JPS6225822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動販売機等における物品取出口構
造に関する。

（従来の技術） 例えば、自動販売機においては、特開昭52−
106800号公報で示すように、販売機扉の前面パネ
ルに物品取出口を形成すると共に、パネルに、物
品取出口の後方に位置する平板状の蓋体をその上
端部で回動自在に備えて、蓋体を、物品取出口を
閉塞する閉塞位置と、その後方側回動位置で且つ
物品取出口を開放する開放位置とに位置変更自在
とし、物品取出口の下端開口縁部を蓋体の下端部
の前方側に位置させたものがある。

上記従来のものでは、蓋体は、物品取出口を閉
塞する閉塞位置から後方側にのみ回動自在とされ
ているため、自動販売機内部の物品が物品取出口
から盗み出されることを蓋体により防止できると
云う利点がある。

（考案が解決しようとする問題点） 然し乍ら、上記従来のものでは、蓋体が平板状
とされていたため、雨水が物品取出口の下端開口
縁部と蓋体の下端部間に吹付けて、上記両者間か
ら内部に侵入し易いが、従来においては、この内
部に侵入した雨水に対する対策は何らなされてお
らず、そのため、内部に侵入した雨水が内部の機
器に悪影響を及ぼすと云う問題があつた。

ところで、雨水の問題を根本的に解決するため
に、蓋体の断面を前方に突出するくの字状とし
て、蓋体の前方突出部分によつて、雨水が物品取
出口の下端開口縁部と蓋体の下端部間に吹付けに
くくすることも考えられる。

然し乍ら、上記のようにすると、物品取出口の
側端開口縁部と蓋体の前方突出部分間にドライバ
ー等のものが突込まれることにより、蓋体が前方
側に容易にこじあけられ易すくなり、自動販売機
内部の物品が物品取出口から盗み出され易すいと
云う問題が生じる。

従つて、蓋体は特開昭52−106800号公報で示す
ように平板状であることが望ましく、それ故、蓋
体を平板状として、何らかの雨水対策をとること
が要望されている。

本考案は、上記問題を解決できる物品取出口構
造を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく、本考案が採用した手
段は、パネルに物品取出口を形成すると共に、パ
ネルに、物品取出口の後方に位置する平板状の蓋
体をその上端部で回動自在に備えて、蓋体を、物
品取出口を閉塞する閉塞位置と、その後方側回動
位置で且つ物品取出口を開放する開放位置とに位
置変更自在とし、物品取出口の下端開口縁部を蓋
体の下端部の前方側に位置させたものにおいて、 物品取出口の下端開口縁部に対して、蓋体の下
端部にその下方側で沿設されて雨水等を排出する
樋部を後方側で連設した点にある。

（作用） 物品取出口から物品が取出される際には、蓋体
が閉塞位置から開放位置に後方側へ回動せしめら
れて、物品取出口が開放され、物品取出口から物
品が取出される。

物品取出口の下端開口縁部と蓋体の下端部間か
ら雨水が内部に吹込んでも、この吹込んだ雨水は
樋部により排出される。

実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基き説明すれ
ば、１は自動販売機本体であつて、その下部に台
部２を有し、台部２は矩形状の天板部３と、該天
板部３の四周縁部から下設された側板部４とから
成る。５は商品払出シユートで、前下り状に配置
され、その前下端部が台部２の天板部３前部にブ
ラケツト６を介して固定具７により着脱自在に取
付けられている。８は自動販売機扉であつて、そ
の左右一側を介して本体１に縦軸廻りに前方側に
開閉自在に枢支されている。９は自動販売機扉８
の前面パネルであつて、その下部には、払出シユ
ート５下端部上の商品を外部に取出し可能な矩形
状の商品取出口１０が形成されると共に、前面パ
ネル９の下端部は後方突出状に折曲げられて底板
部１１が形成され、しかも、底板部１１の後端部
は上方突出状に折曲げられて上方突設部１２とさ
れている。１３は取出口１０を前面パネル９の後
方側へ閉塞する蓋体であつて、透明樹脂材等によ
り平板状に構成されている。蓋体１３はその上端
部で前面パネル９後面側の左右一対のブラケツト
１４に横軸１５を介して回動自在に備えられて、
図面で示すように、取出口１０を閉塞する閉塞位
置と、その後方側回動位置であつて且つ取出口１
０を開放する開放位置とに位置変更自在とされて
いる。蓋体１３の下端部の前方側には取出口１０
の下側開口縁部１６が位置しており、これによ
り、蓋体１３の前方側へのこじあけが防止されて
いる。１７は払出シユート５上を滑落してきた商
品を受止める板状のシユートストツパであつて、
前面パネル９の下部後方側に前上りの傾斜状に配
置され、その後端部が前面パネル９の底板部１１
の突設部１２に固定具１８により着脱自在に取付
けられている。また、ストツパ１７の前端部には
門形状の門形部１９が形成され、該門形部１９が
取出口１０の下端開口縁部１６に上方側から嵌着
されて、上記下側開口縁部１６の補強が図られる
と共に、ストツパ１７と前面パネル９の下部間に
は空間２０が形成されている。また、ストツパ１
７における蓋体１３下端の下方側にあたる部分は
弯曲状に下方に凹設されて、蓋体１３下端に沿う
横方向の樋部２１が取出口１０の下側開口縁部１
６にその後方側で連設状として形成されている。
樋部２１の底壁側には単一若しくは横方向に複数
個の排水孔２２が形成され、これに対応して、前
面パネル９の底板部１１及び台部２の天板部３に
おける上記排出孔２２の真下位置若しくは該位置
から外れた位置には、排水孔２３，２４が夫々形
成されている。

上記のように構成した実施例によれば、取出口
１０を閉塞する蓋体１３が前面パネル９後方側で
平板状とされると共に、取出口１０におけるスト
ツパ１７の門形部１９により補強された下側開口
縁部１６が蓋体１３の前方側に位置するので、蓋
体１３が前方側にこじあけられることはなく、蓋
体１３のこじあけによる商品の盗難の惧れはな
い。ところで、蓋体１３が平板状であることか
ら、取出口１０の下側開口縁部１６と蓋体１３と
の間には雨水が吹付け易すいが、上記のように吹
付けた雨水が蓋体１３の下端部とストツパ１７間
に吹込んでも、この吹込んだ雨水は樋部２１によ
つて自動販売機内部への侵入を防止されるので、
雨水が自動販売機内部の機器に悪影響を及ぼすこ
とはない。また、樋部２１内の雨水は排水孔２
２，２３，２４を通つて自動販売機の下方へ好適
に排出され、樋部２１から雨水が溢れ出る惧れも
ない。なお実施例では樋部に排水孔を形成した
が、樋部に排水孔を形成せずに、樋部を長手方向
に関して傾斜させ、これでもつて樋部内の雨水を
外部に排出するようにしてもよい。

なお、実施例は本考案を自動販売機に適用した
ものであるが、本考案はその他の物品取出口構造
に対しても適用可能である。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案によれば、蓋体を
平板状としたので、蓋体のこじあけによる物品の
盗難の惧れを少なくできると共に、物品取出口の
下端開口縁部に対して、蓋体の下端部にその下方
側で沿設されて雨水等を排出する樋部を後方側で
連設したので、平板状の蓋体と物品取出口の下端
開口縁部との間に雨水等が吹込んでも、該雨水等
を樋部により良好に排出でき、従つて、上記吹込
んだ雨水等が内部の機器等に悪影響を及ぼすこと
はない。本考案は上記各種の利点を有すると共
に、その構造は簡易でローコストで実施可能であ
り、実益大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す縦側断面図であ
る。 ９……前面パネル、１０……商品取出口（物品
取出口）、１３……蓋体、１６……下側開口縁
部、１７……シユートストツパ、２１……樋部、
２２，２３，２４……排水孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 パネルに物品取出口を形成すると共に、パネル
   に、物品取出口の後方に位置する平板状の蓋体を
   その上端部で回動自在に備えて、蓋体を、物品取
   出口を閉塞する閉塞位置と、その後方側回動位置
   で且つ物品取出口を開放する開放位置とに位置変
   更自在とし、物品取出口の下端開口縁部を蓋体の
   下端部の前方側に位置させたものにおいて、 物品取出口の下端開口縁部に対して、蓋体の下
   端部にその下方側で沿設されて雨水等を排出する
   樋部を後方側で連設したことを特徴とする物品取
   出口構造。