい。

この発明は、以上のように構成され、蓋部分
１、容器部分８とも、周面には蝶番、係合爪片等
の部材が全くなく、蓋部分１を閉めたのちは全体
は１つの塊状体のように見え、体裁がよいもので
あるが、この発明においては、前記したように特
に、蓋部分１と容器部分８とが軸押え片１３，１
３を介して接続され、この軸押え片１３，１３と
容器部分８とは単なる圧入で形成されているた
め、バネ付き蝶番構造でありながら組立が一挙動
で行うことができ製造手間を大巾に減少させるこ
とができる。すなわち、通常のものでは、上下軸
受にわたつてバネを抑圧状態に維持しながら軸杆
を挿入し、かつ軸杆の抜け止めを必要とするため
極めて手数を要するものであるが、この発明の構
成によれば軸押え片１３，１３の圧入と共にバネ
６の他方の突出端も軸押え片嵌合穴１２，１２の
底面に押しつけられて圧縮状態に保持される。ま
た、第４図に明らかなように蓋部分１と容器部分
８との係合を解くためには蓋部分１をわずかに前
方（図の左方）に摺動させる必要があるが、この
場合でも軸杆７は軸押え片１３，１３内を若干前
後動できるから好都合である。又、バネを使用し
ているのでピンのみで回動する蝶番の如く減衰せ
ず、更に当該蝶番機構は軸杆の動きに余裕がある
ので、フツク部の摩耗が少い等多くの利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示し、第１図Ａ，
Ｂ，Ｃは、それぞれ蓋部分の正面図、側面図、背
面図、第２図Ａ，Ｂ，Ｃは容器部分の正面図、側
面図、背面図、第３図は各部を分解的に現わす斜
面図であつて、説明上蓋部分、容器部分を２つ割
した状態で示す。第４図は側面断面図、第５図は
軸押え片の他の一例を示す斜面図である。 １…蓋部分、２…係止片、３…軸着片、６…バ
ネ、７…軸杆、８…容器部分、９…切欠段部、１
０…切欠凹部、１１…切欠部、１２…軸押え片嵌
合穴、１３…軸押え片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 周壁の前後部にそれぞれ下端鈎状の係止片お
   よび軸着片を各垂下連成した蓋部分と、周壁を切
   込して上記係止片と適合する切欠段部および軸着
   片を収容する切込凹部ならびにこの切込凹部に連
   なる軸押え片嵌合穴を有する容器部分とからな
   り、この蓋部分は、予め前記軸着片にバネと共に
   挿通した軸杆の突出する両端に別に蓋部分の圧下
   により軸押え片嵌合穴に圧入可能の軸押え片を被
   装して、この軸押え片の圧入固定により容器部分
   と相互い接続してなる装飾容器。