JPS62258670A - 人工血管及びその製造方法 - Google Patents

人工血管及びその製造方法

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JPS62258670A
JPS62258670A JP61099416A JP9941686A JPS62258670A JP S62258670 A JPS62258670 A JP S62258670A JP 61099416 A JP61099416 A JP 61099416A JP 9941686 A JP9941686 A JP 9941686A JP S62258670 A JPS62258670 A JP S62258670A
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金子 憲明
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新しい人工血管に関し、更に詳しくは、優れ
た耐久性、易縫合性をそなえ、長期開存性を示す人工血
管及びその製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、人工血管としてはポリエチレンテレフタレートを
素材とし、これを紡糸して得られるポリエステルの高分
子mat−編織してチューブ状とし、これに蛇腹状のひ
だをつけてキング現象(屈曲によって折れる現象)を防
止したものや、ポリ四フッ化エチレンをチューブ状に成
形し、延伸加工してフィブリル化(微細な繊維状構造化
)したもの(以後、フッ素樹脂系人工血管という)が用
いられて来た。これらを代用血管として用いると、構造
が有孔化されているために、この隙間に細胞が浸入生育
し、生体化してゆくことを利用したものである。
[発明が解決しようとする問題点] 従来のポリエステル繊維による人工血管も又延伸加工し
たポリ四フッ化エチレンの人工血管も、生体に移植する
と、まず血液に接触する内表面に凝血層を生じ、この上
に5細胞が増殖して内皮膜を形成して抗血栓性の内膜と
なる。このように生体化してはじめて生体代用物として
の役割を果たすのであるが、最初に生成する凝血層の厚
さは1mg〜1.5+amにも達し、又内皮膜が形成さ
れた後にもこの内皮膜の肥厚が経時的にみられる。
このため、血管として移植後、通常内口径の狭窄が生じ
、内口径61以下のものは実質的に使用小米ない、実際
に安心して用いられる人工血管は、現行の性能では内口
径10IIm以上のものである。
内口径110ll1〜6■のものは経時的に次第に内口
径が挟まり、3年後の開存率は60〜70%である。現
状では内口径6IIIIm以下の人工血管では長期開存
性が良くなく、殊に4a+s以下のものでは実用に供せ
うるものは存在しない。
冠状動脈狭窄のために心不全をおこす患者を救うために
行われる冠状動脈バイパス手術には自己の伏在静脈を摘
出して、これを専ら利用しているが、人によっては適当
な伏在静脈が使えない場合がある。
幸いに自己の伏在静脈を摘出利用して、冠状動脈バイパ
ス手術に成功しても、これまでの累積成績でみる限り、
開存率は5年後で60〜70%といわれており、30〜
40%の人は5年後に、再手術を受けなくてはならない
、この場合、最早利用出来る伏在静脈がないので、この
患者の救命はむづかしい。
このような人々を救命するためには内口径が4■ないし
3mmの開存性に優れた人工血管が必要であるが、世界
の研究者の10余年に亘る懸命の開発努力にもかかわら
ず、実用に供しうる小口径人工血管の開発成功例はない
この不成功の原因は、いずれも移植人工血管の閉塞であ
るが、この閉塞には、凝血による閉塞、吻合部に生じる
パヌス(生長肉塊)、噛合部付近に生じるステンレス(
狭窄)に起因するものが多い。
人工血管に要求される基本性能は多岐に亘るが、現在最
も強く要望されているのは、■力学的性質が充分実用に
耐え生体内で劣化しないこと。
■生体適合性のよいこと、■抗血栓性に優れ、狭窄、閉
塞しないこと、■取扱い易いこと、殊に縫合性のよいこ
と、■易治癒性を備えていること、■使用中に動脈圧に
よる口径増大等の異常な形態変化のないこと等があげら
れる。
小口径の人工血管を考えると、これが実用に供せられる
には、移植後の管内壁に生成する初期血栓の生成を抑え
ること、内皮膜の肥厚を抑えることが大切で4a+m以
下の人工血管では、これが達成されないと実用化はむづ
かしい。
一方、透析療法を受けている腎不全患者は、治療の度に
血液を体外に導出、あるいは導入するカテーテルを自己
血管に穿刺するが、このカテーテル挿入針は外径1.5
mm位あるため、平均週3回の穿刺による自己血管の損
傷がひどく長期透析者には、人工血管によるシャントを
作成する必要がある。この場合、内径5mm〜61の人
工血管が使われる。これらの径のものは、既に述べたと
おり、移植後数ケ月で30%以上は血栓生成、凝血層肥
大等の狭窄又は閉塞のトラブルで使用不能となるばかり
でなく、移植人工血管の内壁に生じた血栓層や、生育内
皮細胞が穿刺の度にはがれて血液中に飛散し1種々のト
ラブルを惹起する。このような状態を克服するためには
、内管につく血栓層を減少させること、望ましくは血栓
層を全く生じないような人工血管が理想であることも言
うまでもない。
本発明者らは、この初期血栓の生成を何らかの方法で防
ぎ、生体化を促進することによって小口径人工血管、静
脈用人工血管の開発を目指し、種々の検討を経て本発明
に到達した。
本発明は1人工血管のチューブ内壁が多孔質であるもの
に適用される。ここで言う多孔質とはスポンジ状又は空
胞群の連続体であってもよいし。
又従来のポリエステル高分子繊維を編織したものや、ポ
リ四フッ化エチレンを延伸加工してフィブリル化したも
ののように、繊維状物質の集合体であってもよい。
本発明者らは、厳しい条件下での抗血栓性付与を行うた
めに、ヘパリンを利用する方法を種々検討したが、化学
的な変化を加えるとヘパリンの活性が激減することを知
った0本発明者らは、人工血管の血液接触面に化学的な
手法に依らずにヘパリンを付加させる方法について検討
を行い本発明に到達したものである0本発明者は抗血栓
性物質の開発にI P N、 (交互浸入網目構造)を
利用することを考えた。しかし、ヘパリンの交互浸入網
目構造(I P N : Interpenetrat
ing Po17merNetworks)を形成させ
ることは極めてむづかしい、その理由は、交互浸入網目
構造(IPN)を形成させるには、その交絡すべきポリ
マーの存在下に、均一に存在する架橋性モノマーの架橋
反応を行わせる必要があり、ヘパリンのように水にしか
溶けない物質をこういう条件下に設定することは出来な
い、ヘパリンは水系でしか溶けず、一方、水系で安定に
してかつ均一にヘパリンと混じ、活性化処理によって架
橋を形成しつつ、重合するモノマーがないからである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、種々の条件検討を行い、極めて有利にヘ
パリンを、架橋ネットワークに交絡させる方法を見出し
た。
本発明の要旨とするところは、管壁が多孔質の人工血管
であって、この多孔質の空隙又は空孔内にヘパリン分子
を内蔵し、かつ該人工血管の内腔を形成する内面をヘパ
リン分子を交絡した交互浸入網目構造を含むポリマー組
成物で被覆させたことを特徴とする人工血管であり、そ
の製造方法としては、管壁が多孔質の人工血管を、ヘパ
リン含有水溶液で処理して、多孔質の空隙又は空孔部に
ヘパリンを内蔵させる工程(I)、水溶性ポリマー、水
膨潤性ポリマー、分子内に水溶性及び/又は水膨潤性ポ
リマー鎖をセグメントとして含有するポリマーからなる
群から選ばれた少なくともひとつと、水の存在で活性化
し架橋を伴って高分子化するモノマーとを有機溶剤に溶
かしてなる溶液で前記人工血管の内面を処理する工程(
!■)、該人工血管の内面を水の作用によって架橋反応
を活性化させる工程(III)の各工程からなるもので
ある。
本発明を実施するに当っては次のような方法が用いられ
る。
まず第1段階として、本発明に用いる管断面多孔質のチ
ューブをヘパリン含有水溶液で処理して、管断面の空孔
中、あるいは断面の空隙内にヘパリン含有水溶液を充分
溝たすようにする。ヘパリン水溶液中のヘパリンの濃度
は任意であるが。
飽和溶液を用いてもよい、この状態でチューブを乾燥さ
せると管壁内の空隙部にヘパリンを導入することが出来
る。
第2段階として、水の存在で活性化し架橋を伴って高分
子化するモノマーと水溶性及び/又は水膨潤性ポリマー
、あるいは分子内に水溶性及び/又は水膨潤性鎖をセグ
メントとして含有するポリマー(以後、親木性高分子と
総称する)とを有機溶剤に溶解してなる溶液で前述のヘ
パリン処理チューブの内面を処理し、乾燥する。この場
合、ヘパリンは有機溶媒には全く不溶であるのでこの処
理によって流出することはない。
第3段階として、ヘパリンを管壁内部の空隙中に包含し
、かつ内面が第2段階で親水性高分子を含む組成物でコ
ーティングされた被処理人工血管を架橋処理するが、こ
のとき水を用いる点に本発明の特徴がある。すなわち、
前記1.2段階を経た処理後のチューブの内腔に水を満
たし、もしくは少なくともチューブ内面が充分に水にぬ
れるようにする。このとき水の役割は3つあり、その第
1はコーティングされたポリマーを膨潤させること、第
2は水によって管壁の空隙内に存在するヘパリン分子を
架橋反応の場に誘浸させること、第3は人工血管の内面
にコーティングされた親木性高分子と共存する架橋性モ
ノマーを水によって活性化し、架橋反応を惹起させるこ
とにある。水によってチューブ内面のポリマー組成物の
蜆水性部分が膨潤し、更に水は管壁内部に浸入する。管
壁内部に存在するヘパリンは水に易溶であるため、すぐ
に水に溶は水で膨潤したポリマーの領域に浸入する。そ
れと同時にそこに存在する架橋性モノマーが活性化され
架橋反応を行うことになる。すなわち、架橋素反応が行
われる場には、水によって膨潤したポリマー及び/又は
ポリマーセグメントと水によって誘浸されたヘパリンが
存在し、この2者の存在下に架橋が進みヘパリンは架橋
ネットワークに交絡する。
この場合、架橋反応が充分に行われる前に、水溶性ポリ
マーが流出することをさけるために、内腔を満たした水
は、チューブ内面を充分に濡らした状態で切った方がよ
い、架橋が充分に行われたあとは、水溶性ポリマーは水
に膨潤はするが不溶となる。
この反応を行うに当って、チューブ内腔に接触させる水
にヘパリンを飽和、もしくは含ませることにより内腔面
側から予めコーティングされた膨潤ポリャー領域にヘパ
リンを含浸させることも出来る。このように内面よりヘ
パリンを含浸させるときは、本発明の第1段階を省略す
ることも出来る。
一方、第1段階のヘパリン処理によって管壁内のヘパリ
ン含量を多くして除放性のヘパリンとして活用すること
も出来る。すなわち、該チューブの内面の構成成分とし
て水に膨潤もしくは溶けるポリマーを含むが、これらの
ポリマーは架橋モノマーの架橋反応によるネットワーク
にからんで最終的には膨潤はするが溶けない状態となり
、水系処理で誘潰したヘパリンも同様である。
ヘパリン分子は水に接すると膨潤して溶は出す部分も一
部は存在するが大部分は分子の一部が架橋ネットワーク
にからまってしまい、溶は出さない。
このようなものを人工血管として用いると血液に接触す
る部分、すなわち管の内腔面が常に高濠度のヘパリンに
保たれるのである。
更に興味あることに、本発明の人工血−管使用中に管壁
内に存在するヘパリンは極めて徐7に水で膨潤したポリ
マーのバリヤー(障壁)を通ってにじみ出るので5いわ
ゆる除放性効果があり、これが特に初期血栓の生成を完
全に防止するのに役立つ、初期血栓はこのようにヘパリ
ンによって防止し、中期の血栓は交互浸入網目構造をと
った交絡ヘパリン分子によって防止され、その間に内皮
細胞の生育によって生体化が着実に進むために、本発明
は細口径の人工血管でも血栓が生じないし。
又興味あることに内皮が極めて薄く生成し、経時的に口
径、を減じないことがわかった。
本発明は管壁内に存在するヘパリンの除故に主点をおい
て行うことも出来る。この場合は第3段階の水による架
橋反応を、特に水を用いないで雰囲気中の、たとえば空
気中の水分によって行わせる。
この場合、管壁の内部に存在するヘパリンは。
管内面に移動せず、そのまま管壁内に存在し、管の内面
は親木性ポリマーのIPNを形成する。
このようにして得られた人工血管は移植後、内面のポリ
マー組成物が一部血液中の水分で膨潤し、管壁内のヘパ
リン分子は内面から管壁に浸入して来た水に徐々に溶け
、膨潤ポリマーのバリヤーを経て血液中に除放される。
この場合、除放するヘパリンが経時的に減少してゆくが
、完全に消失する前に内皮細胞が生育するようにして生
体化を果たすことが出来る。これは又A−Vシャントに
用いても同様の効果を発揮するし、血流のおそい静脈系
の代用血管としても用いうるゆえんである。
本発明に用いられる水によって活性化し架橋ネットワー
クをつくるモノマーとしては、架橋性珪素化合物が用い
られる。
本発明で用いる珪素化合物は、重合体でなくモノマー(
単量体)又はオリゴマーであり、網目構造を有するポリ
シロキサンを形成させるために。
活性化処理によって架橋性官能基〔水酸基〕を3ヶ以上
生じるような低分子の含珪素可溶剤を必須成分として使
用する。
ここでいう含珪素架橋剤とは珪素をその分子内に1ヶ以
上有し、適当な活性化手法によって架橋能を生じるよう
な官能基を有する化合物を指し、具体的にはシリコンゴ
ムやシリコン樹脂の室温架橋剤、シランカップリング剤
として知られている公知の化合物が広く用いられる。
これらの含珪素架橋剤として、水によって活性化される
官能基を有するものが好ましく用いられる。これらの代
表例は、S i −0COR。
S i  OR(R:CH3、C2R5、C3R7+C
4Hgなど(7)炭化水素)  、 S 1−OX、 
S iXf:X:C1,Brなど(7) ハロゲ7)、
5i−NR2(R:上記と同じ)などがある、このよう
な含珪素架橋剤を用いたときに生成される架橋含珪素重
合体はポリシロキサン構造をとる。
水によって活性化して架橋能を発揮し、ポリシロキサン
架橋体を形成する分子内に珪素原子1ケを有する含珪素
架橋剤の例としては一般式%式% (式中、Rはアルキル基、アリール基などの炭化水素残
基を、R′はアルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン
又はアミン残基を、nは0゜1を表す)で表される化合
物がある。
具体的な例としては、たとえばテトラアセトキシシラン
、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシ
シラン、プロピルトリアセトキシシラン、ブチルトリア
セトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、プ
ロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン
、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシランあるいはテトラクロロシ
ラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラ
ン、ブチルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、ビス−(N−メチルベンジルアミド)エトキシメ
チルシラン、トリス−(ジメチルアミノ)メチルシラン
、ビニルトリクロロシラン、トリス−(シクロヘキシル
アミノ)メチルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロビルトリメトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、ジビニルジェトキシシランなどを代表
例として挙げることができる。
又、珪素をその分子中に2ヶ含む含珪素架橋剤の代表例
としては、例えば、ヘキサアセトキシジシロキサン、1
.3−ジメチルテトラアセトキシジシロキサン、1.3
−ジビニルテトラエトキシジシロキサンのような一般式 %式% (式中、n、m=0.1,2,3.n+m=0.1,2
.3のいずれか、Rは架橋能のない炭化水素残基、R’
 、 R”は適当な活性化手段で架橋能を示す基を示す
) で表される化合物が挙げられる。
珪素をその分子中に3ヶ含む含珪素架橋剤の例としては
1,3.5−トリメトキシ−1,1゜3.5.5ペンタ
メチルトリシロキサン、l。
1.3,3,5.5−ヘキサアセトキシ−1,5−ジメ
チルトリシロキサンなどを挙げることが出来る。
これらの含珪素架橋剤としては公知の室温架橋型のシラ
ンカップリング剤が広く用いられ、例えばPetrar
ch System Inc、 (ペトラーチシステム
インコーポレイテッド)発行のカタログSilicon
Compounds、 Register & Rev
iewOl 979や同社の5ilicones の1
981に記載されているすべての含珪素架橋剤を用いる
ことが出来る。
以上に述べた架橋性(即ち3官能性)の含珪素化合物に
加えて2官能性の縮合によって5t−0−5i結合を順
次生じてポリシロキサンを生じるような低分子の含珪素
化合物を併用してよいことは勿論である。このような2
官能性の含珪素化合物として、珪素原子に2ケの炭化水
素基を有し、分子中に2ケの水によって活性化されて架
橋能を生じる官能基を有する、たとえば一般式%式% (式中、R1−R4は同種又は異種の炭化水素基、nは
0,1,2.3等の正の整数、Y及びY′は同種又は異
種の水によって活性化される架橋性官能基をそれぞれ表
す) で示される含珪素化合物がある。これらの化合物の例と
してはジメチルジアセトキシシラン、ジエチルジアセト
キシシラン、ジメチルジェトキシシラン、ジエチルジェ
トキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、メチル
フェニルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシ
シラン。
ジベンジルジアセトキシシラン、ジビニルエトキシシラ
ンなどがある。又、1,1,3.3−テトラメチル−1
,3−ジアセトキシジシロキサン、1.1,3.3−テ
トラメチル−1,3−ジメトキシジシロキサン、1,1
,3.3−テトラメチル−1,3−ジェトキシジシロキ
サン、1,1゜3.3,5.5−へキサメチル−1,5
−ジアセトキシトリシロキサン、1.i、3,3,5゜
5−へキサエチル−1,5−ジェトキシトリシロキサン
、1.:、3,3,5.5−へキサメチル−1,5−ジ
メトキシトリシロキサン、1.l。
1.5,5.5−へキサメチル−3,3−ジアセトキシ
トリシロキサン、1,1,1,3,5.5−へキサメチ
ル−3,5−ジアセトキシトリシロキサンなどが例とし
て挙げらる。
本発明に用いられる水溶性又は水膨潤性ポリマーの例と
しては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール又はこれらの共重合体、ヒアルウロン酸、ポリサ
ッカライド、キトサン、ポリビニルピロリドン、アテロ
コラーゲン、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、ポリジアセトンアクリルア
ミド、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸あるいは上記ポリマーを含む共重合体などが
ある。
分子内に水溶性又は水膨潤性類をセグメントとして含有
するポリマーの例として、ソフトセグメントにポリエチ
レングリコール鎖又はポリプロピレングリコール鎖ある
いはエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体鎖
を有するポリウレタン、ポリウレタンウレアや、たとえ
ば下式に示すようなポリジメチルシロキサンとポリオレ
フィングリコールの共重合体などがあげられる。
CH3CH3 −CH2CH2−0+CH2CH20へこれらの親木性
高分子は1種類を単独で用いてもよく、又2種以上を用
いてもよい、又、上記親水性高分子を比較的疎水性の高
分子と併用して用いてもよい。
たとえば、ソフトセグメントが比較的に疎水性のポリテ
トラメチレンオキシドからなるポリウレタンウレア、あ
るいはポリウレタンとポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリビニルピロリドンあるいはポ
リエチレンオキシド鎖をソフトセグメントに有するポリ
ウレタン等を組合わせた組成物を用いてもよい。
本発明の活性化処理によって架橋性官能基を生ずる架橋
性モノマーと上記親木性高分子を必須とする組成物は有
機溶剤に均一に溶かすことが必要である。この有機溶剤
には上記架橋性上ツマ−の活性化を促す物質、たとえば
水が含まれていないことが望ましい、しかし本発明を達
成するのに差支えない程度の水分は当然許容されること
は言うまでもない。
本発明を実施するに当って用いられる人工血管は、ポリ
エステル高分子繊維を編織したチューブやポリ四フッ化
エチレンを延伸加工したチューブが用いられてよいが、
特に好ましいのは管断面がスポンジ状又は連続した空胞
群よりなるポリウレタン又はポリウレタンウレアの人工
血管である。
本発明の人工血管の内面を本発明のポリマー組成物でコ
ーティング処理するとき、コーティングした膜の剥離を
防ぐためにポリウレタン人工血管の場合、その内面には
スキン層のないものが望ましい、この場合コーティング
したポリマー組成物は安定に保持されるからである。
既述の説明で理解されるように1本発明の実施において
人工血管の壁内部に存在するヘパリンがIPN構造をと
り、又水膨潤性ポリマーのバリヤーをとおってヘパリン
が徐放されるために、人工血管の内壁内のヘパリン分子
が表面に移行する必要があり、少なくとも内腔を形成す
る人工血管内面に水とともにヘパリン分子が移行するに
充分なチャンネル孔が多孔性の管断面の壁体に必要なこ
とは言うまでもない、繊維の集合体又はフィブリル化し
た構造をもつポリエステル繊維や延伸ポリ四フッ化エチ
レンの人工血管は勿論この条件を満たすが、忠発明者ら
はポリウレタンを素材として好ましいコンプライアンス
をもった管内壁が多孔性のポリウレタン人工血管を得て
いる。
一般に人工血管を移植したときに、縫合部の宿主血管に
生じるステンレス(狭窄)は、宿主血管に比べて剛直な
人工血管では1拍動流に順応するコンプライアンス(順
応性)に欠け、血液の拍動に伴って血流の噴流(ジェッ
ト)が縫合部付近の宿主血管壁を異常に刺戟し、これを
受けて生体反応として宿主血管壁が肥厚すると本発明者
らは考えており、本発明の提案によるポリウレタン人工
血管は、適当なコンプライアンスをもつので本発明の実
施に特に好適である。
本発明の実施に占っては、既に述べたポリエステル高分
子tamの編織物、延伸ポリ四フッ化エチレンのチュー
ブ、多孔質ポリウレタン人工血管を始め、本発明の主旨
であるチューブ管壁にヘパリンを含浸させうるボイド(
空隙)のあるすべての人工血管に適用可能である。
本発明による人工血管は、既に述べたように、口径の小
さい人工血管に有用であるばかりでなく、血流のおそい
静脈用の血管としても実用化の道を開いたものである。
[実施例] 実施例1 単繊維度0.7デニルのポリエチレンテレフタレート繊
維よりなる平織チューブに蛇腹加工を施し、内径4mm
、長さ30ca+の人工血管をつくった。これを充分に
洗浄して乾燥後、20%のヘパリンを含む本溶液中に浸
してta雄集合体全部を充分にぬらして乾燥した。
これとは別に、分子量1350のポリテトラメチレング
リコールと4,4°−ジフェニルメタンジシアナートか
らプレポリマーをつくり、これを1.4−ブタンジオー
ルで鎖延長して得たポリウレタン(8部)をテトラヒド
ロフラン(90部)に溶かして溶液とし、この溶液に分
子量2400のポリエチレングリコール(8部)と、メ
チルトリアセトキシシラン(I5部)を夫々、前記テト
ラヒドロフラン溶液に加えて均一に溶かした。溶液はや
や粘いものである。
先に準備したヘパリン処理の平織チューブの内腔に、前
記テトラヒドロフラン溶液を一旦満たし、充分類溶液で
内面をぬらしたのちすぐに流去して、窒素気流中で乾燥
した。この操作によってポリエステル繊維の平織チュー
ブの内面はポリマー組成物で被覆され、メチルトリアセ
トキシシランは被覆組成物中に均一に分布する。窒素気
流中で乾燥したのち、この内面を水でぬらし、水溶性の
ポリエチレングリコールが流出しないように直ちに水を
切り、清浄なRH65%のところに放置した。水によっ
てメチルトリアセトキシシランは脱酢酸して架橋反応を
開始し、同時に水に溶けたヘパリンはポリマー被覆層に
にじみ出て来る。
この状態で架橋を完成させて内表面にヘパリン交絡のI
PN被膜をつくることが出来た。内表面に交絡したヘパ
リン分子以外にかなりのヘパリンは管断面の繊維集合体
の中に存在した。
実施例2 単繊維度が0.6デニルのポリエチレンテレフタレート
繊維のメリヤス編で内径4厘腸のチューブをつくり、蛇
腹加工を施した。これを実施例1と同じ方法でヘパリン
処理を行った。
分子量1800のポリテトラメチレングリコールと4.
4°−ジシクロへキシルジイソシアネートからプレポリ
マーをつくり、これをエチレンジアミンを鎖延長剤に用
いてポリウレタンウレアを調製した。
このポリウレタンウレア5部、分子量 120.000のポリビニルピロリドン4部、メチルト
リアセトキシシラン−ジメチルジアセトキシシラン混合
物(I:1)10部をジメチルアセトアミド79部に溶
かし、粘稠な溶液を得た。
この溶液で前記ヘパリン処理チューブの内面を窒素気流
中でコーティングし、窒素気流中で乾燥した。
その後、このチューブの内腔をヘパリン飽和水溶液でみ
たしてすぐこれを流去させた。内面をぬらした水はポリ
ビニルピロリドンを膨潤させ、同時に均一に分布してい
る珪素化合物は加水分解して脱酢醸し、再生した水酸基
は縮合反応をくり返して架橋ポリシロキサンとなるが、
管壁内に水が浸入してそこに存在するヘパリンを溶かし
、架橋反応がおこっている場にヘパリン分子はにじみ出
て来て、この生成しつつある架橋に交絡する。室温で乾
燥させ、更に空気中の湿気で架橋反応を完結させる。こ
のようにしてポリエステル人工血管の内面にヘパリンを
交絡させたIPN構造をつくらせることが出来る。
本例の場合も遊離のヘパリンは管を構成する繊維集合体
の中になおかなり存在した。
実施例3 ポリテトラメチレングリコール(分子量1200)と4
.4゛−ジフェニルメタンジイソシアネートと1.4−
ブタンジオールを原料として合成したポリウレタンをジ
メチルアセトアミドに溶解し、22%の溶液とした。
直径6.2m層の円形オリフィスから、精密に上記オリ
フィスと同心に設定された外径4mmのステンレス棒(
断面円形)を一定速度で押し出し、押し出されるステン
レス棒の全周表面に上記ステンレスとオリフィスの間隙
より、調製したポリウレタン溶液を均一に押し出し流延
しつつ、この棒を10℃の水中に押し出し、緩慢に凝固
させた。この場合、ポリウレタンの凝固は外部のみから
生じる。10℃の水中にこのまま一夜放置し凝固を完結
させて生成したポリウレタンチューブをとりはずし風乾
した。
得られたポリウレタンチューブは管断面は連続した空胞
群よりなり、管内面には異質の緻密層は存在せず、管壁
内部の空胞群の壁体と同質の内面であった。このチュー
ブのコンプライアンス(笹島ら2人工臓器、エヱ、17
9 (I983))は0.31であった。
このポリウレタンチューブを、ヘパリンを30重量%含
有する水溶液に浸して、チューブの空胞中にヘパリンの
水溶液が充分溝たされるようにした。そののち、これを
空乾した。
別に本例に用いたポリウレタンlO部、分子量3000
のポリエチレングリコール10部、テトラエトキシシラ
ン20部をテトラヒドロフラン/ジオキサン混合溶液(
混合比2:1)に溶かし均一溶液とした。
この溶液で前記ヘパリン処理ポリウレタンチューブの内
腔を一旦満たしてすぐ流去し、内面を溶液で均一にぬら
し、乾燥した。
酸性(pH=2)に調節した水でこのチューブの内腔面
をぬらしたのち水を流去し、室温で放置する。酸性の水
の作用でテトラエトキシシランは加水分解されて活性化
し、架橋反応がおこるが、この架橋反応の場に管壁内に
存在するヘパリンが水に誘起されて架橋反応の場に滲出
して来て、架橋分子にからまるためIPNを形成する。
このようにして内面がヘパリン含有IPNで被覆するこ
とが出来る0本例の場合、相当のヘパリンがポリウレタ
ンの人工血管の管壁の空胞内に存在した。
実施例4 実施例3のポリウレタンの合成に用いた1、4−ブタン
ジオールの代りにエチレンジアミンを用いてポリウレタ
ンウレアを合成し、これを用いて実施例3と同様に、ポ
リウレタンチューブを作成した。
このポリウレタンは管壁断面をみると連続した空胞群よ
りなっており、チューブ内面には異質のスキン構造がな
く、コンプライアンス値は0.37であった。
別に本例で用いたポリウレタンウレア5部、ヒアルウロ
ン酸5部、ポリビニルピロリドン3部、メチルトリアセ
トキシシラン−ジメチルジアセトキシシラン(I: 2
)i合物15部を含むジメチルアセトアミド溶液を調製
した。
この調製液で管断面空胞中にヘパリンを含有するポリウ
レタンチューブ内腔面をコーティングして窒素気流中で
乾燥した。
次にこのチューブの内腔を300.000単位のヘパリ
ンを含む水溶液で一旦満たし、直ちに流去し、内面をぬ
らした水が蒸発しないようにポリウレタンチューブの両
端を閉じて5時間保ち、その後両端を開放して風乾した
。水の作用で珪素化合物は活性化し架橋反応を行い、水
に溶けて、親木性ポリマー中に滲入したヘパリンをから
めてネットワークをつくりIPNを構成した。
試験例1 雑種成犬を用いて、実施例1及び3で作成した本発明の
人工血管を腸骨動脈から大腿動脈にかけて得られた人工
血管の太さとマツチするところを選んで、端一端結合で
移植した。移植実験は夫々6例づつ行った。
6ケ月後の結果を、夫々本発明の処理を行わないものと
の比較で下表に示した。
零 実施例1の対照比較 ■実施例3の対照比較 試験例2 雑種成犬を用いて、大腿動脈−大腿静脈のバイパス実験
を実施例2と4の本発明の人工血管を用いて行い、本発
明の処理を行わないものと比較した。結合方法は端側結
合によった。バイパスの全長は23C11とした。その
結果を下表に示す。
試験例3 実施例3.4の人工血管を37℃の温水で2週間洗浄し
、管壁に遊離に存在するヘパリンを出来る限り除去した
その後、チューブの内面をトルイジンブルーで染色して
、ヘパリンの存在を確認した。
このチューブを実施例5と同様に成犬の腸骨動脈に端一
端結合で移植したが、4ケ月を経ていずれも開存してい
た。
[発明の効果] 本発明の人工血管は、耐久性及び易縫合性に優れるのみ
ならず、小口径であっても長期開存性に憬れ、また本発
明の人工血管の製造方法によれば、化学的な手法を用い
ることなく人工血管の血液接触面にヘパリンを付加させ
、上記開存性に優れた人工血管を提供することができる

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、人工血管の管壁が多孔質のものであつて、この多孔
    質の空隙又は空孔内にヘパリン分子を内蔵し、かつ該人
    工血管の内腔を形成する内面をヘパリン分子を交絡した
    交互浸入網目構造を含むポリマー組成物で被覆させたこ
    とを特徴とする人工血管。 2、管壁が多孔質の人工血管を、ヘパリン含有水溶液で
    処理して、多孔質の空隙又は空孔部にヘパリンを内蔵さ
    せる工程( I )、 水溶性ポリマー、水膨潤性ポリマー、分子内に水溶性及
    び/又は水膨潤性ポリマー鎖をセグメントとして含有す
    るポリマーからなる群から選ばれた少なくともひとつと
    、水の存在で活性化し架橋を伴って高分子化するモノマ
    ーとを有機溶剤に溶かしてなる溶液で前記人工血管の内
    面を処理する工程(II)、 該人工血管の内面を水を用いて架橋反応を活性化させる
    工程(III) の各工程からなる人工血管の製造方法。
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