JPH06285150A - 人工血管 - Google Patents
人工血管Info
- Publication number
- JPH06285150A JPH06285150A JP5098343A JP9834393A JPH06285150A JP H06285150 A JPH06285150 A JP H06285150A JP 5098343 A JP5098343 A JP 5098343A JP 9834393 A JP9834393 A JP 9834393A JP H06285150 A JPH06285150 A JP H06285150A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blood vessel
- artificial blood
- treatment
- collagen
- chemical treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Prostheses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は人工血管に関し、特に不溶性コラ−ゲ
ンを用いプログロッティング不要な人工血管を提供す
る。 【構成】繊維質よりなる管状体の管壁に不溶性コラーゲ
ンを圧入し、続いてこれをそのまま未乾燥状態で化学的
処理を施した人工血管であり、その製造方法である。
ンを用いプログロッティング不要な人工血管を提供す
る。 【構成】繊維質よりなる管状体の管壁に不溶性コラーゲ
ンを圧入し、続いてこれをそのまま未乾燥状態で化学的
処理を施した人工血管であり、その製造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工血管に関し、特に不
溶性コラ−ゲンを用いプログロッティング不要な人工血
管に関する。
溶性コラ−ゲンを用いプログロッティング不要な人工血
管に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維を編んだり、或いは織ったり又は不
織布で管状体とた人工血管が広く臨床に使用されてい
る。
織布で管状体とた人工血管が広く臨床に使用されてい
る。
【0003】この従来の人工血管にあっては、血液の漏
れを防止するため、使用前に患者の血液あるいはアルブ
ミン等を用いてプレクロティング処理を行っていた。す
なわち、使用前人工血管を患者の血液中に浸漬、乾燥の
操作を繰返して人工血管の周囲に血栓を生じさせたり、
或いはアルブミン中に浸漬、乾燥を行って、血液の漏れ
を防ぐ操作を行っている。
れを防止するため、使用前に患者の血液あるいはアルブ
ミン等を用いてプレクロティング処理を行っていた。す
なわち、使用前人工血管を患者の血液中に浸漬、乾燥の
操作を繰返して人工血管の周囲に血栓を生じさせたり、
或いはアルブミン中に浸漬、乾燥を行って、血液の漏れ
を防ぐ操作を行っている。
【0004】しかし、緊急な手術の場合にはこのような
処理を行っていては間に合わない場合があり、また、手
術後、体内で線維素溶解が起こり再出血が生じる心配が
ある。アルブミン中に浸漬、乾燥を行った場合、通常オ
−トクレ−ブ処理を行うが、このようにして得た人工血
管は硬く針が通りにくいという欠点があった。そこで、
このプレクロティング処理に代る方法として事前にコラ
−ゲンあるいはゼラチンを人工血管表面に塗布し、これ
によって目詰まりさせた人工血管が開発されている。
処理を行っていては間に合わない場合があり、また、手
術後、体内で線維素溶解が起こり再出血が生じる心配が
ある。アルブミン中に浸漬、乾燥を行った場合、通常オ
−トクレ−ブ処理を行うが、このようにして得た人工血
管は硬く針が通りにくいという欠点があった。そこで、
このプレクロティング処理に代る方法として事前にコラ
−ゲンあるいはゼラチンを人工血管表面に塗布し、これ
によって目詰まりさせた人工血管が開発されている。
【0005】しかし、事前にコラ−ゲンあるいはゼラチ
ンをコ−ティングし、乾燥をした人工血管は柔軟性に欠
け、手術針の通りが悪く、また水分の吸収が遅く、更に
このコ−ティングした材料が剥がれ他の部位で問題を起
こしたり、或いは抗血栓性が悪い等の欠点があって満足
すべきものではなかった。
ンをコ−ティングし、乾燥をした人工血管は柔軟性に欠
け、手術針の通りが悪く、また水分の吸収が遅く、更に
このコ−ティングした材料が剥がれ他の部位で問題を起
こしたり、或いは抗血栓性が悪い等の欠点があって満足
すべきものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記の欠点
を改良し、柔軟性及び抗血栓性を有する目詰まりをした
人工血管を得るため種々検討した結果、本発明を完成し
たもので本発明の目的は柔軟性に富み針の通りが良く剥
離の心配もない人工血管を提供することにある。
を改良し、柔軟性及び抗血栓性を有する目詰まりをした
人工血管を得るため種々検討した結果、本発明を完成し
たもので本発明の目的は柔軟性に富み針の通りが良く剥
離の心配もない人工血管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、繊維質
よりなる管状体の管壁に不溶性コラーゲンを圧入し、続
いてこれをそのまま未乾燥状態で化学的処理を施した人
工血管であり、滅菌処理を要する場合には未乾燥状態で
化学処理した人工血管を、そのままオ−トクレ−ブ処理
を続行するのであり、また、化学処理を施す場合、化学
処理が化学架橋、サクシニル化、或いはアルカリ処理で
あることが好ましく、また、繊維質よりなる管状体の管
壁に不溶性コラーゲンを圧入し、これをそのまま未乾燥
状態で化学的処理を施したことを特徴とする人工血管の
製造方法であり、滅菌処理を要する場合は、繊維質より
なる管状体の管壁に不溶性コラーゲンを圧入し、これを
そのまま未乾燥状態で化学的処理を施した後、更にオー
トクレーブ処理を続行することを特徴とする人工血管の
製造方法である。
よりなる管状体の管壁に不溶性コラーゲンを圧入し、続
いてこれをそのまま未乾燥状態で化学的処理を施した人
工血管であり、滅菌処理を要する場合には未乾燥状態で
化学処理した人工血管を、そのままオ−トクレ−ブ処理
を続行するのであり、また、化学処理を施す場合、化学
処理が化学架橋、サクシニル化、或いはアルカリ処理で
あることが好ましく、また、繊維質よりなる管状体の管
壁に不溶性コラーゲンを圧入し、これをそのまま未乾燥
状態で化学的処理を施したことを特徴とする人工血管の
製造方法であり、滅菌処理を要する場合は、繊維質より
なる管状体の管壁に不溶性コラーゲンを圧入し、これを
そのまま未乾燥状態で化学的処理を施した後、更にオー
トクレーブ処理を続行することを特徴とする人工血管の
製造方法である。
【0008】本発明に用いる人工血管の材料としては、
合成繊維を編んだり、或いは織ったり又は不織布で管状
体としたものを使用する。この合成繊維としては、オ−
トクレ−ブ処理による滅菌作用に耐えられるものが好ま
しいが、特に制限は無く、例えばポリエステル(ダクロ
ン)やポリ四フッ化エチレン(テフロン)などの合成繊
維が使用される。また、その直径や形状或いはポロシテ
ィ−についても特に制限はない。使用する不溶性コラ−
ゲンとしてはテンドンコラ−ゲン、ハイドコラ−ゲン等
を使用することが出来る。本発明においては、この不溶
性コラ−ゲンを人工血管の内面より、或いは裏返しする
ことにより外面より圧入してポロシティを下げる。圧入
手段としては、例えばシリンジに前記不溶性コラ−ゲン
のサスペンシヨンを入れ、これを用いて人工血管の内部
に注入する。この場合不溶性コラ−ゲンのサスペンシヨ
ンの濃度は特に制限はないが、操作性より0.1〜2%
程度が適当である。また、pHについては特に制限な
い。この不溶性コラ−ゲンのサスペンシヨンに可溶性コ
ラ−ゲンを混合しても良く、可溶性コラ−ゲンとしては
アテロコラ−ゲン、酸可溶性コラ−ゲン、アルカリ可溶
化コラ−ゲン、サクシニル化コラ−ゲン等である。
合成繊維を編んだり、或いは織ったり又は不織布で管状
体としたものを使用する。この合成繊維としては、オ−
トクレ−ブ処理による滅菌作用に耐えられるものが好ま
しいが、特に制限は無く、例えばポリエステル(ダクロ
ン)やポリ四フッ化エチレン(テフロン)などの合成繊
維が使用される。また、その直径や形状或いはポロシテ
ィ−についても特に制限はない。使用する不溶性コラ−
ゲンとしてはテンドンコラ−ゲン、ハイドコラ−ゲン等
を使用することが出来る。本発明においては、この不溶
性コラ−ゲンを人工血管の内面より、或いは裏返しする
ことにより外面より圧入してポロシティを下げる。圧入
手段としては、例えばシリンジに前記不溶性コラ−ゲン
のサスペンシヨンを入れ、これを用いて人工血管の内部
に注入する。この場合不溶性コラ−ゲンのサスペンシヨ
ンの濃度は特に制限はないが、操作性より0.1〜2%
程度が適当である。また、pHについては特に制限な
い。この不溶性コラ−ゲンのサスペンシヨンに可溶性コ
ラ−ゲンを混合しても良く、可溶性コラ−ゲンとしては
アテロコラ−ゲン、酸可溶性コラ−ゲン、アルカリ可溶
化コラ−ゲン、サクシニル化コラ−ゲン等である。
【0009】コラ−ゲンを圧入後、この人工血管を乾燥
すること無く、化学処理を行う。化学処理には化学的架
橋と化学的修飾とがあり、何れか一方を施しても良く、
また、両方を施しても良く、両方を施す場合何れの処理
を先に施しても良い。化学処理の一つである化学的架橋
を行うことにより、生体内の分解性の調整、抗原性の低
減、あるいは物理的強度を高めることが可能である。架
橋剤としては通常コラ−ゲンの架橋に用いられているも
のであれば何でも良い。例えば、ホルマリン、グルタ−
ルアルデヒト、ヘキサメチレンシイソシアナ−ト、ポリ
エポキシ化合物、ジアルデヒトでん粉等である。
すること無く、化学処理を行う。化学処理には化学的架
橋と化学的修飾とがあり、何れか一方を施しても良く、
また、両方を施しても良く、両方を施す場合何れの処理
を先に施しても良い。化学処理の一つである化学的架橋
を行うことにより、生体内の分解性の調整、抗原性の低
減、あるいは物理的強度を高めることが可能である。架
橋剤としては通常コラ−ゲンの架橋に用いられているも
のであれば何でも良い。例えば、ホルマリン、グルタ−
ルアルデヒト、ヘキサメチレンシイソシアナ−ト、ポリ
エポキシ化合物、ジアルデヒトでん粉等である。
【0010】化学処理の他の一つである化学修飾は、圧
入したコラ−ゲンをサクシニル化あるいはアルカリ処理
等であり、これにより抗血栓性を高めたり、あるいは含
水量を高めることが可能となる。なお化学修飾を行わず
に化学架橋のみを行うことも可能である。滅菌状態で上
記の操作を行って人工血管を製造した場合にはそのまま
の状態で使用できるが、得られた人工血管を滅菌処理を
場合にはオ−トクレ−ブ処理が好ましい。オ−トクレ−
ブ処理を行う場合、化学処理後、過剰の処理剤を除去し
た後にそのまま乾燥することなく、その状態でオ−トク
レ−ブ処理を行う。このオ−トクレ−ブ処理をした後、
滅菌状態で保管しておき、必要時にそのままで使用する
ことが可能である。最初の不溶性コラ−ゲンの圧入によ
りポロシティ−を下げることで最終のオ−トクレ−ブ後
においてもその低いポリシティ−を維持することが可能
である。
入したコラ−ゲンをサクシニル化あるいはアルカリ処理
等であり、これにより抗血栓性を高めたり、あるいは含
水量を高めることが可能となる。なお化学修飾を行わず
に化学架橋のみを行うことも可能である。滅菌状態で上
記の操作を行って人工血管を製造した場合にはそのまま
の状態で使用できるが、得られた人工血管を滅菌処理を
場合にはオ−トクレ−ブ処理が好ましい。オ−トクレ−
ブ処理を行う場合、化学処理後、過剰の処理剤を除去し
た後にそのまま乾燥することなく、その状態でオ−トク
レ−ブ処理を行う。このオ−トクレ−ブ処理をした後、
滅菌状態で保管しておき、必要時にそのままで使用する
ことが可能である。最初の不溶性コラ−ゲンの圧入によ
りポロシティ−を下げることで最終のオ−トクレ−ブ後
においてもその低いポリシティ−を維持することが可能
である。
【0011】以上一連の操作により得られる人工血管は
非常に柔軟性に富み、針の通りもスム−ズなものであ
り、さらに抗血栓性にも優れた人工血管である。以上充
分柔軟な人工血管であるが、さらなる柔軟性が必要な場
合にはグリセリンを含有させることにより達成すること
が出来る。
非常に柔軟性に富み、針の通りもスム−ズなものであ
り、さらに抗血栓性にも優れた人工血管である。以上充
分柔軟な人工血管であるが、さらなる柔軟性が必要な場
合にはグリセリンを含有させることにより達成すること
が出来る。
【0012】以上本願発明においては、不溶性コラ−ゲ
ンを使用し、一連の操作を乾燥すること無く湿潤状態で
行うことが重要であって、その操作過程において乾燥し
たもの、及び可溶性コラ−ゲンを使用した場合との差異
を図1〜4に示す。これら図はそれぞれの電子顕微鏡で
あって、これらの写真の下に示した白線は100ミクロ
ンを示す。
ンを使用し、一連の操作を乾燥すること無く湿潤状態で
行うことが重要であって、その操作過程において乾燥し
たもの、及び可溶性コラ−ゲンを使用した場合との差異
を図1〜4に示す。これら図はそれぞれの電子顕微鏡で
あって、これらの写真の下に示した白線は100ミクロ
ンを示す。
【0013】図1は本願発明にかかる人工血管の内面の
状態を示し、図2は圧入後乾燥し、しかる後、化学処理
を施した人工血管の内面の状態を示したものであり、ま
た、図3は可溶性コラ−ゲンであるアテロコラ−ゲンを
用いた場合、図4は不溶性コラ−ゲンを減圧注入した場
合である。以下、実施例をもって本発明を具体的に説明
する。
状態を示し、図2は圧入後乾燥し、しかる後、化学処理
を施した人工血管の内面の状態を示したものであり、ま
た、図3は可溶性コラ−ゲンであるアテロコラ−ゲンを
用いた場合、図4は不溶性コラ−ゲンを減圧注入した場
合である。以下、実施例をもって本発明を具体的に説明
する。
【0014】
実施例1 テンドンコラ−ゲン線維31.3gを精製水21中に分
散、膨潤させ、分散液のpHを1NHClを用いて3.
0に合わせる。この分散液をホモジナイズし0.25%
テンドンコラ−ゲン分散液を調整する。ポリエステル繊
維製人工血管を約20cm長に切断しそのまま、あるい
は裏返した後、一端を密栓する。更に他端に3方活栓を
介して50ml容シリンジからテンドンコラ−ゲン分散
液を押しだしポリエステル製人工血管の管壁でコラ−ゲ
ン分散液を濾過するようにしながらコラ−ゲン分散液を
圧入を行う。これを分散液の漏れが止まるまで繰り返
す。圧入した後、外面に付着した過剰のテンドンコラ−
ゲン分散液を拭き取り、更に裏返して反対側の面に付着
した過剰のテンドンコラ−ゲン分散液を拭き取る。その
後圧入されていない人工血管の両端部分を切り落とす。
圧入が完了した人工血管を中和するため、0.02M炭
酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(50%エタ
ノ−ル)を作成し、前記圧入が完了した人工血管をこの
緩衝液に室温で数時間浸漬する。その後同緩衝液に1%
濃度となるように架橋剤のポリエチレングリコ−ルジグ
リシジ−ルエ−テル(ナガセ化成工業製デナコ−ルEX
−810)を加え架橋浴を調整する。この架橋浴中に前
記の圧入の終了した人工血管を浸漬し、30℃で10時
間、架橋化反応を行う。この反応によるリジン残基の側
鎖アミノ基の反応率は65%であった。架橋化の終了後
精製水で洗浄する。その後、0.2Mグリシン−0.2
M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム溶液を調整しこ
の溶液に人工血管を浸漬し30℃で22時間反応させ、
末反応のエポキシ基を失活させる。その後精製水を用い
て水洗し、その後、オ−トクレ−ブ処理を121℃、2
0分間行った。この血管を犬の大動脈に移植したとこ
ろ、出血も見られず針の通りもスム−ズな血管であっ
た。また移植後も組織との馴染みも大変良く短期に内皮
細胞に覆われ良好な治癒を示した。
散、膨潤させ、分散液のpHを1NHClを用いて3.
0に合わせる。この分散液をホモジナイズし0.25%
テンドンコラ−ゲン分散液を調整する。ポリエステル繊
維製人工血管を約20cm長に切断しそのまま、あるい
は裏返した後、一端を密栓する。更に他端に3方活栓を
介して50ml容シリンジからテンドンコラ−ゲン分散
液を押しだしポリエステル製人工血管の管壁でコラ−ゲ
ン分散液を濾過するようにしながらコラ−ゲン分散液を
圧入を行う。これを分散液の漏れが止まるまで繰り返
す。圧入した後、外面に付着した過剰のテンドンコラ−
ゲン分散液を拭き取り、更に裏返して反対側の面に付着
した過剰のテンドンコラ−ゲン分散液を拭き取る。その
後圧入されていない人工血管の両端部分を切り落とす。
圧入が完了した人工血管を中和するため、0.02M炭
酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液(50%エタ
ノ−ル)を作成し、前記圧入が完了した人工血管をこの
緩衝液に室温で数時間浸漬する。その後同緩衝液に1%
濃度となるように架橋剤のポリエチレングリコ−ルジグ
リシジ−ルエ−テル(ナガセ化成工業製デナコ−ルEX
−810)を加え架橋浴を調整する。この架橋浴中に前
記の圧入の終了した人工血管を浸漬し、30℃で10時
間、架橋化反応を行う。この反応によるリジン残基の側
鎖アミノ基の反応率は65%であった。架橋化の終了後
精製水で洗浄する。その後、0.2Mグリシン−0.2
M炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム溶液を調整しこ
の溶液に人工血管を浸漬し30℃で22時間反応させ、
末反応のエポキシ基を失活させる。その後精製水を用い
て水洗し、その後、オ−トクレ−ブ処理を121℃、2
0分間行った。この血管を犬の大動脈に移植したとこ
ろ、出血も見られず針の通りもスム−ズな血管であっ
た。また移植後も組織との馴染みも大変良く短期に内皮
細胞に覆われ良好な治癒を示した。
【0015】実施例2 実施例1と同様に架橋、洗浄、失活を行った後にその血
管を0.02Mホウ砂緩衝液(pH9.0):200m
lに浸漬しpHを9.0に調整する。ここに5%無水コ
ハク酸/アセトン溶液:400mlを加え室温で一夜攪
拌しサクシニル化を行う。以上の反応によりリジン残基
の側鎖アミノ基の反応率は89%であった。サクシニル
化の終了した人工血管を精製水で洗浄し、その後、オ−
トクレ−ブ処理を121℃、20分間行う。この血管を
犬の大動脈に移植したところ、出血も見られず針の通り
もスム−ズな血管であった。また移植後も組織との馴染
みも良く血管壁に線維芽細胞の進入が見られ、また血管
内面は内皮細胞に覆われ良好な治癒を示した。
管を0.02Mホウ砂緩衝液(pH9.0):200m
lに浸漬しpHを9.0に調整する。ここに5%無水コ
ハク酸/アセトン溶液:400mlを加え室温で一夜攪
拌しサクシニル化を行う。以上の反応によりリジン残基
の側鎖アミノ基の反応率は89%であった。サクシニル
化の終了した人工血管を精製水で洗浄し、その後、オ−
トクレ−ブ処理を121℃、20分間行う。この血管を
犬の大動脈に移植したところ、出血も見られず針の通り
もスム−ズな血管であった。また移植後も組織との馴染
みも良く血管壁に線維芽細胞の進入が見られ、また血管
内面は内皮細胞に覆われ良好な治癒を示した。
【0016】実施例3 実施例1と同様に架橋、洗浄、失活を行った後にその血
管を0.2MNaOH溶液200mlに浸漬し室温で一
晩放置しアルカリ処理を行う。この血管を充分に洗浄
し、そり後、オ−トクレ−ブ処理を121℃、20分間
行う。
管を0.2MNaOH溶液200mlに浸漬し室温で一
晩放置しアルカリ処理を行う。この血管を充分に洗浄
し、そり後、オ−トクレ−ブ処理を121℃、20分間
行う。
【0017】実施例4 実施例1と同様に人工血管にテンドンコラ−ゲンを詰め
た後にデナコ−ルEX−810の代わりにグルタ−ルア
ルデヒドを用いた架橋を行った。30℃、2時間の反応
によりリジン残基の側鎖アミノ基の反応率は85%であ
った。その後実施例1と同様に処理を行った。
た後にデナコ−ルEX−810の代わりにグルタ−ルア
ルデヒドを用いた架橋を行った。30℃、2時間の反応
によりリジン残基の側鎖アミノ基の反応率は85%であ
った。その後実施例1と同様に処理を行った。
【0018】ボロシティ−8000の人工血管に実施例
1と同様にテンドンコラ−ゲンを圧入後、過剰のテンド
ンコラ−ゲンを遠心分離(2000rpm、2分間)に
より除去する。その後1%NH4OH−MeOH溶液浸
漬後、MeOH中1%ヘキサメチレンジイソシアナ−ト
により架橋を行う。過剰のヘキサメチレンジイソシアナ
−トをMeOHで充分に洗浄した後、水に置き換え使用
する。上記のボロシティ−の値は管壁の透過性を示す値
であって、120mmHgの圧力下で測定する。そして
その値の単位はml/cm2・minである。
1と同様にテンドンコラ−ゲンを圧入後、過剰のテンド
ンコラ−ゲンを遠心分離(2000rpm、2分間)に
より除去する。その後1%NH4OH−MeOH溶液浸
漬後、MeOH中1%ヘキサメチレンジイソシアナ−ト
により架橋を行う。過剰のヘキサメチレンジイソシアナ
−トをMeOHで充分に洗浄した後、水に置き換え使用
する。上記のボロシティ−の値は管壁の透過性を示す値
であって、120mmHgの圧力下で測定する。そして
その値の単位はml/cm2・minである。
【0019】
【発明の効果】本発明で得られた人工血管は、血液の漏
れがなく、非常に柔軟性に富み、針の通りもスム−ズな
ものであり、さらに抗血栓性にも優れた人工血管であ
る。そして更にグリセリンを含有した場合には、さらに
柔軟性を有する人工血管を得ることができる。
れがなく、非常に柔軟性に富み、針の通りもスム−ズな
ものであり、さらに抗血栓性にも優れた人工血管であ
る。そして更にグリセリンを含有した場合には、さらに
柔軟性を有する人工血管を得ることができる。
【図1】本発明にかかる人工血管の内面の電子顕微鏡写
真
真
【図2】不溶性コラ−ゲン圧入後乾燥し、しかる後、化
学処理を施した人工血管の内面の電子顕微鏡写真
学処理を施した人工血管の内面の電子顕微鏡写真
【図3】可溶性コラ−ゲンを圧入後乾燥した人工血管の
内面の電子顕微鏡写真
内面の電子顕微鏡写真
【図4】不溶性コラ−ゲンを減圧注入後湿潤状態で化学
処理を施した人工血管の内面の電子顕微鏡写真
処理を施した人工血管の内面の電子顕微鏡写真
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 博 東京都目黒区中根2−11−21株式会社高研 研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 繊維質よりなる管状体の管壁に不溶性コ
ラーゲンを圧入し、続いてこれをそのまま未乾燥状態で
化学的処理を施した人工血管。 - 【請求項2】 未乾燥状態で化学処理後、そのままオ−
トクレ−ブ処理を続行する請求項1記載の人工血管。 - 【請求項3】 化学処理が化学架橋、サクシニル化、或
いはアルカリ処理である請求項1記載の人工血管。 - 【請求項4】 繊維質よりなる管状体の管壁に不溶性コ
ラーゲンを圧入し、これをそのまま未乾燥状態で化学的
処理を施したことを特徴とする人工血管の製造方法。 - 【請求項5】 繊維質よりなる管状体の管壁に不溶性コ
ラーゲンを圧入し、これをそのまま未乾燥状態で化学的
処理を施した後、更にオートクレーブ処理を続行するこ
とを特徴とする人工血管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5098343A JPH06285150A (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 人工血管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5098343A JPH06285150A (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 人工血管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06285150A true JPH06285150A (ja) | 1994-10-11 |
Family
ID=14217266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5098343A Pending JPH06285150A (ja) | 1993-04-02 | 1993-04-02 | 人工血管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06285150A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007282514A (ja) * | 2006-04-12 | 2007-11-01 | Applied Cell Biotechnologies Inc | コラーゲン類生産方法及びコラーゲン類 |
WO2010106943A1 (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-23 | 有限会社ナイセム | 柔軟剤及び/又は保湿剤含有生体埋込用医療材料、該医療材料中の柔軟剤及び/又は保湿剤の含有量を調整する方法及び、該生体内埋込用医療材料の製造方法 |
US20110033927A1 (en) * | 2009-04-01 | 2011-02-10 | Worcester Polytechnic Institute | Methods of generating small-diameter tissue engineered blood vessels |
US8263187B2 (en) | 2003-03-31 | 2012-09-11 | Teijin Limited | Composite of support matrix and collagen, and method for production of support matrix and composite |
JP2019172720A (ja) * | 2018-03-27 | 2019-10-10 | 大日精化工業株式会社 | 水不溶性成形体の製造方法及び水不溶性成形体 |
-
1993
- 1993-04-02 JP JP5098343A patent/JPH06285150A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8263187B2 (en) | 2003-03-31 | 2012-09-11 | Teijin Limited | Composite of support matrix and collagen, and method for production of support matrix and composite |
JP2007282514A (ja) * | 2006-04-12 | 2007-11-01 | Applied Cell Biotechnologies Inc | コラーゲン類生産方法及びコラーゲン類 |
WO2010106943A1 (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-23 | 有限会社ナイセム | 柔軟剤及び/又は保湿剤含有生体埋込用医療材料、該医療材料中の柔軟剤及び/又は保湿剤の含有量を調整する方法及び、該生体内埋込用医療材料の製造方法 |
JP2010213984A (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-30 | Naisemu:Kk | 柔軟剤及び/又は保湿剤含有生体埋込用医療材料、該医療材料中の柔軟剤及び/又は保湿剤の含有量を調整する方法及び、該生体内埋込用医療材料の製造方法 |
US20110033927A1 (en) * | 2009-04-01 | 2011-02-10 | Worcester Polytechnic Institute | Methods of generating small-diameter tissue engineered blood vessels |
JP2019172720A (ja) * | 2018-03-27 | 2019-10-10 | 大日精化工業株式会社 | 水不溶性成形体の製造方法及び水不溶性成形体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3784798B2 (ja) | ポリテトラフルオロエチレン製の埋め込み可能なチューブ状プロテーゼ | |
US4747848A (en) | Vascular grafts | |
KR920000459B1 (ko) | 다당류 유도체가 도포된 인공혈관과 그 제조방법 | |
KR100333088B1 (ko) | 연조직확대를위한주입가능한조성물들 | |
US4902290A (en) | Process for the preparation of a vessel prosthesis impregnated with crosslinked gelatin | |
US3106483A (en) | Synthetic blood vessel grafts | |
JPH0575429B2 (ja) | ||
JP2002532134A (ja) | 組織の固定方法 | |
US4690973A (en) | Production process of an antithrombogenic and antiadhesive material for medical use | |
US5120833A (en) | Method of producing grafts | |
JPH06285150A (ja) | 人工血管 | |
KR20000057130A (ko) | 인공 식도 | |
CN1158338C (zh) | 化学交联结构的海绵状丝素凝胶材料制备方法 | |
CN108452366B (zh) | 一种鳕鱼皮明胶复合止血敷料及其制备方法 | |
JPS61263448A (ja) | 血管補綴物 | |
CN111068113B (zh) | 一种纳米纤维涂层人造血管、涂层的制备方法及制备装置 | |
JP2001346866A (ja) | ハイブリッド樹脂材料およびその製造方法 | |
JPS60190966A (ja) | 抗血栓性材料 | |
US3093440A (en) | Process for preparing collagenous material tanned with polyacrolein | |
JPS62258670A (ja) | 人工血管及びその製造方法 | |
AU724790B2 (en) | Tubular polytetrafluoroethylene implantable prostheses | |
JPH04187154A (ja) | 人工血管およびパッチ | |
JP2007252699A (ja) | ゲル組成物、それを用いた移植用材料及びそれらの製造方法 |