JPS62267297A - 老人斑反応性モノクロ−ナル抗体、それを産生する細胞株及び該モノクロ−ナル抗体の製造方法 - Google Patents

老人斑反応性モノクロ−ナル抗体、それを産生する細胞株及び該モノクロ−ナル抗体の製造方法

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JPS62267297A
JPS62267297A JP61109433A JP10943386A JPS62267297A JP S62267297 A JPS62267297 A JP S62267297A JP 61109433 A JP61109433 A JP 61109433A JP 10943386 A JP10943386 A JP 10943386A JP S62267297 A JPS62267297 A JP S62267297A
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monoclonal antibody
protein
mobility
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pentamer
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English (en)
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Takeshi Ishii
毅 石井
Tomotaka Shinoda
篠田 友孝
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TOKYO MET GOV SEISHIN IGAKU SOGO KENKYUSHO
Original Assignee
TOKYO MET GOV SEISHIN IGAKU SOGO KENKYUSHO
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、老人斑に特異的に反応するモノクローナル抗
体、それを産生する細胞株及び該モノクローナル抗体の
製造方法に関するものである。さらに詳しくいえば、本
発明は、老年痴呆症の診断に有用な、脳組織における老
人斑構成物質及びそのタンパク質と相同性の高い脳血管
沈着物質と特異的に反応するモノクローナル抗体、それ
を産生する細胞株及び該モノクローナル抗体の製造方法
に関するものである。
従来の技術 近年、人口構成か高齢化するに伴い、老年痴呆症が社会
問題となりつつある。この老年痴呆症の中でもアルツハ
イマー型老年痴呆及びアルツハイマー柄(以下、この両
者を合わせて5t)ATと略す)に関しては、病因が不
明であって、治療法のみならず明確な診断方法も確立さ
れていないのが現状である。
現在、5DAHの診断方法としては、主として患者の言
動から痴呆の程度を求める臨床知見によるものと、脳の
剖検、生検によって得た病理知見によるものとがあり、
診断確立は患者の死後に脳の剖検によることが多い。
5DATの病理知見からの診断指標の1つとして、患者
の脳に正常老人よりもはるかに多く沈着する老人斑の数
が採用されている。すなわち、剖検又は生検によって得
たSD^′「患者脳切片をフンゴーレッドを用いて染色
し、光学通常顕微鏡下で赤く染まリ、かつ偏光顕微鏡下
で緑色の複屈折を示す顆粒状のもので、斑状に分布する
老人斑を計数し、その数の多いことを5IIATの診断
の1つの根拠としている。これは、老人斑を構成するア
ミロイドタンパクの7ミロイドとしての性質に基づくも
のである〔「臨床神経学」第22巻、第1106〜11
08ページ(1982年)、1日本名年医学会雑誌」第
19巻、第354〜358ページ(1982年)、[神
経内科」第12巻、第235〜243ページ(1980
年)]。
しかしながら、このようなコンゴーレッド染色による老
人斑の確認方法は、アミロイドタンパクに共通の確認方
法であり、老人斑に特異的でなく、また、偏光下での緑
色複屈折の色調も微妙で、偏光下で類似の色調を示す他
の物質との識別が容易でないことが多い上に、アミロイ
ドタンパクがある程度の大きさ以上の顆粒状などの構造
体にならなければ検出できず、検出感度が低いなどの欠
点を有している。
また、この老人斑が過ヨウ素酸−シッ7(PAS)染色
陽性であることを利用して、脳切片中の老人斑を検索し
、5DATの診断指標の1つとすることも行われでいる
が〔「神経内科」第12巻、第235〜243ページ(
1980年)〕、この〕過ヨウ素酸−シッフPAS)染
色法は、主として糖類の組織化学的染色に用いられるも
のであり、老人斑のみに特異的に反応するものではない
さらに、該老人斑と反応する抗体としては、例えば抗ヒ
ト免疫グロブリン抗体〔[アクタ・ニューロバソロシカ
(acLa neuropatbol、 )J第32巻
、第157〜162ページ(1975年)、同第36巻
、第243〜249ページ(1976年)など〕、抗ヒ
トプレアルブミン抗体([アメリカン・ジャーナル・オ
ブ・パソロジー(^merican Journal 
of Pathology)J第107巻、第41〜5
0ページ(1982年)〕、抗ヒト補体抗体〔[アクタ
・ニューロバソロシカ(actaneuropatho
l、 )J第63巻、第296〜300ヘージ(198
4年)、同第57巻、第239〜242ページ(198
2年)〕などが報告されている。しかしながら、これら
の抗体はいずれもポリクローナル抗体であり、しかもそ
の目的は老人斑の検索ではなく、老人斑構成又は階柱タ
ンパクの性質を明らかにしようとしたものであるし、ま
たこれらの抗体を老人斑の検索に用いたとしても、該抗
体は老人斑に対して特異的なものでないため、脳内の老
人斑以外に存在する免疫グロブリン、プレアルブミン、
補体とも反応するという問題がある。
従来、老人斑アミロイドタンパクをそのまま抗原として
動物に免疫し、抗血清を得る方法も試みられているが、
アミロイドの難溶性のため、力価の高い抗体は得られて
いない。また、この方法により得られる抗血清やポリク
ローナル抗体は、特異性、生産性及び品質の安定性に問
題がある。
例えば、抗血清をイオン交換クロマトグラフィーなどに
より免疫グロブリン分画を回収して得られるポリクロー
ナル抗体は、特異性の低い抗体や、免疫に使用した異物
中に混在する所望のものとは異なる異物に対して反応す
る抗体も含んでおり、その特異性において不十分であり
、実用には適さない。また、動物を免疫するために絶え
ず抗原となる特定のタンパク質が必要であり、かつこの
タンパク質の品質か変われば、当然免疫された動物から
得られる抗体も品質が変わる上に、動物の個体間でも得
られる抗体の力価が異なるので、安定した品質の抗体を
得る、−とは困難である。さらに、動物を免疫してから
、その抗血清を得るまでには、通常1〜3か月を要し、
その間免疫強化注射や動物の飼育などに多くの労力が必
要となるので実用的でない。
ところで、モノクローナル抗体は、抗血清より得られる
抗体が種々の抗体の混合物であるのに対して、ただ1種
類の抗体(すなわち、モロクローナル抗体)のみから成
るため、常に一定の抗原特異性を示す。このモノクロー
ナル抗体は、細胞融合法〔[ネイチャ(Nature)
J第256巻、第495−497ページ(1,975年
)〕によって、抗体産土株を新たに形成せしめ、この抗
体産生株より得られることが知られている。また、ある
種のウィルス(EDSLein−Barr Virus
)などを用いて、抗体産生能を有する正常細胞を長期培
養可能な抗体産生株に変異させて、その抗体産生株より
モノクローナル抗体を得ることも可能である。
前者の細胞融合法について、さらに詳しく説明するなら
ば、例えば、マウスなどの免疫可能な動物を抗原で免疫
し、免疫成立後、その動物がら肺臓などを外科的に取り
出すことなどによって、抗体産生能を有する細胞を入手
する。この抗体産生能を有する細胞(リンパ球B細胞)
と、ある種のマーカーを持つ無限増殖性細胞株(以下、
単に親株と称す)とを融合促進剤の存在下、あるいはあ
る種のウィルスの存在下で融合する。ここで用いる親株
のマーカーとしては、一般にある種の成分を欠いた培養
液中、あるいはある種の成分を含む培養液中で生存でき
ないことがよく利用される。例えば、[lNA合成回路
(サルベージ回路)においてIINA合成に関与する酵
素であるヒポキサンチン・グアニン・ホスホリボシル・
トランスフェラーゼ(Hypoxanthine−Gu
anine Phosphoribosyl Tran
s−ferase : IIc;PRT)あるいはチミ
ジンキナーゼ(Thy−midine Kinase 
: TK)を欠損させたものが利用される。すなわち、
IIGPRTやTKの酵素をもつ細胞では、DNA合成
回路(de novol路)におけるDNA合成阻害物
質であるアミノプテリンを含む培養液〔ヒポキサンチン
・アミノプテリン・チミジン(It y p O−xa
nthine Am1nopterin 1’by++
+1dinp、: II^■)を含む選別用培養液(I
I^T培地)〕で培養すると、アミノプテリンによって
DNA合成回路(dp novo回路)が阻害されても
、HGP旧あるいはTKなとの酵素によって、レスキュ
ー回路(rescue 1+alhway)であるサル
ベージ回路が働ト、ON八へ成が行われるのに対して、
HGPRTあるいはTKのような酵素を欠損した細胞で
は、HGPRTあるいはTKなどの酵素によるサルベー
ジ回路が働かないため、アミノプテリンによってDNA
合成回路(de 1IOV(1回路)が阻害されると、
DN八へ成は不可能となり、IIAT培地中では生存で
きないことになる。
このようにして親株と正常細胞である抗体産生能を有す
る細胞との融合後、親株と融合細胞とを、親株が持つマ
ーカーによって分離し、融合細胞のみを選択することが
でトる(融合しなかった抗体産生能を有する細胞は正常
細胞であるため、培養を続けることによって死滅してし
まう)。このようにして得られた融合細胞より、目的と
する抗体を産生するただ1個の細胞より分裂増殖した細
胞群を選択し、この細胞群よりモノクローナル抗体を産
生させることができる。
一方、老人斑のアミロイドタンパク質の性質については
、アミノ酸組成〔[アーク・ニューロロジイ(^rch
、 Neurol、 )J第25巻、第198−211
ページ(1971年)、「プレイン・リサーチ(Bra
in Re−5earch)J第24巻、第259号、
第348−352ヘージ(1983年)など〕、及びア
ミノ酸配列の一部〔[プロシーディングズ・オブ・ナシ
ョナル・アカデミイー・オブ・サイエンスUSA(Pr
oc、 Natl、八cad。
Sci、 IIs^)]第882、第4245−424
k −:)(1985年)〕が報告されている。また5
DAT患者の脳血管に沈着するアミロイドのアミノ酸配
列も報告されており〔[バイオケミカル・アンド・バイ
オ74ジカル・リサーチ・コミユニケイジョン(Bio
chemical& Bio−physical Re
5earch Co+++munication)J第
120巻、第885〜890ページ(1984年)〕、
このものは、老人斑アミロイドのアミノ酸配列と高い相
同性があることも知られている。
しかしながら、これらの知見を利用して、実用的な老人
斑反応性モノクローナル抗体を産生する技術はまだ確立
されていない。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、このような事情のもとで、S[lAT患者の
脳組織における老人斑構成物質及びそのタンパク質と相
同性の高い脳血管沈着物質と特異的に反応するモノクロ
ーナル抗体を産生する細胞株を確立し、この細胞株より
産生された該老人斑反応性モノクローナル抗体を提供す
ることを目的としてなされたものである。
問題点を解決するだめの手段 本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を重ね
た結果、意外にもアミロイドタンパク、特に原発性アミ
ロイド−シス患者の剖検牌から抽出したアミロイドタン
パクのアルカリ処理物を抗原としてマウスに免疫して得
られる脾細胞とマウスの骨髄腫細胞とを細胞融合するこ
とにより、目的とするモノクローナル抗体を産生する細
胞株が得られることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、タンパク変性剤としてドデシル硫
酸ナトリウムを用いたポリアクリル7ミドデル二次元電
気泳動によって、単量体としての分子量160,000
−180,000及び5l体としての分子量800,0
00−1,000,000を示すとともに、9:/ハ9
変性剤を用いないポリアクリルアミドゲル二次元電気泳
動における等電点が6.3〜8.3の範囲にあり、かつ
単量体としての移動度が0.48〜0.62及び5l体
としての移動度が0.11〜0.17の範囲にある老人
斑特異的モノクローナル抗体及びそれを産生する細胞株
を提供するものである。該モノクローナル抗体は、マウ
ス骨髄腫細胞とアミロイドタンパクを抗原としてマウス
に免疫して得られる脾細胞とを細胞融合させて成る細胞
株にモノクローナル抗体を産生させることによって、製
造することができる。
本発明において用いる抗原タンパクは、アミロイドタン
パク、好ましくはヒト原発性アミロイド−シス患者に沈
着したアミロイドタンパク(通常^Lタンパクと呼ばれ
る)、特に好ましくは、この^Lタンパクをアルカリ処
理して成る変性アミロイドタンパク(以下変性肚タンパ
クとする)である。
この変性^Lタンパクの好適な製造方法の1例を示すと
、ヒト原発性アミロイド−シス患者の肺臓、肝臓、腎臓
などの臓器や関節などにはアミロイドタンパクが沈着し
ているので、まず、アミロイドタンパクを含有する前記
臓器をホモジナイズしたの魁、このホモジネートから非
アミロイドタンパクを0.1〜0.2M程度の濃度の食
塩水で抽出除去し、残の粗アミロイドタンパクを水抽出
により溶液状態とし、次いで、この溶液に塩濃度が0.
1〜0.2M程度になるように塩化ナトリウムなどを加
えて、粗アミロイドタンパクを沈殿させたのち、この沈
殿を0.05〜0.15M程度の濃度の水酸化ナトリウ
ム水溶液により室温で10〜30時間処理後、中和する
ことによって該変性硅タンパクが得られる。
抗原タンパクとしては、5l)AT患者の脳から単離し
た老人斑アミロイドタンパクを用いることも可能である
が、このものは溶解度が低く、かつ抗原とするのに十分
な量を得ることが容易でない上、抗原性が低いなどの問
題があるので、抗原タンパクとしては、前記の肚タンパ
ク、特に変性^Lタンパクが好適である。
本発明においては、前記抗原タンパクを通常の方法によ
りマウスに免疫したの九、その肺臓を取り出し、細胞融
合の一方の細胞とする。例えば、抗原アミロイドタンパ
クを70インドの完全7ジユバントなどと共に、BAL
B/Cマウスに免疫し、免疫成立後、そのマウスより肺
臓を外科的に取り出すことによって抗体産生能を有する
細胞が得られる。
次に、このようにして得られたマウス胛細胞とマウス骨
髄腫細胞(親株)とを好ましくは融合促進剤の存在下で
細胞融合する。この親株としては種々の株が報告されて
おり、前記マウス胛細胞に適した親株が選ばれ、該脾細
胞と細胞融合される。
前記BALB/Cマウス由来の脾細胞と細胞融合させる
親株としては、例えばBALB/Cマウスのミエローマ
細胞由来のHGPRT欠損細胞株であるP3−X63−
Ag8株などが用いられる。
細胞融合の際に用いられる融合促進剤としては、各種分
子量のポリエチレングリフール(PEに)が一般によく
用いられるが、人工脂質小胞であるリポソーム(l i
 poso+++e )やセンダウィルス(IIVJ)
なども用いることができる。また、これらの融合促進剤
を用いずに、細胞に電圧をかけることによって細胞融合
する電気融合法も知られている。
親株としてP3−X63−Ag8株を用い、細胞融合し
た場合、融合後に、1lAT培地で培養することによっ
て、抗体産生能を有する細胞(正常細胞)とP3−X6
3−八g8とから成る融合細胞のみを選択することがで
きる。
このようにして得られた融合細胞の中で、本発明に係る
抗原と最もよく反応する抗体を産生する融合細胞(抗体
産生性)は、融合細胞の培養上清を用いて、特異抗体測
定のための免疫学的測定法によって選択できる。
この特異抗体の測定は、例えばポリスチレン製マイクロ
プレートなどを固相として、特異抗原で一15= ある変性肚タンパク質を吸着させ、次に融合細胞培養上
清を加えて反応させる免疫測定法によって行うことがで
きる。例を挙げて詳しく述べるならば、まずポリスチレ
ン製マイクロプレートに該タンパク質を吸着させる。こ
の際、タンパク質吸着用緩衝液としては、一般に炭酸ナ
トリウム・炭酸水素ナトリウム緩衝液が好ましく用いら
れている。
あるいはリン酸緩衝液などを用いることも可能である。
本発明者らの経験では、吸着の際の特異抗原又は対照抗
原の濃度は1〜10μg/xNで十分であるが、この濃
度未満でも、抗体濃度や以下の反応条件を変えることに
よって、十分に測定できた。この炭酸ナトリウム・炭酸
水素ナトリウム緩衝液などで至適濃度に調製された特異
抗原又は対照抗原を、ポリスチレン製マイクロプレート
ヘ一定量ずつ加え、一定時間静置する。これは、4℃で
一晩放置するのが最も一般的であるが、その他、室温で
2時間程度静置することも可能である。あるいは37℃
で1時間静置によっても可能である。
このようにして抗原を感作したポリスチレン製マイクロ
プレートを、例えば界面活性剤を含むリン酸緩衝液など
によって洗浄したのち、融合細胞培養液中の抗体を一定
時間反応させる。上記と同様にしてポリスチレン製マイ
クロプレートを洗浄したのち、あらかじめ決定しておい
た希釈倍率に希釈した酵素標識抗マウスイムノグロブリ
ン(1g)抗体を加えて、ポリスチレン製マイクロプレ
ート上で抗原・抗体反応した抗体と反応させる。さらに
上記と同様にしてポリスチレン製マイクロプレートを洗
浄したのち、酵素基質を加えて酵素活性を測定する。こ
こで測定できた酵素活性は、ポリスチレン製マイクロプ
レートに吸着した抗原と反応した、融合細胞培養液中の
抗体の量を間接的に示している。これによって、融合細
胞培養液中の抗体の特異性を測定できる。また、ここで
は酵素標識抗マウス抗体を用いた酵素免疫測定法につい
て述べたが、この他、ラジオアイソトープで標識した抗
マウス11?抗体を用いて、同様の手段で行うことも可
能である。
その他、一般に用いられる抗体の特異的検出法によって
もで忽る。
これらのスクリーニング法と、例えば限界希釈法やソフ
トアガーを用いる方法などによるクローニング法との組
合せによって、最終的に目的とする抗体を産生する単一
の細胞クローンである抗体産生株を含む一群のクローン
を確立で外る。
このようにして得られたクローンから、モノクローナル
抗体を得、これを用いてアルツハイマー型老年痴呆(S
[)AT>患者脳を免疫組織化学的に検索し、老人斑と
強く反応する抗体及びその産生株を選択する。このよう
にして、目的とするモノクローナル抗体及びその産生株
を得ることがで鰺る。
抗体産生株からモノクローナル抗体を得るには、例えば
まずモノクローナル抗体産生株を、プリスタンなどであ
らかじめ刺激したマウスの腹腔に注入し、一定期間経過
後、その動物の腹腔にたまった腹水を採取するか、ある
いは抗体産生株を培養し、培養上清を採取する。このよ
うにして採取したモノクローナル抗体を含む液か呟通常
行われている抗体の精製方法に従って、目的とするモノ
クローナル抗体を得ることができる。
この抗体を精製するには、例えば腹水に硫酸ナトリウム
など通常塩析に用いられる塩を加えて塩析し、得られた
沈殿を遠心分離に上って回収しtこのち、この沈殿を、
リン酸緩衝液などのような中性の緩衝液で溶解し、次い
で透析などによって、硫酸ナトリウムなど塩析に用いた
塩を除去する。
これから、イオン交換クロマトグラフィーなどの通常行
われている抗体の精製方法によって、目的とするモノク
ローナル抗体を含む分画を回収することがでとる。その
ほか、細胞株の培養上清を濃縮したのち、前記精製方法
を行うか、又は抗マウスIg抗体、抗原に用いた変性A
Lタンパク、プロティンAなどを用いたアフイニティク
ロマトグラフイ法によって、目的とするモノクローナル
抗体を回収することもできる。
このようにして得られた本発明のモノクローナル抗体は
、イムノグロブリンM(hM)又はイムノグロブリンG
 (II?G )クラスであることが多く、特に1gM
クラスである場合が多い。また、タンパク変性剤として
ドデシル硫酸ナトリウムを用いたポリアクリルアミドゲ
ル二次元電気泳動によって、単量体としての分子量16
0,000〜180,000、及び5量体としての分子
量soo、ooo〜1.000,000を示し、タンパ
ク変性剤を用いないポリアクリルアミド二次元電気泳動
における等電点が、タンパクの泳動位置に相当するp■
をそのタンパクの等電点として6.3〜8.3の範囲を
示す。さらに、タンパク変性剤を用いないポリアクリル
アミドゲル二次元電気泳動における移動度が、アルブミ
ンの最先端部の移動度を1.0としたとき、単量体とし
て0.48〜0.62.5量体として0.11〜0.1
7の範囲を示す。このように、本発明のモノクローナル
抗体は主として19Mクラスであるので、単量体(分子
量約170,000前後)と5量体(分子量約900,
000前後)の混合物として得られることが多い。
本発明のモノクローナル抗体を用いた脳切片の免疫組織
化学的検索は、通常の方法によって行われる。すなわち
、死後凍結脳又はホルマリンなどで固定したパラフィン
封入箱などから組織切片を作成し、これをトリプシンで
短時間処理する。この処理は、通常0.1%トリプシン
を用い、37℃の温度で10分間行われる。このような
トリプシン処理は必ずしも必要ではないが、トリプシン
処理した方が老人斑と本発明のモノクローナル抗体との
反応が強くなり、非特異的な反応も抑制することができ
る。
このようにしてl]た切片を、本発明のモノクローナル
抗体を用いて、パーオキシダーゼ−アンチパーオキシダ
ーゼ(1)八p)法やアビジン−ビオチン(ABC)法
などにより免疫染色する。パーオキシダーゼによる発色
の基質としてはノアミノベンジジンなどが一般に用いら
れる。
また、本発明のモノクローナル抗体をローダミン、フル
オレセインイソチオシアネー) (FITC)などの色
素で標識すること1こよ1)、酵素を介さず直接老人斑
を染めることもできる。さらに、放射性同位元素で本発
明のモノクローナル抗体を標識し老人斑と反応させるこ
ともできる。この場合は、老人斑の量が放射能でカウン
トできるので迅速かつ容易な老人斑の定量方法ともなる
このような本発明のモノクローナル抗体を用いる方法を
、従来のフンゴーレッドによる染色後、偏光下で緑色の
複屈折をみる方法や電子顕微鏡によるアミロイド繊維の
確認方法などと組み合わせることにより、本発明のモノ
クローナル抗体が老人斑のアミロイド繊維と特異的に反
応することが明らかとなった(実施例参照)。
なお、本発明のモノクローナル抗体は、一部5DAT患
者の脳血管に沈着するアミロイドと弱く反応することが
あるが、これは老人斑アミロイドタンパクと脳血管アミ
ロイドタンパクとの相同性により、同じ抗原を認識する
ものと思われる。また、本発明のモノクローナル抗体は
、臓器切片上において抗原とした^Lタンパクから成る
アミロイドとは反応しない。
本発明のモノクローナル抗体が認識する抗原物質は明確
ではないが、アミロイド繊維そのもの又は付随するタン
パクや糖タンパクなどであると考えられる。
発明の効果 本発明によると、5DAT患者の脳に多数みられる老人
斑タンパク質など及びそのタンパク質と相同性の高い脳
血管に沈着するタンパク質などに対して特異的に反応す
るモノクローナル抗体を産生する細胞株が提供され、老
人斑特異的なモノクローナル抗体を得ることが可能にな
ったため、免疫学的手法を用いた脳の老人斑の高感度か
つ高特異性の検索を行うことができる。
また、本発明のモノクローナル抗体は、5DAT患者の
他の脳の組織、例えばミニリン(Belin)、軸索〔
アクフン(aX、、、) )、神経細胞にューロン(n
euron) )、グリア(glia)細胞とは免疫組
織化学的に反応せず、したがって、該モノクローナル抗
体を用いることにより、老人斑の検索が極めて容易に行
える。
さらに、本発明の千ツクローナル抗体を用いて、血清又
は脳を髄液中に存在すると思われる老人斑に特異的な構
成タンパク質又はその前駆タンパクなどを検索すること
が可能となり、5DATの早期診断にも有用であると思
われる。
また、本発明の抗体産生株は、常に一定の抗原特異性や
抗原との結合力を有する抗体(すなわち、モノクローナ
ル抗体)を産生じ、かつ、動物を免疫して得られる抗体
が多種多様な抗体の混合物であるのに対して、単一の抗
体であるため、一定の力価に調整することが容易である
。つまり、安定した品質の抗体を安定供給できるなど工
業的にも有用である。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 モノクローナル抗体産生株の調製(1)抗原
の調製 原発性アミロイド−シス患者の剖検牌10gを氷冷した
0、15M塩化ナトリウム−0,05%アジ化ナトリウ
ム溶液10011中に入れ、ホモジナイザーにより約3
00Orpmの回転数で5分間処理して胛のホモジネー
トを得た。このホモジネートを4℃で、12000Xg
で30分間遠心分離し、上清の280nmにお一24= ける吸光度(0w12.o)を測定した。沈渣を前記0
.15M NaC1−0,05%Nap3溶液]00z
/に再度懸濁し、前記の遠心分離を行うという繰作を、
01+、、、が0.05以下となるまで5回(計6回)
繰り返した。
このようにして得られた沈渣に水冷した蒸留水8011
を加え、5分間約3000rpI11でホモジナイズし
たのち、このホモシネ−1を4℃、12000Xgで3
0分間遠心し、−ト清を得た。また、この際得られた沈
殿については、前記の水冷・蒸留水処理をさらに行い、
遠心処理後の上清(2回目の上清)を得、2回目の水冷
蒸留水処理の沈渣を再度水冷蒸留水処理して3回口の上
清を得た。1回口、2回目、3回口の上清を混合して粗
アミロイドタンパク溶液を得た。
次に、このようにして得られた粗アミロイドタンパク溶
液に4℃の条件下、塩化ナトリウムを加えその濃度が0
.15Mとなるようにした。この操作により、析出、沈
殿してくる粗アミロイドタンパクを、4℃、1200Q
X9で60分間遠心分離することによって集めた。次い
で得られた沈渣10.5uを0.1M水酸化す) IJ
ウム水溶液で室温中16時間処理することにより可溶化
した。この0.1 M Na0)1溶液な0,1M塩酸
で中和して抗原溶液を得た。
(2) マウスへの免疫 (1)で得た抗原溶液(タンパク濃度500μFI/l
11)0.1mlに等量の70インド完全アジユバント
(Freund’s complete adjuva
nt)を加えて十分に混和した。この完全な油中水型エ
マルジョンとしたものを雌の7週令のBALB/Cマウ
スに皮下注射した。
さらに1か月半後に同じ抗原溶液0. bN tt腹腔
に注入して免疫強化(boostルた。免疫強化の3日
後に肺臓を取り出し、ダルベツコの最少基本培地(14
inimum Es5ential Mediua+、
以下DME14培地と略す)を注射器で肺臓に注入し、
脾細胞を洗い出し分散させ、さらにメツシュを通すこと
により牌膜を取り除いた。
(3)細胞融合 マウスのミエローマ細胞株P3X63−^g8の細胞2
×107個と、(2)で得た肺臓細胞8.6X10’個
とを[1NEH培地(無血清)中で十分に混合したの・
ち、遠心分離して上清を捨てた。この沈渣に口HEM培
地2.0n当’)、ホ’)エチレンy”) :I−ル4
000(PEG4000)2、 Ogを溶解した液1.
Oxlを室温で1分間要して加えたのち、37℃の温浴
中で9()秒間インキュベートして融合を行わせた。次
いでDHEH培地9111を室温で徐々に加え、さらに
5分経過後D14EH培地10社を添加した。
これらの細胞を十分に洗浄したのち、ヒポキサンチンI
 X 10−’M、アミノプテリン4X10−’M・チ
ミジン1,6X 10−’M、ウシ胎児血清10%を含
むHEM培地(以下11^T培地という)を用い、9G
穴培養プレート中で培養した。11^T培地は3日おき
に交換し、細胞融合2週間後に、アミノプテリンを含ま
ない以外は、前記+1AT培地と同じ培地(これをHT
培地と略す)に切り換え、コロニー状に生育してくる融
合細胞を選択した。
(4)酵素免疫測定法による融合細胞の選別(3)で得
た融合細胞の産生する抗体の力価の測定を培養開始2週
間後に以下のようにして行い、免疫に用いた抗原タンパ
クと反応する抗体を産生する雑27一 種細胞採番選別した。
i)マイクロプレートの抗原感作 免疫に用いたヒト原発性アミロイド−シス患者牌アミロ
イドタンパクの水酸化ナトリウム処理物〔特異抗原〕を
0.02M炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム緩衝液
(p)19.6)でタンノくり濃度10μg/肩りとな
るように調製した。この液をポリスチレン製マイクロプ
レートの各ウェルに100μpずつ加えて、蒸発を防い
で4℃で一晩静置し、タンパク質を吸着させた。
ii)  −次反応 こうして物理吸着によって特異抗原を固定したポリスチ
レン製マイクロプレート(以下、単にマイクロプレート
と称す)を、リン酸緩衝生理食塩液(塩化ナトリウム8
.h/ρ、リン酸−カリウム0.2g/l、リン酸二ナ
トリウム・7水塩2,17g/l、塩化カリウム0.2
g/l、ツイーン20(TIlleen 20 )0,
5x1/ (1、アジ化ナトリウム0.2g1IPtt
r液、pH7,4、以下、PBST ト称す)で洗浄し
た。
次に、培養上清の非特異的吸着を防ぐ目的で、このマイ
クロプレートに10%正常ウマ血清(200μI/ウエ
ル)を加え室温で1一時間ブロッキングを行った。
次いで、ウマ血清を除いたのち、融合細胞の培養上清(
100μm/ウェル)を加えて反応させた〔室温(22
〜25℃であった)、2時間〕。この際、培養上清中に
、マイクロプレートに固定した特異抗原との反応性を有
する抗体が存在すれば、その抗体は、抗原・抗体反応に
よってマイクロブレーY上に保持される。
iii )  二次反応 反応後、PBSTによってマイクロプレートを洗浄した
。次に、あらかじめ決定した至適希釈倍数にPI!ST
によって希釈したアルカリフォスファターゼ結合抗マウ
ス(IgG + IyM )抗体液を、マイクロプレー
トの各ウェルに100μρずつ添加して、室温(22〜
25°C)で2時間反応させた。
このアルカリ7オス77ターゼ結合抗マウス(hG +
 hM )抗体は、マイクロプレート上に保持された培
養上清中のマウスIgG及びIgM’と反応する。
iv)  酵素活性の測定 二次反応後、PBSTでマイクロプレートを洗浄したの
ち、マイクロプレート上に保持されたアルカリ7オス7
アターゼ活性を測定した。酵素基質であるバラニトロフ
ェニルリン酸を、ジェタノールアミン緩衝液〔ジェタノ
ールアミン97d/1、塩化マグネシウム・6水塩11
00z/l、アジ化ナトリウム0.2g/lを含む液を
塩酸を用いてr+H9,8に調整した液〕にてIB/2
1nとなるように溶解した液を酵素基質溶液とした。こ
の酵素基質溶液をマイクロプレートの各ウェルに100
μeずつ添加して、室温(22〜25℃)で1時間反応
させた。反応後、IN水酸化ナトリウム液を50μpず
つ各ウェルに加えて酵素反応を止めた。各ウェルの酵素
基質溶液の波長405nullにおける吸光度を測定し
て、酵素活性を測定した。この酵素活性は、マイクロプ
レート上の特異抗原あるいは対照抗原と反応した、培養
上清中の抗体量を間接的に示している。
以上の測定法と、限界希釈法によるクローニングとを3
回繰り返して、特異抗原と反応する抗体を産生する、単
一・の細胞由来の細胞集団(すなわち、モノクローナル
な新規雑種細胞)を60クローン得た。
実施例2 老人斑(り寸する反応性と特異性の確認実施
例1(4)で得た60クローンの産生するモノクローナ
ル抗体を用いて老人斑に対する反応性を検討した。
すなわち、アルツハイマー型老年痴呆患者の死後剖検箱
3例の大脳皮質から厚さ2xzの切片を切りとり、ティ
ッシューーテック0.C,T、フンパウンド(Tiss
ue−Tek O,C,T、 Compound、ラフ
゛−チックプロダクト社製)中に包埋し、液体窒素でた
だちに凍結した。これより、厚さ10μIのクリオスタ
ット切片を作成し、スライドグラス上にマウン) (n
+ountル、風乾後10分間アセトンで固定した。
このスライドグラス」−の切片を0.1%トリプシン溶
液で37℃、1()分間処理したのち、トリス緩衝食塩
水(Tris buffer 5aline、以下TB
Sと略す)で3回洗浄した。これをTBSで6倍に希釈
した馬血清で20分間処理し、非特異的吸着を防止した
このように処理された脳切片を、実施例2で得たモノク
ローナル抗体を含む培養上清又は対照実験として非免疫
マウス血清をTBS中に種々の濃度(非免疫マウス血清
は100倍)に希釈した溶液中に室温下、1時間浸せき
したのち、TBSに10分間浸せきし、洗浄する操作を
2回繰り返した。続いて切片を、ウザギ抗マウス(hG
 + IgM )−ホースラディッシュパーオキシグー
ゼ複合体溶液(400倍希釈)中に30分間浸せトした
のち、TBS洗浄を前記のように3回行った。次いで、
0.05%ジアミノベンジジン(0八B)及び0.01
%の過酸化水素を含有するトリス緩衝液(pH7,6)
中に室温下、5分間浸せきしたのち、蒸留水で洗浄した
次に、このようにして処理された切片を、光学顕微鏡で
の観察のためにヘマトキシリンで短時間染め、脱水した
のちオイキットで封入した。
また、電子顕微鏡を用いた観察のために、前記のDAB
との反応後、2%のグルタルアルデヒド溶液で切片を固
定し、さらに1%西酸酸化オスミウム後固定して脱水し
たのれ、エポン(EPON)1.: 包埋した。樹脂が
固まってからウルトラミクロトーム(LKB社製)を用
いて超薄切片を作成し、80にVの条件で、日本電子社
vJEH200CXを用いて観察した。
光学顕微鏡下での観察により、実施例1(4)で得た6
0クローンの培養上清の老人斑特異性を評価した結果、
最も強く反応するクローンS−1を選択したこのクロー
ンS−1が産生するモノクローナル抗体をS八−1と名
づける。
モノクローナル抗体S^−1は、定型老人斑(核がはっ
きりしている老人斑)及び原始老人斑(核がはっき1)
シない)のいずれにも強く反応し、ジアミノベンジジン
顆粒によって深かっ色に強く染まった。
しかし、脳切片中のミニリン(iayelin)、軸索
〔アクソン(axon) )、神経細胞〔ニューロン(
neuroll) )、グリア(glia)細胞とは全
く反応しなかった。また、脳血管とは一部反応したか、
これは5DATに随伴して起る脳血管へのアミロイド物
質の沈着アミロイドアンジオパチー(An+yloid
 ABiopathy)によるものと思われる。すなわ
ちこのアミロイドアンジオバチ−のアミロイドタンパク
が老人斑アミロイドタンパクと極めて高い相同性を有す
るため、モノクローナル抗体5A−1が老人斑と共に一
部の脳血管アミロイドと反応したものと思われる。
一方、電子顕微鏡下での観察によると、老人斑のアミロ
イド繊維は、暗色のパーオキシダーゼ−DAB反応生成
物で覆われているのに対し、他の組織、すなわちダリア
細胞やアルツハイマー原線維変化をもつ神経細胞及び軸
索、アルツハイマー原線維変化を含まない神経細胞及び
軸受、ミニリン、血管はすべで染まらなかった。
また、抗原タンパクを抽出した原発性アミロイド−シス
の胛切片を、前記の脳切片の場合と同様にしてモノクロ
ーナル抗体5A−1と処理したが全く反応しなかった。
実施例3 モノクローナル抗体の精製 (1)培養による方法 クローンS−1をウシ胎児血清10%含有DMEM培地
を用いて、細胞濃度0,5X 1 (16〜2X106
個/肩りで培養し、24時間ごとにその培養上清を回収
した。この回収した培養上清は、0,1μl)ン酸緩衝
液(pH8,0>に対して4℃で一晩透析してρ11を
8.0に調整した。
この液をウサギ抗マウスIgM抗体(マイルス社製、μ
鎖特異的)を結合したセファロース−4B(ファルマシ
ア社製)を充てんしたカラムに流し、培養上清中のモノ
クローナル抗体S^−1を該セファ0−ス−4Bに結合
させた。次いで、カラムに、0.1Mリン酸緩衝液(+
+l18,0)を流して十分に洗浄後、グリシン−塩酸
緩衝液(0,1Mグリシン、0.2M塩化ナトリウムを
含有する液に塩酸を加えて、H3,0に調整した液)を
流し、溶出されるタンパク分画を回収した。回収したタ
ンパク分画は、ただちに0.5Mリン酸緩衝液(pH7
,2)を加えて中性にし、これを精製モノクローナル抗
体(以下S^−1Pと略す)溶液とした。
(2) マウス腹腔による方法 あらかじめ腹腔にプリスタン(アルドリッチ社製)0,
5znを注入して刺激しておいたマウス(6週令、BA
LB/C1雌)の腹腔に、5X106個の新規雑種細胞
クローンS−1を注入した。およそ1週問後より腹水が
貯留しだした。適宜注射器によって腹腔にたまった腹水
を採取した。
このようにして得た腹水は、次のようにして精製を行っ
た。腹水をまず3000rpmで20分間遠沈して沈殿
を除去した。次に、得られた上清に10m1当り硫酸ナ
トリウム1.8gを加えて2時間室温で振とうし、1時
間室温で静置して塩析した。塩析により生じた沈殿を8
000xgで20分間遠沈して回収した。回収した沈殿
を0.02Mリン酸緩衝液(p116,8.0.05M
塩化ナトリウムと0.02%アジ化ナトリウムを含む)
で溶解し、−晩透析した。この液を次に、上記リン酸緩
衝液にて平衡化したDEAE−セファデックスカラム(
DEAE −5ephadex^−50、ファルマシア
社製)に流して分画した。各分画の抗特異抗原(実施例
1で用いた抗原)モノクローナル抗体活性を実施例1で
述べた酵素免疫測定法によって測定し、抗特異抗原モノ
クローナル抗体活性を有する分画を回収した。
この分画はIgM溶出位置に一致しすこ。これを精製モ
ノクローナル抗体溶液とした。
実施例4 本発鳳pJJ久ローナル抗体(S^−1)の
生化学「朝fi[ (1)タンパク変性剤を加えた実施例1で、二次元電気
泳動によって得た精製モノクローナル抗体S^−IPを
、まず、タンパク変性剤不存在下で等電点電気泳動し、
次いでタンパク変性剤存在下に二次元電気泳動を行った
すなわち、抗19M抗体を結合したアフイニティ力ラム
で精製したモノクロ−″ナル抗体S^−IP溶液(タン
パク量1ag/1RN)5μlを、ポリアクリルアミド
・チューブゲル(ゲルサイズ径31vX6,5+x)に
加え、0,01Mリン酸と0.14N水酸化ナトリウム
とを用いて、ρ113,5〜10の間で等電点電気泳動
シタ(定電圧200V、 120分)。
次に、このチューブゲルを1重量%のS[)Sを含む4
〜17重量%のポリアクリルアミド濃度勾配をもつスラ
ブゲル(ゲルサイズ横75×縦60×厚さ2,7zz)
上に密着させたのち、0.1%のS[lSを含むトリス
・グリシン緩衝液1(トリスヒドロキシメチルアミノメ
タン0.05M、グリシン0.384M。
pH8,3)を用いて、定電流(ゲル当り30zA)で
、約180分間泳動した。なお、泳動時間はブロムフェ
ノールブルー(BPB)と結合したアルブミンの泳動状
態より判断した。
このゲルを、クーマシー・ブリリアント・ブルー0.0
25重量%、メタノール50重量%、酢酸7重量%を含
む水溶液(以下染色液と略す)に浸して、8時間室温で
ゆっくり振りまぜたのち、10%メタノール及び7%酢
酸を含む脱色液を加えて1日間振りまぜで脱色した。
分子量マーカーを泳動した結果と、アルブミンの泳動位
置とから、このモノクローナル抗体S^−IPの分子量
を決定した。
その結果、S^−IPは、分子量170,000(16
0,000〜180.000)と分子量900,000
(800,000〜1,000,000)の2つのバン
ドに分かれた。170.000のものは単量体であり、
900,000のものは5量体であると考えられる。ま
た、等電点は単量体、5量体とも6.3〜8.3であっ
た。
(2) タンパク変性剤を加えない二次元電気泳動(1
)で用いた精製モノクローナル抗体S^−IP溶液につ
いて、電気泳動緩衝液及びポリアクリルアミドゲルにS
DSを加えないこと以外は、(1)と同様にして二次元
電気泳動を行った。
その結果アルブミンの最先端部の移動度を1.0として
、S^−IPの移動度は0.16〜0.57であった。
(3)モノクローナル抗体のクラスの決定(1)と同じ
ようにして、二次元電気泳動を行ったのち、以下のよう
にして転写を行った。
すなわち、転写用容器(イム7メデイ力社製、商品名水
平型電気泳動式トランス77−・プロッティング装置)
にトリス・グリシン緩衝液2(トリスヒドロキシメチル
アミノメタン0.025M、グリシン0.192M、1
1118.3>を゛おさえパッド゛が浸るまで入れたの
ち、おさえバットの」二にろ紙をのせた。
このろ紙の上に、二次元電気泳動したポリアクリルアミ
ドスラブゲルをのせ、さらに、その上にニトロセルロー
ス膜〔シュライバーアンドシュエル社製、75X55z
9イズに切って使用〕を重ねた。これらに一定電圧(2
0V)で18分間通電して、二次元電気泳動法で泳動・
分画したモノクローナル抗体5A−1を、二次元電気泳
動ゲルからニトロセルロース膜へ転写した。
このニトロセルロース膜(以下、転写ニトロセルロース
膜という)を2%ウシ血清アルブミンを含むトリス・塩
酸緩衝液(10a+M)リスヒドロキシメチルアミノメ
タン・塩酸緩衝液、pH7,2,0,8%NaC(!、
0.01%NaN5)中に浸し、−晩4℃で静置した。
次に、転写ニトロセルロース膜を、ヤギ抗マウス1gM
抗血清(μ鎖特異的、マイルス社製)をトリス・塩酸緩
衝液で5倍希釈した液に浸して、室温(20〜25℃)
で1時間振りまぜ(20回/分)反応させた。反応後、
転写ニトロセルロース膜をトリス・塩酸緩衝液に浸して
室温で振とう(20回/分)することによって洗浄した
。この際トリス・塩酸緩衝液は、5分おぎに5回交換し
た。
洗浄後、ペルオキシダーゼ標識ウサギ抗ヤギIgG抗体
(L+H鎖特異的、マイルズ社製を、1%ウシ血清アル
ブミンを含むトリス・塩酸緩衝液によって、あらかじめ
決定しておいた不適濃度に希釈(通常500倍)した液
(2次抗体液)に、転写ニトロセルロース膜を浸して室
温で2時間静置し、反応させた。次に、上記と同様にし
て転写ニトロセルロース膜を洗浄したのち、酵素基質溶
液を加えて室温で10分間静置し、転写ニトロセルロー
ス膜上のペルオキシダーゼ活性を測定した。ここで酵素
基質溶液には、0.2肩M 3 、3’−ジアミノベン
ジジン、30%過酸化水素水を0.1%含むトリス・塩
酸緩衝液を用いた。
この結果、二次元電気泳動で得た2つのバンドが抗マウ
スIBM抗体と反応していることが分った。
同様にして、市販の抗マウスI!?G、抗マウスに鎖、
抗マウス人類(いずれもマイルス社製、ウサギ血清、製
造元能書に記された希釈倍率で使用)などの抗血清を用
い、イムノブロッティングを行ったが、モノクローナル
抗体5A−IPは、抗マウスに鎖とのみ反応した。これ
らのことからモノクローナル抗体S^−IPのクラスは
IgM、タイプはに型であることが分った。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第2図は、本発明のモノクローナル抗体S^
−1を用いて5DAT患者の脳切片を検索した際の光学
顕微鏡による観察図であり、第1図は定型老人斑、第2
図の網目状老人斑の場合である。 第3図は老人斑と該モノクローナル抗体5A−1との二
次元電気泳動結果であり、第4図はSDS存在下でのク
ーマーシー染色したもの、第5図はSDS存在下で泳動
後、抗マウスIgM抗体を用いてイムノブロッティング
したものである。 第8 第2図 第4図 第5図 手続補正書(方式) %式% 1、事件の表示 昭和61年特許M第1119433号 2、発明の名称 老人斑反応性モノクローナル抗体、それを産生する細胞
株及び該モノクローナル抗体の製造方法3、補正をする
者 事件との関係  特許出願人 東京都世田谷区上北沢2の1の8 財団法人東京都精神医学総合研究所 理事長 貫洞哲夫 4、代理人 (発送日:昭和61年7月29日) 6、補正の対象  図  面

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 タンパク変性剤としてドデシル硫酸ナトリウムを用
    いたポリアクリルアミドゲル二次元電気泳動によって、
    単量体としての分子量160,000〜180,000
    及び5量体としての分子量800,000〜1,000
    ,000を示すとともに、タンパク変性剤を用いないポ
    リアクリルアミドゲル二次元電気泳動における等電点が
    6.3〜8.3の範囲にあり、かつ単量体としての移動
    度が0.48〜0.62及び5量体としての移動度が0
    .11〜0.17の範囲にある老人斑反応性モノクロー
    ナル抗体。 2 イムノグロブリンMクラスに属する特許請求の範囲
    第1項記載のモノクローナル抗体。 3 タンパク変性剤としてドデシル硫酸ナトリウムを用
    いたポリアクリルアミドゲル二次元電気泳動によって、
    単量体としての分子量160,000〜180,000
    及び5量体としての分子量800,000〜1,000
    ,000を示すとともに、タンパク変性剤を用いないポ
    リアクリルアミドゲル二次元電気泳動における等電点が
    6.3〜8.3の範囲にあり、かつ単量体としての移動
    度が0.48〜0.62及び5量体としての移動度が0
    .11〜0.17の範囲にある老人斑反応性モノクロー
    ナル抗体を産生する細胞株。 4 モノクローナル抗体がイムノグロブリンMクラスに
    属するものである特許請求の範囲第3項記載の細胞株。 5 マウス骨髄腫細胞とアミロイドタンパクを抗原とし
    てマウスに免疫して得られた脾細胞とを細胞融合させて
    成る細胞株にモノクローナル抗体を産生させることを特
    徴とする、タンパク変性剤としてドデシル硫酸ナトリウ
    ムを用いたポリアクリルアミドゲル二次元電気泳動によ
    って、単量体としての分子量160,000〜180,
    000及び5量体としての分子量800,000〜1,
    000,000を示すとともに、タンパク変性剤を用い
    ないポリアクリルアミドゲル二次元電気泳動における等
    電点が6.3〜8.3の範囲にあり、かつ単量体として
    の移動度が0.48〜0.62及び5量体としての移動
    度が0.11〜0.17の範囲にある老人斑反応性モノ
    クローナル抗体の製造方法。 6 アミロイドタンパクが、ヒト原発性アミロイドーシ
    ス患者に沈着したアミロイドタンパクをアルカリ処理し
    て変性したものである特許請求の範囲第5項記載の方法
    。 7 モノクローナル抗体がイムノグロブリンMクラスに
    属するものである特許請求の範囲第5項記載の方法。
JP61109433A 1986-05-15 1986-05-15 老人斑反応性モノクロ−ナル抗体、それを産生する細胞株及び該モノクロ−ナル抗体の製造方法 Pending JPS62267297A (ja)

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